TSオリ主は完璧なチートオリ主になりたいようです【本編完結】   作:GT(EW版)

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それでも僕はオリ主である

 ……わかった。そうか、そういうことだったのか。

 要は、こういう話なのだろう。重大な事実を悟った僕は、アニメ「フェアリーセイバーズ∞」の制作事情を例のコピペ風に想像してみた。

 

 

 

 

 

スタッフ「よし、このアニメも形になってきたな!」

 

プロデューサー(カロン様)「んほぉ~このオリ主たまんねぇぜぇ~」

 

プロデューサー(カロン様)「エイトちゃんの設定だけで抜けるわぁ……」

 

スタッフ(うわぁ来たよ……)

 

プロデューサー(カロン様)「シナリオの進行はどうだい?」シコシコ

 

スタッフ「現在PSYエンス編完結まで進んでいます。次は異世界編なんですが……」

 

プロデューサー(カロン様)「異能使いである主人公が無能力者のヒロインと共に旅をする物語……ふんふん……」

 

プロデューサー(カロン様)「このヒロインの子誰?」

 

スタッフ「前作通り灯さんですね」

 

プロデューサー(カロン様)「そっかぁ……」

 

プロデューサー(カロン様)「このアニメなんか違うんだよね……リブート前に忠実すぎるというか……ひねりがないよねぇ」

 

スタッフ「うわぁ……」(そうですか…)

 

プロデューサー(カロン様)「そうだ! このヒロインを途中で離脱させて別の真ヒロインをカッコ良く登場させようよ!」

 

プロデューサー(カロン様)「もちろん真ヒロインはエイトちゃんね! これは面白くなるぞ!」

 

 

 

 ……多分、こんな感じの真相である。

 そう──有り体に言うと「んほった」のだ。番組のプロデューサー、すなわちカロン様が。

 

 おのれ……おのれカロン様Pっ!

 

 よりにもよって、僕でんほることはないだろォ……女神様っぽい権力を使うのはいいけど、公式化をゴリ押すのはやめてよ……ううっ。

 確かに僕はチートオリ主としての魅力には自信があるが、オリ主にはオリ主に相応しい舞台ってものがあるのだ。適材適所という奴である。

 ぼくがかんがえたさいきょうにカッコいいキャラクターというのは、活躍する舞台が二次創作SSだからこそ存在が許されるのである。公式でやったらダメでしょうよー!

 

 それも「フェアリーセイバーズ」という二十年来の名作アニメで「んほる」なんて、百害あって一利なしである。

 やだなぁ……絶対向こうの視聴者に嫌われてるよアニメの僕。

 灯ちゃんを差し置いて、突然出てきて真ヒロイン面してくる新ヒロインなんて、長年のファンほど許容し難い筈である。メアリー・スーの公式化など笑い話にもならないのだ。

 そもそもなんで僕がヒロインポジションなんだよ……おかしいだろ。なんだよこのOPに出てくる薄幸そうな美少女は……これがT.P.エイト・オリーシュアとか解釈違いです。せめてもっとこう、ヒーロー然とした感じに扱ってほしいよね!

 

 ああ……僕は今、初めてカロン様に対して憤りを感じている……!

 

「いや、濡れ衣だから。カロン姉さんは一切この世界のアニメに関わっていないからね? 何のことだよプロデューサーって……」

 

 えっ、そうなの?

 

 ……そっか、ごめんなさいカロン様。冤罪でした。

 あまりにも想定外な事態に、ついヒートアップしてしまった。正気じゃなかったのは僕の方だったね。申し訳ない。

 

「キミって急に落ち着くよね」

 

 そうかな? 切り替えが早い方だと言われたことはあるけど。

 

 ……いや、やっぱつれぇわ。僕は自分の黒歴史ノートとか見られても平気な方だけど、ここまで規模が大きくなると流石に堪える。

 例えるなら仲の良い友人が善かれと思い、自作のネット小説を「アイツこんな小説書いているんだぜー!」と知り合い全員に拡散してきたような気分である。悪気が全く無いのだろうから質が悪い。

 

 はぁ……みんなも僕のこと、そういう目で見ているのかなぁ……?

 

 作中でヒロイン扱いされているのが解釈違い過ぎて恥ずかしいのもあるが、何よりあっちの視聴者さんたちにどう思われているのかが不安すぎて怖いよね。

 きっとマイフレンドみたいな往年のファンたちからは、「このエイトとかいう新キャラのせいでせっかくのリブートが台無しじゃ!」とか思われているんだろうなぁ……悲しい。

 

「キミって妙なことでナーバスになるよね……そういうところだぞ」

 

 どういうところだよ?

 

「いじらしくて、とても可愛らしいってことだよ」

 

 やめろ、微笑ましいものを見るような目で見るな。

 何だその慈愛に満ちた眼差しは。天使かって言う……天使だったわ。マジモンの大天使様でしたわ。だからもう少しこのまま甘えさせてもらうねおばあちゃん。ご慈悲を。

 

「よしよし、怖くない怖くない」

 

 あ~ダァトの膝の上は快適よのう。

 これが巷で聞いたバブみって奴かね? 幼児退行した思考が元に戻るまで、僕はしばらく彼女の膝枕に身を任せて微睡んでいることにした。うむ、役得である。脚が痺れたらごめんなさい。アレは辛いからね……

 

「膝枕にはコツがあるんだよ。慣れるとそんなに痺れないよ」

 

 なるほど。やっぱりダァトお婆ちゃんは頼りになるぜー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ……少し楽になったよ、サンキューダァト。マイエンジェル。

 

「お安い御用さ」

 

 パチンと爽やかなウインクを返す彼女に、僕はフッと微笑みを浮かべる。かわいいダァトとクールなエイトちゃんの対比である。イカすぜ。

 常の冷静さを取り戻した僕は起き上がって顔をぺしぺしと叩くと、ようやく現実と向き合う覚悟を決めることができた。この間、約三十分。ダァトセラピーを持ってしても立ち直るまでにこれだけの時間が掛かったのだ。彼女がいなかったら、丸一日中布団の中に引きこもっていたかもしれない。

 

 そう……エイトちゃんの心の傷は深いのである。

 

 この真実は僕にとってあまりにも残酷で、甚だ不本意であった。正直もっとダァトに甘えていたい気分であったが、残念ながらこのアニメが放送されている事実は変わらない。

 

 それに──画面上のT.P.エイト・オリーシュアを見た時、僕の心には不安や羞恥心以外の感情も浮かんでいたこともまた、事実だった。

 

 この気持ちを抱いたという事実自体もまあ……恥ずかしいと言えば恥ずかしいんだけどね。

 

「恥じることはないよ。カロン姉さんも言っていただろう? 次元の外には、ありとあらゆる可能性を持った無限の世界が広がっていると。かつてのキミがいた世界──これも、その可能性の一つだ」

 

 それは都合良く、僕のいた世界はここで起こっている出来事がアニメになっているという世界だってことかね。まあ「そういう世界」という解釈は実に万能で、SSの設定でもあらゆるツッコミに対応することができる便利ワードである。こちらがどれほど「そうはならんやろ……」と冷静に指摘しようと、そこは「そういう世界」なのだから何も言い返すことができない。完璧な理論武装である。

 

「それに……キミはこのアニメでも結構人気らしいよ? グッズとかフィギュアとか、凄い勢いで売れているらしい」

 

 ……マジで?

 

「マジマジ。カロン姉さんが言うには、最新の人気投票ではエンくんたちを抑えて一位を取ったみたいだよ」

 

 ええ……話盛ってない?

 確かに僕はチートオリ主として魅力的な存在であるべく常日頃から立ち振る舞いには気をつけていたが、主人公メンバーすら抑えて一位とかちょっとピンと来ない。

 そこは四位とか五位ぐらいに付けて「神に感謝」とか渋いコメントを残すぐらいのポジションの方がおいしかった。

 フェアリーセイバーズの主人公はあくまでも暁月炎だからね……二次創作なら人気一位で最高なんだけど、これが公式化されると解釈違いなのである。

 

 

「そう言う割には口元がニヤついているけど?」

 

 

 …………

 

 ……!?

 

 ニ、ニヤついていませんけど!? 僕が公式化されて綺麗に描かれていて、フェアリーセイバーズファンの皆さんから思いの外高い評価を貰えたことにびっくりして冷静なフリをしているなんて、貴方の言いがかりなんですけどー!

 

 ふ、ふん……そもそもアニメキャラの人気投票なんてネット文化が発達した昨今、組織票で固まればネタキャラだって一位に担ぎ上げられるガバガバシステムである。そんなので結果を出したところで大した自慢にもならないし、正当な評価にも値しないっつーの。

 

 ふへへ。

 

 

「やっぱり喜んでいるじゃないか」

 

 

 ……うん。正直めっちゃ嬉しくてドッタンバッタン大騒ぎしたい気分です。

 

 恥ずかしいけど嬉しい。嬉しいけど恥ずかしい。なるほど、照れ隠しで暴力を振るうツンデレヒロインとか、きっとこんな気持ちなんだろうね。恋愛経験の無い僕にはどうにも彼女たちに感情移入することができなかったが、人は喜びが天元突破すると無性に身体を動かしたくなる生き物なのかもしれない。

 

「まあ、思ったより落ち込まなくて良かったよ。ボクはてっきり、「公式になったらもうオリ主じゃなくなっちゃうじゃないかー!」って悲しむかと思った」

 

 それな。

 

 確かに見ようによってはこのアニメの存在は、オリ主である僕のアイデンティティーを根本から揺るがす事実になるだろう。

 しかし、大丈夫だ。僕には完璧な理論武装がある。

 物は言いようである。いくら公式だからと言っても、この場合は絶対に勝てないものがあったのだ。

 

 ──それは、世に出てきた順番である。

 

 すなわち、僕が自分自身の起源を主張すればいいのだ!

 僕がアニメ「フェアリーセイバーズ∞」のキャラクターなのではない。「フェアリーセイバーズ」のオリ主である僕をあちらのアニメが逆輸入したんだとね!

 

 実際、T.P.エイト・オリーシュアが世に出てきたのはこの世界の方が先である。先に出てしまえば僕が「フェアリーセイバーズ」のオリ主だと言い張って支障は無いのだ。確かにもう「フェアリーセイバーズ∞」のオリ主ではなくなってしまったけど、それなら僕は、この世界が僕たちみんなで書き綴った「フェアリーセイバーズ」のSSだと言い張ってやる。

 だから僕は、たとえ公式が後追いしようと余計なプッシュをしてこようと、何度だって言い続けよう。

 

 

 ボクはT.P.エイト・オリーシュア──完璧なチートオリ主だよってね。

 

 

「キミは一体、何と戦っているんだ……」

「ふっ……創作の摂理と戒律、かな?」

「ごめん、よくわからない」

「そっか……」

「ごめん……」

「いいよ」

「ありがとう」

 

 呆れたように笑うダァトの言葉を、僕は寛大な心で許す。

 我ながら説明し難い言い分ではあるが、要するにこのT.P.エイト・オリーシュアのアイデンティティーは、今更この程度ではびくともしないと言うことだ。

 

 或いはこのアニメを視て、改めて思ったのかもしれないね。

 

 

 ──もっとたくさん、この世界という僕たちの物語に関わりたいってね。

 

 

 しかし、それはそれとして自分が出ているアニメを視ているとむずがゆくて仕方が無い。自分の出演作品を視る俳優さんとか、いつもこういう気持ちなのだろうか。

 

 だけど重ねて言おう。僕はヒロインではない。ヒロインでは! ないッッ!!

 

 このアニメの「T.P.エイト・オリーシュア」は何かもう、仕草の一つ一つに妙な色気が出ていて、いかにも人気ヒロイン面をしているのが気に入らないよね。

 

 ケテルもやめろよお前、何ベッドに寝かせた僕の寝顔を見てカッコ良く独白を語ってやがる。嘘だろお前……

 

 

『……ダァト……僕は戦うよ。貴方を利用しようとする、この世の全てと』

 

 

 見てよ。まるで眠れるヒロインの前で悲壮な決意を固める主人公のようだぁ……やめて。

 

 アニメの上映会は今も引き続き行っている。

 作中のケテルが意味深の台詞を呟いた次の瞬間、いい感じの曲が流れ何話目になるかわからないカッコいいOPが始まった。

 誠に悔しいことに、アニメ自体の出来はすこぶる良いから始末に負えない。

 僕の活躍シーンも余すこと無く丁寧に描写されており、時々スカートの中が際どいアングルになっているところ以外は満足の行く出来に仕上がっていた。作画スタッフさんたち、僕のこと好きすぎない? どいつもこいつもいい仕事しすぎである。

 くそう……これがつまらなかったら堂々とクソアニメとして黒歴史認定することができたものを……!

 

 気づけば当事者と言うよりも、一視聴者として物語にのめり込んでいる自分がいた。

 

 

 ……だが、それもストーリーが進み暗雲が立ち込める。

 

 

 作中の時系列が、追いついてしまったのだ。

 メアちゃんの暴走を止める為に、身を挺して彼女を助けたT.P.エイト・オリーシュアは、その際に意識を失いケテルに連れ去られた。

 そんな彼女は世界樹サフィラのどこかで、神聖な感じの聖堂っぽい施設のベッドに寝かせられていた。

 

 そう、その光景はまるで……

 

「すっかり囚われのヒロインになっているみたいだね。今のキミ」

「うっさい」

 

 ヒロインじゃないもん……オリ主だもん……と必死に自尊心を保ちながら、からかいの言葉を掛けてきたダァトに言い返す。

 やめろぉ……カメラ止めろよそこー。

 なんで僕の寝顔を映すんだよちくしょう。そんな撮り方するなよぉ。確かに寝顔も綺麗で映像映えするけどさぁ僕。

 

 

 ──と、そんな感じに「フェアリーセイバーズ∞」の異世界編は僕の尊厳的ダメージが大変大きく、こんなアニメ視るんじゃなかったと後悔していた。

 

 だが、このアニメのおかげで僕が得ることができた情報は非常に多かった。

 

 特にこの世界にとっては極めてノンフィクションに近いこのアニメを通して、いわゆる「神視点」でこの世界の情勢を把握することができたのは大きい。

 物語の中には真のラスボスっぽく姿を現したカロン様の企みや、灯ちゃんたちのいる地球で起こっている出来事、そして何より……ケテルの事情についてしっかり描写されていたので、今までふわっとしていた情報をはっきり理解することができたのである。これは嬉しい。

 

 

 そんな僕はアニメのAパートが終わり、カロン様が編集をサボったのかカットされていないCM垂れ流し時間になったところで小休止として、目の前の当事者に問い掛けることにした。

 

 

「ダァトってさ……ケテルと付き合っていたの?」

 

 

 ズバリ踏み込んでやったぜ。話題は、原初の大天使ダァトと王の大天使ケテルの関係である。

 最終章に入った辺りで作中ではアバンやCパートなどで描写されていたことだが──二人は昔、仲がよろしかったようだ。その辺り気になったので、本人に解説を頼むことにしたわけである。

 ……ヒロイン扱いをいじられた仕返しじゃないからね。

 

 

「それは……ボクとあの子が恋人同士だったのかという意味かな?」

「うん」

 

 

 僕はチートオリ主だが鈍感オリ主ではないので、アニメでの二人を見て色々と感じる部分はあった。

 作中で回想されていたケテルとダァトは、「そういう関係」に見えたから。

 そんな僕の疑問に、ダァトは苦笑を浮かべながら首を振った。

 

「誤解だよ。あの頃のケテルはまだ小さかったし、人間で言えば十歳ぐらいの子供だったからね。愛していると言ったのも恋愛的な意味ではなかったし、そういう対象に見たことはないよ。見てたらちょっと危ないでしょ?」

「事案だよね」

「……わかってて聞いただろ、キミ?」

「うん」

 

 いや……ガチの恋人だったら反応に困るからさ。

 僕だってこの質問は、当たっていないことを前提に訊ねたのだ。

 うん、良かったよ。いたいけな少年にイケナイ感情を抱いていたミニスカドレスのお姉さんなんていなかったんだ。

 

「……この格好、そんなにえっちかなぁ? ボクの時代では普通の装いだったし、下もちゃんと穿いてるよ?」

「わ、わざわざめくって見せないでよ。はしたない」

「はーい」

 

 ああ、下はレオタードみたいになっているんだね。それなら大丈夫……いや、太ももがバッチリ見える露出度の高いミニスカ衣装とか、控えめに言ってえっちだと思うよ僕は。

 仮に幼年期の頃の僕の近所にそんな格好した美人なお姉さんがいたら、絶対変な影響を受けていたと思う。ダァト自身結構世話好きで面倒見の良い性格をしているし、これは酷いショタキラーになっていそうだよね、人間の世界なら。

 

 

「えっ……」

 

 

 ……なんだよ、そんな信じられぬものを見たような眼差しは?

 えっ、今僕何か変なこと言った? あっ、この台詞ちょっとオリ主っぽい。いや本当にわからんのだけどその眼差しの意味。

 

 まあ、ケテルに限ってそういう目で見ていたとはアニメの描写を見ても考えづらい。

 

 彼の方はダァトのこと、とても慕っている様子に見えたけどね……小さい頃のケテルはダァトに対してだけ、明らかに接し方が違っていたし。

 少年時代のケテルにも、今の彼に至る片鱗を少しだけ感じる程度には年齢不相応な冷酷さが見え隠れしていたスレた子供天使であったが、そんな彼もダァトにだけは素直で可愛らしかったのである。

 それはもう、向こうの世界でのお姉様方にも人気がありそうだなってぐらいには。

 

「ケテルの方は、キミのこと好きだったと思うけどなぁ」

「ないない。あの子が生まれた頃にはもう、人間で言えばボクは高校生ぐらいの年齢だったんだよ? 流石にあり得ないって」

「うーん……それもそっか」

 

 人間換算で大体十六歳差かぁ……それじゃあ恋愛感情と言うよりも、憧れのお姉さんって感じの感情の方が強そうだね。もしくは母親代わりか。

 

 ……そもそも、大天使が恋愛をするのかというのは気になるところだが。

 

「今は知らないけど、ボクの時代では無かったかな。ボクたち天使は使命が最優先の生き物だし、特定の誰かと愛を育む余裕も、語り合う時間も無かった。それでも姉さんは、たくさんのフェアリーたちからモテモテだったけどね!」

 

 さすカロ!

 

「さすカロ!」

 

 うむ、流石カロン様である。

 カロン様がモテるのは当然だよなぁ! なんか放っておけない存在的な意味で、周りの聖獣さんたちから目をかけてもらっていたのが目に浮かぶようだ。そういうカリスマ性……カリちゅま性じゃないよ?を持っているのがカロン様という女神様っぽい人なのである。

 

 その彼女はなんか、アニメだとまるでラスボスみたいな不穏な雰囲気で顔見せをしていたけど……大丈夫だ。問題無い。

 

 

 

《光る! 鳴る! DX怪盗ノート発売ッ!!》

「あはは、このおもちゃ、面白そうだね。ちょっと欲しいかも」

 

 ユニークなCMで紹介されていく「フェアリーセイバーズ∞」の関連玩具を見て、知識の大天使であるダァトが興味深そうに呟く。

 おお、こういうグッズもあるのか……うん。こういう方面の人気なら嬉しいかも。特撮ヒーローになったみたいで気分ええわ。

 

 公園でこの玩具を持ったちびっ子たちが僕の真似をして遊んだりしているところとか、想像するだけで心が穏やかになる自分がいた。

 

 

「キミはさぁ……もういいや」

 

 

 ……何がさ。

 

 あっ、CM明けた。

 がんばえーみんなー。僕離脱しちゃったけど負けるなー。シェリダーなんかやっつけちゃえー。

 

 外面上はリラックスしながら、しかし内面ではハラハラと彼ら「セイバーズ」の戦いを見守るエイトちゃんであった。

 

 

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