「...なぜだ..なぜか知らんが起きてしまった..」ゴシゴシ
寝起きの癖で顔をこする
どうするかな..
そう考えているとあることに気が付いた
「ん?さっき顔こすれたよな..?」
そう思い手元を見てみる
案の定手錠は外れていた
「寝てるときは邪魔になると思ったから外してくれたんだな..」
やっぱりあいつは極度に病まなければ気が利いて可愛い女の子なんだけどな..
そんなことを一人でつぶやきながら足かせが外れているかどうかを見てみる
「あちゃぁさすがについてるか..」
そうだろうとは思ったがやはり足かせはついていた
「まぁ逃げられるかもしれないからつけとくよな..」
やっぱりなとは思いつつチャンスなのに逃げられないことにもどかしさを感じる
今無理やりにでも足かせを外しお手逃げようとすれば彼女にまた捕まってしまう
とはいえ起きてしまったからには2度寝をするのは難しい
「どうしたものか..」
このもどかしい時間が頭を悩ませる
色々考えていると
「おはよう..」
目をこすりながら彼女が起きた
「お.,おはよう」
何かやましいことを考えていたわけでもないのに返答にたじろぐ
そんなたじろいでいる彼をよそに
「えへへ..ギュー」
彼女が抱き着いてくる
寝ぼけているのか彼が近くにいることがうれしいのか
彼には分らなかったがわかることは一つだけあった
「幸せそうだなぁ」
「えへへぇあったかぁい」
ここまで言ってそう言えばと彼は気が付いた
幸せそうにしている彼女を彼は一度も見たことがなかった
そして自分がいる今の状態が彼女にとって幸せなのだと
そう思った彼は彼女に向けてこういった
「ねぇ聞いてほしいことがあるんだけど?」
途端に幸せそうだった彼女の表情が変わる
「なぁに?外行きたいは無しだよ?」
彼女は瞬時に切り替わった黒い光のない目で彼を見つめる
まぁそうだよな。
そういわれると思っていた彼は条件を差し出す
「外に行きたいっていうのは間違ってないけど
あなたと一緒に外を歩きたいんだ。でーとっていうのかな?にも言ってないからさ」
一緒に外に行きたいと言ってみる
おそらく無理であろうというのは100も承知だ
「でも外出たら君が逃げちゃうかもしれないじゃない」
相も変わらず光のない目で彼を見つめるがその顔は何処か何かに怯えているように見えた
だからこそ”逃げる”に対する抵抗感はあるようだ
「ならこれはどうだろう」
そういうと条件を加えこういった
「お互いを手錠でつなぐんだ。そうすれば逃げれない」
「最も逃げるつもりはないけどね」
逃げれなくしてしまっているが別にいい
彼女の幸せな顔が見れるのなら
「...あ..」
彼女の表情が見る見るうちに明るくなる
「そこまでして私とでーと?したいの?」
「何を言うか。当然じゃないか」
「そこまで言うんだったら行こうよ!」
彼女の表情が一段と明るくなる
やはり彼女も外出するのを我慢していたようだ
「あぁ行こう!」
2人でそう決めるとどこに行こうかどうかどこに行きたいかを
考えたこちらに合わせるよと彼女は言ってくれたが
彼女の行きたいところにも行くことにした
「こんなもんだな」
「うん!」
2人は仲良く行ってみたいところ行きたいところを決め
時計を見た
「今7時くらいかぁ...ねぇ9時くらいからいかない?」
彼女はそう言ってきた
「いいよ行こうか」
「やった!!」
むろん断る理由もない
こうして彼と彼女のはじめてのデートが始まった
しかし彼は知らないし知ることもない
彼女の掌でうまく転がされていたことを。