ガールズ&パンツァーウォーズ   作:平四郎

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お読みいただきありがとうございます。

第二話です。


第二話 見えざる脅威(ファントムメナス)です!

友情が再起を後押しする

 

戦車道始まる!生徒会は、西住みほの教室に赴き戦車道を受ける様言い放ち、更に全校生徒に大々的に戦車道を告知した。過去の経緯から一度は戦車道を受ける事を拒否した西住みほだったが、その事で生徒会室に呼び出されてしまった!彼女の様子に不安を覚えたクラスメイトの武部沙織と五十鈴華の二人はみほと共に生徒会室に入っていったのだが・・・・・

 

「んな事言ってるとあんた達、この学校に居られなくしちゃうよ」

 

あくまでも西住みほの戦車道入りを拒否する武部沙織と五十鈴華に生徒会長の角谷杏が冷徹な笑みを浮かべながらそう告げる。

 

「脅すなんて卑怯です!」

 

華が怒りを滲ませ抗議する。

 

「脅しじゃない。会長はいつだって本気だ。」

 

「そうそう」

 

「今のうちに謝ちゃったほうが良いと思うわよ?ね?ねっ?」

 

生徒会広報の河嶋桃が冷たく言い放つとそれに同調するが如く副会長の小山柚子が口調こそ穏やかだが明らかに降伏勧告をする。それにたいして更に怒りを募らせる沙織と華が抗議を続けるが、みほは俯いたままその二人の言葉が遠くに聞こえるほどに考え込んでいた。

 

(・・・・元々二人共戦車道を受けるつもりだったのに私の為にそれをやめて付き合ってくれて、今もこうして自分達の立場が悪くなるのも顧みず私を守ろうとしてくれている。元々大洗女子学園(ここ)に来たのは、戦車道から離れたかったから戦車道のない学校を選んだんだけど・・・でもこのままじゃ・・・沙織さんも華さんも・・・)

 

みほは顔を上げ、一瞬会長と目が合って躊躇したが、それでも意を決して宣言する

 

「私、戦車道やります!」

 

驚きみほの顔を見る沙織と華。我が意を得たりという顔の杏、桃。何故か涙目になりながら

 

「よかったよかった」

 

と言う柚子。何はともあれこうして西住みほの戦車道参加が決まったのだった・・・・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜普通科2年A組教室〜

 

みほ達三人が教室に戻るとそこにはタノ・アソーカの姿があった。

 

「あれ?アソーカさん、今登校したの?」

 

沙織が驚きながら質問するとアソーカは頷き、そしてみほの顔を見て

 

「ええ、武部さん。ちょっと色々あってね。ところで西住さん、あなた生徒会に呼ばれたそうだけど何かあったの?」

 

「はい、実は・・・・・」

 

と、アソーカの質問に対して生徒会室での一件を説明する。するとアソーカは眉根を寄せて

 

「・・・なんともまあ強引なやり方をするわね。西住さん、ご苦労様」

 

生徒会に呆れる発言をし、そしてみほを労う。それにたいしてみほは

 

「いえ、私なんかより武部さんと五十鈴さんの方が・・・・」

 

そう言って感謝して二人の顔を見るみほ。

 

「ううん、西住さん、すごい頑張ったと思う」

 

「はい、西住さんの決意は驚きましたが見事だったと思います」

 

と、二人もみほを褒め称える。そのやり取りを微笑みながら見ていたアソーカだったが、内心ではこの件を学園長達に問い質そうと決意していた・・・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園長室〜

 

「なるほど、この学校に居られなくなる。と、言ったんだね。」

 

「嘘は言ってませんよ。もっとも彼女達だけじゃなく私達も居られなくなるけど」

 

やや呆れたケノービの言葉に杏はあくまで事実を言っただけだと嘯く。

 

「まあ過ぎた事は仕方あるまい。結果的には彼女は戦車道を受ける事を了承した訳だ。良しとしようではないか。」

 

パルパティーンが結果オーライということでこの話を切る。ケノービはため息を吐きつつ明日の確認をする。

 

「では明日は戦車探しという事になるのかな?」

 

「はい、そうなります。」

 

小山柚子が事務的に応ずる。

 

「よろしい。探索する範囲だが、あくまで学園の敷地内に留める事。決して地下階層への立ち入りは厳禁とする。」

 

「わかってますって」

 

ケノービの厳しめの注意点に杏は百も承知という感じで応ずる。しかし桃はイマイチ理解できていないのか

 

「何故でしょうか?どうせ探すなら地下も見たほうが良いと思うのですが・・・・」

 

と質問する。それには杏と柚子が

 

「かーしまー・・・」「桃ちゃん・・・」

 

と杏は呆れて額に手をつき、柚子は苦笑する。

 

「桃ちゃん言うな!ってなんでそんな反応なんですか?」

 

柚子に突っ込みを入れつつもまだ要領を得ない桃にケノービが質問する

 

「河嶋君、この艦の大きさは?」

 

「はい全長19000mです。」

 

即答するも首を傾げる桃。ケノービが続ける

 

「そう、19000m。ではこの艦の艦内、所謂地下構造はどうなってると思う?」

 

「それはもう、ただでさえ無駄にデカいのに迷路に・・・って?あっ!!」

 

正解を導き出した桃にケノービが頷く

 

「そう、まさに地下迷宮(ダンジョン)だ。そんな場所になんの準備も無しに行かせる事は出来ない」

 

口調は穏やかだが目は真剣そのものだ。桃が納得したようなので杏が締めようとする

 

※因みに大洗学園艦、かつて『エグゼキューター級スーパースターデストロイヤー』と呼ばれていた艦の同型艦である・・・。

 

「そー言うこと!では、明日の準備がありますのでこれにてお開きでも良いっすかね?」

 

「うむ、ご苦労だったね。明日からも宜しく頼むよ」

 

パルパティーンが報告会の終了を許可して三人が退出する。三人の気配が遠ざかるのを確認したケノービは、

 

「アソーカ、そこに居るんだろう?待たせたね。」

 

と、窓の方に声をかける。

 

窓を開けて入ってきたアソーカは、そこにアナキンが居ない事を確認する

 

「失礼します。あら?師匠(アナキン)は?」

 

「自動車部の方に行っている。もう部活も終わりの時間だからまもなく来るだろう」

 

その言葉通り程なくしてアナキンが入ってきた。

 

「では、順を追って説明してもらえますか?」

 

「ふむ。では・・・・・・」

 

学園長は大洗学園廃校を阻止する為に戦車道で優勝する必要がありそれには西住みほの力が必要だと伝える。

 

「なるほど、それで『この学校に居られなくなる』なんて言って強引に彼女に戦車道を選ばせた、と。でもそもそもそのナントカって役人に貴方達がマインドトリックなりフォースチョークなりを使って廃校の話を潰せば良かったんじゃないですか?」

 

「アソーカ、それでは今回は廃校の話が無くなっても根本的な解決にはならないんだ。役人達の言う通りこの学園はこれといって成果を上げている訳でもないし入学者数は年々減少してる。だから今回の件を逆にそういった課題を払拭するチャンスにするんだ」

 

アソーカが師匠(アナキン)が以前に提案した解決策を挙げるが、今回はそのアナキン自身が学園長に指摘された大洗学園の問題点とその解決策としてこの件を利用する事をアソーカに伝える。学園長とケノービは顔を見合わせ、やれやれというように片眉を上げ苦笑し、アナキンはわざとらしく咳払いをしてごまかす。アソーカは一応理解を示した

 

「なるほど、あえて敵の罠に飛び込もうというわけですね。で、私・・・いえ、私達(チーム501)も戦車道に参加しろ、という事ですか?」

 

「結論を言えばそうなのだが、その前にアナキンと君達にやってもらいたい事があるのだよアソーカ君」

 

戦車道への参加要請を肯定しつつも他にも頼み事(厄介事)があるという学園長。

 

「それはどんな事です?」

 

「うむ。この一件の背後にいる者を掴んで欲しいのだよ。そもそもとしていくら我が校に問題点があるとはいえ、何の改善要請や警告も無しにいきなり廃校を決定事項の様に通達されるなど常識的にも我が国の法律(ルール)的にも有り得ない事だと思わんかね?」

 

たしかに学園長の言う通りだとアソーカも思う。いくらなんでも話が急すぎる。普通なら問題点を指摘した上で『何年以内に改善が見られなければ廃校』といったかんじで通達がなされて、その目標が達成出来ないのが確実となって廃校。とされるのが流れだろう。

 

「背後にいる者。と言われましたが何か心当たりがあるのですか?」

 

アナキンの疑問に学園長は首を横に振る

 

「具体的にはわからんよ。だが、これだけの話をいくら文科省の学園艦教育局長とはいえ、一官僚が勝手に思いつきで進める事は不可能であろう。何故急にそんな話が出たのか?そもそも何故我が校なのだ?その辺りから調べてもらいたいのだ」

 

「わかりました。ではその役人周辺から洗ってみようと思います」

 

「うむ、よろしく頼む」

 

学園艦教育局長周辺から調査を始めようとするアナキンを学園長は了承する。アソーカがアナキンに質問する

 

「調べる、と言ったってどう調べるの?まさか一日中張り付くわけにもいかないでしょ?」

 

「勿論だ。僕達はそんなにヒマじゃない。任せろ、僕に良い考えがある」

 

()()()()()()()()()()()()

 

自信満々のアナキンに不安を覚えるアソーカであった・・・・・

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜翌日〜

〜LAAT/i機内〜

 

オビ=ワンが戦車道参加の者達と戦車探しをしている頃、アソーカ達はアナキンの召集を受けLAAT/iで鈴鹿に向かっていた。背後には自動車部の面々が乗り、彼女達が本日使用するレーシングカーを懸下している貨物用のLAAT/cが飛んでいる。早朝から呼び出されたアソーカが不機嫌そうにアナキンに話しかける

 

「こーんな朝早くから呼び出して何をさせようというの?」

 

「今日は我々自動車部の参加するレース大会の予選が鈴鹿サーキットで行われるんだ。君たちには彼女達のサポートをしてもらおうと思ってね」

 

「調査はどうしたのよ?」

 

「ちゃんと考えてると言ったろ?僕に任せろって」

 

人の悪そうな笑顔で任せろというアナキンにレックスが話掛ける

 

()()、我々の()()は彼女達のサポートだけでしょうか?」

 

「流石だな、レックス。そうだ。君達には他にやってもらう事がある」

 

「と、いうと?」

 

やってもらう事があるというアナキンにアソーカが先を促す

 

「なに、簡単な事さ。このレース大会、戦車道の強豪校と呼ばれているところもいくつか参加している。そういった連中とコミュニケーションを取って欲しいのさ」

 

「つまりはここ最近、戦車道に変わった事があったとか、新規参入してきた業者(メーカー)等を聞き出せ。と?」

 

アナキンの依頼にウォルフが戦車道に疎い大洗に居てはわからない事を他校から聞き出すのか?と確認する。それにたいしアナキンは

 

「なにもそこまで具体的な事を聞き出せ無くても構わないさ。ホントに他校との間にコミュニケーションをとって、多少なりとも友好を築いてくれれば上出来さ」

 

と、あくまで気楽にやってくれという態度である。その態度にアソーカは根本的な不満を言う

 

「だったら別に私達を呼び出さなくても良かったんじゃない?自動車部の彼女達にだって出来るでしょうに」

 

「おいおい、今日のレースは6時間の耐久レースなんだ。自動車部のメンバーでドライバーを交替して整備して休憩も回さなきゃいけないんだ。そんな余裕はないよ。R-2D-2(アールツー)が居てくれれば話は別だが」

 

「貴方が造ればいいじゃない、C-3PO(スリーピーオー)みたいに」

 

「いくら僕でもそればかりは無理だ。整備用(アストロメク)ドロイドの中でもR-2は特別だ。プロトコルドロイドの3POのようにはいかない。そもそも3POだって1から組み上げたのではなくベースがあってそれを組み上げたんだ」

 

 

この世界にもドロイドは存在し、さまざまな現場で使用されている。作業用のアストロメクやピットドロイドは主に製造業やメンテナンス業に使用され、プロトコルドロイドやかつてバトルドロイドと呼ばれたいわゆる人型のドロイドは儀礼用や物資の持ち運びは勿論、育児や介護、災害救助等にも用いられる。アナキンが造った3POは現在、忙しいアナキンとパドメの代わりにルークとレイアの育児を手掛けるアナキンの母、シミ・スカイウォーカーのサポートをしている。戦車道でも、『前回大会決勝戦で起きた、あわや人命が失われかねなかった一件』における反省点から救急目的等を鑑みドロイドの導入を決定した。もっともアストロメクは非常に高価な事もあり大半の学校はピットドロイドやバトルドロイドタイプを導入しているが、一部の強豪校には更に高価な戦術ドロイドを導入しているところもある。

 

「アソーカ、まあいいでしょう。レース大会は毎回出店などで盛り上がっていると聞いています。こちらも楽しませてもらうとしましょう」

 

生真面目なレックスやウォルフと違い、陽気なグレガーが祭りとして楽しもうと言う。生真面目な二人もそれに同調する

 

「確かにそうだな。せっかくだ、楽しむとしよう。」「了解だ」

 

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〜鈴鹿サーキット〜

 

アナキン達が到着するなり黄色い歓声が盛大に上がった。やはり『アナキン・スカイウォーカー』はモータースポーツ界の英雄であり、一種の信仰じみた崇拝を受けているのである。曰く「光速の貴公子」とか「レースの神に愛されし者」など様々な声が聞こえる。

 

「さっすがモテモテね()()()()

 

と言ったアソーカの揶揄いを

 

「ハッまあな」

 

と、一笑して流すアナキンに自動車部のナカジマが声を掛けて来た

 

「師匠ー、とりあえず車をピットに入れたいんですけどー?」

 

彼の就任以降こういった騒ぎに慣れっこの自動車部のメンバーは自分達の仕事をこなす事に躊躇いがない。

 

「ああ了解だ。僕はちょっと『お客さん』の相手をしてくる。アソーカ達を上手く使ってやってくれ」

 

「りょーかい」

 

ナカジマの返事に頷いて群衆の方に手を挙げながら向かって行くアナキン。更に歓声が高くなる。ちょっとしたサイン会の始まりである。それを横目に見ながらナカジマ達に指示を仰ぐアソーカ

 

「では、私達は何をすれば良いですか?ナカジマ先輩」

 

少し考えたナカジマは朝が早かった事もあり、自動車部の皆が朝食を取ってない事を思い出す。

 

「そうだねー。出店から何か食事を買ってきてもらえないかな?朝早かったから皆何も食べてないんだよね」

 

「何かリクエストは?」

 

「レース前だからそんなに重くないものを。あっ、アンツィオ高校の出店があったらそこでお願い出来るかな?あそこのすごく美味しいんだよね」

 

「わかりました。行きましょうレックス。ウォルフとグレガーは自動車部の搬入の手伝いを」

 

「「「承知しました」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜出店街〜

 

アソーカはレックスを連れだって出店が立ち並ぶ方へ向かう。安くて美味しいと評判のアンツィオ高校の出店はすぐに見つかった。

 

「いらっしゃい!おや?その制服、大洗学園のだな!ご注文は?オススメはナポリタンだよ!」

 

薄い緑色の髪を縦巻きパーマーにした少女が威勢のいい声で出迎える。その彼女に背後から声がかかる。

 

「ドゥーチェ!そろそろタマネギが無くなりそうです!次のダンボールは!?」

 

「おう!テントの裏に置いてある!他に足りなくなりそうな物はあるか!?」

 

「今のところ大丈夫です!」

 

そのやり取りを見たアソーカが率直な感想を告げる

 

「大繁盛ね。じゃあ、そのオススメのナポリタンを8つちょうだい」

 

「おう、毎度あり!あんた達レースに出るのかい?」

 

「いいえ、私達はサポートメンバーよ。あなたは?」

 

「私達は戦車道のメンバーなんだ!こういう時に資金を稼がせて貰ってんのさ!」

 

二人の話を聞いていたレックスが質問する

 

「ドゥーチェと呼ばれていたが貴方が隊長で?」

 

「そうだ!私がアンツィオ高校戦車道のドゥーチェ、アンチョビだ!よろしくな!」

 

「大洗女子学園のタノ・アソーカよ。よろしく」「同じくレックスだ」

 

アソーカが差し出した右手をアンチョビと名乗った彼女が握る。丁度ナポリタンが出来上がりそれを受け取ったアソーカ達は、アンツィオの邪魔にならない様に早々にアンチョビに挨拶してその場を離れた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜大洗学園ピット〜

 

サイン会を切り抜けたアナキンとマシンの整備がひと段落した自動車部の面々とウォルフにグレガーが、アソーカとレックスが買ってきたナポリタンを食べているとそこにスーツ姿の男がやって来た。

 

「はじめまして、アナキン・スカイウォーカー。お食事中に失礼致します。(わたくし)、カール・レーシングのスカウトをしております、ワン・フォーデイという者です。」

 

食事を中断して立ち上がり、ワンと名乗り名刺を差し出して来た相手を訝しむ様に見ながらアナキンが返事をする

 

「どうも、アナキン・スカイウォーカーだ。いささか不躾な挨拶だがご用件を伺いましょうか?」

 

名刺を受け取るも不機嫌な態度を崩さないアナキンにも動じず、ワンが用件を切り出す。

 

「はい、単刀直入に申し上げます。貴方をスカウトに参りました。」

 

「悪いが僕は大洗学園での仕事が気に入っていてね。そのスカウトに応じる気はない」

 

アナキンが拒絶するとワンは衝撃的な事を言って来た

 

「おや?大洗女子学園は今年度で廃校になるのでは?ですから他に先んじてスカウトに参ったのですが・・・?」

 

その発言にアナキンの顔色が変わる

 

「貴様!どこからその話を聞いた!?」

 

アナキンがフォースを使いそうになるのをアソーカとレックスが宥める。

 

()()、落ち着いてください。自動車部(みんな)が見ています!」

 

「クッ!とにかくお断りだ!帰ってくれ!」

 

「そうですか・・・。では日を改めてお伺いさせていただきます。失礼いたします。」

 

ワンは悪びれる様子もなく去っていった。レックスがグレガーに目配せして、頷いた彼女がワンを尾行すべく行動を開始する。

 

「今、あの男が言ってたのはどういうことですか?スカイウォーカー先生?」

 

スズキが震える声でアナキンに質問する。いつもの師匠呼びではなく先生と言ったところに自動車部(彼女達)の動揺が感じられた。アナキンは一瞬逡巡して答える

 

「すまないがこの件はレースが終わったらきちんと説明する。だから今は目の前のレースに集中してくれ」

 

「でも・・・」

 

不安を隠せない自動車部にレックスが声を掛ける。

 

「みんな、先生がきちんと説明すると言ったんだ。今はレースに集中するんだ。でないと致命的な事故を起こしてしまう事になるぞ」

 

それにナカジマ、ホシノが同調する。

 

「そうだね。今はレースに集中しよう。だから師匠。後で必ずお願いします」

 

「バックれたら承知しないよ」

 

「わかってる」

 

そう言ってニヤっと笑ったアナキンを見てホッとする自動車部のメンバー。今の出来事は一旦頭の隅に置いて食事を済ませてレースの準備を再開するのだった・・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜レース後〜

 

レースに集中した事で無事予選大会を通過した自動車部は約束通りアナキンから廃校の経緯を聞かされていた。

 

「なるほどねー。新学期になった途端に戦車道が始まったのはそういう理由からかー。」

 

「まぁ、おかしいな、とは感じていたんだけどね」

 

「だよねー急にだもんねー」

 

「うんうん」

 

やはりというか今年度になって急に始まった戦車道に少なからず疑問を感じていた様だ。アナキンが話を続ける

 

「それで現在この件を知っているのは、学園長にケノービ先生と生徒会。そして僕と今ここに居る者達だけだ。決して他の者達に漏らさない様に」

 

「それはいいけど、理由は?」

 

ツチヤが漏らさない事は了承したがその理由を聞いて来た。これにはホシノが答える

 

「イヤ無理っしょ。戦車道で負けたら廃校です!なんていきなり言われて戦車道受けるなんて余程の自信家か物好きなヤツだけっしょ」

 

「でもウチらもやるんでしょ?戦車道」

 

「そりゃここまで聞いてやりません!なーんて言ったら自動車部の名折れでしょ」

 

「もともと興味あったしね」

 

「うんうん」

 

「ありがとう。すまないな皆」

 

自動車部が参加する事に承諾してくれた事に礼を言うアナキン。そんな彼にナカジマがいたずらっぽく笑いながら言う

 

「師匠ー。口止め料貰って良い?戦車1台でいいからさー。」

 

「ふん、まぁ仕方ないな。良いだろう。とびっきりの戦車を買ってやる!」

 

「おー!さっすが『英雄、アナキン・スカイウォーカー』器が違いますなー」

 

自動車部から持て囃されるアナキンを見ながらレックスは

 

(戦車1台幾ら掛かるんだ?)

 

と現実的な事を考えているとアソーカがやって来た

 

「グレガーの尾行、失敗したようね。まぁもっともこの制服着たままじゃ仕方ないけど」

 

「そうですね。この格好ではどうしようもありません。ですが仮に問題ない服装でも難しかったのではないでしょうか?」

 

「あなたもそう思うレックス?実は私もそう思っていたの」

 

ワンへの尾行は失敗した。だがそれを当然だったという二人。その理由は・・・・

 

「アイツ、私達の事を()()()()()。知っていて挑発してきたんだわ。」

 

「自分も同感です。ヤツはあの状況でワザと()()を怒らせようと挑発してきたと見るべきです。本気でスカウトするならあの場でない方が効率的だ」

 

「どういうつもりかしら?余程自分達の組織に自信があるとか?」

 

「単に揺さぶりをかけてきただけとも考えられます」

 

考えてみても結論はでそうになかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜大洗学園、学園長室〜

 

「そうか、それで自動車部には話してしまったんだな。」

 

[はい、あの場ではそれしかありませんでした。]

 

アナキンからの通信を受け、自動車部が廃校の件を知ってしまった事の報告を受けたケノービ。彼はアナキンの行動を受け入れた。

 

「そういう事なら仕方あるまい。だが向こうから仕掛けてきたのは意外だったな」

 

[同感です。ところでそちらの戦車探しはどうなりましたか?]

 

「ああ、少々問題はあるがなんとか5台ほど見つける事が出来た。」

 

[それは良かった。で、少々問題とは?]

 

「その事でキミ達自動車部に依頼したい事があるんだが・・・」

 

それは長い間放置されていた戦車のレストアだった・・・・・・・。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

〜太陽系外縁部〜

 

 

ハイパースペースから出た『レッド5』は突如として攻撃を受けた。襲ってきたのはドロイドスターファイターである。相手の数を確認したら3機だけだったので迎撃する事にした青と白のカラーリングのアストロメクはSフォイルを展開して4枚羽の戦闘形態となる。宇宙最強のパイロットの戦闘データを持つアストロメクはドロイドスターファイターの連携攻撃を巧みに躱し続け暗礁宙域へと誘い込む。そこでまず1機を小惑星に衝突させ撃破して、残る2機を1機は捻り込みを使い背後から撃ち落とし、最後の1機は自分を見失わせたうえで下正面から襲いかかり撃破した。

 

「♪♪♪♪」

 

目指すは太陽系第3惑星。それはもうすぐそこであった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

自動車部のレストアも終わり、本格的な戦車道の授業が始まろうとしていた。教官となる自衛官が乗る戦車が輸送機から降りたった先にあったのモノは・・・・・・
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