ガールズ&パンツァーウォーズ   作:平四郎

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お読みいただきありがとうございます。

第八話です。

長くなるので中編とさせていただきます。



第八話 地下迷宮物件です!中編

探しているものは多く場合見つかる

 

ケノービ遭難!うさぎさんチームと共に消息を絶った彼等と軽率に地下に進んでしまった武部沙織とカバさんチームを救助する為、アナキン・スカイウォーカーと西住みほ達は今、地下へと降りてゆく・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園艦物資搬入用エレベーター〜

 

「スカイウォーカー先生、ケノービ先生との連絡は取れないままですか?」

 

西住みほの問いにアナキン・スカイウォーカーは首を横に振る。

 

「ああ、繋がらないままだ。カバさんチームと武部沙織の方は?」

 

レックスも首を横に振る。

 

「こちらも駄目です。全く反応がない。」

 

「!!!!!」

 

R2-D2が電子音を上げアナキンに何かを告げる。

 

妨害電波(ジャミング)?学園艦の中でか?どういう事だ?とりあえず範囲はどれくらいだ」

 

R2が改めて学園艦の立体地図を表示する。学園の艦底部がかなり広範囲で赤く示されていた。

 

「こいつは・・・行って確かめるしかないか・・・。皆、注意を怠るなよ。」

 

エレベーターが停止して扉が開いていく

 

「なんだかイヤな予感がする・・・」

 

冷泉麻子がポツリと呟いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園艦艦底部、???区画〜

 

「う・・・・ん?・・・皆、無事か?」

 

「あ、ケノービ先生!?大丈夫ですか!?」

 

落下する際、ケノービはうさぎさんチームの面々をフォースを用いて落下速度を緩め軟着陸させる事に成功したものの(無論うさぎさんチームはその事を知る由もない)、自身は着地に失敗して僅かの間だが気を失っていた。

 

「私は問題ない。君達は怪我はないかい?」

 

ケノービは自身は大丈夫と知らせ、改めて彼女達の安否を確認する。

 

「はい、皆無事です。でも、ここはいったい何処でしょう・・・・?」

 

リーダー格の澤梓が不安気に周囲を見回す。照明はあるものの、この場はかなり広いようで全体的に薄暗い。少女達には居心地の悪い場所である事には間違いなかった。

 

「アナキン・・いや、スカイウォーカー先生達との連絡は?」

 

「それが・・・さっきから呼びかけているんですけど・・・」

 

宇津木優季が首を横に振りながら答える。

 

「・・・アナキン?こちらケノービ」

 

自身の通信器(コムリンク)で問いかけるも全く反応がない。

 

「アナキン、こちらケノービ、聞こえるか?アナキン?アソーカ?レックス?聞こえるか?こちらケノービ?」

 

繰り返してみたものの、やはり応答は無かった。携帯を取り出してみたがやはりというか電波が圏外になっていた。

 

(これはこの辺り一帯になんらかの通信妨害がなされているとみるべきか・・・だがしかし学園艦内で通信妨害する意図はなんだ?)

 

「ていうかここはいったいどこなのよ!?」

 

大野あやがキレ気味に大声を上げその声が反響する。そんな彼女に山郷あゆみがジト目で応じる。

 

「そもそもあやがあのボタンを押したからここに落っこちたんじゃ・・・」

 

「ぐっ・・・でも『絶対に押すな』ていうのは押せ!って事でしょ!?」

 

「それは漫画やお笑い番組といったフィクションの話。現実でやったら笑えない。」

 

容赦ない突っ込みにたじろぐあや。話題を変えようと周囲を見回すとふと丸山紗希が居ない事に気づいた。

 

「あれ?紗希は何処?」

 

その言葉に周囲を見回す一同。と、阪口桂利奈が指をさす。

 

「あそこに居るよ!」

 

梓が近づき声を掛ける。

 

「紗希?勝手に動いちゃ・・・ってどうしたの?」

 

紗希は屈んで何かを見ていてそれを手に取った。

 

「これ・・・何かの鱗。」

 

「そんなものよく触れるわね・・・」

 

「いったい何があったんだね?・・・これは・・・」

 

ケノービが紗希が手にしていた鱗を見て何か既視感を覚える。

 

(この鱗を持った生物と私は()()()()()()()()()()。だがあの時、最後の個体も死に絶滅したはずだ。それが何故?)

 

それは遠い昔、マラステアという惑星に棲息していた巨大生物の鱗に似ていた。だがソレはクローン大戦の折に絶滅したはずであった・・・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜艦底部倉庫区画〜

 

 

 

 

 

ハンター達99分隊はちょっと身体のデカい暴れん坊(迷子のペット)が自分達以外の者と接触する前に捕獲しようと倉庫区画に来ていた。

-99分隊とは学園艦の船舶課に在籍している生徒達やその管轄内で起きたトラブルの解決を依頼されて出動するチームである。普段の依頼は艦底部のとあるBARを介して請けるのだが、今回は緊急事態にともない、独断で行動を開始している-

彼女達自身が艦内部で妨害電波を発している為、レーダーなどは用いておらず目視での捜索となってしまっているが、ペットがアナキン達にスキャンされない為にはやむを得ない事である。しかし、あの生き物の特性を考えるとのんびりとはしていられないのも事実であった。何しろアレは・・・・

 

「ねえハンター、妨害電波を解いて『あの子』が何処に居るか探知しないの?」

 

「ああ、オメガ。上からのお客さん達(戦車道の連中)にアイツの事を知られると厄介な事になる。出来れば穏便に済ませてしまいたい。だから通信妨害は継続する。」

 

オメガと呼ばれた小柄な少女は理解はしたものの納得のいかない部分を問う。

 

「でもそれじゃ何処に行ったかわからないじゃない?」

 

眼鏡女子のテクがその疑問に答える。

 

「そうでもない。トラブルが起きたのは丁度アレの昼のエサの時間の前だった。だから先ずはこの区画の食糧倉庫に向かっているわけさ。」

 

テクは優秀な頭脳でチームを支える少女である。

 

「オレ達も飯の前だった。なあ先に飯にしないか?」

 

「それはこの件を処理するまで我慢するんだな。」

 

大柄なレッカーのある意味呑気な一言にクロスヘアーが表情を変えずに否定の言葉を口にする。レッカーはその体格の通り力自慢で性格は粗忽な面もあるが飛び級で入学しているオメガの面倒をよく見ている少女で、クロスヘアーは優れた視覚を持つ少女であり、感情をあまり表に出さないタイプである。

 

「まもなく食糧倉庫に到着します。ここに居れば良いんですが・・・」

 

エコーはデータ処理やハッキングを得意とするやや青白い顔をしている少女である。今も所持している端末で自分達の位置を確認していたその時

 

「ぎょえぇぇぇェェェェぇえ!!!!!!!!!」

 

その食糧倉庫の中から10代の少女達が上げてはいけないような声の悲鳴が轟いた。

 

「どうやら遅かった様です」

 

テクが冷静に告げた。

 

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〜学園艦底部食糧倉庫内〜

 

少し時間を遡り、ハンター達が倉庫区画に到着する前の事・・・

 

歴女チームと武部沙織の5人は財宝目指してアテもなく倉庫区画まで来ていた。当然ここはR-2が作成した捜索範囲外の為地図もない。そもそも財宝が本当にあるのかすら定かではないままここまでノリと勢いでここまで来てしまったのである。全員が熱狂から醒め冷静になり始めていた。

 

「いったいここは何処ぜよ?」

 

おりょうの問いにカエサルが答える。

 

「倉庫区画だな。ほら、ここに食糧倉庫って書いてある。」

 

「ちょっと一休みしましょう。私疲れたー。」

 

沙織が肩を落としながら皆に提案する。

 

「確かに。ここで一休みするのに賛成。」

 

エルヴィンの言葉に左衛門佐、おりょうも頷く。

 

「わかった。一休みしながら今後の事を話そう。」

 

倉庫に入り適当な大きさのケースに腰を下ろす。

 

「はぁ、これからどうする?」

 

「どうって?」

 

「このまま続けるか?終わりにするか?って事」

 

「そんな決定権が〜って言いたくなる問い方だけどここは一時後退に一票。道具もアテもなく探すのは不毛というもの。」

 

「私も〜」

 

カエサルの問いにエルヴィンがまず帰還を提案し沙織もそれを支持する。

 

「しかし無断で持ち場を離れた上に手ぶらで帰っては皆に申し訳が立たないのでは?」

 

「確かにそうぜよ。このまま帰ったら間違いなくスカイウォーカー先生から大目玉をくらうぜよ。」

 

左衛門左の意見におりょうも懸念を追加する。

 

「うむ、確かにそれは怖いがちゃんとした装備もなしにアテもなくお宝探しするのが無茶なのも確かだ。」

 

カエサルは顎に手をやり考える。そこに

 

ガタン!

 

と倉庫の奥から何かが落ちた音が聞こえた。ビクッとした彼女達は一斉に立ち上がり音のした方へと顔を向ける。

 

「い、いまのなんのおと?」

 

沙織がエルヴィンの後ろに隠れるようにし肩を掴み震えながら話かける。

 

「先客が居た?」

 

左衛門左が身構える。

 

「作業の人ぜよ・・・多分。」

 

おりょうが不安気に呟く。

 

ガタガタガタゴソゴソ

 

「・・・・どう聞いても作業の音じゃないよね・・・何かを漁ってる音にしか聞こえないんだけど・・・」

 

沙織の顔がどんどん真っ青になっていく。

 

「学園の食糧を漁るとは不届な!成敗してくれる!」

 

「待て!左衛門左!」

 

「相手の事も分からず突っ込むのは無謀だぞ!」

 

カエサルとエルヴィンが左衛門左の前に立ち制止する。

 

「でもどうする?このまま・・・」

 

左衛門左がそう言いかけて上に視線を上げていき固まる。

 

「どうした・・・の・・・・」

 

沙織も彼女の視線を追い見上げて固まる。

 

「・・・・・・・」

 

おりょうは口をあんぐりと開けて固まる。

 

「?」

「どうしたんだ皆?」

 

残りの二人が首を傾げて問いかけると三人は揃って人差し指を上に上げていく。

 

「「いったい何が・・・」」

 

二人とも振り返りその指に合わせて視線を上げていく。その瞳に映ったのは・・・・

 

こちらを見下ろす大きな茶色の怪物だった!

 

ふと怪物と目があってしまった五人は・・・

 

「ぎょえぇぇぇェェェェぇえ!!!!!!!!!」

 

悲鳴を上げ一目散に逃げ出した!!

 

そして怪物は何事もなかったかの様に食事を再開した。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園艦底部スカイウォーカーチーム〜

 

冷泉麻子のイヤな予感は現実のものとなりつつあった。様々な(トラップ)が彼女達に襲い掛かってきたのである。暗い足元に仕掛けられたワイヤーを足で踏んだことにより上から降ってきた案山子に悲鳴を上げるみほ達。それを躱し壁に手を付いたら、その壁からガスが吹き出して更にパニックとなりかけるも、R-2が虫も死なない程度の着色ガスと分析して安心しかけたのも束の間、今度は優花里がもたれた壁が倒れ姿を消し、彼女を助けようと倒れた壁から中に入るとそこにはセキュリティー(バトル)ドロイドの一個中隊がいてやむなく交戦。幸いメンバーにケガ人は居なかったもののドロイドの大半はガラクタと化した。学園長への説明(言い訳)という問題を頭の片隅に追いやり、気を取り直して進もうとしたら偏向防御(レイシールド)が発生して閉じ込められるアナキン。R-2が無事であり妨害も無かった為、なんなく解除してくれたものの不満を口に漏らす。

 

「なんだってこんなに罠だらけなんだ!?誰がこんなモノを考えた!?」

 

「お言葉ですがスカイウォーカー先生、この艦は銀河大戦時代そのままのモノです。つまりは帝国、そして・・・」

 

レックスはそう言ってアナキンを見る。

 

「ああ、そうだったな!()()()()()()()()()が生き残りのジェダイが侵入して来た際の防衛として提案したものだったな!だがだったらこんな生易しいものじゃなかったはずだぞ!」

 

「それで助かってるんだから良いじゃない。もっとも罠自体を発動させないようにしてくれてれば尚良いんだけど。」

 

アナキンの逆ギレに冷静なツッコミを入れるアソーカ。

 

「そもそもセキュリティードロイドを駆逐する必要があったのでしょうか?」

 

華が右手を頬にやり首を傾げて問いかける。

 

「なかったと思うぞ。私達はここの生徒だし、おそらくそのままやり過ごす事が出来たはずだ。」

 

麻子が呆れ気味に指摘する。

 

「身体が反射的に動いてしまったのよ・・・」

 

アソーカが彼女達から目を逸らしながら呟く。

 

バトルドロイド(ブリキ野郎)が目の前に現れるのが悪い。」

 

「そうだな。アイツらが警告する前に撃つのは基本的な事だ。」

 

「ハハ!魂レベルで刷り込まれているからな。」

 

レックス、ウォルフ、グレガーは当然の事だと悪びれもしない。

 

「あ、あはは・・・・・」

 

そんなチーム501(彼女達)にみほ達は苦笑するほかなかった。

 

「レックスさん達のチームワークすごかったよ!正に三位一体って感じで!」

 

「スカイウォーカー先生もアソーカさんも物凄い反射神経だよね!アソーカさん達、バレー部に入ってくれれば良いのに!」

 

「うんうん!」

 

「是非お願いします!」

 

忍がレックス達の連携を褒め、典子が目を輝かせて勧誘し、忍とあけびも同調する。

 

「考えさせてもらうわ。当面は戦車道で忙しいでしょうし。」

 

アソーカがそう返答すると彼女達は苦笑して頷いた。

 

「私はお二人が持っているその光る剣の方が驚きですけど・・・」

 

優花里がアナキンとアソーカの腰にぶら下がっているライトセイバーに注視する。

 

「ドロイドが撃った(レーザー)を弾き返して撃った相手に当てて、そのまま突っ込んで行ってドロイドをバッタバッタと撫で斬り・・・」

 

みほが遠い目をしながら先程の戦闘というより一方的な虐殺を思い返す。可哀想なドロイド一個中隊はものの数分で処理されてしまっていた。

 

「皆が無事だったんだ。良かったじゃないか。」

 

アナキンは太々しい態度でそう宣う。

 

「ですがこちらもだいぶ消耗しています。次は冷泉さんの言う通りやり過ごすべきかと」

 

「エネルギーは後どれくらい残っている?」

 

レックスの指摘に頷きブラスターのエネルギーの残量を聞くアナキン。

 

「もう一回、同じ状況が発生したら厳しいですね。」

 

「では次が無いように気をつけて進もう。」

 

「あなたがそう言うとフラグがビンビンに立つとしか思えないんだけど。」

 

「その時はその時さ。って、どうしたR-2?」

 

「!!!!!!!」

 

R-2が身体を左右に揺らし警告する。

 

「待ってアナキン、前方から何か来る・・・・かなりの数よ」

 

「ま、またセキュリティードロイドですか!?」

 

優花里が声を震わし聞いた。

 

「違う・・・生き物だ・・・かなりの数だが随分小さい・・・これは!?」

 

アナキンが右手を目を閉じ右手を前方にかざしてフォースで探り確認し、その結論をアソーカが先に叫ぶ

 

「ネズミの大群よ!皆、私とアナキンの後ろに!アナキン!」

 

「わかっている!合わせるぞ!」

 

「了解マスター!」

 

二人は腰を落とし、力を込める様に両手を引く

 

「西住隊長達はしゃがんで目を閉じてて!」

 

グレガーがそう叫び、レックス、ウォルフと共にみほ達を庇う様にフォーメーションを組む。みほ達は言われた通りに目を閉じ屈む。

次の瞬間、アナキンとアソーカが手を前に突き出した!

 

 

     ドン!

 

空気が揺れる音が響きアナキン達の正面のネズミ達がモーゼの十戒が如く左右に分かれ一行を避けて通りすぎて行く。ふと目を開けてしまった優花里が黒い濁流と化したネズミの群れを見てしまった。

 

「ひ、ひょえ〜!」

 

やがてネズミは通りすぎて行き、辺りに静けさが戻る。

 

「な、何だったんですか!?今のネズミの大群!?」

 

優花里の叫びにレックスが反応する。

 

「何かから逃げて来たという動きだったな。我々には見向きもしなかった。」

 

「何かって何でしょう?」

 

「わからないけど、碌でもないモノでしょうね。」

 

華の問いにアソーカが首を左右に振りながら呟きアナキンを見る。

 

「皆、ここからは僕達に任せて上に戻るんだ。この先は危険すぎる。ウォルフ、グレガーは西住達の護衛として一緒に戻ってくれ」

 

アナキンは一同へ指示を出す。

 

「いえ、スカイウォーカー先生、私も一緒に行かせてください。」

 

みほはしっかりとした意思を持ちアナキンにそう願い出る。

 

「西住殿、抜けがけは許しませんよ!私もお供します!」

 

「もちろん私もご一緒させていただきます。」

 

「沙織は子供の頃からの友達だ。見捨てる訳にはいかない。」

 

あんこうチームは全員が志願する。

 

「しかし・・・」

 

「私達、アヒルさんチームも行きます!」

 

「おいおいちょっと待ってくれ。」

 

バレー部ことアヒルさんチームも全員がこの先も付いて行くという事に戸惑うアナキン。

 

「将軍、彼女達は戦車道の下に集まった仲間です。仲間の為なら如何なる事も厭わない。()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

レックスが同行を許可してくれる様にアナキンに願い出て、それにアソーカも加わる。

 

「そうね。それに何かあっても私達が守護(まも)れば良いだけでしょ。()()()()()()()()()()()()()()()()先生。」

 

「我々は要人警護でもスペシャリストです。お任せください。」

 

「まあなんとかなるでしょう。」

 

ウォルフ、グレガーも追従する。

 

「多数決というもっとも民主的な行為で決まりです。将軍、ご決断を。」

 

「わかったよ。では全員で捜索を再開する。改めて警戒を怠るなよ。」

 

「「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

アナキン達はネズミ達が来た道を進んで行った・・・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園艦底部、ケノービ&うさぎさんチーム〜

 

「今、何か聞こえませんでしたか?」

 

梓がケノービに確認する。

 

「ああ、確かに。叫び声の様なものが・・・」

 

ケノービもそれを肯定する。

 

「え?私達の他にも誰か居るの?」

 

「船舶課の人達じゃないかな?」

 

「でも叫び声って・・・」

 

うさぎさんチームはひと固まりとなってそれぞれ言い合う。若干怯えながら。

 

「ただここにいつまで居ても仕方ないし・・・・」

 

あゆみが恐る恐るだが移動を提案する。

 

「でも何があるかわかんないんだよ?」

 

あやは懸念を伝える。

 

「うむ、二人とも言っている事に間違いはない。連絡がつかない以上ここに留まっていても仕方ないし、かと言ってこの先には間違いなく何かがある。」

 

「先生、どうしましょう?」

 

「さて、どうしたものか・・・」

 

ケノービも自分だけなら行動に移る場面だが、いかんせん今は一年生のうさぎさんチームが一緒の為無茶は出来ないのであった。

 

「ちょっと様子を見て来るだけなら・・・」

 

「え?なら皆で動いた方が良くない?」

 

「やっぱそうなるよね・・・」

 

「助けが来るかわからないもんね。」

 

「わかった。では、皆で移動を開始する。」

 

「「「「「「はい」」」」」」

 

ケノービ達は移動すると決め、通路に出た。通路と言ってもかなり広くトラックやAT-TEも相互通行出来る程であった。

 

「さて、ここはどうやら倉庫区画らしいな。」

 

通路に出た事で自分達が居る場所の見当はついた。しかし自分達が居た倉庫は空で、万一の際の水密防御を兼ねているため、普段から閉まっているはずのシャッターも空いたままだった。

 

「ここは何の倉庫なんでしょう?」

 

「・・・わからない。まあこれだけ広い艦だから使われていない倉庫の一つだったのではないかな?」

 

梓の問いにそう答えるケノービ。だが、実際には自分達が居た倉庫が何の為に空だったのかおおよその事が理解出来てしまったが、それを認めて彼女達に説明するのは躊躇われた。説明しても信じてくれるものか?いやむしろ信じてくれた方が問題である。間違いなく混乱するであろう。逃げるしか対処の仕様がない問題に・・・・。そんな考えをしていると何やら音が聞こえてきた。

 

「な、なんか聞こえたきたよ・・・・」

 

「な、なにこれぇ・・・・」

 

「声・・・?」

 

「や、やばいヤツじゃ・・・」

 

「ヤバイヤツって・・・・?」

 

「・・・幽霊・・・」

 

「「「「「きゃあああああああああ!!!!!」」」」」

 

紗希がポツリと漏らした一言にパニックになり逃げ出そうとする他5名。堪らずケノービがフォースも用いて制止する。

 

「落ち着きたまえ!大丈夫だ!幽霊などではない!」

 

その声はだんだんこちらへと近づいて来る。身を寄せ合いひと固まりになったうさぎさんチームを守る様にケノービが正面に立ち身構える。

 

「♪〜♩〜♫〜♬〜♪〜」

 

「・・・歌?」

 

「すっごく音程あってないけど確かに歌だ・・・」

 

やがてシルエットがはっきりしてくる。・・・・五人いる。あちらもケノービ達に気がついたようだ。

 

「あ・・・ああ・あ・・」

 

「「「「「ケノービ先生だぁ!!!!!!」」」」」

 

そう言って沙織達はケノービに駆け寄り縋り付く。

 

「地獄に仏!学園艦にケノービ先生だ!」

 

「先生怖かった!怖かったよ〜!」

 

「先生!あれを!アレを!」

 

「先生一大事です!」

 

「そうです!アレがアレで!」

 

彼女達は何かを伝えようとするが慌てた様子で要領を得ない。ケノービは彼女達を落ち着かせる様にフォースを使って語りかける。

 

「よし、まずは深呼吸して・・・。うん、では何があったか話してごらん。」

 

「は、はい実は・・・・」

 

皆を代表してカエサルが艦底部に入るきっかけから話始める。その事には少し呆れた顔をするケノービ。そして話は彼女達が食糧倉庫に辿り着いた場面へと至る。

 

「・・・・何を見たって?」

 

ケノービは自身の推測が当たっていた事を確信しながらもカエサルに確認する。

 

「はい、私達は見たんです!こ〜んなに大きい怪獣が!」

 

グオオオオオオオオ!!!!!!

 

その瞬間、彼女達の背後から咆哮が聞こえその怪獣が姿を現した!

 

「「「「「「で、出たぁ!!!!!」」」」」

 

驚愕の声を上げる彼女達、ケノービがすかさず指示を出す!

 

「皆、走れ、走るんだ!」

 

それを聞くまでもなく、全速力で走りだした生徒たちを守るためケノービは、怪獣ジロ・ビーストにフォースプッシュを仕掛ける。よろけるジロ・ビースト。幸いと言うべきか、まだ子どもの様で大きさは10m程しかない。因みに成体ならその約10倍の大きさである。

ケノービもうさぎさんチームやカバさんチームの後を追い駆け出す。ジロ・ビーストは今の一撃に戸惑ったのか動きを止めていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜倉庫区画、スカイウォーカーチーム〜

 

「!!!!!!!!!」

 

「今度は何だ?R-2?」

 

再びR-2が騒ぎ出したので何事かを確認するアナキン。R-2が説明する前に人影が前方から近づいて来た。

 

「あれは武部達にオビ=ワンか!?」

 

探していたケノービ達が見つかったが、師匠と生徒達が一目散に走っている事に警戒感が強まる。

 

「オビ=ワン!いったい何があったんです!?」

 

「アナキンか!?話は後だ!ジロ・ビーストだ!まだ子どもだが我々と追いかけっこをするつもりらしい!」

 

「ジロ・ビーストだって!?あれは絶滅したはずでしょう!?」

 

「とりあえず逃げるぞ!そこの倉庫に隠れよう!」

 

あんこう、アヒルさんチームはケノービ達の様子に戸惑いながらも一緒に駆け出しその後ろを守るようにアナキン達が追いかける。一行は第1138予備倉庫と記された倉庫に駆け込み扉を閉めた。追いついたジロ・ビーストがノックをする様に尻尾で扉を数度叩いたが、こちらが息を潜めているとしばらくして立ち去っていった。

 

「フウ、どうやら行ってくれた様だな。」

 

「いったい何がどうなってるんです?なんでジロ・ビーストがこの艦に居るんですか?」

 

「私がわかる訳ないだろう。後で学園長にでも聞いてみるとしよう。」

 

「それにしても厄介な・・・ジロ・ビーストとは・・・。」

 

「ただ、なんとなくですが邪気を感じませんでした。動きにも凶暴性が無く、なんだか人間にも慣れている様な・・・」

 

ケノービとアナキンに自分が感じた事を伝えるアソーカ。

 

「確かにな。純粋に追いかけっこを楽しんでいた様だしな。」

 

「という事はここで飼われているとでも?いったい誰が?」

 

レックスがもっともな疑問を持つ。

 

「その辺は無事に帰ってからにしよう。当面はアレからどう逃れてエレベーターまで行くかを考えよう。」

 

ケノービの言葉に頷くアナキン達。そんな彼等に奥から優花里が大きな声を掛けてきた。

 

「先生方〜!アソーカ殿達もこちらへお願いしま〜す!」

 

「なんでしょう?」

 

「声の感じだと悪い事ではない様だ。」

 

「とりあえず行きましょう。」

 

優花里のところへ行くとそこには一輌の戦車があった。

 

「これは・・・?」

 

アナキンの問いに優花里が目を輝かせて答える。

 

「はい!これはポルシェティーガーといって・・」

 

「ストップ!秋山さん。その話は長くなりそうだからまた後でね。」

 

「はい・・・。」

 

優花里が戦車の説明をするのを遮るアソーカ。優花里は残念そうな顔をして頷いた。

 

「で、動くのか?」

 

「今、西住殿とR-2殿が中に入って調べています。」

 

程なくしてみほがキューポラから顔を出した。

 

「大丈夫です。ちょっと問題はありますが、R-2さんが直してくれるので動かす事は出来ます!」

 

みほの言葉に喜ぶ彼女達。

 

「じゃあこの戦車であの怪物を蹴散らして帰ろう!」

 

オー!

 

沙織の言葉に拳を挙げて応じる戦車道の面々。だが、

 

「残念ながらそれは無理だ。アイツは通常の攻撃ではビクともしない。」

 

「「「「「「「「え?」」」」」」」」

 

アナキンの一言に固まる。

 

「アレはジロ・ビーストと言ってね。硬い鱗であらゆる攻撃を弾いてしまうのさ。」

 

「そうだ。戦車の砲弾も、先生方が持ってるライトセイバー(光の剣)も、私達が持ってるブラスターの光弾でも傷一つつけられない。」

 

ケノービとレックスが彼女達を更に突き落とす。もっともレックス達のブラスターに殺傷(キル)モードは無いのだが、あったとしても同じ事だった。

 

「そんな〜。じゃあいったいどうやって帰るっていうんですか〜?」

 

優花里の嘆きが倉庫内に響き渡る。そんな時、レックスの装甲服の腕の通信機が受信のアラームを鳴らす。

 

「通信機が?ジャミングが解除された?」

 

「とりあえず応答するんだ。レックス。」

 

「はい。」

 

レックスは腕を口元に近づけ通話を開始する。

 

「こちらレックス。そちらは?」

 

「お久しぶりですね、レックス。私です。エコーです。」

 

「エコー!?船舶課のか!?いったいどこから?」

 

意外な通信の相手に驚くレックス。

 

「あなた方のすぐ近くにいます。どうやらお困りの様ですが、お助けしましょうか?」

 

「!?、なんだって?どういう事だ!説明してくれエコー!?」

 

「詳しいことは後程、とりあえず我々のプランをそちらの端末に送りますのでご検討を。ではまた後で。」

 

「おい、待ってくれエコー!?・・・・」

 

エコーは伝える事を伝えるとさっさと通信を切ってしまった。その間、アナキンが地上の自動車部に連絡を入れようとしたが、繋がらなかった。どうやらこの近辺のみ解除している様であった。程なくしてエコーの言うプランのデータが送られてくる。

 

「なるほど・・・・どうやら彼女達がアレの飼育係の様だな。」

 

「ですね。()()()()()を用意出来るという事は、こういう時の為に普段から備えていた。という事でしょう。」

 

「で、どうするの?エコー達のプランに乗る訳?」

 

「それしかないだろう。レックス、エコー達に通信を。」

 

「了解です。」

 

アナキンの指示に従い、プランの最後に記されていた通信コードにアクセスするレックス。すると彼女達(99分隊)のリーダー、ハンターが映しだされた。

 

 

「先程は失礼しました。そしてお久しぶりです。ケノービ将軍、スカイウォーカー将軍。このコードを使用したという事は我々のプランをご承認頂けた。という事でよろしいのでしょうか?」

 

「ああ、ハンター。また君たちの手を借りる事になるとは思わなかったが、こうなったからにはよろしく頼む。」

 

「スカコマイナー以来ですね、スカイウォーカー将軍。こちらこそよろしくお願い致します。さっそくですがそちらの準備は?」

 

「問題ない。すぐにでもやれるさ。」

 

「では作戦開始といきましょう。失礼します。」

 

ハンターの映像が消え通信が切れた。みほが不安な面持ちでアナキン達に話掛ける。

 

「いったい何をなさるおつもりですか?」

 

その問いにケノービと顔を見合わせたアナキンは不敵に笑ってこう答えた。

 

「君たちはここでレックス達共々お留守番をしていてくれ。僕とオビ=ワンとアソーカでちょっとアイツと鬼ごっこをしてくる。」

 

「・・・・・はい?」

 

 

あまりにも予想外の答えにみほは呆然としてしまうのだった・・・・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 




次回予告

ハンターの指定した場所へジロ・ビーストを誘い込もうとするアナキン達。一方、学園長パルパティーンはある人物と接触しようとしていた。
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