ガールズ&パンツァーウォーズ   作:平四郎

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お読みいただきありがとうございます。第9話です。
ジロ・ビーストの設定は独自設定となっております。


第九話 地下迷宮物件です!後編

災難を乗り越えれば絆が深まる

 

 

ジロ・ビースト襲来!

 

学園艦底部にて(いにしえ)に滅んだはずのジロ・ビーストと遭遇したアナキン・スカイウォーカーは、協力を申し出てきた99分隊のハンターの作戦に従い、ポルシェティーガーを発見した1138倉庫に西住みほ達を残し、オビ=ワン、アソーカと共にジロ・ビーストを誘い出すべく行動を開始した・・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜学園艦底部第1138予備倉庫〜

 

「では行ってくる。レックス、西住達を頼んだぞ。」

 

「了解しました。こちらは我々にお任せを。」

 

レックス、ウォルフ、グレガーの敬礼に見送られ三人は倉庫から出ていった。扉を閉めみほ達の方へ歩いていく

 

「先生達とアソーカさん、大丈夫でしょうか・・・?」

 

みほがレックスに問いかける。

 

「大丈夫ですよ、あの三人なら。なぁR-2?」

 

「♪〜」

 

R-2は肯定と取れる動作で応えた。

 

「では、こちらも準備といきますか!」

 

「グレガーさん、準備って?」

 

「もちろんここから出て学園(うえ)に帰る準備さ。」

 

「え?でもスカイウォーカー先生は留守番って言ってたじゃない?」

 

「あれは言葉のアヤというやつだよ。ずっとここに居ても仕方がない。」

 

グレガーの言葉に頷く沙織。

 

「では、先生達が鬼ごっこを始めたと連絡が来たら我々も行動開始だ。R-2、戦車は動くか?」

 

「♪!」

 

レックスの確認に問題無しと返事をするR-2。麻子が操縦席に乗り込み学園まで運転し、行動中のトラブルはR-2がメンテナンスしながら進む事になる。

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〜99分隊〜

〜待ち伏せポイント〜

 

「ハンター、ジェダイチームが行動を開始しました。」

 

「了解した。では我々はジェダイとジロ・ビースト(お客様)を迎え入れる準備をしよう。」

 

「でもよく受け入れてくれたわね。この作戦(プラン)を」

 

「ああ、ジロ・ビーストはフォース感応者に反応する習性があるからね。彼等がジロ・ビーストを引き離せば他の普通の生徒(レック)は安全に上に帰れる。」

 

オメガの疑問にアナキン達がこのプランを受けた理由を語るテク。

 

「おい、ガスタンクはここで良いのかテク?」

 

テクが振り返るとそこにはレッカーが重さ100キロを優に超えるガスタンク2個を両脇に軽々と抱えていた。

 

「ああ、そこに置いてくれレッカー。エコー、準備を頼む。」

 

「了解です。」

 

レッカーが配置したガスタンクに配線などを繋げる作業に入るエコー。それを見ながらオメガがテクに質問する。マラステリアン燃料はかつてジロ・ビーストの駆除に使われて絶滅寸前まで追い込んだ経緯がある為である。

 

「ねぇ、アレって本当に大丈夫なの?ジロ・ビースト(あの子)死んじゃったりしない?」

 

「その点は問題ないよ。マラステリアン燃料を極めて薄めて精製した催眠ガスだからね。死にはしないさ。」

 

「そうなんだ。」

 

「安心したか?オメガ。」

 

「うん、ハンター!」

 

オメガの頭を撫でながら問いかけるハンターに彼女は笑顔で頷く。ハンターの通信機が受信を知らせる。

 

〈こちらクロスヘアー。配置に着いた。〉

 

「了解した。頼んだぞクロスヘアー。」

 

〈任せておけ。〉

 

通信が切れる。こちらの準備は整った。後はジェダイがジロ・ビーストを上手くここまで連れて来るのを待つだけだ・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜ジェダイ師弟チーム〜

 

「さて、鬼さんはどこに居るのやら。」

 

「案外近くに居るかもしれませんよ。」

 

「かつてレックスが、『将軍達(オビ=ワンとアナキン)と一緒だと命が幾つあっても足りない』って言っていたけどホントね。ジロ・ビースト相手に鬼ごっこをするなんて。」

 

周囲に注意を払いながら呟くアソーカ。

 

「それはお前だって一緒だろう。アソーカの無茶にどれだけ振り回された事か。」

 

アナキンが呆れた口調でアソーカに言い返す。

 

「貴方の行動を見てきた結果よマスター。」

 

「二人共、仲が良いのは結構だがそろそろ任務に集中してくれないか?」

 

ケノービがアナキン達を嗜める。

 

「ご自分は関係ないみたいな事おっしゃりようですけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「おいおい、私を君達と一緒にするとはいささか失礼ではないかなアソーカ?」

 

「そうですね。僕とアソーカは毎回のように真っ先に罠に嵌る事はありませんでしたからね。しかも今回も貴方が発端です。」

 

「それではまるで私がトラブルメイ・・・」

 

ケノービが自身の言を止める。アナキン、アソーカも気配に気付く。

 

「おいでなすったか。」

 

「こちらスカイウォーカー。レックス、ハンター、これより鬼ごっこをスタートする。」

 

『了解です。』『では手はず通りに。』

 

「さあ、ついてらっしゃい!私達は速いわよ!」

 

アソーカのその言葉通り三人はフォース・ダッシュを用いて文字通り超高速で走りだす。

 

グオオオオオオオオ!!

 

ジロ・ビーストは喜ぶ様にその体躯に似合わぬスピードで猛追を開始した。

 

「このスピードについてくるとはなかなかやるじゃないか!」

 

「そうだな。もう少し手加減しようと思っていたがその必要はなさそうだ!」

 

「この程度でそんな事言うなんて、二人共運動不足なんじゃない?」

 

「ハッ!オビ=ワンはともかく僕はまだ余裕だ!」

 

「私も全然本気ではないぞアソーカ。何せアイツを引き付けないといかんからな!」

 

軽口を叩き合いながら走り続ける三人に迫ろうとするジロ・ビースト。大きく口を開けてケノービを捕らえにかかる!

 

ガチン!!!

 

ケノービはジャンプしてかろうじて回避した。

 

「おっと!今のは危なかった。」

 

「大丈夫ですかマスター!?流石に腹の中からは助けられませんよ?」

 

「お前の様にちょっとしたスリルを楽しんだだけさ!」

 

着地と同時にダッシュを再開した自分を揶揄うアナキンに対してケノービが言い返す。目標ポイントはもう少し先である・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

〜搬入エレベーター前〜

 

レックス達の先導の下、みほ達はエレベーター前へと到着した。途中、ポルシェティーガーのエンジンから火が出るというアクシデントがあったものの、R-2が消火剤を撒き鎮火し、更にメンテナンスを行いそれ以外は何事もなく進む事が出来た。

 

「ちょっと待った。私はあまり無事じゃない。」

 

「まあまあ麻子、ちょっと消火剤で白くなって咽せたぐらいで済んで良かったじゃない。」

 

「それは人体には影響はない成分だ。その点は安心してくれ。」

 

「早く帰ってお風呂入りたい。」

 

髪の毛が白髪の様になってしまった麻子に沙織とウォルフが慰めの言葉をかける。尚、麻子に代わりウォルフが操縦席に着き、車長席に麻子が座り彼女の面倒を通信席に座っている沙織がみている状況である。そしてR-2が変わらずエンジン付近に注意を向けている。

 

「ポルシェティーガー・・・確かに強力な戦車だがこのままだと戦力としてはかなり問題があるのではなかろうか?」

 

エルヴィンが前を走るポルシェティーガーに目を向けて呟く。

 

「♪〜♪!」

 

「R-2殿は何と言っているのでしょうか?」

 

エルヴィンの呟きに反応したR-2が明るく答えた様に感じられた優花里は、このドロイドの反応を理解出来そうなレックスに聞いてみた。

 

「ああ、『一見ポンコツだが実はポテンシャルの高い機体の整備は慣れている。』と言っている。」

 

「それは頼もしい・・・と言って良いんでしょうか・・・?」

 

優花里が苦笑しているとエレベーターの駆動音が近づいてきた。まもなく到着するのであろう。

 

「これでやっと帰れる・・・」

 

「もうここに来たくないよ・・・」

 

うさぎさんチームのあゆみとあやがぼやく様に言った時エレベーターが到着してシャッターが開いていく。だがそこには()()()()()

 

 

「へ?」

 

「えっと・・・これは・・・?」

 

みほが呆けた声を出し、隣で優花里も戸惑いの表情をしている。

 

「皆!戦車の陰に隠れて!レックス!」

 

「わかっている。こいつは不味いぞ。」

 

いち早く我に返ったグレガーが指示を出しみほ達は慌ててポルシェティーガーの背後に隠れる。エレベーターに乗っていたのはドロイデカ、別名デストロイヤードロイドの1ダースだった。彼ら(?)は先に破壊してしまったバトルドロイド(警備ドロイド)の発したエマージェンシーコードを受信して起動してしまい艦内を回っていたのだった・・・。ドロイデカは他のバトルドロイド達とは違い警告の様なものは一切発しない。文字通り無表情に球形の移動モードから戦闘モードに変形する。どうやらこの区域内に居る者達を無差別に侵入者と判別する様になっているらしい。

 

「西住隊長!後退して下さい!ここは危険です!」

 

「まあ相手も気絶(スタン)モードですから命の危険はあまりないですが、当たったら結構トラウマになりますよ。」

 

レックスの言葉にグレガーが気休めにならない軽口で補足する。みほ達は一目散に走り出し、ウォルフは彼女達の盾となるべくポルシェティーガーを巧みに動かす。スタンモードの光弾では直撃しても戦車にダメージを与える事はない。レックスとグレガーは偏向シールドに弾かれると知りつつも囮と牽制を兼ねてブラスターを放つ。案の定光弾はシールドに弾かれ本体に届く事はなかった。

 

「やはりブラスターでは歯が立たんか!」

 

「かと言ってここで戦車砲をぶっ放す訳にはいかないぞ?エレベーターごと吹き飛ばすというのなら話は別だが。」

 

後退するレックス達に向けてドロイデカはエレベーター前から動く事なく射撃を浴びせている。やがてドロイデカの射程範囲外に出たのか射撃が止み、ドロイデカは戦闘形態のまま動かずにいた。レックスはみほ達と状況確認と対策を練る事にした。ウォルフ達もポルシェティーガーから降りてそれに加わる。

 

「アイツ等、あそこから動く気は無い様だな。」

 

「それはそれで厄介だな。他のエレベーターに回るにしてもこの艦は広い上に学園棟に上がれるエレベーターはここだけだ。少なくとも徒歩で行くには現実的ではない。」

 

「確かにアイツ等を片付ける方が早いだろうが我々には武器が無い。」

 

ブラスターでは通じず、ポルシェティーガーの主砲なら命中すれば間違いなくドロイデカをシールドごと破壊する事が出来るだろうが外した場合、艦内で砲弾が炸裂するわけでそれがどういう事になるかは言うまでもない。

 

「あのドロイド達の緊急停止プログラムは?」

 

カエサルの質問にグレガーが首を横に振る。

 

「それにはR-2が学園艦のメインコンピュータにアクセスする必要がある。問題はその端末がこの付近には無い事だな。」

 

「いっそ戦車で踏み潰してしまえば如何でしょう?」

 

華の過激とも言える提案にみほ達は目を丸くするが、ウォルフは冷静に問題点を指摘する。

 

「確かにアイツ等のシールドは戦車の質量を弾く事は出来ないが流石に1対12では厳しいな。」

 

「あのう・・・私、こんな事もあろうかとこういうものを持って来ているんですが・・・」

 

優花里がそう言いながら背負っていたリュックサックを開けひっくり返す。

 

「これは・・・手榴弾(ハンドグレネード)!?」

 

エルヴィンが目を丸くする。リュックの中から落ちてきたのは多種多様な手榴弾の数々だった。

 

「ちょっと待って秋山さん?こんなモノどこから・・・?」

 

「ていうかそんな小さなリュックにどれだけ入ってんの?」

 

「10個はあるな。」

 

「それは四⚪︎△×ケットでしょうか?」

 

あんこうチームの面々も驚きの声を上げる。

 

「大戦中の手榴弾はもちろんスモークや閃光(スタン)、良いぞ!電磁パルス・グレネード(ドロイド・ポッパー)もある!」

 

「ドロイド・ポッパーは何個ある?」

 

「3個だ。」

 

「他には?攻撃に使える手榴弾はどれくらいある?」

 

M24型手榴弾(ポテトマッシャー)が2個、Mk2手榴弾(パイナップル)が3個。これだけあれば充分だろう。」

 

レックス達が攻撃に使える手榴弾を確認する。ドロイドポッパーとは周辺に電磁パルスを放出してドロイドを停止させる手榴弾である。

 

「あのバリアはどうするんだ?あれがある限り手榴弾は有効ではないのでは?」

 

カエサルがレックス達に疑問を投げかける。

 

「なに、ちょっとしたコツがあるのさ。」

 

「コツ?」

 

「ああ、アイツ等のシールドは低速で接近する物体は防げないんだ。ゆっくり転がせばシールドを通過して中で炸裂させる事が出来るわけさ。」

 

「ポテトマッシャーは転がすのは難しいと思うのですが・・・?」

 

「それ以前にどうやって近づくんだ?」

 

「先ずはポルシェティーガーを前面に押し出して進行する。そして機を見て仕掛ける。」

 

「そんないきあたりばったりなやり方・・・」

 

沙織が呆れた様に言うが他に有効な考えを誰も持ち合わせて居なかった。

 

「なんとかなるさ!では、私とウォルフ、グレガーが先陣を務める。ポルシェティーガーの操縦は冷泉さんに任せて良いかな?」

 

「わかった。」

 

「R-2は冷泉さんのサポートを頼む。」

 

「♪」

 

「私達は何をすれば良いでしょうか?」

 

みほがレックスに指示を求める。

 

「そうだな、我々の後の第二陣を受けもってくれるとありがたい。無論、危険な任務となるから辞退しても構わない。」

 

「今こそ真田の忍びの力を見せる時!その役目引き受けた!」

 

左衛門左がすかさず志願する。

 

「では私達もやろう。」

 

カエサルとエルヴィン、おりょうも手を上げる。

 

「それに援護射撃も必要だな。私達の突撃をカバーして欲しい。」

 

「それでは私が。」

 

グレガーのお願いに華が応じる。

 

「ありがとう。よろしく頼むよ五十鈴さん。」

 

「はい。」

 

グレガーからにこやかにブラスターを受け取る華の目がキラリと妖しく光るのをみほは見た。

 

一通り役割分担も決まり、進撃を開始する。ポルシェティーガーを先頭にドロイデカの射程に入ると早速光弾が雨霰と飛んで戦車の前面装甲を叩くがそれをものともせず進み続ける。

 

「このままもう少し・・・よし!行くぞアタック!」

 

レックスが戦車の横から駆け出し、ドロイデカの横をスライディングするように通り抜ける。そして彼女が放ったドロイドポッパーはゆっくりと偏向シールドの中へと転がり炸裂する。ドロイデカに電流が走り機能が停止した。グレガー、ウォルフも同じ様にドロイデカを仕留める。

 

「いざ!」

 

左衛門左が飛び出し、両手のポテトマッシャーを上手くそれぞれのドロイデカの偏向シールドを通過させ撃破する。

 

「左衛門左に続け!」

 

「「応!!」」

 

エルヴィン達もパイナップルを使い撃破。これで後4機。だが手榴弾はもう無い。ポルシェティーガーが加速して正面のドロイデカ2台をスクラップに変えた。後2機。

 

「ふふふ」

 

レックスを狙おうと背を向けたドロイデカに華が近づきシールドの中へとブラスターを突っ込みトリガーを引いた。

 

「これでラストォー!!!」

 

典子が前転しながらシールドに潜り込みブラスターを発射して最後のドロイデカも停止した。

 

「周囲に敵影無し。損害無し。」

 

グレガーが周囲を確認してヘルメットを脱ぐ。

 

任務完了(ミッションコンプリート)!!皆、見事だった!」

 

「「「「「やったね!!!」」」」」

 

レックスの賞賛に皆がそれぞれハイタッチ等をして喜ぶ。

 

「さあ帰ろう。上で先生達を待つとしよう。」

 

ウォルフの言葉に頷き皆はエレベーターに乗って地上へと戻っていった・・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜待ち伏せポイント〜

 

双眼鏡を覗き込んでいたハンターは、こちらへと向かうアナキン達とジロ・ビーストを確認した。

 

「来たぞ。各員かかれ。」

 

「「「「了解」」」」

 

「オメガはここで観戦しててくれ。レッカー、オメガを頼む。では、行ってくる。」

 

「おう!」

 

「気をつけてハンター。」

 

オメガに片手を上げて了解のサインをしてハンターは所定の位置へと向かう。

 

「さあ、着いたわ!追いかけっこはここまで!決着をつけましょう!」

 

アソーカはフォースジャンプで15m程跳びキャットウォークに着地する。アナキンとケノービも同じ様にそれぞれ別のキャットウォークに着地した。

 

「流石ですね、お早いご到着で。」

 

ケノービが着地したのは丁度ハンターが居る場所だった。

 

「ありがとうハンター。君たちの準備は済んでるかい?」

 

「ご安心を。手ぐすね引いてお待ちしていたところです。」

 

 

グオオオオオオオオ!!!!

 

進入してきたジロ・ビーストがケノービ達を見上げ吠える。どうやら追いかけっこの続きをと訴えている様だ。

 

「すまないが今日はここまでだ。また機会があれば遊んであげよう。もっともそんな機会はない方が良いかな。ハンター?」

 

「はい。飼育部屋(ココ)で大人しくさせておきましょう。各員へ状況開始。エコー、ガスの注入開始。」

 

〈了解しました。〉

 

返事と共にパイプから催眠ガスが流れ出す。戸惑う様に元来た方へと振り向いたジロ・ビーストだったが通路の扉が閉じてしまった。

 

「苦しいかもしれないが出ていってもらっちゃ困るんでね。」

 

テクが操作パネルを閉じながら言った。

 

ジロ・ビーストはフラつきながらも扉に体当たりしようと一旦距離をとって再び扉へと向き直る。

 

「悪いがここまでだ。ゆっくりオネンネしな。」

 

クロスヘアーが狙撃銃のスコープを覗き込みながら呟く。スコープに首筋の鱗が剥がれている部分が入る。(成長期のジロ・ビーストは鱗を生え変えながら成長していく。丁度古い鱗が剥がれ、新しい鱗に生え変わる前の部分である。)瞬間、トリガーを引いた。

 

「麻酔は吸うより打った方が効きが早いとさ。ジロ・ビーストさん」

 

麻酔弾は寸分違わずその部分に命中しジロ・ビーストはそのまま昏倒する。しばらくすると穏やかな寝息が聞こえてきた。

 

「よし。状況終了。皆ご苦労だった。私はケノービ将軍達と話しがあるから先に撤収の準備をしておいてくれ。準備出来次第帰っても構わない。」

 

〈了解ですハンター〉

 

通信の終わりを見届けたケノービがハンターに声を掛ける。

 

「ありがとうハンター。おかげで助かったよ。」

 

「いえ、こちらこそ協力感謝します。ケノービ先生。」

 

アナキンとアソーカも合流する。

 

「で、どこまで教えてくれるのかな?」

 

「先ずはあのジロ・ビーストについてですね。アレはご想像の通りクローンです。ですが、前世での銀河皇帝(パルパティーン)が依頼したモノとは異なる種です。」

 

「ほう。では何処が製造したクローンというのかね?」

 

かつて最後のジロ・ビーストが首都惑星コルサントで暴れ、ジェダイ達はやむなくこれを退治した。その際、当時銀河共和国最高議長だったパルパティーンはジェダイには内密にこのジロ・ビーストのクローンを製造する様に命じた経緯があった。だが、それは結局は頓挫していたのである。主な理由としては肝心のジェダイ討滅を達成した以上、余計な脅威を産む様な事を疎んだという事であった。

 

「製造されたのは惑星ムウニリンストです。製造された後にどの様な経緯かはわかりませんがこの艦に乗せられ冷凍保存されたままだったのをオメガが蘇生させ飼育していました。」

 

「元々この艦自体こっちの銀河に漂着したものだったわね・・・」

 

「パルパティーン学園長はこの事は?」

 

「無論報告しています。生徒会経由で。」

 

「角谷会長達も知っていると?」

 

「はい。」

 

アナキンが呆れた様に頭をかく。ため息を一つした後、気を取り直して次の質問をする。

 

「で、どうして逃げ出したんだ?」

 

「それは、おそらくそちらの誰かが押した緊急解放スイッチの為です。」

 

「やはりそうだったか・・・」

 

ケノービがため息を吐く。

 

「まあこうして無事に捕獲出来た事ですし、一件落着で良いでしょう。」

 

「そう言ってくれると助かる。」

 

今回の件はこれで手打ちという事になる。

 

「ところでハンター、貴方達も戦車道に参加してくれないかしら?」

 

「どういう事ですか?」

 

アソーカの勧誘に首を傾げるハンター。ケノービが事情を説明する。

 

「なるほど、急に戦車道が復活したのはそういう事だったのですね。」

 

「ええ、だから貴方達にも協力して欲しいのよ。」

 

「残念ですが、我々には先約がありますので参加する事は出来ません。」

 

「先約?」

 

「我々も詳しくは未だ教えられてないので、この学園にまつわる調査という事しか今は申せません。」

 

「なるほどな。」

 

アナキンが何か思い当たる事があるようだった。ケノービも頷きハンターに声を掛ける

 

「そういう事なら仕方ない。だが来てくれるのならいつでも歓迎するぞ。」

 

「はい。その際にはよろしくお願いします。」

 

そう言って敬礼したハンターは三人の元から去っていった。

 

「先約ってなんなのかわかるの?マスター?」

 

アソーカがアナキンに尋ねる。

 

「ああ、チーム501(お前たち)の代わりだよ。ハンター達は学園長とも生徒会とも繋がっている。お前たちを戦車道に専念させる為に彼女達が調査を引き継いでくれるという事さ。」

 

「そういう事ね・・・」

 

アソーカは複雑な表情を浮かべハンターが去っていった方を見つめていた・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜BARどん底〜

 

ハンターが入るとすでにレッカー達は『竜巻のお銀』達と盛り上がっていた。

 

「いつものを」

 

カウンター席に腰掛けたハンターはカチューシャをつけたバーテンダー『カトラス』にオーダーをする。グラスがスッと流れてきてハンターの前で止まる。

 

「ハンターお疲れ様!それじゃ皆、改めて乾杯しましょう!」

 

オメガの言葉にグラスを掲げる一同。

 

「皆お疲れ様!かんぱ〜い!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

BARどん底の盛り上がりは遅くまで続いた・・・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜生徒会室〜

 

杏達は戦車道説明会から帰って来て直ぐに501(アソーカ達)から今日の報告を受けていた。因みにみほ達は一足先に大浴場へと行っていた。

 

「それは大変だったね〜ご苦労様。」

 

「ところで会長、ジロ・ビーストの事は何故私達には教えてくれなかったのですか?」

 

「うん、だって聞かれてないし。」

 

肩を落とすアソーカ。

 

「まあ無事に済んだんだから良かったじゃん。」

 

にこやかにそう言う杏に諦めたアソーカは説明会の方へ話題を転じる。

 

「ところでそちらの方はどうだったんですか?」

 

「あーうん、まあルールの確認といったところだね。ルールの方は明日にでも皆に伝えるよ。今日は疲れたっしょ。ゆっくりお休み〜。」

 

微妙に歯切れの悪い杏に疑問を持つが、同時にその事に触れさせない様な雰囲気を感じたアソーカはレックス達と共に生徒会室を辞去した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜都内某所・高級酒場〜

 

パルパティーンは待ち合わせの時間より早く着いたが既にその人物は到着していた。

 

「すまない。待たせたかな?」

 

「いえ、貴方より遅く来るわけにはまいりませんので。」

 

大柄ででっぷりと肥えたその男はごく自然にそう言った。

 

「ご依頼のあった件ですが、これに纏めておきましたので後程ご確認下さい。」

 

「うむ、感謝する。」

 

パルパティーンは男が差し出したディスクを受け取る。

 

「お気をつけ下さい。この件は思った以上に複雑かもしれません。」

 

「ほう。と言うと?」

 

「私の考えですが、標的は完全に貴方と大洗学園艦(スーパースターデスロイヤー)です。他の整理対象になっている学園艦はそのついででしょう。」

 

「となると今回の件を仕掛けた者は(パルパティーン)が何者であるかを知っていると?」

 

「おそらく間違いないでしょう。くれぐれもご油断なさらぬ様に。」

 

「忠告感謝するペスタージュ。君はこの相手に心当たりがあるかね?」

 

「いえ残念ながらそこまでは・・・。」

 

「ふむ、そうか・・・」

 

「申し訳ありません。」

 

頭を下げるセイト・ペスタージュに苦笑するパルパティーン。

 

「なに構わんよ。引き続き宜しく頼む。」

 

「かしこまりました。閣下。」

 

二人は店員を呼び注文を開始した・・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 




全国大会抽選会にて初戦の相手が強豪、サンダース大学附属高校に決まった大洗女子学園。その抽選会の後に西住みほは姉である西住まほと再会するのであった・・・。
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