ハロハロ皆さん、茶髪幼女のビアー=ホイヘンスですよ~♪・・・自分で幼女とか言うの想像以上にキツイからもうこの自己紹介は止めますね
あれから一年程時間も経って体を鍛える為にも出来るだけ重たいモノとか持ちながら近所を走り回ったり、『練』の持続時間を延ばしたりと兎に角毎日『纏』と『練』の日々
でも最近少し悩んでる事が有るんです
それは『練』の持続時間、つまりはオーラの総量の伸びが悪くなってきたと云う事だ
普通の人は『練』を10分延ばすのに一ヵ月の修行が必要とされている。ゴンとキルアは疲労回復能力者の力も手伝って10分どころか5時間は伸ばして6時間の『練』を可能にするとか流石主人公といった感じだ・・・で、一年の修行を経た今の私の総オーラ量はそのゴンにも及ばない2時間ほどでガス欠
「くそぉう、やはり主人公は格が違うというのか・・・」
※幼女ボディで修行してる事は計算から抜け落ちてます(2回目)
いや、ガス欠になる事は良いのだ。それだけ負荷を掛けて鍛える事に貢献しているという証左だしね。でも『練』の最大持続時間が2時間の私はその半分の1時間程度なら特にこれといった疲労も感じないのだ。それは詰まり1時間も無駄にしている事と同義!―――今はまだ1時間の無駄で済んでるけど、原作ゴンのオーラ量に追いついたら3時間も無駄にする事になるし、あの巨大
それはダメだ。才能の無い私はもっともっと負荷を掛けないといけない
でも私は制約で『纏』と『練』以外は使えないし・・・あ、そうか。なんで忘れてたんだろう?要は『纏』と『練』を同時に使えば良いんだ
最初に戦闘なら『堅』を使えば良いじゃんって考えてたように『練』じゃなくて『堅』とか後もう一つの『纏』と『練』の応用技の『円』を使って修行すれば良いんだ!
通常の『練』と違って念能力の応用技はそのオーラの消費量は6~10倍に跳ね上がる。今の私なら強靭なオーラを余すところ無く身に纏う『堅』やオーラを自分を中心に広げて気配を探る『円』を使って修行すれば10倍計算なら12分でぶっ倒れられるぞヒャッホイッ!!
特に何も考えずに『堅』をして速攻でぶっ倒れた私が病院に担ぎ込まれたのはまた別の話・・・・済まぬ、両親よ
はいはい。そんなこんなで月日も経って私も11歳となりました
え?今までの7年間如何してたって?勿論毎日ひたすら『纏』と『練』ですよ、決まってるじゃないですか
他に特筆すべき事が有るとすれば精々飛び級して義務教育はとっくに終わらせたってくらいですね。だって学校とか勉強とかしてたら修行の時間減るじゃないですか。この世界の歴史とかだと一から覚える必要が有ったけど、数学とか義務教育範囲内なら流石に手こずったりはしませんしね
両親からは「なんでこの子は
「お父さん、お母さん!私、来年のハンター試験を受けてハンターになりたい!」
確か主人公のゴンは11歳でハンター試験を受けていたはずだ。なら私も11歳でハンター試験を受ければ原作キャラ達と出会える事だろう
やっぱり折角なら彼らと出会ってみたい気持ちはあるからね
だが世間一般で危険な職業という認識の深いハンターになりたいという私の願いは流石に両親もすぐには頷いてくれなかった
今は家族で食卓を囲んでお話中だ
「ビアー。ハンター試験は毎年数百万人が受験して実際に試験に受かるのは毎年数人程度・・・倍率100万倍はする過酷な試験だ。それに毎年の死傷者数も千人程度は軽く超える。ビアーは確かに少し、ちょっと?かなり?運動は出来るけど出来ればもっと安全な将来を考えて欲しい」
お父さんが私に試験を受けるのを止めるように説得してくる。最後の方になんか変な葛藤のようなものが頭を過ったみたいだけど、隣に居るお母さんも同じ思いなのか首を縦に振っている
でもここで退くわけにはいかない。心配を掛けるのは確かに申し訳ないと思うけど私だって伊達に今日まで鍛え上げてきた訳じゃないんだから
「だから、条件を出そう」
いざ絶対に試験を受けるという意思を伝えようと身を乗り出そうとした直前にお父さんから意外な言葉が飛び出した
「あなた?」
「お父さん?」
この様子だとお母さんも知らないみたいだね
「ビアー。これは危険な試験を受けても無事に戻ってこられるというだけの実力を示して欲しいという話だよ」
成程。ハンター試験に伴う危険を最低限振り払えるという証明が出来れば良いのか
「ビアー。天空闘技場を知っているかい?」
「! うん!」
「あなた!?なにを!?」
お父さんの言葉に私とお母さんの反応がまた重なる
でも今度は喰いつく私と批難と驚愕のお母さんというかなり対極的な構図となった
天空闘技場。格闘家や荒くれ者たちの
「天空闘技場は200階までの試合は刃物系武器の扱いは制限されているから怪我を負う事は有っても後遺症が残るような大怪我をする割合は意外と少ない。力試しの初戦以外は基本的に実力が拮抗する相手との試合ばかりだからな」
「え・・・でも天空闘技場でも毎年かなりの死者が出ているって・・・」
「それはファイトマネーの入らない名誉戦で武器の使用も全解禁となる200階以上の試合での話だ。だから俺はビアーが天空闘技場で200階まで登れたらハンター試験を受けても良いんじゃないかと思う。無理に禁止してもビアーなら勝手にハンター試験を受けてしまいそうだからな」
おお!お父さんったら話が分かるぅう♪・・・まぁ私のような11歳の子供が200階まで登れると思ってないからこその提案なんだろうけど、私としては渡りに船だよ
レベルの低い念能力者が殆どを占めると言われる200階クラスの闘士達とか腕試しに戦うには持ってこいだしね
「ああ、それと200階で一度でも戦うような事が有ったらたとえ勝ってもハンター試験の受験は反対するからな」
おおぅ、釘を刺された。確かに200階から武器やら念を知らない相手への念を使った攻撃(洗礼)やらで死者数とか跳ね上がるだろうから200階で戦うのってハンター試験よりよっぽど危険だもんね・・・念を習得してなければの話だけど!!
くぅ!ここは諦めるしかないか。せめて何試合かこの目で見てから帰ろう
そんな感じでお母さんとしても天空闘技場で私が四苦八苦してハンター試験を諦めてくれるなら良いと思ったのか渋い顔をしながらも頷いてくれたのだった・・・済まぬ、190階突破とか負ける気がしないわ
そうして次の休日に私は両親に連れられて天空闘技場までやって来た
私一人でも大丈夫だが、やはり両親としてもゴツイ大人が殴り合う地での娘のデビュー戦は気になったのだろう・・・悪い意味で
地上251階、高さ991m、世界第4位の高さを誇るタワー建造物。東京タワーの約3倍だ。個人的にはそこまで高くしたならもう数m頑張ってキリの良い999mとか1000mとかにすれば良かったのにと思わなくもない
確か前世の地球で一番高いビルが900mに届かない程度だったと考えると十分高いんだけどね
私は一階の選手受付の長蛇の列を見つけてその最後尾に並ぶ
周囲から訝し気な目線を送られるけど幸い絡まれる事も無く自分の番がやって来たので書類に名前やら怪我してもOK的なサインやらを書き込んで受付嬢に渡す
「ではビアー=ホイヘンス様は424番でお呼び致しますのでお忘れなきようにお願いします。それではあちらから中に入ってお待ちください」
「はいは~い♪」
424番か。受付が始まってからそんなに時間も経ってないはずなのにその数字って本当に毎日沢山の人たちがやって来るんだな
受付嬢に案内されたドアから腕試しの為の試合会場の中に入る
かなり巨大な闘技場の中央にAからPまでに区分けされた16のリングが設置されている
戦っている人たちも無駄に取っ組み合ったりしてるだけで動きも鈍いと感じる。こちとら近隣の林とか森とかを全力疾走とかしまくってたりもしてたから動体視力も鍛えられてるんですよ。じゃないと思いっきり木とかにもぶつかるし・・・この世界って鍛えると自動車並みのスピードで走れるようにもなるから必死だったよ
なんか一時期近場の森で山のヌシが出たとかって盛り上がった時も有ったけど多分違うはずだ。猟銃持ったオジサン達とか見た気もするけどきっと熊でも出たのだろう。私のような
だからそのヌシとやらの影を遠目に見た猟師の人たちが付けた名称が『
≪388番、424番の方。Bのリングへお越しください≫
少し待ってるとアナウンスでお呼びが掛かったみたいだ
この一階の試合は選手じゃなくても無料で観戦できるみたいなので観客席に居た両親に軽く手を振ってから指定されたBのリングに上がる
「なんだぁ?ガキ、それも女じゃねぇか」
「お~い、お嬢ちゃ~ん!ピアノのコンクール会場はここじゃねぇぞ~」
「あの388番とか運がいいなぁ。やりたい放題じゃねぇか」
「おらぁっ、格闘技なめてんじゃねぇぞ~!」
「ちゃんと手加減してやれよ~。おべべが汚れるだけでベソ掻いちまうぜ~!」
「馬っ鹿お前それ逆に如何やって勝つんだよ?」
「お姫様抱っこで場外に下ろしてやれば良いじゃねぇか」
「ハッ!そんな紳士がここに居る訳ねぇだろうが」
「それもそうだな!」
「『はははははははははっ!!』」
うむうむ。流石は荒くれ者の
「制限時間3分以内に自分の持つ力を示して下さい」
審判の人も普通にリングに上がった私たちにルールを説明してくれる
野次が飛ぶのなんて彼らからしたら日常だろうしね
「それでは・・・始め!」
「グフフフフ!いやぁ悪いなお嬢ちゃん。力を示せって事だから時間いっぱいタップリと可愛がってやるぜぇ♪」
開始の合図と共に対戦相手は嫌らしい笑みを浮かべて手をワキワキさせながら迫って来る
うわコイツってばロリコンで嗜虐趣味の変態ですか
なんか手で触れるのも嫌だったので抱き着いてきた瞬間に相手の斜め後ろに移動してローリングソバットで脇腹を蹴り飛ばして場外の壁にめり込ませた
私はピアノは弾けないけどピアノを持ち上げる程度は余裕で出来るんだからね
体を鍛える時は重たい物を持つのが基本だったし、ぶつかってへし折っちゃった木とか折角だからって背負ったりもしてたんだから
観客席が騒然としてるけどやはり審判はプロだったのか冷静に50階クラスへの切符を切ってくれた・・・原作のゴンもそうだったけど取り敢えず50階からってルールでも有るのかな?
さて、ここで天空闘技場のルールをお浚いしておこう
と云うか50階へ昇る為のエレベーターガールが説明してくれた
この天空闘技場は200階までは10階ごとに区分けされており50階選手の私は次の試合は50階から59階までの何処かで行われ、勝てば60階クラスの闘士となり、負ければ40階クラスに格下げとなるというものだ
お父さんのハンター試験を受ける条件である200階に行くためにはこれから連続負けなしで15連勝が必要って訳だね
200階以上の説明はまた別口になるのかそのままエレベーターを降りて受付でファイトマネーである152ジェニーを受け取る
おお!さり気にこの世界で初めての労働の対価だ・・・缶ジュースくらいしか買えないけど
一階での戦いで貰えるファイトマネーは勝っても負けても152ジェニーらしいからちゃんと稼げるとしたら次の階からだね
それからその日は全部で3試合行った。まぁ相手は特に語る事もなかったので危なげなく一発でダウンさせてたから多く試合が組まれたみたいだ。朝から並んで時間に余裕が有ったのと一階で行われた試合は別枠だったって事かな?
60階クラスで勝利して70階の受付でファイトマネーを受け取ったら「ビアー様は本日はもう試合が組まれる事はありません。お疲れ様でした」と告げられたんだよね
それで今はこの街の少しお高めのレストランで晩御飯をガッツいてる
50階のファイトマネーの5万ジェニーと60階クラスのファイトマネーの10万ジェニーの臨時収入も有ったし、なんだかんだで心配して付いて来てくれた親への感謝の気持ちってやつだ
両親としても私が大の大人をポンポン壁に蹴り飛ばしているのを見て色々と諦めたのか明日の朝には家に戻る事にしたらしい
その日はホテルで都会の注意事項(良い仕事を紹介するとか言って迫って来る人たちに付いて行かない等)を聞かされながらも眠りについて次の日の朝、闘技場の受付時間に合わせてホテルで両親とは別れる事になった
それから2日後には100階クラスに上がった事で天空闘技場の中に個室を貰えるようになり、更に5日後の今は190階クラスのリングに上がっている・・・え?今までの戦い?全部ワンパン(キック)ですよ
≪さあやってまいりました本日190階クラスでも注目なのは7日前に彗星の如く現れてからここまで無傷無敗の一輪の花!愛らしい外見とは裏腹に鋭い蹴りは対戦者たちを一撃の下に沈めておりますビアー=ホイヘンス選手!本日も華麗なるキックを決めて見事200階クラスへの切符を手に出来るのかァアアア!!≫
なんとなく今まで蹴り技で勝ち上がってきたからか蹴り主体の選手だと思われてる節があるね
「はぁ、はぁ、ビアーちゃんの健康的で綺麗なおみ足で蹴られたり踏まれたりしたいお・・・」
「短パン履いてるけど僅かな隙間から
「対戦者なら蹴られる瞬間にワンチャン・・・出来れば頭を蹴って欲しい」
「それだと一瞬過ぎて判らないだろう。俺ならダウンする時になんとかビアーちゃんの真下に頭を転がして上を向くね。そして最後に顔面を踏んづけて貰うんだ」
「「「それだっ!!」」」
―――『それだっ!』じゃねぇよ馬鹿野郎!クソォ、観客席は満席だけど最前列に陣取ってる奴らの声が聞こえてきちゃったじゃないか
やっぱり動きやすい恰好をと思って下は短パンだったのが一部の人たちを刺激してしまったのか
絶対に彼らに希望すら持たせない試合にしよう
考えてる内に対戦相手の紹介も終わったみたいなので前を向く
「それでは、試合開始ッ!!」
「ククククク、お嬢ちゃんのただの蹴りでは私の練り上げたカポエラの前では無力!どちらが真の蹴り技使いか白黒付けてくれよう!!」
あ、別にそんな称号要らないです
そうして飛び掛かってくる相手を前に私は軽く念を纏ってリングを踏みつけた事で私を中心に全方位に衝撃波が広がり、近くまで来ていた対戦者は衝撃波に砕けたリングの破片が混じった攻撃を真面に喰らってリング外に吹っ飛んだ
試合開始最初の一歩の踏みつけで粉塵まで舞っていたのだから覗き見対策は完璧でしょう・・・ってよく考えたらそんな事しなくても普通に見えるはず無かったか
≪これは一体どうした事かぁあああ!?ビアー選手がリングを踏みつけただけで決着が付いてしまいました。今までの試合はウォーミングアップでしか無かったという事なのか!?ビアー選手、これで200階クラスへ殴り込み決定だぁああああ!!≫
う~ん。お父さんとの約束で殴り込みはしないんだよねぇ
よし!今日はもう遅いしお父さんとお母さんに190階突破したって報告だけして部屋で持ち込んだゲームでもしてよっと♪そうと決まれば部屋に直行だ
「あっ!ビアー選手、何処へ行かれるんですか!?200階クラスへの手続きは当日しか受け付けていませんよ!」
エレベーターガールの人の声が聞こえてきたけど私には関係ないからね
「御免、パス!」
それだけ伝えてその場を後にしちゃったけど、問題ないよね!
[変態ピエロ side]
200階フロアへ昇るエレベーターから受付までの直線の廊下の奥で赤茶色の髪をしたピエロをモチーフにした服を着た人物が待ち人を今か今かと待っていた
「ククククク♠まだ来ない♣」
あのビアー=ホイヘンスという女の子♠どうやら
普段から纏っていたあの『纏』もそうだったけど、さっき少しだけ魅せた『練』とかあそこまで力強いモノは初めて見たよ♥
なにかカラクリが有るんだろうけど、今の段階でも十分美味しそうな果実だ♦
ああ♥試合で彼女を前にした時は自分を抑えられるかなぁ?ちょっと自信が持てないや♣
・・・・・それにしても彼女、遅いなぁ?もうとっくに来ても可笑しくない頃なんだけど?
まぁ良いや♠日付が変わるまでには直接
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~深夜零時過ぎ
「―――――×」
[変態ピエロ side out]