毎日ひたすら纏と練   作:風馬

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最近は寒波のせいで布団から出たくないですねぇ。着る毛布を着るまでの時間も億劫ですww←はよ起きろ


課題クリアとゲーム開始

G・I(グリードアイランド)の世界からドーレ港を経由して帰って来たその次の日はゴン達の様子を見に行く事になっている。ノウコちゃんも一緒に付いて来たがったけど、ハンターとしてのお仕事の話とかも色々しなくちゃいけないって事で遠慮して貰った

 

ちょっと寂しそうな顔をさせちゃったけど、ノウコちゃんもお仕事とまで聞いて我儘を言ったりしない良い子だったので良かったよ。それに私達には必殺ペットのルルとアリスタが居るから2匹には昨日に引き続きノウコちゃんの遊び相手になってもらえたら完璧だ

 

ネズハさんも今日は家に居るみたいだから問題も起きないでしょう

 

そんな訳で今はゴンの家の在る丘の上まで移動中だ

 

「そうだったんだね。ゲーム外に出る方法がその二つだけでドーレ港まで跳ばされたビアーは海をその身一つで泳ぐ事にしたと・・・そこは大人しく電話して遅れる旨を伝えれば十分だったんじゃないかな?それに暗くなった海でよくこの島まで迷わずに泳いでこれたね?普通遭難案件だよ?」

 

「ふっふっふ!時代は進歩しているのだよレツ君。ボトバイさんお勧めの圏外無し電話の力を以てすれば海の上でも現在位置をGPSで把握可能だからね!」

 

ちょっと嵩張るけどその価値は十分

 

水に濡れないようにビニール袋に入れればバッチリだ・・・改めて圏外無しとか宇宙開発もされてないのに位置情報も分かるとかハンター世界の機械類は一部の性能が頭が可笑しい

 

貴金属から動植物まで前世の常識に喧嘩売りまくってるような素材が溢れてるからその影響だとは思うんだけどね。技術革新にはハンターの存在が大きいのよね

 

「最初にジャンプで距離を稼いでそのまま水上走っていけるかなとも思ったんだけど、そう上手くは行かなかったのは残念なんだけどさ」

 

「へぇ、常識知らずのアンタでもそこまで非常識な事は出来なかったって訳ね?」

 

「いや、水上は走れたよ?」

 

「「ん?」」

 

なんか二人揃ってキョトンとした顔された

 

「いやそれがね。水中に沈まない為には殆どその場で足踏みするのに近い動きをしなきゃいけなかったから割に合わないって話だった訳よ。もっとこう、ダイビングフィンみたいな空気抵抗の大きい靴を履いてれば何とかなったかも知れないけど、今の私じゃ空気を足場に速度を出すのは難しかったんだ~・・・アレね。レ〇海王をイメージしてくれればOKかな!」

 

「誰よその烈カ〇王って!?アンタ以外で水上を走る人間が居るって言うの!!?」

 

私の場合は流石に彼よりはスピードは出たけど、これなら泳いだ方が良いって数秒で諦めた訳だったりする。移動する為の運動エネルギーを得るには空気よりも水の方が抵抗が高くて適しているってそんな当たり前の話だ

 

何時か一歩の踏み込みで数メートル程度の距離を稼げるようになれば濡れずに帰って来れるようになるんだけどね。体力を滅茶苦茶消費する事に変わりはないけど

 

拳一発で衝撃波も出せる私だけど個性でヒーローでアカデミアしてる世界の濃ゆい顔(オールマイト)みたいに空中を自由に動ける程のパワーはまだ無い。だってあの人パンチで天候変えるし

 

今の私の身体能力ってOFA(ワンフォーオール)で例えるなら35%前後かもね・・・アメコミ世界の壁は厚い

 

てか今の私の力を3倍以上にしたところで天候吹っ飛ばせるパンチとか打てないっつぅの!物理法則もっと仕事しろやい!ファンタジーに言っても詮無いけどさぁ!!

 

「でも水上走法を試したお蔭で一つ気付けたんだけどね。実際に水を蹴ってる訳でも無い水走りが出来るなら、今の私なら空に手が届くんじゃないかって」

 

それでも水の抵抗値が無くなる分前進に回せるエネルギーは少なくなるけど全力でバタ足すればこの通り!軽くジャンプして大乱闘でスマッシュするゲームの緑竜の空中下A技の如く高速で真下に空気を蹴り続けた私はその場に留まる事に成功する

 

「どう!・・・かな!?・・・全力・・・なら!・・・翼が無くても!・・・人・・・は!・・・空を飛べるん・・・だよ!!」

 

空中バタ足を止めて地面に降り立った私は膝に手を付いて呼吸を整え、ドヤ顔で二人の方を向く

 

二人ともさぞかし驚いてくれるでしょう。これが人類の可能性ってやつだ!!

 

「今日のネズハさんの夕食って何かな?」

 

「さぁどうでしょうね。私としては昨日のサーモンが気に入ったわ。レツは昨日の魚料理じゃ何が好きかしら?」

 

「ボクはそうだな~・・・どれも美味しかったけど、あえて言うならあの巻貝かな?」

 

「あれはサザエね。確かにアレも美味しかったわ」

 

・・・あ、あれ?もしかして今の見てなかったの?いや、そんな事は無い。空中走りしてる時にちゃんと二人がこっちを見てたのは確認済みだ

 

「ぽ、ポンズ姉?・・・レツ?」

 

思わず恐る恐る声を掛けると二人はこっちを向かないままピタリと動きを止めた

 

「ビアー・・・受け止めては上げるからこれ以上非現実的な光景は見せないでくれないかしら?」

 

「凄いは凄いんだけど、必死になってその場に留まるだけとか役立たず過ぎてリアクションに困るし、実戦レベルで使えるようになってから自慢してくれる?・・・少なくともそれまではボク達も精神の安定が図れるからね」

 

そんな見るだけでSAN値が削れるク〇ゥルフな神話生物みたいな扱いしなくても良いじゃん!

 

「いやでも水上走法なら自転車程度の速度は十分出せるし」

 

「ボクらの間でそれが実戦で役に立つの?せめて自動車レベルになってから出直して来てよね」

 

辛辣!!何時になく二人が辛辣なんだけど!!?

 

()ねてやるぞ畜生め!!

 

頬を膨らませての不満顔アピールも完無視されつつゴンの家に着いた私達はチャイムを鳴らしてミトさんに出迎えてもらい、2階にあるゴンの部屋に上げて貰う

 

流石に7人も入ると狭くなっちゃうけど、元々そんな長居するつもりは無かったから良しとしよう

 

「よぉ、おはよーさん。さっき窓の向こうで砂埃が物凄い勢いで舞い上がってたのが見えたんだが、一体何してたんだ?」

 

「空中地団太」

 

「いや分かんねぇよ。てか空中な時点で『地』じゃねぇだろそれ」

 

「―――レオリオ。貴方は何も見なかったし何も覚えてない。そういう事にしなさい」

 

「いや分かった。分かったから俺の目ん玉かっぴろげて催涙スプレーをゼロ距離で突きつけるのは勘弁してくれ!レツも(座ってる)俺の両肩を後ろから抑えるんじゃねぇ!!」

 

ポンズ姉にガチ恋距離で迫られてレツに肩もみして貰えるなんてレオリオめ、これは許せないな

 

「許さなくて良いから助けてくれ!イダダダダ!!肩が砕けそうなのに少しでも動いたらスプレーの管が目玉に直接刺さりそうだから身を(よじ)る事も出来ねぇんだぞ!どんな拷問だ!?」

 

おお、レオリオの肩から“ミシミシ”と音がするし、そんな状況でもレオリオが脂汗を流すだけで身動きもしない・・・中々素晴らしい精神力だね

 

まったくなにを言ってるんだか。美少女二人とのじゃれ合い何て美味しい展開なんだから笑えよ、笑えって」

 

「後半理不尽な声が漏れてるし圧が強えよ!」

 

理不尽?ポンズ姉とレツに挟まれて嬉しがらないとか人生損し過ぎだし、その貧相で異端で異常な価値観の方がよっぽど理不尽で不条理で在り得ない、否、在り得ては為らない事だ。世を正す為に必要ならばこの場で異分子(レオリオ)は消去する事も私は(いと)わない。そんな人間に、私は為りたい

 

「まぁ本気と言う名の冗談は置いておくとして」

 

「どっちだよ!?」

 

「私の方は昨日G・I(グリードアイランド)の世界に下見に行ってきて良さ気な修行地とかゲーム外に出る方法とか調べて来たわね。二つある方法の内一つは港に跳ばされるからドーレ港から泳いで帰って来るハメになったけど」

 

実はもう一つ方法が有ったと思うんだけど、それはまだちょっと未知数なのよね

 

「・・・なんで海を泳ごうって発想になるんだよ?」

 

「ビアーだから」

 

『成程』

 

キルアの疑問にレツが答えて皆納得!・・・なんか釈然としないなぁ

 

「あ~あ~、それにしてもズリーよなぁ。ビアーだけ先にプレイするとかさぁ。もっと足並み揃えようとか思わない訳?」

 

言ってる事はそれっぽいけど単に羨ましいだけでしょ

 

「今回はゲームクリアがメインって訳じゃないからね。三人が課題をクリアするまではお預けよ」

 

「あ!そうだ。実はビアーに見せたいのが有ったんだ」

 

ゴンが座っていたベッドの端から立ち上がると机の上に置いてあった箱を手に取る

 

「これ、俺の親父がもしも俺がハンターになったら渡してくれってこの家に残しておいたモノらしいんだ。昨日の夜にミトさんがくれたんだよ」

 

おや、もうそれを貰っていたとはね。仲間たちが一緒な事でミトさんも出し渋るのは止めて見守る事にしたのかな?

 

「本当は鉄の箱みたいなのに入ってたんだけど、俺が触れた途端に壊れたって言うか開いちゃってさ。ビックリしたよ―――コレ、何か模様みたいなのが有るんだけど何か分かる?」

 

ゴンは箱と一緒に手に取った鉄の棒を3本ほどこっちに見せて来た

 

最近は兎に角『纏』『絶』『練』を隙さえあれば鍛えるように促してたから触れた瞬間にバラけちゃったみたいだ

 

「この模様は神字ね。念を籠めて描く事で色んな補助効果を持たせられる特別な文字よ。尤も、余程の術者でもなければ大した効果は付与出来ないけどジンさんレベルなら木っ端能力者の『発』を超える効果を載せられるかもね・・・ええっと、何々?この棒は『接合』と『頑強』に『埋立』の効果が付いてるわね。最後の『埋立』は模様を描くだけでオーラは第三者が流して初めて作動する感じで他の神字の一部を塗り潰す事で効果が切れる仕組みになってるみたいね」

 

こんな面倒な真似しなくても普通に『解除』とかじゃダメなのかな?ああ、でもそれだとジンさんのオーラを押し流せるだけのオーラを『解除』の神字に籠める必要が有るし、なんなら『接合』と『頑強』も同時に強化されちゃうからイタチごっこに成り兼ねないのか

 

間接的に神字そのものを潰す事で低燃費での解除を可能とした訳ね

 

「うへぇ、お前よくこんなの解読出来るな」

 

「ハンター専用サイトとかでもお金さえ払えば基本は身に着けられるわよ。この中だとレオリオは覚えても良いかもね。繊細な医療器具を持ち運ぶケースの強度を上げたり聴診器の性能を向上させたりとか使えると思うわよ。まぁ奇天烈な紋様が見えても病人が不安がりそうだから聴診器に描くのはちょっと無理かな~?まぁ神字は覚えるのにも書き上げるのにも時間掛かるから専門の職人を見つける事が出来ればベストかもね」

 

医療に使える『発』を開発したとして神字マットみたいなのを床下に仕込んだり出来れば中々良いかも知れない・・・その場合自分の病院を建てる事がほぼ前提だけどね

 

「医者の勉強に加えて念の習得までやってんのに更に勉強を追加する気はねぇよ」

 

「・・・私も今は幻影旅団(クモ)との対決に向けて力を伸ばすのが急務だからな。覚えるべき時は今では無いだろう」

 

「俺もパ~ス。こんな細々としたものの勉強なんかやってられるかってんだ。なぁゴン?」

 

「う~ん。俺もちょっと覚えられる気がしないや」

 

ゴン達の中で覚える気が無いのが3人に覚えられないのが1人ね。クラピカなら修行合間の読書感覚でさっさと暗記しちゃいそうなイメージ有るけど、ゴンは苦手そうだよね

 

開始30秒で頭から煙を上げて3分も経つ頃にはプロハンターから宇宙猫にジョブチェンジしてる未来しか見えないわ

 

宇宙猫か・・・宇宙を探索すれば本当に居るかもね。こんな世界だしワンチャン有ると思う

 

「この棒の事は分かったよ。それで本題はこっちの箱の中身なんだけど、指輪とROMカードとカセットテープが入ってたんだ。テープの方は先に聞いたんだけど親父からの『俺に逢いたいなら捕まえてみろ』ってメッセージだったんだ・・・ただダビングもしてたんだけどオーラで操作されて録音全部消されちゃったんだけどね」

 

「音声データだけでも相当量の情報を拾えるからな。念能力を考慮すれば条件次第では現在の居場所すら探れるかも知れない。当然の対策だな―――(もっと)も10年以上前に籠められたオーラでデッキごと破壊してでも止めようとした我々の攻撃を防ぎ切ったのだ。まだ念の入り口に立っただけの我々に言える事ではないかも知れんが、流石の一言だよ」

 

確かにカセットデッキなんて一般人でも数発も殴れば十分壊せそうだもんね。どれだけオーラを籠めて強化したのかって話だ

 

「そのROMカード。ジョイステのだろ。ビアーのG・I(グリードアイランド)用のジョイステ貸してくんねぇか?セーブの中身だけでも確認したいしよ」

 

「その必要は無いわよ。だってそのデータは正にそのG・I(グリードアイランド)のセーブデータだからね」

 

「え?なんで分かるの?コレには何も書いてないけど?」

 

ゴンがROMカードをクルクル回してゲームタイトルが書いてたりしてないか探してるけど、そうじゃないのよね

 

私はポケットから箱の中に入っていたのと同じ指輪を取り出して皆に見せる

 

「この指輪はG・I(グリードアイランド)で最初に貰える基本アイテムでね、この指輪とROMカードがセットでゲームの進行状況をセーブ出来るの。どうせゲームの中に入ったら説明されるからまた後でね。今話しても二度手間になっちゃうし」

 

つーか『ブック』も『ゲイン』も使えない状態で説明するとかそれ何て縛りプレイ?

 

「ゲームが出来なきゃ意味無いってか。にしてもよぉ、『纏』と『絶』だけならまだしも『練』を1秒以下ってのがダル過ぎんだよなぁ。レオリオだって昨日集中特訓して『絶』はクリアしたし、もう良いんじゃね?」

 

甘い、チョコロボ君(旧アニオリ設定:キルアの大好物菓子)よりも甘いよキルア君

 

「キルア、ちょっと『練』をやってみてくれる?」

 

「は?まぁ良いけど」

 

キルアは疑問に思いながらもその場で『練』を披露してくれる。時間は1秒を切ろうかってギリギリまで縮めてるわね。流石の習得速度だ

 

私はそんなキルアが反応出来ない速度で間合いを詰めて額に指先を突き付けた。こちらも同じタイミングで『練』を発動した上でだ

 

「はい、1回死亡。私の『練』は0.1秒は切ってるからね。臨戦態勢までに1秒も掛けてたら10回以上は殺せてたわよ。相手が不意打ち仕掛けてきたら『纏』だけだと致命傷にも成り兼ねないし、オーラの瞬間的なON,OFFは生存率にかなり影響するからしっかり習得するように」

 

「お前は何と戦うつもりなんだよ?」

 

直近だと旅団でしょ?対人戦技能は磨かなきゃ嘘でしょうに

 

それに女の子の手を無造作に払うんじゃない。デコピンかますわよ?

 

「―――ああ、そうだった。思い出したんだけどキルア、貴方お兄さんの針使いに頭に針埋め込まれて操作されてるわよ」

 

思い出した思い出した。最初にキルアと出会ってアイアンクローを決めてた時に微かにイルミのオーラを手の平越しに感じ取れたのよね。これがもしもキルアが『纏』を習得した後だったらキルア自身のオーラに阻まれて気付かなかったでしょうけど・・・まぁ私の場合答えは最初から知ってはいたけどさ

 

告げた瞬間皆が面白いように固まって次いでキルアに視線を集める

 

「・・・はぁ!?俺が!?兄貴に!?マジかよ。うわっ、気持ち悪!!質の悪ぃ冗談とかじゃねぇだろうな?もしそうだったらマジで怒っからな」

 

「マジもマジよ。まぁ本当に微量のオーラだから軽い暗示程度のものだろうけどね・・・それで如何する?その針やっぱり抜く?」

 

「抜くに決まってんだろ!それ以外の選択肢有んのかよ!!」

 

そりゃ何時の間にか他人に異物埋め込まれた上で軽くとは云え意思を操られてしかもそれがどの程度の範囲か不明って言われたら気持ち悪いわよね

 

「いえね、一応操られてるってのはメリットでも有るのよ。さっきも言ったけど軽いものだし、これは後々詳しく説明するつもりだったけど念能力の操作系は基本早い者勝ちってルールが有るからその状態ならキルアが他の能力者に直接操作されるのを防いでくれる効果も有るわ。ゾルディック家として厳しい精神修行(拷問・尋問耐性)を積んでるキルアでも操作されたら一発でゾルディック家の秘伝からシステムから家庭内事情までペラペラ喋っちゃう訳だしさ」

 

その程度でゾルディック家を突き崩せるとも思えないけど、情報を抜かれて面倒なのは何時でも何処でも個人でも団体でも同じだ

 

「まぁ流石に当主とかがそんな他人任せな操作対策してるとも思えないし、今は軽いものでもイルミと直接相対した時にその針の効果を遠隔で爆上げしてお人形さんに出来るような小技を持ってても可笑しくは無いでしょうけどね」

 

キルアはゾルディック家の歴史の中でも最高峰の資質の持ち主だから暗殺者向きの性格じゃないと家族に認知されている彼が念を習得した上で家出や反旗を翻した時にも先に操作条件を満たしていれば安心だからね

 

「結局家の為だし後半寧ろ兄貴の趣味じゃねぇか!それで俺が家を継いでも実質兄貴がトップだしよぉ、そんなの!」

 

そうとも言う。イルミに当主願望とか無さそうな感じがするけどゾルディック家に必要だと判断したらやるでしょうね

 

キルアを好き好き大好きフォーリンラブなイルミだけど、あくまでも優先順位の第一位はゾルディック家という枠組みだから―――見方を変えればゾルディック家を愛してるからこそ更なる栄華と繁栄を望める闇堕ちキルアという当主(パーツ)が好きとも考えられる

 

そんなこんなで結局本人の希望で針を抜く事になり、「この辺だよな?」と言いつつ早速とばかりに頭に指を突っ込もうとするキルアをレオリオが慌てて止める

 

「バカ野郎キルアお前!脳みそが人体でどれだけ繊細な個所だと思ってやがる!」

 

「じゃあ如何するってんだよレオリオ?」

 

「そりゃお前、都心の病院とかで先ずはレントゲンを撮って針の位置を正確に把握した上で医者の手で慎重にだな」

 

「そんなこったろうと思ったぜ。ぜってーそんな面倒臭い真似しねぇからな―――心配すんなって。こちとら物心着いた頃から拷問も日常だったんだぜ?どの程度のダメージが本格的に体にヤバイかってのはそこらの医者より正確に判るつもりだよ」

 

随分と深い闇を下敷きにした『問題無し(No problem)』ね

 

とは云えレオリオの言う事にも一理は有る。マジレスするならレオリオの言う事が十全に正しい・・・が、それはやっぱり常識の範囲内での話だ―――針を掴めるまで頭蓋骨に指を突っ込むのが危ない?宜しい、ならば突っ込まなければ良いだけの事だ

 

「ゴン。ちょっとここ(机)のカッターとマグネット借りるわよ」

 

「え?うん、良いけど何に使うの?」

 

「何ってこの流れなら手術(オペ)に決まってるじゃない。この手のメスが見えないの?」

 

手の中でカッターナイフをクルクルと廻し、刃先をゴンの方にピタッと止める

 

「さっきカッターって自分で言ってたよね!?」

 

どっちも小っちゃい刃物何だから大差ないわよ、そんなの

 

※大あり

 

「消毒は・・・別にいっか。ゾルディックって毒耐性有るのよね?じゃあ骨まで行かずに表面だけ切るから『纏』は解いてね~」

 

「おいおい何しようってんだ!」

 

私がカッターナイフの刃を態とチキチキと出し入れしながらキルアに近づくと案の定レオリオが止めに来たけど私としても病院にまで何て行ってられないし、修行が滞るほど旅団戦での死亡率が特に初心者の彼らだと跳ね上がるので却下だ

 

「ポンズ姉」

 

「う゛っ!?」

 

一言名前を呼べば『傀儡蜂』でサクッとレオリオを操って大人しくさせてくれるポンズ姉。仕事人なクールビューティーな一面も魅力的~♪

 

「うわぁ、これ、レオリオ後で怒るんじゃないかな?」

 

「大丈夫よ。針の話をし始めた辺りから白昼夢だから」

 

「いや、それは幾らなんでも苦しいのではないか?」

 

「白昼夢よ、ね?キルア」

 

「ああ、白昼夢だな。だよな?ゴン?」

 

「えぇ・・・クラピカ?」

 

如何しようか的な目でクラピカに助けを求めるゴンだけど、クラピカは腕組みして数秒瞑目する

 

「レオリオだしな。白昼夢で良いだろう」

 

哀れレオリオ。気が付いた時には周囲から『白昼夢だろ?』で押し切られる事が決定した

 

「・・・良いのかなぁ?」

 

良いんだよ。さっきも言ったけど表面切るだけだから事後承諾させた方が早いからね

 

カッターを薄くオーラで覆って切れ味を上昇させて刃とか今更過ぎるのか特に気負った様子の無いキルアの額に押し当てると、以前感じた針の在る部分を宣言通り頭蓋骨まで断ち切らない程度の深さで切ったら筋肉の収縮で傷が塞がらないように指2本で軽く傷口を左右に開いた状態で維持

 

「そしたら今回の秘密道具。テレレレッテレ~ン♪―――マグネット~♪(だみ声)」

 

(ネコ)型ロボットよろしく何の変哲もないマグネットを掲げるとこれまた『周』で強化する

 

普通の医者が頭蓋骨貫通して埋没している針を抜こうとすれば多かれ少なかれ針の周囲の頭蓋骨を削ってからピンセット的なので掴んで引きずりだす必要が有るでしょうけど、磁力という形のない医療器具(?)で真っ直ぐ抜くなら肉体へ掛かる負担はこっちの方が軽いでしょう

 

・・・ふっ、名医と(たた)えても良いんだよ?

 

いきなり私のオーラで磁力を最大強化とかしたら局地災害が起きそうだから段階的に磁力を強めていき、多分最強磁石であるネオジム磁石くらいの磁力(パワー)となった段階でキルアが額の奥がムズムズすると言ったので埋め込まれた針はちゃんと磁力の影響を受ける素材みたいね。極論プラスチックの針とかだったら意味ないんじゃって磁力を強めながらふと思ってたから内心ホッとしてる私が居る・・・だって自信満々で行動に移して結局的外れでした何て恥ずかしいじゃない?

 

磁力はそのままに少しずつマグネットを近づけるとキルアの額の傷の奥からスポンッと針が抜けてマグネットに張り付いた。うへっ、ちょっと体液着いてる

 

「見たか!これがマグネットパワーってやつよ!・・・因みにキルア。記念に要る?」

 

へその緒や親知らずみたいに大事に保管とかさ

 

「要るか!!」

 

私から針を奪い取ったキルアは針を真っ二つにへし折って窓を開け放つとそのまま乱暴に空の彼方に投げ捨てた

 

「キルア。ポイ捨ては感心しないぞ」

 

「るっせ!頭ん中に埋め込まれた俺を操ってたキショイ針なんかと同じ部屋に居れるかってんだ!ゴミ箱を見るたんびに兄貴の顔がチラつくとか最悪だぜ」

 

うん。それは確かに顔をしかめる案件ね

 

私でも針を砂粒になるまで磨り潰してゴミ箱よりも無限の彼方へとボッシュートするかも知れない

 

一応キルアの額に例の朱いスズラン傷薬を塗っておけば完璧だ

 

「―――っは!?俺は何を!?」

 

「それでキルア、気分は如何?」

 

「お、おい。なんか首筋がチクッとしたと思ったら時間が跳んでるような気がするんだが」

 

「ああ、スゲーすっきりした気分だ。今までの状態を普通だと思ってた俺がバカみたいだぜ―――これで『家族』ってんだから笑わせるよな」

 

そのセリフはイルミに対してのものなのか操られていたとしても大切な妹/弟の事を如何でもよくなっていた自分に対してのものなのか、どっちなのかな?

 

「身内に拷問とかしてる時点で今更じゃない?」

 

「ハッ、ちげぇねぇや」

 

態とおどけた感じに言うとキルアも肩を竦めて呆れたように相槌を打つ

 

こう言っちゃなんだけどホントに今更なのよね―――全く、ゾルディック家はイカレテルぜ★

 

「おい!俺になにかしやが「白昼夢よ」―――ああ?」

 

「連日生命エネルギーを使い切ってる影響で疲れが溜まってたんでしょうね。ちょっとボンヤリしてただけよ」

 

「ああ~、確かにここ最近毎日キッツイからな。そんな事も有るかも知れねぇが、騙されねぇからな?ボンヤリしてるのと白昼夢はまた別物だからな?」

 

ありゃ~。言われてみればその通りだ。白昼夢ってカードを先出しし過ぎてたわね・・・レオリオ気絶させてやり直すのはダメかな~?

 

いやいやそもそも強くなる為の修行の一環で多少の怪我なんか付き物なんだし、私も考え無しにやった訳でも無いんだから文句言われる筋合いは無いのよね

 

「まっ、そういう訳だから男なら・・・拳で語りなさい」

 

それでも文句が有るなら納得するまで体に叩き込んで上げようじゃないの

 

「無駄に良い感じの熱いセリフを吐く場面じゃねぇぞ此処は!」

 

「大丈夫だ。問題無い。だって少年誌だから!」

 

この世界そのものが熱血展開を常に望んでいるんだよ!!

 

※ そんな事は無い

 

「意味分かんねえよ!だいたい少年誌でも無意味にいきなり熱血入れたりしねぇし、そもそも何で出てきた少年誌!?」

 

「ええ~、やだなぁ、そんなメタ発言出来る訳ないじゃん」

 

「―――失礼。話の腰を折って済まないが『メタ発言』とは如何いった意味だろうか?スラングの一種だとは思うのだが耳慣れない言葉でな」

 

・・・クラピーよ。まさかこっちも掘り下げて聞かれるとは思わなかったよ

 

この知識欲の塊め。確かに実際ちょっとした心理学からどこぞの部族の刺青の意味まで網羅しているその知識量は凄いとは思う

 

ジンさん?あれはもう存在がバグでしょ

 

私も周囲から見た分には通ってた学校始まって以来の最短飛び級卒業した天才とでも映ったんでしょうけど、中身私だからね?・・・まぁ義務教育分だけ終わらせて大学へ進学する気は無いと告げた時の進路指導の先生は私の為にも集めてたであろう色んな名門進学先の資料を床にばら撒いてフリーズしてたから、多少は悪いなとも思ったけどさ―――あ、因みに私の住んでた所は高校分までが義務教育の範囲内ね

 

普通にあの後校長とかとも話す事にもなったし・・・プロハンター一択だったから心が揺らいだりはしなかったけどね

 

中卒だと思った?残念、高卒でした

 

修行の時間を取る為にも勉強は一時期頑張ったから前世よりは頭の回転や記憶力は上だと思う。だから突然の説明だってお手の物だ

 

「メタ発言―――メタフィクション発言の略語でフィクション作品における登場人物が、自らがフィクション作品の登場人物であることを意識して行う、行動及び発言を意味する言葉ね。例としては登場人物が読者や視聴者に話しかけたり、作者について発言したりなんかが有るわ」

 

「よくそんなスラスラと説明文みたいな回答できんな。頭の中に辞書でも入ってんのか?」

 

ふふん♪驚いたかな?これが元天才児(失笑)のずのーってやつさ!

 

たとえ『円』のモールス信号で皆より一歩後ろに居たポンズ姉に≪スマホ、説明、出して≫と念話を送って強化された視力でカンペをガン読みしていようともね!

 

まぁ態々強化しなくてもこの距離なら十分見えるんだけど、オーラを『練』り上げてると自然とね

 

呆れながらもちゃんと付き合ってくれるポンズ姉も何だかんだで染まって来たと思う

 

ともあれこれで私の(かしこ)さが皆に証明された訳だ

 

「ずる賢いの間違いじゃないかな?(ボソッ」

 

しゃらっぷレツ。賢いのとずる賢いのは必ずしも相反する訳じゃないんだよ

 

そんな風に会話のノーコンコンテストを繰り広げてるとレオリオも諦めてくれたのかキルアに不調を感じたら直ぐに報告するようにと念押しして一先ずは終了となった

 

それから二日ほど適度に遊びつつも腰を据えて修行に打ち込んだお蔭か全員が課題をクリアした

 

私自身もG・I(グリードアイランド)にログインして色んな町を見て回ったりして活動範囲を広げていき、次の日には全員がゴンの部屋に置かれたジョイステーションの前に集合となった

 

「・・・・・ねぇゴン」

 

「なに?ビアー?」

 

「後ろからミトさんの視線が痛いんだけど、昨夜はなんて説明したの?」

 

ドアを塞ぐようにして部屋と廊下の境界線上でガイナ立ちして私達と云うよりはジョイステーションを睨みつけているミトさんの威圧感が部屋全体を覆っている

 

言葉にするなら『私、不機嫌です』だろうか

 

「えっと、ハンター専用のゲームで・・・親父が作ったゲームだって・・・」

 

はいアウトーーー!!

 

一番ダメな情報漏らしちゃってるじゃない。ゴンも自覚は有るのか目が泳いでるし―――指輪とメモリーカードを手にしたなら別に良いかとジンさんが制作したゲームなんだって教えなきゃ良かったよ

 

主人公だろうがゴンはまだ11歳の子供で腹芸が得意じゃない・・・てかそもそもそういうキャラじゃないってのに

 

実は今回はミトさんに念能力の存在を伝えた(不思議な力が有る程度)上でG・I(グリードアイランド)の置き場所に協力して貰う事になったのだ

 

それと言うのも念能力は絶対的に秘匿されるものじゃないってのが理由の一つ

 

だって天空闘技場なんてのが有るくらいだし、具体的な修行法とかを伝授しないなら十分セーフだ

 

二つ目にさっきも挙げたようにゲームの設置場所ね

 

なにせ定価でも58億ジェニーの伝説のゲームで今なら数倍の値段で売る事も難しくない代物

 

しかも当時は一般販売された訳だからハンターでなくともその存在は知っていると云うのは普通に在り得る事だ。てか当時の新聞の記事とか探せば多分載ってると思う

 

だからたとえホテルとかを借りてそこに設置しても清掃の人とかがゲームに気付いてつい持ち去ってしまう可能性も有るし、金庫とかに保管でもされたら【離脱(リーブ)】のスペルカードで現実に戻った瞬間に圧死も有り得る

 

所謂(いわゆる)“石の中に居る”ってやつだね・・・私なら気を張ってれば大丈夫だろうけど、試したいとも思わない

 

「それでビアーちゃん。後からやって来るって子の名前はビスケット・クルーガーで良いのよね?金髪でゴシック調の服を着た」

 

「はい。留守電(ホームコード)にメッセージ入ってたので数日中には到着すると思います。毎日私がゲームの世界から帰って来て様子を見に来るので、すみませんが出迎えて頂ければと」

 

そんな訳で短期間で皆を強くするのにこの人に頼らない選択肢は無いとも云えるビスケに修行の手伝いをお願いしたのよね。勿論タダって訳じゃないけどさ

 

ホントはミトさんにも報酬を渡そうとしたんだけど、ゴンの友達の子供からゲーム機を家に置く程度でお金なんて貰えないって突っぱねられちゃったのだ

 

押し問答をするのも不毛だし、仕方ないのでゴンを徹底的にイジメ抜く事を報酬代わりとしよう―――ミトさんからしたらゴンが無事に家に戻って来るのが一番大切でしょうからね。生半可では死なないようにするのが一番必要な事でしょう。賢い私には良く分かっているのだ!(確信)

 

・・・うん。なんかゴンが謎の悪寒を感じたみたいなのは気にしないで良いでしょう

 

あと、どうせ原作のゴンもミトさんに念について多少は話してたって楽観的視点も少し入ってると思う。色々言ったけどそれらを含めて最終的にはゴンに決めさせたんだけどさ

 

ちょっとお金は掛かるけど第三者が基本的に介入しない場所の確保とか出来ない訳じゃないし

 

結果としてゴンがミトさんに話す事になってジンさんの情報までポロっと(こぼ)して今に至ると・・・これでこのゲームが実際に何人も死んでる世間じゃデスゲーム扱いの代物だって告げたらこの場で破局噴火待ったなしだから恐ろし過ぎて云えないけど

 

ノウコちゃんの家には元々今回はあまり長居は出来ないって伝えてたので、騙すようで心苦しいけどお別れも済ませておいたので問題無しだ

 

さあいざ行かんG・I(グリードアイランド)へ!―――修行の(暴れる)時間だ!!

 

 

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