敗者と敗者と敗者
ビアーとネテロの試合が終わって暫く経った頃、二つの飛行船が置いてある山頂に一つの気配が近付いて来ていた
その者はほぼ垂直の山をスルスルと登り切り、山頂に居るビアー達を目にするとたちまち凶悪な殺気とオーラを放ち襲い掛かった
オーラを使い果たしたばかりでまだまともには戦えないビアーとネテロを護るためにも全員が臨戦態勢へとすぐさま移行し、レツが壁と牽制を兼ねてピー助を顕現する
並みの者なら、否、並外れた強者であろうと先ずは脚を止めるであろうドラゴンの天災の如き威圧を前にしてそのものは一切減速する事無く飛び掛かる
その者の顔付きも合わせてレツたちは襲撃者のオーラに猛虎の姿を幻視する
ドラゴンと虎。夢現の狭間で各々最強と言って
それというのも幻影旅団を護送する上で流石にネテロのダメージが深刻である事と、あまり無駄に時間を掛けてはこの場所も(主に
ビアー達が護送に加わっても良かったのだが、CM出演が決まってより一層幼稚なケンカを繰り返しそうなビアーとネテロは引き離した方が良いという意見と、
昔からネテロの無茶ぶりに必死に応えんとしてきたネテロファンのカンザイは脚が壊れると錯覚するレベルで全力で指定された場所に辿り着き、そこでボロボロのネテロの姿を見た瞬間にただでさえ疲労で
ネテロはネテロで
放物線を描くネテロを見て慌ててカンザイがネテロをキャッチしに行き、下で説明を受けたカンザイ(とネテロ)が上まで再び登って来たという流れである
因みにビーストモードのカンザイはヒソカ採点で92点は堅かっただろう
しかし心配が勝ったが故の行動だろうと一方的に迷惑をかけたのは事実
レツ達もあまりの殺気に始めは気付かなかったが、寅な恰好をしているカンザイに途中から誤解と停戦を呼び掛けていたにも関わらず暴走していた彼も
「で?会長さんはずいぶんと元気になったみたいですね。会長のお茶目のせいで折角捕まえた賞金首たちが(オーラに
両腕を胸の前で組んだガイナ立ちで『私、怒ってます』を顔に張り付けたポンズは遠くで死屍累々となっている幻影旅団を尻目に正座している二人に睨みを利かせ、オーラの圧で周囲をバチバチと爆ぜさせる
因みにポンズの背中にはぬいぐるみサイズのリースがぶら下がっており、オーラの圧力での演出は9割方リースによるものだ
現在、ビアーにもリースにも両目が完備されており、そのトリックの種はレツが『
ビアーとレツたちが合流した後で先ずリースに貸し出していた瞳を返却してもらい、両目が揃ったビアーをコルトピの【
通常【
だがレツの持つ【神の人形師】は死後の念で支えられている能力―――ビアー達としても確信は無かったが、ピー助の『目』が未だに健在であることから念で創られた瞳であっても『神の人形師(死後の念)』によるプロテクトが働くのではないかとされ、実際にその通りの結果となったのだ
だがこれにより混乱するのはカンザイだ―――先程現れたドラゴンといい、目の前で冷たい瞳を向けてくるポンズ(&リース)といい、世界最強と信じて疑わなかったネテロを少なくとも単純なオーラ量なら上回る者たちと出くわしたのだ
いくらオーラの量が念能力者にとって絶対ではないと言っても物事には限度というものが有る
その限度を超えてステータスバーがグラフ表を突き抜けてる
「仕方ないの。こうなれば奥の手じゃ。カンザイ、お主に怒れる竜をも鎮める心源流の
隣に座っていたネテロにいきなり無駄にキリっとした目を向けられたカンザイはその目をしっかりと見つめ返す
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ようは気合入れろって事じゃ!」
「分かったぜジイさん!!」
「構え!」
ネテロとカンザイが正座のまましっかりと背筋を伸ばしポンズを真剣な表情で見上げるとポンズは少しタジタジとしてしまった
若干とはいえ仰け反ったポンズを下から見上げるネテロの心は清流のように澄み渡っている
(―――乳デケェな)
原作よりもよく食べよく鍛えている事でバストサイズにプラス補正の掛かっているポンズの胸に若者の健やかなる成長を見た彼の瞳には
「大地に両手を突く。そして目標に向かって―――」
覇気を
「御免なさい!御免なさい!御免なさい!!」
ようは土下座である。隣のカンザイの頭を掴んで何度も地面に額を擦り付ける当の
思いもよらなかった事態に最初はなすがままだったカンザイも何度目かの土下座でネテロの手の平の重圧に屈さぬ姿勢をみせる
「―――おいジイさん。これはなんだ?」
カンザイは怒りを無理やり抑えた『我慢の限界です』という表情でこの世でもっとも尊敬している
「うむ。これは『
「心源流の技じゃねぇのかよ!?さっきそれっぽい事言ってたじゃねぇか!あとなんでオレがジイさんの代わりに謝らなきゃなんねぇんだ!!」
ついに己を押さえつけていた手を払い除けてツッコミに回ったカンザイが耐えきれずに吠えた
「なに言っとる。お前さんワシの弟子でこそないが部下じゃろう?上司の尻を
出荷前の家畜を見る目からゴミを見る目にマイナーチェンジしたポンズの指示の下、大きな針をネテロの首に突き付けたアリスタも心なしかネテロを下等生物を見る目となっている
「そりゃ完全にジイさんが馬鹿やってるせいだろ。それくらいはオレにも判るぞ。久しぶりに面白い
カンザイの推測を聴いたポンズが一瞬だけ目を細めた
「へぇ・・・まぁ確かに凄い試合ではあったわけだし、観戦料くらいは払いましょうか」
心の歪みの滲み出るようなイイ笑顔を浮かべるポンズの姿にネテロもたらりと汗を流す。絶対に碌なものでは無いのが目に見えている
「待て待て、礼を寄こせなどとそんなけち臭い事など言わんわい。つーかなにをさっきからイライラしとるんじゃ」
そう。ネテロの指摘するように現在のポンズの沸点は低い。ビアー等仲間たちがそそくさと距離を置いて知らんぷりを決め込まんとする程度には不機嫌だ
それもそのはず。ネテロたちからは見えないがポンズの被っている帽子の後ろ側には大きな裂傷による穴が開いているのだ
カンザイが大暴れしていた時に彼の攻撃が掠めてできた傷であり、しかもこの帽子は収納系能力の【
幸い能力が使えなくなったりはしてないが、家兼倉庫に勝手に閉門不可の
今のネテロにポンズのお礼を拒否する権利は無い。カンザイは実行犯ではあるがまだ酌量の余地はある。しかし
「会長。今会長を刺し殺そうとしているのは色違いではあるものの
ポンズのGOサインをもらったアリスタは“クッチャクッチャ”とわざとらしく音を立てるとネテロの顔面に“ベチャッ”とハチミツを吐き掛ける
通常の蜂とは比べ物にならない体躯を誇る
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ほら、どうしたの?可愛い女の子(アリスタ)からの口移し(放出系)よ。さっき私の胸にぶしつけな視線を送ってたくらいには女好きなんでしょ?美味しくて元気にもなるプレゼント(顔面ツバ(蜜)吐き)。しっかり無様に舐め回して私達の優しさに泣いて悦びなさいよ」
「―――ワシ、ここ数十年の中で本気で泣きたい気分なんじゃが?」
「あら、それは丁度良かったわね。生ける伝説とも称される会長の
ついにはゴミを見る目から汚物を見るかのような目となったポンズに恐る恐るレツが近付くと、その怒りを鎮めるべく提案を出す
「え、えっとポンズ?―――ヒッ!お、お姉ちゃん♡・・・良かったらボクが新しく帽子を編もうか?人形作りの一環で衣装制作とかも出来るしさ♪」
勇気を出してポンズに声を掛けたレツだがネテロに向けていた視線の毒気が抜けぬままに自分の方にスライドしてきた瞳を覗き込んで咄嗟にポンズを『姉』呼びして甘い声音で媚びを売った
普段ビアーと共に行動しているせいで『ポンズの機嫌を取るならこの言動』と無意識の刷り込みが起きていたのだ
「・・・なんでビアーは泣きながら笑ってるの?」
「これ?レツのお姉ちゃん呼びで三姉妹の外堀が確実に埋まっていく事への嬉しさと無理やり言わせた訳でも無い(?)お姉ちゃん呼び第一号が私じゃなかった事への遣る瀬無さを同時に味わっているからね」
「そ、そうなんだ・・・」
「姉妹の仲というのは外堀を埋めるものでも呼び方を強制するものでもないと思うが?」
クラピカのツッコミを耳の端に捉えながらも軽く息を吐いたポンズが気持ちを整える。妹認定は置いておくにしても可愛い妹分ではあるレツの言葉には冷静にもなる
「そう。ありがと。なら新しい帽子はレツに頼むわね。迷惑料とかレツへの報酬とかの諸々はここに居る
「ボッタクリって・・・まぁ良いけど」
((((良いんだ))))
(とーぜん)
当の
「う~ん。折角ならクリエイターとして限界に挑戦してみようかな。基本の素材は
「「「「高っ!!?」」」」
「安い!?買った!!!」
ゴン達が驚愕の声を上げる中、ビアーが喰い付く。レツのオーダーメイド品なら3倍額でも買い取るだろう
「はいはい。ビアーは大人しくしてね。あとお金だけで解決しちゃったらネテロ会長も反省しないだろうからさっきの・・・『
ニッコリとスマホの
だがこの年齢になっても
「
「お゛い゛っ!?」
「此度はすまんかった!」
「お゛い゛ぃいいいいっ!!?」
ネテロは一瞬の
無論ネテロにとって4億ジェニーなど大した金額ではなく、土下座を引き出すには足りない。しかしこの場ではそれよりも大切なものが手に入るのだ。ネテロは顔を上げるとカンザイを見やる
「なんじゃ?嫌か?以外とケチ臭いのぉ」
「ここでケチって言われる筋合い無ぇ!ただでさえ色々納得いってねぇってのに幾らジイさんでもいい加減怒るぜ!!」
そんな怒れるカンザイを諫めるようにまるで駄々をこねる子供の我儘を聞くような態度でネテロが代案を出す
「分かった分かった、仕方ないのぉ。なら代わりに今度ワシが直接(オムツ装備ブレイクダンスの)稽古を付けてやるわい」
「ホントか!!♪」
なんの
子供のような穢れの無い瞳のカンザイは最高に輝いている。彼の周囲には今キラキラのエフェクトが見えるかのようだ
「うむ。しかしワシの稽古は(主に精神的に)辛く、苦しいぞ?だからといって途中で逃げ出すような真似は断じて赦さん(キリッ!」
ネテロ、渾身のキメ顔である
「へっ!それこそ望むところだぜ。今から楽しみで仕方ねぇ!」
(まずは
自分一人で恥ずかしい思いをするのは嫌だという理由で無意味に
その様子を見ていたビアー達も無駄に襲い掛かってきて迷惑をかけたカンザイへの助け舟を出す事は無かった・・・ゴンは普通に修行の話だと思ったようだが
▽
幻影旅団(敗者)とネテロ(敗者)とカンザイ(敗者)を乗せた旧き時代の敗北者たちの船を見送ったビアー達ももう一つの飛行船に乗り込むと自動運転に切り替えて空に飛び立った
「は~い♪それではこれで幻影旅団の引き渡しも済んだ事だし、今回の戦績の1位と最下位を私の独断と偏見で発表しま~す!」
船内の操縦室兼ラウンジ的な所でビアーが元気よく手を挙げる
それに対して冷めきった目を向ける他のメンバーと唯一ビアーの方を見ていない既に彼女の片腕の中に拉致されているレツがハイライトの消えた目で虚空を眺めていた
栄えある(?)第一位の賞品たるビアーのハグ券(強制)を手にしたのが誰なのかなど発表されるまでもない・・・というか誰も望んでない
レツも嫌がっている訳ではないが、単に何時もの事なだけだからだ
故にビアーが一位を高らかに発表したその後にこそ彼らの関心は集中する
すなわち最下位の罰ゲームたる地獄の修行が誰になるかだ。ヨークシンに来るまでの半年で味わった地獄を更に追加で味わうなどとそんな真似をすれば精神が崩壊してしまう
「それでは最下位は~???ジャカジャン!レオリオで~す!まぁ残当だよね★」
ビアーが最下位となった者の名前を告げた次の瞬間にはゴン達の姿はビアーの目の前から消え去り、直後に船内に風が吹き込んできた
「離せぇえええええ!!俺はまだ死にたくねぇ!ここで一思いに飛び降り自殺させてくれっ!!」
「言ってる事なにか変だよレオリオ!!?」
「おまっ、急に飛び降りてんじゃねぇよ!あと今の俺たちなら飛行船から落ちた程度で死ねる訳ねぇだろ!逃走する気満々なの目に見えてんだよ!逃がすか馬鹿リオ!!」
「まったくだ。これでもしも流れ弾が我々に向かってきたらどうするつもりだ!絶対に逃がしてやらんぞ。大人しく地獄に舞い戻れ!!」
全力ダッシュで窓を開け放ちそこから地上へジャンプしたレオリオの両足を同じく飛行船から飛び出したゴンが捕まえ、そのゴンの両足をキルアが掴まえ、最後に窓から半分身を乗り出す形でキルアの両足を掴まえたクラピカという即席人間
ビアーたちからすれば今はクラピカのケツしか見えてない状態である
憐れレオリオは自由への逃避は許されずに船内に引きずり戻されてロープでグルグル巻きにされた。無論レオリオなら一瞬でロープくらい引き千切れるが、その一瞬が有ればどれだけ隙を突こうとも再度取り押さえられるだろう
「残念!レオリオの冒険はここで終わってしまった!!」
「終わってねぇよ!!つか全部
レオリオの主張はもっともだ。直接の殴り合いと失せ者/物の捜索では求められるスキルが違う。仮にレオリオが協力をしたところで大して足しにはならないだろう
「もっともらしい事言ってるけど結局
しかしもっともらしい事を言うのはビアーも得意だ。レオリオがきっちりと修行にも勉強にも打ち込めるように(親切心から)逃げ道を塞ぎに掛かっている。オーラが有れば大体の事は何とかなると根底で思っているせいである―――
「だとしてもやり過ぎだ!アレ以上修行してたら肝心の医大の試験勉強がおろそかになって不合格になっちまうってんだ!!」
「それも安心して良いわよ。1日の睡眠時間を1時間までに減らせば今までの勉強時間を削らずに修行時間を増やせるから★」
「テメェ頭湧いてんのか!!?精神科行け!いや、むしろ逝け!!」
レオリオがギャーギャーと喚きたてる中、キルアが何かに気付いたかのように顔を上げる
「なぁ、修行を続けるのは良いんだけどよ。また修行でビスケにあのマッサージして貰うんなら追加で料金払う必要が有るって事だよな?」
「そうね。最初の契約はあくまでこれまで約半年分の料金だったからね。ああ、今回の
事後承諾で億単位の契約させた上でこの言いぐさである。頼まれても誰も感謝などしないだろう
「うん!ありがとう、ビアー!」
・・・一人居たようだ
「お前はさっき俺に節約を促しておいて修行代払わせようとすんのは何なんだよ。
「う~ん。レオリオはそんなに睡眠時間削るのもお金払うのも嫌?」
ビアーは人差し指を顎に添えて可愛らしく小首を傾げる。演技では無く素で不思議に思っているのだが、この先の未来で暗黒大陸関連の激動の時代が来る可能性が高いという考えが無意識の内に下敷きとなっており、当然それを他人が知る
「ったりめぇだ!その二つともが生きる上で大切な要素じゃねぇか。誰が好き好んで手放したいと思うんだ!」
「OK、分かった。そこまで嫌がられてモチベーション下がっちゃったら逆効果になるかもだし、修行は今までと同じ(精神崩壊半歩手前トレーニング)で良いわ。その代わり今後のビスケへの支払いを皆の分も負担してもらおうかしらね―――クラピカと一緒に」
「待て!何故私もなのだ!!?」
「更に金払えってか俺にっ!?」
患者全員に治療を施す医者を目指すレオリオも闇に流れた緋の目を探すクラピカも今後は大金を必要とする。急に飛び火したクラピカもそうだが咄嗟に待ったを掛けてしまうのも無理はない
「クラピカはこの前十老頭から電話がきた時に『何でもする』って言ったでしょ。レオリオも安心しなさい。1日で稼げる割のいい
「マグロ漁船の契約書よりも遥かに信用できねぇバイト紹介だな!俺らに何させようってんだ!」
「さて!元々ヨークシンのオークション期間とプラス10日程度は旅団関連で時間が掛かると思ってたけどこうして早めに全部終わった事だし、さっきのバイトとか報奨金やクラピカの星の手続きとかの必要事項以外にやっておきたい事とかってある?」
“パンッ”と手を合わせて周囲の意見を
「じゃあヨークシンじゃないけど一回ビアーの家とか行ってみたいかな」
「私の?別に構わないけど、それはまたなんで?」
ビアーは特に今まで話題に出した事も無ければ観光地という訳でもない場所にゴンの興味を惹くような要素が有っただろうかと内心首を傾げる
「え?別に友達の家に行ってみたいって普通の事でしょ?・・・なんて言ってもくじら島じゃそんな機会は無かったんだけどね。ノウコはそういうのとはやっぱりちょっと違うしさ。それで実はグリードアイランドで修行してる時もキルアの家に遊びに行きたいなって言った事が有ったんだよね。その時は―――」
ゴンが自然とキルアの方を向くとキルアは呆れたように肩を
「無理無理。オレ今絶賛家出の真っ最中だぜ?そうでなくとも俺ん家は誰かを招くってのに致命的に向いてねぇよ。オヤジやじっちゃんはまだ何とかなるかもだけど、お袋とかイルミとか隙有らば消そうとしてきたりするだろうし、ミルキも遊び感覚でブービートラップ仕掛けて来るぜ」
「お前ん家の倫理観どうなってんだよ?」
「殺しと拷問(身内向け)が日常なだけの一般家庭だよ。電話帳に番号(執事邸)も載ってるし、正門までは観光バスだって走ってるぜ」
「電話帳以外の情報が一般からはかけ離れているようにしか聞こえねぇな。まぁそれは置いておいて家に行く
「今の私は故郷は在れど家と呼べるものはもう残ってないからな・・・ふふふふふ、
両手を広げて天を仰ぎ、ケタケタと嗤い続けるクラピカを無視して会話は続く
「私もパスね。小さい頃はお金も無かったから廃材持って帰ってトラップ作ってたり家の中で籠の中とはいえ蜂を飼育してたりでちょっと引かれていたから・・・思い返せば私が悪いんだけど、偶に生存報告すれば十分でしょ。幸い勘当はされてないからね」
「生存報告って・・・写真くらいは送ってあげたら?それとボクも家はそもそも無いから招くのは無理かなぁ」
「―――で、一周廻って遊びに行けそうなのが実質私の家一択な訳ね。なら三日間ほどはヨークシンで諸々片付けられるものは片付けてそれから移動しましょうか。オークションのお祭り期間の最後まであの街に残ってたら帰宅ラッシュとかで移動もままならなくなりそうだしね」
そうして暫く空の旅をしてヨークシンに帰還した後日、とある建物の前にて―――
「レオリオ。クラピカ。話は通してあるから逝ってらっしゃい♪」
「なんか『行って』のニュアンスが可笑しくなかったか?」
「せめて何をやるのか事前に説明をだな」
「二人ともゴメン・・・【
シャルナークの人形を宿したレツの手でアンテナを刺された二人はフラフラと建物の中に消えていくのだった