毎日ひたすら纏と練   作:風馬

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最近やっと部屋着が長袖になった。やっぱり今年の気温は色々と可笑しいです


グリードアイランド編
企みとフェイク


コリントス市からグリードアイランドの置いてあるくじら島までは私とクラピカがライセンスを受け取る以外に道中何事も無く、無事にゴンの家に辿り着いた

 

近場の港から早朝に出る船に乗ってお昼前に到着したのでミトさんの作る昼食をご馳走になってからゲームの世界へ跳んだ

 

何時もお世話になっているミトさんやお婆さんにはコリントス市の銘菓や銘茶をお土産に渡しておいた。二人が甘いものが苦手とかではないって事は事前にゴンに確認済みだ

 

そんな訳で戻ってきましたグリードアイランド。当たり前だけど最早感慨も何も無い

 

スタート地点のシソの木から皆で人の気配のしない近場の森の中まで移動して少しすると遠くから呪文(スペル)カードを使った独特の移動音が聞こえてきて直後に空からビスケが私達の前に降り立った。今のは名指ししたプレイヤーの居る場所に直接跳ぶ事が出来る移動系呪文(スペル)である『磁力(マグネティックフォース)』だ

 

元々大まかにゲームに戻る予定の日は伝えていたので後はビスケに定期的にバインダーで私達がゲーム内に帰還しているのか確認して貰う手筈だったのだ

 

バインダーはゲーム外に出て240時間経過するとカードデータは消えてしまうけど、出会ったプレイヤーたちの履歴(リスト)まで消える訳じゃないからね。履歴を見ればそのプレイヤーがログイン中かどうかは呪文(スペル)カード一枚有れば判るようになっている

 

バインダーの最後のページにカードを嵌めると対象指定の遠距離呪文(スペル)なら履歴(リスト)を見る事が出来るからね。そのままカードを使わずに嵌める枠から取り外せばリサイクル可能だ

 

因みにそれに当てはまるのは『盗視(スティール)』『透視(フルラスコピー)』『磁力(マグネティックフォース)』『念視(サイトビジョン)』『同行(アカンパニー)』『交信(コンタクト)』の六つだけだ。『同行(アカンパニー)』は近距離呪文(スペル)の効果範囲である半径20mのプレイヤーを一緒に移動させるから遠距離呪文(スペル)とも近距離呪文(スペル)とも云えるんだけどね。一応扱いとしては近距離呪文(スペル)

 

「全員ちゃんと揃ってるわね。見たとこ上手い事やったみたいだわね」

 

ビスケが両手を腰にやりながら私達を見渡して一つ頷く。私達の様子から大まかには察したようだ

 

「ああ、旅団(やつら)は一人も逃さずに捕らえる事ができた。これからは奪われた同胞の目を探す事になる・・・が、もう少し使える手札を増やしておきたくてな。ゲームクリアまでは付き合おう。また(しば)しの間指導を頼む」

 

「ちょっと待った。私がアンタ等を鍛えたのはあくまで依頼を受けたからよ。まさかタダで延長できるとは思って無いわよね?」

 

「無論だ。並みの理解力が有るなら確認は不要と思うが?」

 

うっわ。有名なクラピカ節もリアルに聴くとドン引きもんだわ

 

確かに見た目も含めて嘘がデフォとも云えるビスケと神経質なクラピカじゃ相性は悪そうだけど、それにしても酷い

 

薄汚いかは置いとくとしてもクルタ族の血筋はクラピカの代で終わりかな?クラピカの見た目に寄って来た娘が居たとして、上手くいく未来(ビジョン)が見えない

 

思いっきり失礼な発言をした当のクラピカは頭に三段重ねのたんこぶタワーを建てながら地面に沈んでるわね。その隣ではビスケが拳の先から立ち昇る煙を吹き消している

 

仮にも教え子だからこそ遠慮ゼロね。あとでクラピカとレオリオの写真集でご機嫌を取っておこう

 

「それじゃ先ずはアンタ等のフリーポケットに呪文(スペル)カードを補充しに行くとするわさ―――『同行(アカンパニー)』ON!マサドラへ!」

 

ビスケが呪文を唱えると私達の身体が高速で宙を舞い、目的地へと運ばれていく。いざ跳んでみると分かるけど移動中はエフェクトの光に包まれてるから周囲の状況は見えないみたいね

 

そうして時間としては短い空の旅を終えた私達は魔法都市マサドラの正門の前に降り立つ

 

そのまま街の中に入るとトレードショップでお金を下ろす。因みに私達がヨークシンに行ってる間にそこそこ暇だったビスケに検証して貰ったんだけど、普通はお金の預け入れはその街で清算した分しか出来ないところが50回以上買い物をしてお得意様になったトレードショップ同士でなら預けた金額を纏めて計算してくれるみたい

 

他の街で金策して預けたお金をマサドラで引き出せる訳だ。系列店ならそのくらいのサービスはしてくれないとね

 

適当にバインダーのフリーポケットを使えそうな呪文(スペル)で埋めるといよいよゲームクリアに向けて本格始動だ

 

「さてと、それじゃ大まかな方針だけど指定ポケットのカードはお店で買えるBランクのも含めて出来るだけ自力で入手していきましょうか。時期的なイベントとかサブクエストが煩雑なやつとかは買っても良いけど、私達なら基本は正攻法で獲りに行った方が早いからね―――ゴンもジンさんからのメッセージでゲームを楽しむように言われてるんだし、私達もストーリーで楽しめるところは楽しんでいきましょ」

 

なにより指定ポケットカードのNo.000の入手条件はそれ以外の指定ポケットカードの入手及びその時出題されるカードに関するクイズ形式だからね

 

あんまりショートカットし過ぎると最後の最後で蹴躓(けつまず)いちゃうから、出来ればそれはゴメンだ。やっぱり終わり方は綺麗じゃないとね

 

それから私達はビスケの収集した情報を元に次々と指定ポケットカードを集めていく

 

常にひと塊で動くのは効率も悪いので時折2~3チームに別れてサクサクとプレイしていった

 

今は私達女子組でギャンブルの都市ドリアスに行ってそこのキーアイテムであるNo.25『リスキーダイス』を最初に入手するように皆を誘導してダイスを二つ以上ゲットしたら一つをゲインの呪文で元に戻して後はダイス無双の時間だ

 

20面中19面が大吉で1面だけ大凶のダイスで大凶が出ると今まで積み重ねた大吉分の不幸が降りかかるという中々にピーキーな性能をしているダイスだ

 

「ねぇビアー。本当にそのダイスを使うの?スロットくらい普通に回せば良いし、他のプレイヤーとのトレードでも良いじゃん。態々危険を(おか)す必要ないよ」

 

大当たりで指定ポケットNo.79の『レインボーダイヤ』が景品で貰えるスロット台でレツが後ろから不安そうに声を掛けてくる

 

「大丈夫でしょ。精々使って数回で大凶なんて引かないし、その程度で溜まる不幸なんて大したことないわよ」

 

あれ?なにか大事な事を忘れているような?

 

なにかが少し気になったものの既に握っていたダイスを転がす

 

台の上を転がったダイスは見事に“大凶”でピタリと止まった

 

「え・・・」

 

一瞬の思考の空白の後で私の座っていたスロット台が爆発を起こし、ついでとばかりに天井がその衝撃で崩壊して鉄骨が降り注ぎ、舞い上がる粉塵にショートした照明のコードの火花を火種として追撃の爆発が巻き起こった

 

「おいおい、あの娘死んだぞ」

 

「話してるの聞いてたが一発目の大凶だろ?なのになんであんな事になってんだ?」

 

「オメェ知らねぇのか?リスキーダイスは他のプレイヤーの使ってる全てのダイスと繋がってんのさ。可哀想に、三回分は死んだぞあの娘。あれじゃ原形すら留めてねぇだろうな」

 

そんなギャラリーの勝手な感想を聞きながら“ムクリ”と起き上がった私は何事も無かったものとして近場の台に座り直し、ダイスを廻して今度こそ『レインボーダイヤ』をゲットした

 

なんとなく恥ずかしいので爆発の煙が晴れない内にそそくさとその場を後にすると待ち構えていたレツ達に白けた視線を向けられたのを努めて無視する。次だ次!

 

それからはダイスで大凶が出たりする事もなく、順調に勝利を重ねてギャンブル都市でゲットできる指定ポケットカードを制覇したのだった

 

う~ん♪順調順調☆

 

「なんて脳筋な(リスキーダイスの)解決法・・・ビアーらしいけどさ」

 

「ある意味アンタにお似合いのアイテムだったかもね。どうやら大吉で起こせる幸運にも上限があるみたいだし、それならビアーが死ぬレベルの不幸が積み重なる前に何処かで大凶が出てリセットされるでしょうから」

 

「それは遠慮させて貰うわね。アレで煤だらけになっちゃったし、流石にビックリしたから」

 

「それで済むのはアンタ位だわさ」

 

そうでもないでしょ。少なくとも私達のチームであの程度で死ぬ人は居ないはずだ。死なずに耐えれるなら後はもう少し修行するだけってね

 

さて、ゴン達男子陣の方はどうしてるかな?

 

 

 

ゴン達一行は都市の上空に浮かぶ巨大な顔付きのハートマークが≪アイーーーーン、アイーーーーン≫と繰り返す恋愛都市アイアイを訪れていた

 

何故彼らがこの都市を担当したかと言えばレオリオが聳え立つ程に手を挙げて参加表明をしていたから・・・とかは関係なく、ビアーがこの街に来たら街が崩壊し兼ねないとの理由からだ

 

アイアイではプレイヤーの男女関係なく様々なシチュエーションでの出会いと恋と愛を楽しめる・・・と言えば聞こえは良いが、ようは街中で日夜ナンパが巻き起こっていると言っても過言ではない場所なのだ

 

イケメンNPCがいきなりレツやポンズの前に現れて「モデルを探してたんだけどキミ、俺の理想にピッタリだね♪写真撮らせてよ。お礼にオレと一緒に喫茶店に行こう。好きなもの奢ってあげるよ☆」・・・などと声を掛けてこようものならビアーの怒りの鉄拳が炸裂してNPCはカードと化し、発生したソニックブームが一々街を抉るだろう。それでもめげずに様々な出会いをプレイヤーに提供するNPCに三歩進むごとにエンカウントしていたら攻略どころではなくなるというのが街の仕様を聴いたレツたちの共通認識だったのだ

 

当のビアーは「そんな事しないよ!・・・最初の2~3人程は殴っちゃうかもだけど、ちゃんと『がまん』を覚えるから」などと口にしていたが、当然改めてアイアイの出禁宣言を仲間たちから突き付けられた形だ

 

もしもこの会話をゲームマスターが聴いていたら「よくやった」と深く感謝してくれた事だろう

 

ちなみにこの街の攻略はキルアが主導で動く事となった。それと云うのも他のメンバーが直ぐに下心を出して好感度を下げるレオリオにベタな設定やセリフに無意識に辛辣な選択肢(セリフ)を垂れ流すクラピカ。特定のプログラムに沿った動きしかしないNPC相手だと持ち前の天然ジゴロでマイペースに持ち込めないゴンと恋愛シミュレーションをプレイするのに向いてない人材ばかりだったからだ

 

5人以上のNPCとデートイベントにまで漕ぎ着けてゲット出来るNo.34『なんでもアンケート』やアイアイのお城に住んでいるお姫様と付き合う事でゲット出来るNo.7『身重の石』などの為に最高効率でキルアが相手に合わせてキザなキャラや熱血漢キャラ、生真面目キャラ等をロールプレイをするハメとなったのだ

 

一応ゴン達もビスケの事前入手の情報に無かった街の秘密の地下通路で密輸されそうになっていたパンダを助ける事でNo.99『メイドパンダ』を入手したりしていた

 

彼らもちゃんと活躍してたのだ

 

もっともその秘密の通路もお城でお姫様とお茶会及び散策をしていたキルアが暗殺者として磨かれた持ち前の超人感覚で発見したものだが・・・やはりキルアの貢献度が高過ぎである

 

他にもレオリオが女性NPCと始めは外面良く仲良くなってから直ぐにメッキが剥がれて恋愛ゲームなら常に好感度が下がるような選択肢を選び続ける伊〇誠(ナイスボート)プレイを繰り返して何人かにこっぴどく振られた辺りでNo.14『縁切り(ハサミ)』を期せずして入手する一幕も有った

 

街を出る時のキルアとレオリオは憤慨しながら「「二度と来るかこんな街!!」」と吐き捨てたのだった―――なお、後で話を聴いたビアー達は誰もレオリオには同情しなかった

 

そんなこんなでビアー達はその後も一ヵ月ほどカード集めに奔走し、Sランクのカードも含めてカードの入手枚数は70枚を優に超えたのだった

 

 

 

大分指定ポケットカードが集まってきたわね。やっぱりこれだけの実力者が揃ってると攻略も早い

 

今は10月の半ば辺りだから原作で言えばゴン達がトンネル堀りをしている頃かな?いや、モンスターカードのゲットに勤しんでる頃ってところでしょう

 

今の私達はマサドラの宿の一室で話し合いの最中だ

 

「かなりカードも集まって来たね~。これならもう一ヵ月くらい頑張ればクリアまで行けちゃったりしないかな?」

 

ゴンが楽観的な意見を述べるがクラピカが頭を振って否定する

 

「それは甘いぞ、ゴン。このゲームは主に二つの理由から他のプレイヤーを先にクリアさせたくないと考えてる連中が跋扈(ばっこ)している―――1つ目の理由はこのゲームのクリア報酬である指定ポケットカードの内3枚だけを現実世界に持ち帰れるという権利だ。これがクリアした者全員に当てはまるのか、最初にクリアした者にのみ当てはまるのかが明言されていない。後者ならばプレイヤー同士の足の引っ張り合いもそこまで酷くはならないだろうが、現状正解が判らない以上は誰よりも先にクリアを目指さなくてはならない状況となっている。我々とて絶対に欲しいカードがこの中に在るという者が居るならば―――「ブループラネットちゃんは誰にも渡さないわさぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」・・・退く事は出来ない」

 

怨念という名の圧を振りまくビスケに皆が小さく頷いた。肯定しなければ“やる気を出せ、でなければ死ね”と滅茶苦茶説教されそうな剣幕ね

 

態々大蛇が出る事が確定してる(やぶ)を突く者は居ないのだ

 

「2つ目の理由はこのゲームをプレイしている大半のプレイヤーは大富豪バッテラに雇われているという事だ。彼はゲームクリアの報酬として500億ジェニー支払うと周知している。彼が何のカードを求めているかは判らないが、500億に関しては先着1名(チーム)だと考える方が自然だろう。無論これも絶対とは言えないが、最初のクリア者を目指す理由にはなっても諦めて2番目、3番目のクリアで妥協する理由にはならない」

 

「結果として他のプレイヤーのクリア阻止を第一に考えて動く奴らが出て来るって訳か。確かに500億ジェニーが手が届きそうな位置に在ったらどんな手でも使いたいもんだぜ」

 

「金をエサに雇われてる連中はそうかもな。特に自力でのカード入手に行き詰った連中とかはその傾向が強くなるんじゃねぇの。まっ、そのレベルの奴らが最終的にカードを全部集められるとも思えねぇけどよ」

 

確かにね。原作で「呪文(スペル)カードで全部奪おうぜ」とやってるハメ組も居たけど、他のカードを幾ら揃えても彼らが自力での入手が難しいランクSSのカードを最後に廻されたら呪文(スペル)で奪取する暇も無く99種先に揃えられる可能性は十分にある訳だしね

 

彼らは99種の指定ポケットカードが場に出た後でしか動けない事を考えるとあのやり方も結構リスキーよね。最後の一枚が都合よく全呪文(スペル)カード40種と交換で手に入るNo.17『大天使の息吹』とかでもない限り勝機はゼロに近いでしょう

 

まぁNo.000が何の情報も無い時点で結局ギャンブルにしかならないんだけど

 

「でも如何するの?多分あと10枚くらいは私達でも普通にプレイして行けばゲット出来ると思うけど、カード化限度枚数の上限に達してるカード。その中でも独占されてるカードなんかは交渉でも手に入り辛いわよ?」

 

「うん。だからその交渉のテーブルに着く為にも私達もカードの独占はしたいところだね。Sランクまでのカードは上位陣(そこそこ)のチームでも入手が出来ちゃうから独占出来るようなカードはほぼ残ってないだろうし、やっぱりここはランクSSのカードを狙いたいところね。ハメ組も素人集団なら呪文(スペル)無しでも今の私達の敵じゃないし」

 

因みに私達は呪文(スペル)カードで人海戦術を仕掛けようとしているハメ組の事は知っている。というのも私達がヨークシンに行ってる時に見た目美少女のビスケが一人で街をウロウロしていれば勧誘が掛かって当然と云うべきで、その時に概要は知った訳だ・・・私は最初から知ってたけどね

 

「だとしても何十人ものプレイヤーが次々と押し寄せて来るなんてのは正直鬱陶しいから遠慮したいわよ。ハメ組単体では問題なくてもその隙を突いて有能なプレイヤーが漁夫の利を得ようとする可能性だってゼロじゃないし、彼らのせいで私達も呪文(スペル)カードで良いのも出ないしね」

 

「ビスケ。ハメ組の人達が行動を起こすのって年末の辺りなんだって?」

 

レツが前にビスケが言っていた情報を改めて確認する

 

「ええ、そう言っていたわね。それもカードの集まり具合で多少前後はするでしょうけど」

 

「誰も入手してないカードがある中でどうやって最後まで護りきるつもりよソイツ等・・・」

 

ホント如何やって逃げ回るつもりなのかな?幾ら分散してカードを護ろうとしても格上相手じゃ絶対限界有ると思うんだけど・・・

 

「だから向こうが襲って来る前にこっちから攻め込むのも一つの手かなって思うんだよね。彼らが居なくなるタイミングが分かればボク達も『大天使の息吹』をお金の力で入手できるでしょ?」

 

「居なくなるって、何するつもりなんだわさ?」

 

「ハメ組の人達もそれだけ大所帯ならアジトとか全員とはいかなくても定例会議みたいに多くの人達が集まるタイミングが有ると思うんだよね。そこに何人かが『挫折の弓』を持って突撃して片っ端からプレイヤーを島外へ跳ばすんだよ。呪文(スペル)カードじゃ攻撃呪文(スペル)扱いじゃない『離脱(リーブ)』の効果は防げないからね。指定ポケットのカードは消えなくても彼らの要であるフリーポケットを空にする事は出来るでしょ?」

 

うわぁ・・・エゲつないわね。彼らの5年間の努力(笑)を無に帰す作戦だ。でも確かにそれなら私達で『大天使の息吹』を独占出来るメリットは大きいわね

 

最終的にこのゲームでは独占カードを保持している個人ないしチーム同士の戦いになる

 

こちらが向こうの欲しいカードを持って無ければ相手側に戦うメリットが無いから基本は逃げの一手を打たれるし、逃げられないように追い詰めて強引にバトルに持ち込もうとする作戦はゴンが嫌がるでしょうからね。どうせ最後の相手はゲンスルー組(3人)かツェズゲラ組(4人)なんだからゲームのルールに則って呪文(スペル)カードの応酬でも私は別に構わないけど、そこまでされたら結局向こうは力尽く以外の選択肢が無くなって殴り合いに発展するからそれなら最初から殴り合った方が早いって事になる。やはり暴力。暴力は全てを解決する。暴力には人類の可能性が詰まっているし、人類史は暴力と共にある

 

「良いんじゃねぇか?第一ハメ組は作戦の内容を隠してない。要は全プレイヤーに向けて『もうちょっとしたら人海戦術で襲いに行くぜ』って宣戦布告してるも同義なんだ。それを阻止する意味でもこっちから先手を打ったって文句言われる筋合いは無ぇよ」

 

「キルアの意見には賛成ね。でも如何やって連中のアジトを割り出すの?ビスケを勧誘しに来た人の場所に『同行(アカンパニー)』とかで跳んでもそこが都合よくアジトとは限らないでしょ」

 

「それなら簡単だよ。ボクの『佛人(ソウルドール)(尋問用)』でビスケを勧誘しに来た人を再現して全部喋って貰えば良いんだからさ」

 

「・・・やっぱり【神の人形師】の性能は頭可笑しいわね」

 

「「「「それな」」」」

 

何度だって言える。この能力は完全なるバランスブレイカーだ

 

その気で振えば世界の均衡だって崩せるでしょう

 

人間のコピーを造るのに直接見る、触る、血や髪の毛などの媒体を用意する等の制約無しで他にも多数の『発』を扱えますとか凡百の念能力者が聴いたら発狂案件だ

 

「文句は兄さんに言ってよ・・・じゃあ改めて情報は早い方が良いよね。ビスケは勧誘してきた人を思い起こしてくれる?―――いくよ、『佛人(ソウルドール)』!!」

 

レツの手作りの人形を核にして能力を発動させるとソレが光に包まれ、籠められたオーラによって肉付けされた姿が顕わになる

 

「―――ありゃ」

 

人形のシルエットが鮮明となり、光が収まるとそこに立っていたのは背が高くて色素の薄い金髪ツンツン頭にグラサン装備の男の姿だった―――私の小さな呟きに気付かなかったレツは早速とばかりに目の前の人物(人形)に向かって質問を飛ばす

 

「じゃあハメ組のアジトの場所と大まかな予定を訊かせてくれる?」

 

グラサンの奥に虚ろな瞳を覗かせる彼は抑揚の無い声で訊かれた事に正直に答える

 

「アジトはルビキュータ(スタート地点南の街)から南西20キロ辺りの森林地帯の奥に在る洞窟の更に奥。予定はオレに騙されてるハメ組のクズ共を既に仕掛けた爆弾で脅して全てのカードを奪い、皆殺しにする」

 

再現された原作にてグリードアイランド編のボスを勤めたゲンスルーがこの世界でも変わらずクズである事を証明してくれる

 

前半は真面目に情報を聴いていた皆も今は呆けていたり顔をしかめたり眉間に寄ったシワを指で解したりしている

 

まぁいきなりこんな事(殺戮(さつりく)案件)聞かされても困るよね

 

ビスケは流石に人生経験が豊富なのか至って平静だ。他にはキルアも普通にしてるわね

 

彼の家庭事情を鑑みれば納得ではあるけどね

 

人生経験の量で言ったらビスケが一番でしょうけど、濃さで言ったらキルアが一番でしょうからね

 

私も異世界へ転生とか特殊さで言ったら一番かもだけど、日常が鍛錬と殺しと拷問と大富豪生活だったキルアと張り合える気はしない

 

「それで、如何するの?」

 

ビスケがこのチームのリーダーである私に方針を訊ねる。ゲームを提供してるのは私だからね

 

「う~ん。そうね~・・・」

 

知っちゃった以上は完全に無視するのもアレだし、かと言って完全な一般人が巻き込まれてるとかならまだしもプレイヤー相手に旨味も無しでボランティアってのも違うでしょうしね~

 

少し考えてから私が出した結論は・・・

 

 

 

オレの名はゲンスルー。オレのゲームに来るずっと以前からの仲間であるサブとバラと共にこのゲームの世界に入り込み、500億ジェニーの報酬を目指すプレイヤーだ

 

だが実際にこのゲームで情報を集めていくと呪文(スペル)カードという存在が厄介極まりないものだと気付いた

 

俺たち三人は自惚れではなく高い戦闘力を有している。少なくともこのゲーム内に蔓延る雑魚共程度なら多対一の戦闘に陥ったとしても正面から返り討ちに出来るだけの差が間違いなくあった

 

だがそれはあくまでも単純な戦闘力の話。このゲームでは割と序盤から誰でも使えるようになる呪文(スペル)カードで集団でヒット&アウェイをされたら折角集めたカードを横取りされる可能性は高い

 

そこで確実に俺たちがゲームクリアする為に最も必要なのは『堅牢(プリズン)』の呪文(スペル)カード

 

このカードを使えば指定ポケットカード1ページ(9枚分)が他の呪文(スペル)による奪取も破壊も不可能になる。11回使えばNo.000専用の1ページを除いた全ページを保護出来る訳だ

 

呪文(スペル)による脅威さえ無くなってしまえば後は堅実にプレイ(殺し、拷問有り)していけば500億ジェニーは俺たちのモノだ

 

だが問題はその『堅牢(プリズン)』がカード化限度枚数がたったの10枚しかないレアカードだったと云う事だ。単純に集めようにもそれ以外の低ランクカードの数が多過ぎて目当てのカードを引き当てるのは難しい。故に先程の条件を満たすには人海戦術に頼るのが一番の早道

 

そう考えた俺は大して実力も無いクセに500億の魅力を前に引き際すら見定められないバカ共に声を掛け、さも全員でアイディアを出し合ったかのように誘導して俺を含めた10人でグループを立ち上げた―――その際に俺の本当の仲間であるサブとバラとは一旦距離を取り、二人にはゲーム内やゲーム外それぞれでの情報収集や下手に勘のいい奴の始末などの裏方を任せる事にした

 

自分たちは頭が良いんだと勘違いしたバカ共や自分たちはまだ敗けてないと吠える負け犬連中に混じって笑顔を顔面に張り付ける日々はストレスだったが、それもようやく終わりだ

 

今はおおよそ月に一度(集まれる日がまちまちな為)の定例会議でアジトにクズ共が集合している

 

その中で体格と声と態度のデカさからハメ組のリーダーに推したニッケスが演説を行っている―――もうすぐ勝てる。俺たちなら勝てると妄信している奴らの顔が等しく歪む様を想像すると笑みが零れるな。もっとも周囲の奴らは俺だけが別種の笑みを浮かべているなどと露ほども思っちゃいないだろうがな

 

さて、ニッケスの馬鹿話もやっと一区切りとなったようだし、そろそろ本命の種明かしを行う為に腰掛けていた岩から立ち上がると前へ出る

 

「一つ、俺からも良いか?」

 

苦楽を共にした(と向こうが勝手に思い込んでる)このグループの初期メンバーたる俺に快く演説の場を譲ったニッケスを尻目に他の奴らの視線・関心を全身に浴びる。ここからは殺戮(さつりく)という名のショータイムの始まりだ

 

ニッケスも、他の初期メンバーのガキ共も(・・・・)、500億という(ひかり)に寄って来た奴らも、どいつもこいつも4流5流の大根役者だらけだが、せめて俺達が人生の幕引きを汚ねぇ花火で彩ってやるよ

 

先ず最初に俺がプレイヤーキラーとして有名な『爆弾魔(ボマー)』であることを告げ、相手の理解が追いつく前にハメ組の全員に念の爆弾を取り付けた事も告げる

 

自分の命が危ないと知った途端に案の定騒ぎ出すバカ共を諫めて爆弾の解除方法を語ろうとした時、初期メンバーであり俺を除いたハメ組の中では最強の銀髪猫目のガキ(・・・・・・・)であるジスパーが背後から襲い掛かって来た

 

 

“ボムッ!!”

 

 

だが所詮は自力でのカード集めも(まま)ならない集団の中での話

 

気配だけで背後のガキの顔面を掴むとそのまま容赦なくその顔を爆破してやった

 

「やれやれ、説明の順序が狂ってしまったな」

 

しかし問題は無い。(むし)ろジスパーがなす術もなくやられた事でコイツ等全員に恐怖という足枷を掛けられた。もう俺の説明が終わるまで邪魔が入る事も無いだろう

 

顔面を爆破されたジスパーは未だに煙を立ち昇らせながら手足を痙攣させている。アレでは今後の交渉が済む前に死ぬだろうな

 

近くに居た他の初期メンバーのガキ共も倒れたジスパーの周囲に群がって声を掛けたり俺を警戒しながら庇うようにして立ち塞がったりとしている―――無駄だと云うのにご苦労な事だ

 

今の俺の体捌きを見た上でそんなチャチなナイフや鎖を構えたところで威嚇にすらなりやしねぇと理解すら・・・ナイフはまだしも鎖だと?コイツそんな武器を使ってたか?

 

立ち塞がった二人の内一人の持つ武器に(いぶか)しむ・・・いや、気にする必要はない。コイツの能力も俺は知っている。所詮は余った容量(メモリ)で創った雑魚の付け焼刃だろう

 

俺は全体に向き直ると俺の有する二つの能力である『命の音(カウントダウン)』と『一握りの火薬(リトルフラワー)』の説明を始めた

 

俺が掴んだ箇所に小規模爆発を起こす『一握りの火薬(リトルフラワー)』に相手に触れた状態で『ボマー』というキーワードを言う事で『一握りの火薬(リトルフラワー)』の10倍の威力の爆弾を取り付ける『命の音(カウントダウン)』。その『命の音(カウントダウン)』を解除する為に必要な条件である相手が俺に触れながら『ボマー捕まえた』と言わねばならないという情報を全て伝えた

 

 

“―――――チッ、チッ、チッ、チッ”

 

 

「作動したね」

 

見渡す限りのプレイヤー全員の身体にカウント付きの爆弾が具現化された

 

命の音(カウントダウン)』の最後の発動条件が相手の目の前で能力を説明する事だからだ。その制約と仲間の念の補助を受ける事でこれだけの数の一撃必殺級の念能力を大した疲労も無く同時展開できる

 

自分の身体にピッタリと貼り付いた爆弾に顔を青ざめさせる者が続出する中で最後の仕上げに爆弾の一斉解除と引き換えにコイツ等の集めた指定ポケットカード全種を要求する

 

もっとも一斉解除なんてのは嘘だがな

 

相手への説明を必要とする俺の能力で一度爆弾を取り付けた相手を生かしておくメリットなど皆無だからな

 

すると一番最近勧誘したうちの一人が全員で俺に襲い掛かって解除ワードを言えば良いと言う。確かにそれなら爆弾を解除するだけなら成功する奴も居るだろう

 

だがここまで計画を練ってきた俺がそんな半端な逃げ道を残す訳もない

 

「ブック!」

 

呪文を唱えてバインダーを出現させ、フリーポケットから『離脱(リーブ)』の呪文(スペル)カードを取り出した俺を見てニッケスが慌てて俺を止めようと近づいて来るが、『一握りの火薬(リトルフラワー)』を実演してみせた手の平を向けると金縛りに遭ったように俺の間合いの外で恐怖に足を止める

 

離脱(リーブ)』でゲーム外に出ると『堅牢(プリズン)』の効果は消える上に呪文(スペル)カードを収納しているフリーポケットのカードも消える。だが問題は無ぇ。今まで集めた『堅牢(プリズン)』はその場で使うのではなく俺のバインダーの指定ポケットのページに『贋作(フェイク)』の呪文(スペル)で指定ポケットカードに偽造して収納してある。コイツ等からカードを奪ったら変身したカードを元に戻すNo.84『聖騎士の首飾り』で『堅牢(プリズン)』に戻せば良いだけだ

 

俺は『離脱(リーブ)』のカードを掲げて高らかに宣言する

 

「『離脱(リーブ)』ON!ハハハハハ!では幸運を祈る!!」

 

ゲーム外に出てしまえば仲間が待機してる上に追って来れる者も限定される。それは実質追って来れないという事!精々生き残る為に(わら)にも(すが)る思いでカードを提供する事だな。もっとも藁に縋ったところで助かるわきゃ無ぇがよ!

 

呪文(スペル)を唱えた事で俺の身体が光に包まれ、ゲームの外へと俺を運・・・ばない?

 

「・・・・・『離脱(リーブ)』ON!『離脱(リーブ)』ON!『離脱(リーブ)』ON!ゲンスルー!!」

 

クソッたれ!如何なっている!?バグか?俺は呆けている雑魚共が再起動する前に素早くバインダーの最後のページの呪文(スペル)カードを手動で発動する為の枠にカードをはめ込む事で『離脱(リーブ)』を使おうとするがそれでも何も起きない―――クソっ!本当に如何なっている!!?

 

「・・・っぷ」

 

「ククククク」

 

「アハッ、わ、笑っちゃダメだよね?」

 

「笑っても良いでしょ。仮にダメだと思うなら嗤っときなさい」

 

後ろから聞こえてきた嘲笑に一瞬で蟀谷(こめかみ)から軋む音がする程にブチ切れた俺は振り返る。俺を嗤った奴らは全員手足を吹っ飛ばして黙らせてやる!―――だが振り向いた俺は違和感を持ち、直ぐにその異変が何かを気付く事になる

 

「何故だ!?なんでお前らに『命の音(カウントダウン)』が発動してねぇ!!?」

 

バカな!初期メンバーは真っ先に爆弾を取り付けたんだぞ!現にニッケスには能力が発動している。何故コイツ等だけが―――

 

「いや待て。お前も何で普通に立ってやがるジスパー!?」

 

お前はさっき間違いなく顔面を爆破してやったはずだろう!!?

 

「は?あんなもんでやられる訳ないじゃん。こっちが今まで何回鉄の塊でもプリンみてぇに握り潰せるアイアンクローから必死に身を護って来たと思ってんだよ―――あ~あ、ジャンケンで負けてなきゃやられ役なんて演じなかったのによ~」

 

演技だと?まさか俺は今までコイツの実力を見誤っていたとでも云うのか―――コイツも俺と同じように本来の実力を隠してやがったって事か畜生!

 

「・・・何だか勘違いしてるっぽいし、これ以上焦らしても仕方ないからそろそろ種明かしといきましょうか」

 

勘違い?初期メンバーの一人である茶髪の女のガキ(・・・・・・・)であるノームデューがそう言うと他の初期メンバーの奴らも一斉に懐やらズボンやらのポケットに手を突っ込み一枚の紙片を取り出す。見た事ない紙だ・・・いや、本当に見た事が無いか?

 

俺が記憶の片隅にどこか引っ掛かるものを感じている内にコイツ等がその紙片を更に破るとそこに居たのはハメ組の初期メンバーではなく、別の奴らが何時の間にかそこに立っていた

 

違う!コイツ等は何も変わってないし最初から此処に居た。変わっていたのは俺の、いや、俺達の認識だ!

 

「・・・『影武者切符』」

 

後ろに居る奴らの方から小さく漏れ聞こえたその回答にハッとして僅かに首を捻り視線だけを後ろにやる

 

他の奴らも発言者の方を向いていたようでさっきの奴とはまた別の黒人の新参者。確かアベンガネとかいう奴が溢した憶測だったと知れる

 

NO.92『影武者切符』。その切符を成り代わりたい相手に切って渡せば24時間その者の代わりを務める事が出来、それも1000枚セットで扱える代物だ

 

相手に渡す為に千切った根元の部分を破棄すれば24時間経つ前に効果も切れるという事だろう。1000枚も在るんだ。ゲーム内なら検証は幾らでも出来るだろう

 

俺はコイツ等が別人に入れ替わってる事にも気付かずに接していた。ならばこの『離脱(リーブ)』は―――

 

「『贋作(フェイク)』か!」

 

苦々しく吐き捨てた俺は乱雑に『離脱(リーブ)』のカードを放り投げる。この集会では他のプレイヤーの持つ情報を撹乱する為にも手持ちのカードをシャッフルしていた

 

俺が『離脱(リーブ)』を使う事も予測していたならシャッフルの隙を使って偽物の『離脱(リーブ)』を持たせる事もそう難しくはない―――ここまでおちょくられたのは初めてだ

 

俺は苛立ちから噛んだ唇から一筋の血が流れるのを感じる。痛みで少しでも冷静さを保たなければ怒りで頭が爆発しそうだからだ

 

だから俺は今も後ろから飛び掛かろうとしている雑魚共の気配も見逃してない。俺の動揺の隙を突いて爆弾の解除を試みる腹積もりだろうが、全員が同調している訳でもない

 

圧倒的実力差を前にすれば多少の隙など隙ではないと云う事すら判らずに愚かにも襲い掛かって来たなら『一握りの火薬(リトルフラワー)』で地獄を見せてやる

 

「い、い、・・・行くぞ!!」

 

誰か知らんが怯える奴らに発破を掛けた事で十数人程が俺に向かって走り出し―――

 

 

 

「はい、そこまで」

 

 

“ズンンンンッ!!!”

 

 

 

先程種明かしが如何とか言っていた茶髪のガキが軽く柏手(かしわで)を打ちながら制止の言葉を放つと俺達の全身に有り得ないレベルの重圧が降り注いだ

 

なんだ?今度は何が起きてるってんだ!?あのガキの重力変化か重量操作の類の『発』の発動条件を何処かで満たしちまったのか?『影武者切符』なら俺がコイツ等に爆弾を気付かれず取り付けたように厳しい制約もクリアするのは難しくないはずだ

 

逆に言えばこの場さえ切り抜けて仕切り直す事さえ出来れば反撃の目は残ってるはず

 

そう思い全身に山でも背負ってるんじゃないかって重圧の中で何とか顔を上げて脱出経路を探ろうとするが、それと同じくしてハメ組の誰かの蚊の鳴くような声が耳に届いた

 

「ビ、ビアー=ホイヘンス・・・」

 

聞こえてきた名前には聞き覚えがあった。時折現実に戻るサブとバラが以前『交信(コンタクト)』で世情の一つとして出した名前だ。あの一人一人がA級首と云う俺達をしてイカれてるとしか言いようがねぇ幻影旅団を倒したという一ツ星(シングル)犯罪(クライム)ハンター!!

 

※現在は三ツ星(トリプル)

 

今目の前に居るのがトッププロですら手を焼く幻影旅団を壊滅させた相手と知った事で俺が無意識(必死)に目を逸らしていた事実に目を向けてしまう

 

・・・ああ、そうか。やっぱりコレはただの『練』なんだな

 

「―――バケモノが」

 

そう認識してしまったからか全身の力が抜けてついでに髪の毛もパラパラと抜けていくのも他人事のように感じながら俺の意識は暗転していった

 

最後に少しだけ吐いた悪態が俺のせめてもの抵抗の証だったのかも知れん

 

 

 

 

 

 

 

サブ、バラ。すまねぇ。お前たちだけでも逃げ延びてくれ

 




ハメ組のアジトの場所は原作でシソの木から南南西方向?に『同行』で飛んでる描写と南に進んだ最初の街(シャルナークやシズク達が居た街)のルビキュータを掛け合わせてます

ビアーが成り代わってた設定のノームデューもゴンがバインダーを見た時(ヒソカ水浴びシーンの少し前)にニッケスの次に出会ってる3人の中から適当に選びました
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