カキン国の第12王子のモモゼもといモモの私室でやっと本題に入る事にした私達は椅子に座って向かい合う。大丈夫だ。大量の私グッズに囲まれた当初と違って今の私はそんなものは目に入らずに落ち着けている
「―――お姉様?何故こちらを見て下さらないのですか?」
「なに言ってるのモモ?ちゃんと私の目だって見えてるでしょう?」
「ええ。私のアイマスク(ビアー仕様)をお姉様が装着しているという点に目を
「
「・・・よく言えますわね」
言葉では少し不機嫌な空気を出してるけど、言う程残念がってはいないわよね?
「なんの事かな?だから今モモが手を伸ばしてる
「・・・・・見えてますの?」
「このかっ
あ、なんか胡散臭せぇって顔してる。気配で解る―――
「ではそれも『念』というものの力なのでしょうか?」
「
「―――成る程。念の習得で得られる恩恵は本当に様々なのですね」
そりゃ
「そうね。勿論得手不得手や熟練度とかでそれぞれがやれる事は大きく変わるわ。マフィアの話よりも念の解説を先にする?気になるでしょう?」
「はい。お恥ずかしながら先程から好奇心が湧き立つ感じがしていて如何にも落ち着きませんの」
当然と云えば当然ね。どれだけ自分を律してもモモはまだ子供だ。頭を使う政治的な話を先にして気もそぞろになられても困るし、こっちから話しましょうか
「了~解。ならモモの知りたい所から語っていきましょうか」
そう許可を出すとモモを身を乗り出すようにして私の瞳(アイマスク越し)を覗き込んできた
「―――ではお姉様の好きな食べ物苦手な食べ物好きな音楽ご趣味血液型座右の銘今年の抱負来年の抱負将来の夢などもお聞かせ下さいそれから美術や芸術には興味はお有りですか?私習い事で調理も心得は御座いますので今度スイーツをお作り致しますのでお菓子の中では何がお好きですか?それに併せるお飲み物は?ハンターとして動きやすい恰好をお好みのようですがプライベートも常にそのような装いで?宜しければお姉様に似合いそうと思って買った服を本邸から持って来させますので試着致しましょう上から下までアクセサリーからランジェリーから化粧品まで取り揃えてますので必ずお姉様も気に入るものも在るはずですしそちらは勿論お持ち帰り頂いて結構ですわ後でお姉様がお選びになった商品は追加で最低でも保存用観賞用布教用ペアルック用を購入致しますのでお気になさらずに頂いても大丈夫ですいえ私の選んだものだけで全てを決めようだなんて失礼でしたわね生憎お母様に形だけとはいえ留守番を頼まれている身なのでお出かけは出来ませんので王族御用達の商会にここまで出向いて頂きましょう今回は無理でしたが少々変装してお忍びで実際に街中を歩いてショッピングというのも
「最後に取ってつけたように言わないで!?本当に念に興味持ってる!!?」
最後の一文までの間に疑問符以外ワンセンテンスも挟まってなかったんだけど、普通に怖いわ!ゴン並みの肺活量をどっから引っ張って来たのよ?
「コホン!・・・失礼しました。憧れのお姉様と出会って舞い上がってしまいましたが決してご迷惑をお掛けしたい訳ではありませんの。相手の事をよく知りたいのはその先で『仲』を深めたいが為。そこを勘違いしてはいけませんわね」
よ、良かった。この先も2~3センテンス
「だから以前お母様にも共通の話題が有れば関係を改善出来るのではとお姉様の魅力を語り尽くしたら何故か嫌がらせも無くなった代わりに関わりすらも無くなってしまったようでして・・・どうしてでしょうか?」
訂正。この子のブレーキは低確率でしか作動しないっぽい
モモがこの屋敷に押し込められてるのって絶対に嫌がらせよりも会いたくないって拒否反応の方が比率デカイでしょ。留守番じゃなくて隔離でしょ
「どうしても何も・・・てか話自体はちゃんと聞いてくれたんだ?」
「はいお姉様。『将を射んとする者はまず馬を射よ』と申しますわ」
詳しい状況は分らないけどマラヤームを膝の上に乗せるかなんかでかつ母親が直ぐには手を出せない状況にして実質人質にしたわね。モモ、恐ろしい娘!
「・・・
「
そりゃ自我が芽生えてからそこまで時間も経ってないなら情緒も育ってないでしょうし、そんなもんでしょう。むしろそれで私のファンになってた方が怖いわ!
ってイカンイカン。ペースに呑まれるな私
「じゃ、じゃあ念の説明だけど基礎の四大行と各系統、誓約と制約から話していくわね。あ、このノート借りるわよ」
私はそそくさとモモから距離を取るようにして少し離れた場所に在る机の引き出しを開けて仕舞ってあったノートとペンを取り出すと一回深呼吸を挟んでから先程の位置に戻り座り直す
「・・・見えてないんですのよね?」
「(円で)
モモの疑問を一蹴し、ノートを
「あの、お姉様。そちらのページは既に私が(自習などで)使った後ですわ」
「・・・
「見えてなかったんですわね?」
「―――見えてなかったです」
畜生なんだかとっても敗けた気分!こんな私を見るな
・・・
▽
「・・・とまぁこんな感じね。最後に説明した誓約と制約は限定的でも手軽に強力な能力を扱えるようになるから固有の『発』を創っただけで強くなったと錯覚した上に満足しちゃって修行を怠けて成長をそこで止めちゃう念能力者も多いのよ。一般人相手なら武装集団とかでもない限りそれだけでも結構無双出来ちゃうから余計にね」
ハメ組の連中とか大半がその類だったでしょうね。プロハンターにだって1割くらいはそういう人達も居そう―――
まぁハンター試験を突破してると考えたらハメ組よりはマシでしょうけど
「・・・怠慢ですわね。仮にもそこまでは研鑽を積んで
かなり不満そうね。モモの場合血筋から来る特別感と王に至る為に積み重ねてきた努力辺りから育まれた感性なんでしょうけど
「ならそんな奴らとは違うモモは努力を怠らないってのを信じて軽く実践を交えましょうか」
繰り返すようだけど巻で行くわよ。あんまり此処で何日も足止めを喰らうとグリードアイランドのセーブデータがトんじゃうし
私はジャンケンのチョキのように指を二本立てるとモモに目潰しをするかのようにして指先を眼前で静止させた
「モモ、目を逸らさないでね。今からモモの目の
いきなりで結構無茶言ってるけど実は中庭で大ジャンプする際にモモに『周』をしたせいで予想よりもかなり強めにオーラが漏れてるのよね。このままだとこの先謎に疲れ易くなる状態のままで日常生活を送る事になっちゃう
そこで目の
これで半覚醒のオーラを留める『纏』モドキを会得できたなら続けて本来の正しい外法(?)で全身の
私のオーラでモモの目の
「お・・・・・」
あれ?なんか驚きすぎじゃない?
「お姉様に後光が差していますわ」
それどこの
「いやいやいやよく見て!後ろから照らされてる訳じゃないから!単に全身が光ってる(ようにも見える)だけだから!!」
「そ、そうですわよね。お姉様を後ろからだけテラスなどとケチな話では無くて全方位からライトアップされているという訳ですね」
「むしろ全方位『に』ライトアップしてるだけ!・・・って、なに言わせんの!!?」
モモのボケに引っ張られてこっちまでボケちゃったじゃない!てか『照らす』が脳内変換で『テラス』に聞こえたんだけどポケットなモンスターのテラスタルって事!?本来持ってる属性を超強化して全身光ってみえるあんな派手なのと・・・アレ?割と私の【
「モモ~!ほらこっちの姿見の前に立って!私と比べて生命エネルギーをガンガンに垂れ流してるの分かるでしょ。さっき教えた事を意識して制御しなさい!」
モモを立たせて後ろに回り両肩を掴むと鏡の前にグイグイと押し出す。本当は色々とツッコミたいけど目だけとは云え
それから数分程四苦八苦して何とかモモも『纏』モドキを習得した。本来の『纏』が攻防力10とするなら今のモモは攻防力4くらいの『纏』をしてるような状態だ。
「はぁ・・・はぁ・・・しょ、少々疲れましたわね」
そこそこ運動したくらいの消耗はしちゃったみたいだけど生命エネルギーの流出はちゃんと止まったから30分くらい休めば体力は戻るわね。体力が回復する内に今の感覚にも慣れるでしょうし、予定通りこのまま行きましょうか
それにしても何だかんだこの場でオーラを制御してるから才能も普通よりは有りそうね。最悪疲労でぶっ倒れて本番は明日以降に延期って場合も有り得ると思ってたから嬉しい誤算だ
直感だけど念に関してだけなら原作の10万人に1人の才能とされてたズシよりは上かな?20~30万人に1人とか多分そんな感じ?―――念能力で発展してきた家系の子と考えれば可もなく不可もなくってところかしら
ジャ〇プと云えば『血筋・努力・勝利』だもんね。モモに念の才能が有っても何も可笑しくなんてないって事よ。ん?何か一つ間違ってる?そんな事ないよね?
それから30分はモモにオーラの流れを意識して感じ取って貰いながら回復させ、改めて外法でモモの全身の
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
それでも息も絶え絶えって感じにはなっちゃったけど、こういった姿を見ると外法で目覚めさせるのが推奨されないのも分かるわね。慣れてない人がオーラを全部出し尽くしちゃってグロッキーになれば免疫とかも下がって風邪や病気に掛かるとか、そのせいで数日から下手したら数週間休養を取らないといけなくなるとか高い可能性でなくとも十分あり得るとは思う
「うん、良く出来ました。急ぎ足だったけど、取り敢えずこれでモモも念使いとして白帯を締められる程度には成れたわね」
流石に『纏』だけじゃね。黒帯(初段)判定はやっぱり四大行を会得してからだ
モモも基礎知識は先にそこそこ教えたから納得してるでしょう
ただ『纏』モドキの時と同じで本題である国の話に移るにも体力を回復させないとダメだし、汗もそれなりに掻いてるから時間帯的に見て夕食とお風呂を先にしてからにしましょうか―――中庭でお茶してた時点で15時くらいだったもんね
そう伝えるとモモも少しホッとした様子を見せた。今までに体験した事の無い疲労感が全身を巡ってるはずだしね。
「じゃあ次は休む為にも『絶』の練習ね。気配を消す以外に疲労回復の効果も有るってのは覚えてるわね?そんな訳だから
なのでモモの為にも正しい休息のやり方を覚えられるようにいざ修行だ。休める上に技術も鍛えらえるんだから正に一石二鳥ってね♪
あれ?なんか『マジかよコイツ』的な意思が伝わって来るんだけど、それはさっきまで私が貴女に抱いてた感情だよね?あのメンヘラ気質長文オタク語りには私の反応は至極真っ当だったはずだけど、逆に私って今なにか変な事言った?言ってないよね???
ああ、でもなんか懐かしいわね。レツもポンズ姉も最初の頃はよく似たような反応してたっけ?・・・つまり何の問題も無いって事ね!(確信)
「・・・お姉様。『
うん?そう言ってるよね?王族ライフにおいては気配を消す技術よりは疲労回復の方が重要な要素になると思うしね
基本的に人前に出る職業だから気配を消した所でどうなのって話しだし・・・上の王子には『絶』が『発』のトリガーになってる人も居るみたいだけど、それを参考にしろとは言えないし
「では呼吸を整えて出来るだけリラックスした状態で行うのが望ましいですわよね?」
最終的にはどんな状況でも瞬時に『絶』れれば最高!って言いたいけど、そもそも『絶』を会得する段階で見ればその通りね
私がなんだか怪しい空気を感じて生返事ながらも肯定の意を返すとモモに手を掴まれて連れられ、大きくてフカフカなソファーの端に座らされるとモモは素早く私の膝を枕にして横たわった
いきなりの事で思わず“キョトン”とする私の目とそんな私を見上げる頬を紅潮させたモモの熱っぽい目が互いを映す
「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!―――これです!これこそ至高にして究極のリラックス法ですわ!ハァ!ハァ!ハァァァ!!」
「むしろ呼吸乱れてるよね!?さっきまでとは別の意味で呼吸が荒くなってるとしか思えないんだけど!!?」
て云うかいきなりソファーに寝そべるとか膝枕とかはしたないとか思わないの?原作のおしとやかなお嬢さんキャラ何処行った!?
「お姉様。お姉様をお姉様と呼ぶ以上私はお姉様の“妹”です。ならばこれは当然の
「私を変態性の強いシスコン認定しないでくれる!?シスコンは否定しないけど、一体私の何を見て判断したの!?」
「無論私に集め得る情報の≪全て≫ですわ。集めた情報一つ一つを多角的に吟味し、検証し、統合した上で得た知見です」
その知見絶対に間違ってるって!?
※合ってます
主観入り過ぎでしょう!
※客観的事実
どんな情報集めたか知らないけど事実と真実は別物だよ!!
※真実
「それにちゃんと効果も出ていますでしょう?もうオーラは漏れていないと思うのですが、お姉様の目から視て
言われて気付く。確かにモモはいつの間にか『絶』を成功させている・・・え?なんで?圧倒的な念の才能を持ってるか
「『纏』はまるで重さの無い服を全身に着ているかのような感覚です。つまり折角のお姉様の柔肌を!太ももを!堪能するのに1クッション挟む事と同義!!ならばそのような邪魔なモノは脱ぎ捨てて然るべきですわ!」
自分の生命エネルギーを邪魔呼ばわりしないであげて!てか才能を謎のモチベーションでブースト掛けて『絶』をマスターとかギャグ時空が顔を覗かせてるわよ。取り敢えずモモは世の中の真面目に頑張って『絶』の修行してる人達に謝れば良いと思う
「えっと・・・なら休もうと言った手前なんだけど、実は『練』も今ならやれば出来そうとかって感覚有ったりする?」
まさかそんなはずが―――
「はい!今も全身の細胞が奮えてしまっていて爆発しそうです。後はこの
「そ、そう?頑張ってね?」
女の子にこんな事を言うのアレだけど荒い鼻息に合わせて鼻の孔膨らんでるわよ。言わないけど、やる気が有るのは良い事だ。きっと、多分、メイビー
モモは集中する為か目を閉じて一旦息を吐き出すとその後に深く息を吸い込む。吸い込む。まだまだ吸い込・・・これ私の匂いで肺を満たそうとしてるとかじゃないよね?
私の中で不安と不信が鎌首を
「―――きゅぅううう⤵⤵」
『纏』のタイミングをミスったモモが疲労から目を廻してしまった。うん。素人の出す勢いの顕在オーラじゃなかったからね。感情ブーストを乗せすぎだ。逆に難易度上げてどうするの
それにしてもこの娘こんな面白い性格してたのか・・・責任こそ無いけど大体私のせいか
私は半ば気絶した形で眠ってしまったモモを無理に今起こしても仕方ないとして収納バッグから携帯ゲーム機を取り出してゲーム内のモンスターをハントしていく
「尻尾置いてけ~。尻尾置いてけぇ。なぁ!!」
私の操るキャラの大剣振り下ろしが決まり相手モンスターの尻尾を切断すると丁度エリア移動となったモンスターがその場を離れていく
「良し良し。こういうのが一番剥ぎ取り忘れが無くて助かるわ」
鼻歌混じりに落ちた尻尾から素材を剥ぎ取っていると画面外から近づいてきた害悪巨大蜂が尻尾の毒針を振りかざす。キャラは今剥ぎ取りモーション中で動けない!
「あ゛あ゛っ!」
モモが起きないようにゲーム音切ってたから羽音に気付けなかった!
無情にも毒針が突き刺さったキャラは痺れ毒でその場に倒れ、続く画面外からの刺客たる害悪イノシシの突進で吹き飛ばされ、丁度別エリアからエリア移動してきた大型モンスターの前に放り出されて大咆哮(無音)が響き渡る
「まだ何にも剥ぎ取れないのに!!」
こ〇し玉を今は持って無いのよこっちは!!
そんな感じでキーキー唸っているとモモも寝てられなかったのか目を覚ましたようだ
「お姉様?なにで遊んでらっしゃいますの?」
流石のモモもゲーム機を知らない程箱入りじゃないみたいね
「これ?モ〇スターハンターのムーンブレイクね」
「分かりました。この後購入致します」
マジかコイツ。ゼロ秒で決めたわよ。判断が早い!!・・・決意が要るような要素じゃないか
起き上がったモモが扉の方に声を張って呼び掛けると外で待機していた使用人が
そのまま私が持ってるゲームと同じ機種とソフトを要求し、ついでに夕食の前にお風呂に入る旨を告げる―――さっきまでの修行で結構汗掻いたもんね
モモに一緒に入ろうと誘われてちょっと口元崩れかけてる彼女を見て断ろうかとも思ったけど時間の無駄だと思い直して二人でお風呂に直行。生まれて初めてメイドさんに全身ゴシゴシ洗われた
流石に少し気恥ずかしかったけど、これも良い経験でしょう
それからだだっ広い浴槽に二人で浸かる。モモがピッタリと横に引っ付く距離で座ってるのは予想してたし普通のスキンシップのレベルなら私も何も言わない・・・お風呂以外の理由で頬が上気してるっぽい上に口の端が垂れ下がってニマニマしてる気がするけど一線さえ超えなければ良しとしないとこの先やっていけないからね(諦観)
中庭の時と同じで周囲に人が居るから他愛のない話をして身体の芯まで温まってからお風呂を後にし、その足で食堂に向かって夕食を堪能する―――覚えてて良かったテーブルマナー
それと人目の有る場所ではモモが原作然とした淑女モードになってた。やっぱりそこら辺は使い分けてるらしい・・・え?お風呂?アレはメイドさん達に背を向けてたから正面ないし横顔が見られてた訳じゃないからね。もっとも私室がアレな時点で周囲の人達には手遅れだけど、一般人にバレないならセーフなんでしょう
「さて、やっと
私グッズがお出迎えしてくるこの部屋に帰りたかったかと訊かれたら答えはNOだけどね!
「はい。お姉様のお話を聴くというのに大分遠回りしてしまいましたわ」
「確かに遠回りだったけど、必要な寄り道だったわよ」
念を実感してもらった方がモモの真剣度に差が出るでしょうしね
私達はそれぞれ姿勢を正して真面目モードに切り替わる。モモの暴走は想定外だったけど、先に一通り限界化でガス抜きしたはずだから
「先ずこの国の王族は次代の国王が決まる時に割と高い確率で王の候補者たちが死んでたり隠居してたりするのは知ってる?」
これは普通に調べるだけでもある程度分かる情報だ。昔はまだしも近年の記録なら十分残ってる
「はい。ですが王族同士、貴族同士での派閥争いからなる暗殺や謀殺などは他国でも見られるものですわよね」
「確かにその通り。それだけだったらカキンに限定して語る事でもないわね。ここで問題なのはその血生臭い争いがカキンでは念能力によって実質固定化されているって事情がある所なのよ。それも王位継承だけじゃなくて政敵であれば他国も巻き込む形でね」
ここまで話すとモモも思案顔に更に深刻度が増す
「それは・・・危険ですわね」
「そう。そのシステムはもう今の時代の
壺中卵の儀で生まれた守護霊中はカウンタータイプなどは除くにしても本人の意思や気質に反して被憑依者の敵を排除しようと動く
小国同士でチマチマ争っていた時代なら周辺国の王やら部族の長の周囲にも念能力者もほぼ居なかったかもしれないし、最悪武力で訴える手も取れたでしょうけど、今やV5を筆頭に大国によって世界が区分けされている。念能力で下手に他国の要人にちょっかいを掛ければ割と高い確率でバレちゃう上に核兵器なんて選択肢すら今の時代には生まれちゃってる
そんな事になれば国が荒れる。カキンとカキンが標的にした国が荒れれば世界が荒れる
戦争とか紛争とかお断りなのに壺中卵の儀を放っておくのは世界大戦にさえ繋がる可能性を高いまま放置するのと変わらない
折角手を貸そうとしている相手が四方八方にオートでケンカ売ってちゃ世話ないからね
「カキンは周辺国家を支配下に置く事で今まで肥大化してきた国。なら為政者として次に打つべき一手はなんだと思う?」
肥大化であって発展じゃないところがミソね
「領土拡大の次とくれば答えは単純です。手にした領土を盤石なモノとする地盤作りですわね」
「正解。この国の財も技術も権力も主要都市とその極近郊に集まってる。そしてそれはこの国の人口や面積からしてみればあまりにも格差が大きい。それは国内外問わず様々な摩擦を生じさせることになるわね。勿論
溢れる資源も活用出来なきゃ持ち腐れもいいとこだ。それで増長する国民が居たところで現時点で御しきれないようなら今の国土拡張路線のままひた走っても先は見えている
カーブで盛大に転倒する
仮にモモが上手く次の王様に成れたとして、その辺を上手く
そもそもの話モモが無事国王に成れなきゃ・・・あれ?もしかしてだけど、モモかそれ以外でもまともで有能な王子が国王になれるように逆算で
上手く事が運べば一粒で二度美味しい形にもなるし・・・結果が出ても答えは分らないままなんて妙な事にはなるけどね
だから当然それだけに頼らず打てる手は出来るだけ打っておかないとね
「国内の発展。それが叶えば
そう。歪な血の繋がりと継承戦でいつ途切れるとも知れないケツモチの王子の王族特権に依る影響力とか長続きするはずがない。その分繋がりのある王子が次の王になった時のリターンも大きいんだろうけどね。浮き沈みの激しい大組織なんて広域を支配するには向いてない
「だからこその十老頭とのパイプ・・・ですが手綱の握り辛いマフィア勢力を懐に招き入れると云うのは
流石に胆力有るわね。普通モモくらいの年齢でそんな挑戦的な笑みを
とは言え相手は海千山千のアウトロー。幾ら発展途上の国や地域においてヤクザからチンピラに至るまでの有象無象の悪人たちを引き締める役が警察機構とは別に必要(警察だけじゃ人手不足)とはいえ、好き勝手させて何処かの
「パートナーとして対等以上にやっていくなら今すぐは無理でも将来的には直接的な戦力も
「はい。お母様が必ず邪魔をしてくると思いますわ」
だよね~。
王様になれた後なら兎も角今の時点ではあからさまな部隊は望むべくもない、か
「―――いっそお母様を直接操れれば楽なのですが」
怖い事サラッと言うわね!
「見破られる可能性や能力の制限なども有る以上は愚策ですわね」
おお、ちゃんと念能力の知識を提供したらリスクも含めて考えを廻せる辺りは有能ね
「お母様に邪魔されず、怪しまれず、私も信用出来る念能力者の集団・・・全国からなるお姉様ファンクラブの中から見込みの有りそうな方々を
「ちょっと待って。私のファンクラブ・・・が有るのは考えれば当然だけど、ひょっとしなくてもディープなファンを募って私設兵団もとい私設ファンクラブ団体創ろうとしてない?」
「はいお姉様。厳しい適性検査を設けて直属の会員となった者にはこの部屋に在るような特製お姉様ファングッズを得る権利を与えるつもりですわ。当然貢献度や立場などで手に出来るグッズの種類に優劣を付ける形にはなるでしょう。ご安心下さい。そうなれば私の配下ではありますがお姉様の指示にも従う私とお姉様の共有財産になりますわ。お姉様の直接の手助けが出来る程の者は育てるのも難しいでしょうが、単純に人手が必要な時が有れば活用して下さって構いません。お姉様の利にもなる話でしょう?」
そうだね。精神的なデメリットを無視すればね!!
「大体そういうのはカストロさんで間に合って―――あっ!」
「日に二度もお喚び頂けるとは感謝の念に堪えません。ビアー様。此度はどのようなご用向きでありましょうか?」
やせい の カストロ が あらわれた・・・・・じゃない!嘘と言ってよ!厄介ファンが二人に増えたんだけど!?それとこの馬鹿を見て連鎖的に思いだしたくない事まで思い出しちゃったんだけど、私のオーラに
「お姉様?頭を抱えながらまるで雑巾を絞るように身体を捻ってますが、どうされたのですか?」
「おお!ビアー様。そのように苦悩の表情を浮かべられてなんとお
苦難も苦悩もアンタ達のせいだっての!てか二人とももうちょっと私以外も眼中に入れなさいよ
てかカストロの召喚がもう呪いの域なんだけど!!?
私は深い深いため息を吐きながらガックリと床に四つん這いになってからゆっくりと顔を上げる。多分この時の私の表情は死んでいたんだと思う
「話し合いを・・・続けましょうか・・・」
私はこれ以上の厄ネタが出てこない事を窓の向こうに見える名も知らぬ星に向かって切に願った
サブタイのファン(モモゼ)と信者(カストロ)ですね。似ているようで少し違うかな?って感じですが今後書き分けたりするかは謎ですw