帝国の皇子ルートヴィヒは第二次ヨーロッパ大戦に活躍し後に「帝国の悪魔」と呼ばれるようになる。これはそんな彼が行った記録の数々である。
帝国の悪魔とヴァルキュリア
征暦1935年、ヨーロッパ大陸。
鉱物資源ラグナイトを巡り東部の専制主義国家・東ヨーロッパ帝国連合、通称「帝国」と西部の共和制国家による連合体大西洋連邦機構、通称「連邦」の間で第二次ヨーロッパ戦争が勃発する。
国力で勝る筈の連邦は加盟国間の足並みがそろわずに国境部を徐々に侵攻されていた。これに対し、連邦は兵力を集中運用し帝国の中枢を一気に脅かす「ノーザンクロス作戦」を発動。帝国首都シュヴァルツグラードに向けて大攻勢を開始した。
思わぬ反撃に帝国軍は敗走を続けたが開戦の2年前より着工していた旧国境部の断崖に沿った要塞線「
連邦軍主力部隊と帝国軍の総力がぶつかり合う一大合戦、後に「ジークヴァル会戦」と呼ばれるようになる戦闘が行われようとしていた。
そんなジークヴァル・ラインより戦場を眺める一人の男がいた。帝国軍の将校である彼は双眼鏡を用いる事で相対する連邦軍を詳しく眺めていた。
やがて、双眼鏡を目から離した男は口角を上げた。
「いいねぇ。まさに決戦と呼ぶにふさわしい戦力だ」
男は自身が乗る戦車の上に立つと双眼鏡を用いずに再び連邦軍を見る。この地に布陣したばかりの連邦軍は未だ進軍する様子は見られないが近いうちに攻めてくることは予想が出来た。そのうえで、男は
「……殿下、危険です」
「……堕ちたら、怪我する」
そんな男に下から声をかける二人組がいた。薄い青色の髪を無造作に伸ばし真っ赤な瞳を男に向ける二人の少女は鏡のように瓜二つの容姿をしていた。銃や野砲が歩兵の主武装となっているこの20世紀において旧時代的な槍と盾を持つ二人は、どこか浮いていた。
「二人も見てみろ。もうすぐこの戦力がぶつかり合うんだぞ。ワクワクしないか?」
「敵なら倒します」
「別にワクワクなんてしないよ?」
容姿は瓜二つだが言葉遣いは全く違う少女たちはジッと、男を見ている。彼女達の
「まったく、キアラと二コラといいお前たちは魅力的だな」
「で、殿下……」
「……ポッ」
顔を赤らめつつ潤んだ瞳で男を見上げる二人の少女。まるでご褒美をねだる犬のようなしぐさを見せる少女たちに男の笑みは深まっていく。この様に
ルートヴィヒは帝国の皇族である。皇帝の実子であるが本人が23と若い事に加えて皇太子と良好な関係を築いている事から当初から後継者としては見られていなかった。
そんな彼は疎まれている兄であり準皇太子であるマクシミリアンとは違い様々な権力を行使する事が出来た。彼が常に傍に置いている四人の少女(女性)も彼が我儘を通した結果である。
二コラとキアラと呼ばれる女性二人は協力関係にあるハインリヒ・ベルガー率いるゼクス・オウルの支援を行っている為近くにはいないがそれを除いても残りの少女、ヴァルキュリアの末裔である二人の少女はルートヴィヒの傍を絶対に離れなかった。
後に「帝国の悪魔」と呼ばれるようになるルートヴィヒは第二次ヨーロッパ大戦において大活躍しその名を一気に知らしめることになる。
一応説明
ルートヴィヒ
帝国の皇子。皇帝の実子であり皇太子になれるが本人は望んでおらず皇太子に媚びを売り自身の生存を図る。帝国軍に入隊するが皇族と言う事で扱いづらいうえに本人の能力も高く自由気ままに行動しがちであったため異例の速度で出世と部隊を持つ事になった。
敵を殺すことに対して躊躇はないうえに帝国の利益を考えて行動する。
双子の少女(名前未設定)
本作のオリジナルキャラクター。ヴァルキュリアの末裔でありセルベリアやクライマリアと同じ施設出身。二人で力を使う事で初めてヴァルキュリアの力をフルに発揮できる。ヴァルキュリアである事、容姿がルートヴィヒの好みであったことから廃棄されずにルートヴィヒの側近と言う立場になる。ルートヴィヒに調教を受けた事で絶対忠実な人形と化している。
二コラとキアラ
原作ではベルガーに引き取られていたが今作ではルートヴィヒに拾われている。ベルガーとはあまり接点がなかったため原作の調整は大して受けていないが代わりにルートヴィヒによってR方面の調教は受けた。