「おらあ!ユウト様のお通りだぁ!!」
「おお、ユウト様!」
お、おお……そういや妖主が俺の実力を評価して、眷属たちと同等の権限を与えたんだったな。
つまり末端は基本俺のいう事を聞く……そして俺を様付けで呼ぶ!そういや瀬那たちの部下も電話で俺を呼ぶ時様付けだったな。
まあそんな事よりも俺は少し遅れて中央通りに着いた……戦闘はもう始まっているな。まだ早朝の段階のお陰か、一般人なんてほとんどいない。全力を出しても被害は少ないってな!
「ユウト様、お待ちしておりました。我々はどう動けばいいですか?」
「……お前たちは駅前へ行き、瀬那と舞那の護衛に当たれ……先の戦闘で消耗している」
「ですがそれでは、ユウト様はお一人で……?」
「こんなクソザコ共に後れを取る俺じゃないさ……行け!」
「ハッ!」
よし、これで瀬那たちは安全だ……後はこいつらぶっ倒すだけだ!
「アイツは!裏切り者の四葉だ!殺せ、殺せ!」
「さっきの白い奴らに比べれば、お前らなんてクソザコ!一気にカタをつける!」
一応辺りを見回すが、白いスーツを着たエージェントは見つからない……もうこの戦いに干渉してこないのは本当か……?
と、まあ今は目の前のことに集中!
「ハン!修行がなっちゃあいない!」
妖主を追いかけて全国を転々としていたらしいから秋葉原にいないのは当たり前だが……師匠の元での修行をサボってた奴が、俺に脱衣の技で敵うかよ!
「一人!二人!」
「ぐっ……応援だ!応援を呼べ!コイツさえ倒せれば奴等の勢いは衰える!」
「おうおう、随分と熱心なことで!そんなに俺が憎いか?」
まあいいさ、多く来れば来るほど、俺がぶっ倒して戦力を削れるんだからな!
「ザコが何匹集まっていようが所詮有象無象の集まり!」
塵も積もれば山となるとは言うが……できるのは塵の山だ。吹けば崩れる脆い山……俺という最強の存在によって貴様らは消える運命なのだぁあー!
「殺せ!殺せー!」
「さあ、どんどん来…」
……あ、ヤベ。
今になって……足が……痛くなってきた……さっきビルから飛び降りた時なー、あれなー、いけると思ったんだがなー……予想以上に高すぎました……。瀬那たちの前では普通に振舞ったけど、結構ヤバくねコレ……?
「チッ!とはいっても戦闘に支障はなぁい!」
俺は地面に衝撃波を放ち拡散、エージェント共を吹き飛ばし跳躍、一旦距離をとる。
「……ヤバいな、末端を呼び戻すか?いや、間に合わんな」
俺を狙うエージェントはどんどん集まってきてるが、俺は末端を別の場所へ送ってしまった。万全なら問題なかったが……この数を、この足の状態でどこまで……保つかな。
もちろん死ぬ気は無い……だが、退こうにも退路を確保しないことには……。
「まずは一角を崩すか!」
俺を囲もうとするエージェントに対し、俺は一点突破で包囲網を抜けようとする。
「邪魔だ!」
衝撃波でまとめて三人くらい吹き飛ばし、すぐに俺を塞ぐように立ち塞がった二人もぶっ飛ばす……よし、まずはこの包囲網を突破して……!
「くっ、こんな時に足が!」
俺の足に痛みが走り、一瞬動きが止まる。その隙を逃さなかったエージェント共が俺を後ろから攻撃しようとして……。
「オォラァアアアア!」
さらにその後ろから来た優にエージェント共はぶっ飛ばされた。
「優!?お前助けに来たのか!」
「ああ!?勘違いすんなよ!まだ暴れたりねーからこっちに来ただけだ!」
ツンデレだー!まあいいさ。コイツとなら……勝てる!
「随分と手こずってるみたいだな?」
「まあちょっとハンデあったからな……まあだんだん痛み引いてってるけど」
「オマエ、やっぱビルから飛び降りた時無理しただろ」
「いやー、行けると思ったんだぜ?」
実際、普通に飛び降りたらヤバいから地面に着く瞬間衝撃波をクッション代わりにして上手く着地したんだがな……。まあ痛みは引いていっている……もうじき完全に治るだろう。カゲヤシ化の恩恵だな。
「チィッ!逃がす……がっ!」
「うるせえよ!」
いきなり向かってきたエージェントを蹴り飛ばしす。とりあえず俺が動きを止めた隙にまた包囲網を作られたが……今は優がいる。とりあえず互いに背を向けあって、周りを見る。お、何かこれ背中を預けあっている戦友感でていいな!
「結構な数だなぁ」
「あいつら、裏切り者の俺を殺したくてしょうがないんだとよ」
「ま、なんでもいいさ!暴れられるんならなぁ!」
「そうだな……あそうだ、優、一つ勝負しないか?」
「ああ?、勝負だって?」
「もちろん直接やりあうわけじゃない……どっちがこのエージェント共を多く狩れるか……競ってみないか?」
「……フン、面白れぇじゃねぇか!乗ったぜぇその勝負、引き受けてやらぁ!」
さすがにカゲヤシの仲間になった今、優とは当たり前だが殺しあえないし、そうじゃないにしても、この戦いの中、直接やりあうわけにもいかない……だがこういう形でなら競える!
「たかが二人に何ができる!」
「さっき俺一人に苦戦してた奴が言うセリフじゃねえな!」
俺は早速向かってきた一人を蹴り飛ばす。優も向かってきた奴をギターでぶっ飛ばしていた。
「そう来なくっちゃ!……じゃあスタートな!」
「勝つのは……」
「「
そうして俺と優によるエージェント狩りが始まる。
かなりの数のエージェントがいるはずだが、俺と優なら絶対に負ける事はない!
俺は衝撃波を利用した格闘術を、優はギターを武器に広範囲を薙ぎ払い、クソザコエージェント共を一人、また一人とぶっ倒していく。
「オラオラどうした!もう終わりかぁ!?」
「クソザコ共が!俺様に勝てるわけねぇだろうがぁ!!」
そうして気付くと、俺達を包囲してたはずのエージェントはあそこにいる、たった一人になっていた。
「ば……化け物……!」
最後の一人は恐れをなして逃げ出そうとするが……もちろん逃がしてやるほど甘くはない。
俺と優が同時に駆け出す……どうやら考える事は一緒のようだ。
「「逃がすかよ!!」」
俺たち二人は最後、ほぼ同時にコイツを仕留めるのだった。
さて、勝敗だが……。
「確かクソザコエージェント共は二十一人……最後を除けば十人倒してるな」
「オレも十人だな。最後の一人は……」
「……俺の方が早かっただろ?」
「いーやオレだね!」
ふむ、引かないな……。
「まあ、俺を助けてくれたわけだし?今回は勝ちを譲ってやるよ」
「……!いや、今回は引き分けでいい」
「お、押してダメなら引いてみろ作戦うまくいったぜ!」
「何!?オイ、やっぱこの勝負オレの…」
そこまで言って、いきなり鳴り響いた爆発音に俺と優は音のなった方へと顔を向けた。
「おい優、あっちって……」
「ああ、アジトの方だな……」
と、メールだ。舞那からだ……アジトでの戦いが始まったから戻ってこいとの事。
「アネキからメールか……」
「優も同じメール受け取ったか」
「ああ、行くぞユウト!」
「おう!」
だがすんなりとは通してくれないようだった。いきなり前方の視界が黒服の集団で埋まる。
「おいおい、こいつらどこから湧いて来たんだ?」
俺達の進行方向にはさっきの倍以上のエージェント共が待ち構えていた。これでは妖主が……!
「……ユウト」
「ん?」
「オマエは先に行け。ここはオレが引き受ける」
「……死亡フラグじゃないよな?」
「ああ!?オレが死ぬかよ?」
「そうだったな!」
俺と優は真っすぐあの集団へ突っ込んでいき、俺は途中で跳躍、上手いことエージェント共を抜けた。
「逃がすな!奴を……」
「おおっと!テメエらの相手は……このオレだぁ!!」
「ここは任せたぜ!優!」
優はわざと大きく動き、エージェント共の注目を集める。
……いや、優なら大丈夫だろう。俺は覚悟を決め、その場を後にし、急いでアジトへ向かう。
「もうすぐだ……チッ、邪魔だぁ!」
さっきほどじゃないが、エージェント共が妨害しに来る。それを退けて何とかアジトへ着く。
……だが、最後の刺客が俺の前に現れた……アジトは目の前だというのに……。
「面倒くさい相手が現れたな……御堂さん」
「……!四葉さん……ここは通しませんよ。妖主を仕留めるまでは、誰も入れさせない。もしあなたが人間の敵でなければ、素直に帰ってください!」
人間の……敵ねぇ……どこまでも哀れで救いようのない奴だ……。
「そこをどいてもらおうか」
「ここを通りたければ、私を倒していくことです……できればあなたとは戦いたくなかった」
「そうかよ……」
俺は戦闘態勢をとり、御堂さんへ向かって行くのだった。
阿倍野優は主人公の強さに合わせてどんどん強くなっていきます。