―AKIBA'S TRIP―   作:ヤマタニ

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 番外編集第2話
 ダブプリと秋葉原自警団の邂逅。


彼女自慢

「よお」

「お、ユウトじゃん。結構久し振りか?」

「そうだっけ?」

「……三日ぶりかな?でも今まで毎日だから一日でも空けば久し振りに感じるんじゃない?」

 

 ゴンちゃんの言うとおりかな?まあ俺は今、ここ秋葉原自警団のアジトに来ていた。

 

「仕事の方は順調かい?」

「ええ、問題ないですよヤタベさん。あ、サラさんお茶頼めるかな?」

「かしこまりました」

「あ、三人分ね」

「ん、三人……?他に誰か来るのかユウト?」

「ああ、特にゴンちゃんがびっくりするようなお客さんを呼んであるよ」

「え……僕が……?」

 

 俺は入り口の方へ顔を向ける。

 

「もう入ってきていいぞ」

「わかった、じゃあ……お邪魔します……で、いいかな?」

「へぇ~、ここがユウトの言ってた自警団の秘密基地ね」

 

 自警団の皆は入ってきた二人を見て固まる……そして数秒後、最初に動き出したのはやっぱりゴンちゃんだった。

 

「ダ…ダダダダ、ダブプリィ!?え、え……どうして、ここに!?」

「お、予想通りのリアクションだ!連れて来て正解だったな!」

「どうしたんだユウト、この二人を連れてきて」

「いや、俺が自警団の事をこの二人に話したら、皆に会いたいっていうもんだからさ」

 

 そう、俺は瀬那と舞那を自警団アジトへ連れて来たのだった。

 

 

「はい、お嬢様、お茶が入りました」

「ありがとう」

 

 早速瀬那は寛ぎはじめ、サラさんのお茶をいただいている……舞那はというと。

 

「さあ、撮影許可は出した!思う存分撮るといいわ!」

「はい!では……うぉおおおおおお!」

 

 ゴンちゃんと撮影会をしていた。最初こそ緊張していたようだが、だんだんゴンちゃんも慣れて来たのか、それともカメラマンとしての血が滾ったのか、普通に舞那を撮影し始める。

 

「あ、おいしい」

「まあサラさんの入れたお茶だからな……」

「……サラさん、でしたっけ?よかったらおいしいお茶の入れ方を教えてくれないですか?」

「ええ、よろしいですよ」

 

 瀬那はどうやらサラさんのお茶を気に入って、おいしい入れ方を学ぶ事になっていた。

 

「うん、こうしてみると二人とも普通の人間と変わらないねぇ」

「そうだな……そういやユウト、お前あの二人とそんなに喋る仲だったんだな」

「うん?まあそうだな」

「おや、瀬那さん……もしかして、おいしいお茶の入れ方を教えてほしいというのは……彼、ユウトさんに振舞いたいからでしょうか?」

「え……いや、その……」

 

 サラさんにそう言われ、顔を真っ赤にして目を逸らす瀬那……それ答え言ってるようなものじゃないか。

 

「なるほど、でしたら愛情の入れ方もお教えしますね」

「う……お願いします……」

「あの反応、まさかユウト……!」

 

 俺はとりあえずノブ君にサムズアップのジェスチャーを送る。

 

「リア充爆発しろってな!」

「本音は?」

「とりあえず、おめでとさん」

 

 と、ここであっちの方で撮影会をしていた舞那とゴンちゃんも戻ってくる。

 

「何々?なんの話?」

「ど、どうしたのノブ君たち……?」

 

 ……これ、ゴンちゃんの脳を破壊しないか?……いや、まあ大丈夫だろう。

 

「もしかして、舞那さんもユウトさんにおいしいお茶を振舞いたいのですか?」

「おいしいお茶……?ま、まあユウトが喜んでくれるなら……」

「そうだな、俺も二人が入れたお茶や手料理が食べれたら嬉しいな……サラさんから教えてもらうか?」

「うん!アタシもやるッ!」

 

 そうして双子共々サラさんからおいしお茶の入れ方から料理まで教えてもらうことになる。

 

「なあ、ユウト……お前まさか……」

「ど、どういう事?え、え?」

 

 何かを察しつつあるノブ君とまだ状況が呑み込めてないゴンちゃんに、俺はハッキリと告げることにした。

 

「俺はダブプリの二人と付き合ってんだ」

「二人共かよ!?」

「ど、どういう事?え、え?」

「あれ、ゴンちゃん?さっきと同じこと言ってるぞ……ゴンちゃん?」

 

 ゴンちゃんは同じことを後何回か繰り返したのち、今度は次第に青ざめた表情になる……あ、予想以上にゴンちゃんヤバイ。

 

「ど、どういう事なんだいユウト!ア…アイドルとつ、つつつ付き合うなんて!?」

「だって、俺がイケメンなのが悪いんだもん、しょうがないじゃないか。俺の事を好きになっちゃったんじゃ」

「さすがユウト、エロゲ展開の王道、ハーレムを実現するとは!」

「そうだろうそうだろう!」

「ユウトが……ダブプリと……あばばばばばばば」

 

 ゴンちゃんが壊れてしまったが……まあちょっとしたら戻ってくるだろう。

 

「そういや双子には嫌な話かもしれないけどいいか?」

「なんだノブ君」

「カゲヤシに吸血された人達って……どうなるんだ?」

「それなら心配ない」

 

 そう言って来たのは一通りのレクチャーを受け終わった瀬那だ。

 

「ママが今、日本政府と交渉して、引きこもりになった人を回復させる研究をさせてる」

「まあ、交渉というか脅しだけどな」

「あー、NIROの暴走とかネタにいくらでも交渉材料にできそうだもんな」

 

 ノブ君の言う通り、NIROがカゲヤシに対して行っていた非人道的な人体実験や、最後の爆発騒ぎ、それらが露呈してしまえば日本政府としてはマズいし、NIROと協力関係にあった研究機関も、資金を止められたくないだろうから、カゲヤシ側の提案を受け入れざるを得ないはずだ。そうすれば研究機関の方はどっちにしろ、引きこもりになった人たちを回復するための研究資金を貰えるしな。

 

「それで研究の成果が出れば治療薬の一つや二つ作られるから問題ないだろ」

「そっか……ホントに人間とカゲヤシが共存に向かって進み始めてるんだな」

 

 瑠衣が望んだ世界へ着実になってきている……きっと喜んでいる事だろう。

 

「まあその話は置いといて、折角二人と自警団も皆を会わせたんだ……もっと楽しもうぜ」

「ユウトの言う通りだな。というかお前、ただ彼女自慢しに来ただけだろ?」

「そう、その通り!」

「やっぱりな……さて、ゴンちゃんもいつまでも引きずってないで、現実見ようぜ?」

「ノ、ノブ君には言われたくないよ!?」

 

 まあさっきよりマシになったな、ゴンちゃん。

 とりあえず、今日はここ自警団のアジトで楽しい時間を過ごすのだった。

 

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