ARIA The CONVERSATION   作:辰巳しおん

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アイちゃん
今日、わたしはカフェフロリアンに来ています。
そうです。今日は『一人前(プリマ)合同会議』の開催日なんです。
今日の議題は私が発表するのですが、今までの議題とは違う、何だか不思議な感じの議題なので、みんながどんな反応をするのか、ちょっぴりワクワクしているんです。
会議が終わるまでに、みんなで答えを導けるかな?


第3章 いろいろ合同会議編
その 遺された言葉が導く先は……(1)


藍「よーし、今日はみんな、ちゃんと集まったわね」

 

ア「でっかい大事な会議ですからね」

 

灯「うふふ」

 

藍「それじゃあ、今日も『一人前(プリマ)合同会議』を、始めるわよ!」

 

灯ア「おーっ!」

 

藍「相変わらず元気ねぇ……」

 

灯「だって、前にアリシアさんが、『元気があれば、何でもできる。いち、にい、さん、うふふ』って言ってたんだもん」

 

藍「えっ? アリシアさんが?」

 

灯「うん」

 

ア「それ、私もアテナ先輩から近い事を言われた事があります」

 

藍「えっ? アテナさんも言ってるの?」

 

ア「はい。確か最後が『いち、にい、さん……あれ? なんだっけ?』でしたが……」

 

藍「あ……あの……」

 

灯「それ、最後の言葉は、本当に忘れたんじゃないのかな……」

 

ア「はっ!? 確かに、アテナ先輩の事ですから十分ありえますね!」

 

灯「きっとそうだよー」

 

ア「しかし、アリシアさんの『いち、にい、さん、うふふ』というのも、元気というよりは、優美な感じがするのですが……」

 

灯「うーん、そう言われてみると、そうだよねえ……」

 

ア「もしかすると、住む地域や年代によって、最後が微妙に違うのかもしれません。例えば、いち、にい、さん……」

 

藍「だぁーっ、もう! 話の脱線禁止って、いっつもいっつも言ってるじゃないのよう!」

 

ア「す、すみません」

 

灯「ごめんなさーい!」

 

藍「ったくう。あんた達をいちいち正しい方向に導くの大変なんだから、分かってよ。ホント、あんた達が姫屋(うち)の若手社員じゃなくて良かったって思うわ」

 

ア「確かに。もし私達が藍華支店長の部下になったら、でっかい大変そうですものね」

 

藍「ちょっと! それどーゆー意味よ!」

 

ア「意味などありません。そのままです」

 

藍「はあ?」

 

灯「ま、まあまあ、ふたりとも」

 

藍「とにかく! そんな事はどうでもいいから、さっさと本題に入りましょ?」

 

ア「ええ、そうですね。確か、今日は灯里先輩が議題をお持ちになられたとか」

 

灯「うん、実はちょっと分からないというか、みんなで話し合ってみたいことがあって……」

 

藍「なになに? どしたの?」

 

灯「これなんだけど……」

 

藍「うん? ナニコレ?」

 

ア「何かのメモですか?」

 

灯「うん。多分……」

 

藍「ええっと……なになに」

 

 

・こどもおうさま

・しろいぞう

・さかなたくさん(はやく!)

・ししうえいじん

・たいちょう

・しにせかめん

・8○6

・きふじん

・わにからてんごくまで

 

 

藍「……な、何なのよ、これ」

 

ア「謎の言葉の羅列(られつ)ですね」

 

灯「そうなんだよねー」

 

藍「……灯里」

 

灯「なあに?」

 

藍「まさかとは思うけど、自分がネボケて書いた、とかじゃーないわよね?」

 

灯「ほへっ?」

 

ア「いいえ藍華先輩。これは、ARIAカンパニーを背負うプレッシャーから、灯里先輩の脳が、無意識に書かせた心の闇のようなものではないかと……」

 

灯「こっ、心の闇!?」

 

藍「さすがは後輩ちゃん! 言われてみると、確かにこの程よーく病んだ感じが、灯里っぽさをそこはかとなくかもしだしているわよね、これ」

 

ア「藍華先輩もそう思われますか!」

 

灯「いや、あの、そう思われても……」

 

ア「で、実際の所はどうなんですか?」

 

藍「そうよ! 事と次第によっちゃあ、『どうした灯里!? 緊急会議 in ARIAカンパニー』を開催しなきゃならないんだから!」

 

灯「だから、わたしが書いたんじゃないだってばー」

 

ア「灯里先輩。何かをしでかした人に限って、自分はしていないと、つい言ってしまうものですよ」

 

藍「そう! 正直に答えるなら今のうちよ!」

 

灯「えーっ? 何でわたしが書いた事になってるのーっ!?」

 

ア「では灯里先輩は、あくまでもこのメモは自分が書いてないと主張されるのですか?」

 

灯「だって、普段使うのはパソコンだし、メモを取るのは、お客様からご予約の電話を受ける時ぐらいで……」

 

ア「では、いつ、誰が書かれたのですか?」

 

灯「そ、それが分からないから議題にしたんだよー」

 

藍「誰だか分からないのに、何で自分じゃないってわかるの?」

 

灯「だって、このメモは、アリア社長と見つけた物なんだもん」

 

藍「はあ? そんなメモ、どこで見つけたのよ」

 

灯「うん、それがね……」

 

_____________________

 

灯「……はい、大丈夫です。それでは、来週の朝8時にお待ちしています。どうぞお気をつけていらしてくださいね」

 

ガチャ

 

社「ぷいにゅ?」

 

灯「聞いてください、アリア社長」

 

社「ぷい?」

 

灯「今ご予約を戴いたお客様なんですけど、何と、5年(※アクア歴です)ぶりに、ネオヴェネチアにいらっしゃるそうなんですよ~」

 

社「にゅーっ!」

 

灯「それで、その時のARIAカンパニーでのご案内がとても良かったそうで、今回またご指名を戴いた、ということなんです」

 

社「ぷぷーい!」

 

灯「その頃って、アリシアさんもいない頃ですよねえ……」

 

社「ぷいにゅにゅー」

 

灯「でも、その時ご案内したのは、グランマでは無かったそうなんです」

 

社「ぷいにゅ?」

 

灯「一体、ご案内したのは誰なんでしょうか?」

 

社「ぷいー……にゅにゅっ!?」

 

灯「どうしたんですか? アリア社長」

 

社「ぷいにゅぷぷいにゅにゅ?」

 

灯「はひ! そうでした、日誌を見ればいいんですよね。確か、そこの棚に日誌があったと思いますから、見て見ましょう」

 

社「ぷいにゅっ!」

 

チャッ

 

灯「ええっと……日誌は……あっ、あったあった。……よっ! ……ほっ! ……うーん。もう少しで……取れそうなんだけど……」

 

社「ぷいにゅっ!」

 

灯「えっ? アリア社長がとってくださるんですか?」

 

社「ぷいにゅ!」

 

灯「でも、ちょっと詰めて入っているので、やはり椅子か台を持ってきて、わたしが取った方が……」

 

社「ぷい! ぷいにゅにゅにゅ!」

 

灯「あの、すいません。別に、取れないと思っている訳ではないのですが、その、何だか良くない予感が……」

 

社「ぷいっ! ぷいぷぷい!」

 

灯「わ、分かりました。よろしくお願いします」

 

 

 

社「……」

 

灯「……(な、何だかとてもドキドキします)」

 

社「……ぷいっ」

 

灯「えっ? 陸上みたいな手拍子をするんですか?」

 

社「ぷいっ!」

 

灯「そ、そうですか……(何だかドラムロールの方が合っているような……)」

 

社「ぷいっ!?」

 

「あっ! いえ、何でもありません。では……」

 

バンッ、パンッ、パンッ、パンッ

 

バン、パン、パン、パン

 

パンパンパンパン……

 

トテトテトテトテッ、ダッ!

 

社「ぷいーーーっ!!!」

 

灯「飛んだ!」

 

ガッ!

 

灯「届きました! すごいですアリア社長!」

 

社「ぷっ、ぷいっ……」

 

灯「さあ、後は日誌を取るだけ……はへ? アリア社長、何だかプルプル震えているような感じがしますけど……」

 

社「ぷ………ぷい……にゅにゅ……」

 

灯「あっ! アリア社長!」

 

ドサッ! バサバサバサバサッ!

 

灯「はひーっ! 大丈夫ですか!?」

 

社「……ぷ、ぷいにゅ……」

 

灯「ああ、良かった。今、日誌をどけ……ほへ?」

 

社「ぷい?」

 

灯「……何だろう、このメモ」

 

_____________________

 

灯「と、言うわけで、古い日誌のどこかにはさまっていたみたいなんだけど……あれ? ふたりともどうしたの?」

 

藍「なぁーんだ、つまんないの。んもう、拾ったんだったら最初っからそう言わないのよ!」

 

灯「えっ? それはでも、藍華ちゃん達が……」

 

ア「やはりミステリーというのは、謎めいた事が現実に起きてこそ、というものです。アリア社長のドジっ子話がきっかけでは、でっかい意外性が無さすぎます!」

 

灯「そ、そんなこと言われても……」

 

藍「ああ、でも別に気にする事ないわよ。仕事で忙しい中で、私達はつい、ドラマチックな事を期待しがちなだけだからさ。ほら、灯里も元気出しなさいよ」

 

ア「そうですよ。元気があれば何でも出来るとおっしゃられたのは、灯里先輩ですよ?」

 

灯「うん、そうだよね……あれ? 何で私が元気が無いって話になったんだっけ?」

 

藍「知らないわよ、そんなの。まーでもさ、灯里に元気がありませーん、なーんて事になったら、ネオ・ヴェネチア中が大騒ぎになるから、しっかりするのよ」

 

灯「そうなの? 何だか大変そうだから、わたし頑張るね」

 

藍「まあそれは良いとして、日誌に挟まってたなら、その日誌と同じ筆跡の人とか、いなかったの?」

 

灯「一応、日誌は見てみたんだけど、やっぱり清書された日誌と、走り書きみたいなメモじゃ、今一つよく分からなくて……」

 

ア「社員の方ではなく、お客様が書いたメモを挟んでいた可能性もありますよね」

 

藍「あー、そっかぁ……。まあでも、日誌に挟まっていたって事は、少なからず、私達のお仕事に関係あることが書いてあるって事なのかしら?」

 

灯「うん、わたしもそう思うんだ。だから、もしかしたら、みんなで考えれば、何か分かるかもって」

 

ア「まさに、三人寄れば文殊の知恵、という事ですね」

 

灯「うん」

 

藍「なに? その、三人寄ればモンジャの店って?」

 

ア「え? ええっとですね……一人では入り辛そうなお店でも、三人なら知恵と勇気の相乗効果により、お店に入りやすくなるという意味……ですかね」

 

藍「なるほど! つまり、私達三人が集まって相談すれば、このメモの答えがわかるって意味ね」

 

ア「はい!(あれでよく伝わりましたね……)」

 

灯「ただ、私達が考えた答えが正解かどうかも分からないよ?」

 

ア「ふふっ。いいじゃないですか。ARIAカンパニーが繰り出す謎の挑戦状、私達で受けて立とうじゃありませんか」

 

藍「そうよ! これはもしかしたら、あのグランマからの試練かもしれないんだから!」

 

灯「そんなに大それた話なのかどうか分からないけど、とにかく頑張ろう」

 

藍ア「おーっ!」

 

灯「でも、改めて見ると、やっぱりよく分からないよねえ……」

 

ア「ふふっ。そうでしょうか?」

 

藍「えっ!? もしかして、もう分かったの?」

 

ア「ある程度は、ですけどね」

 

灯「はへー……。一体、どうやって?」

 

ア「はい」

 

スッ

 

藍「こ、これは!?」

 

ア「そうです。この、オレンジぷらねっと社員必携のこれが、この暗号を解くカギになるはずです!」

 

続く

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