鉄人との地獄のレースを終えた俺達は、廊下の曲がり角で息を整えながら文句言い合っていた。霧島は追いかけられていなかったのかすでにいなかった
「はぁはぁ…全く…こんなときに鉄人に追いかけられるとはどう責任をとってくれる?」
「も、文句言うならこのバカに言え…はぁはぁ…」
「バ、バカって言うな…バカ雄二…そ、それよりもどう?」
明久の問いかけに背後を少しだけ見ると、どうやら監視の目は抜けきれたようだ。少し息を整えてからFクラスに戻って座り込んだ…
「ふぅぅ…そろそろ次の作戦の段階に動けるのではないのか?」
「だな…ムッツリーニ、帰ってきているな?」
「…ここにいる」
坂本の呼び掛けに、背後からでてきた。どうやら同じタイミングで戻ってきたのかもしれないが…任務はどうなった?
「結果は?」
「…首尾は上々。次の仕事は?」
「まぁ、少し落ち着け。姫路がもう少しで戻るはずだからその時に実行する」
ムッツリーニは、坂本の次の指示を仰ぐが坂本は、姫路が戻ってから何かをするつもりらしい。そんな坂本の言葉に気になったのか明久は、察しがいいのか次の作戦に関することなのかと質問をしていた
「姫路さんが戻ってからって何か次の作戦に関係するの?」
「ご名答。まぁ、作戦と言うか暗殺用として使うからな」
「それ、本人が聞いたら泣くな。まぁ、坂本の狙いは恐らく根本ではないだろう」
俺の言葉に明久は驚いていたが、普通に考えてやつが食べることはないし、いまの現状を考えてとる方法は恐らく使者だろうな
「え?!根本君ではないのなら誰に?」
「坂本の狙いはBクラスからDクラスへの使者だ。ムッツリーニの偽情報でDクラスに狙われていると知ったら、Bクラスの連中はその対応をする必要があるよな?その場合はどうなると思う?」
「えっと、Cクラスにやったときみたいなことをする?」
「たしかに使者を出すことで戦いを避けられることもあるしそれに越したことはないな。それと、先に言うがスタンガンとかは無意味だからな」
俺の問いかけに明久なりに色々と考えて答えていた。その回答に坂本は否定せずに明久が答えそうなことを先に注意してから、ムッツリーニも付け加えるように説明に入った
「…口を押さえても感電する恐れがあるから難しい」
「だな。明久が犠牲になるのならやっても構わないが?」
「君はそういうことをいうなんて最低だね?!…でも姫路さんの料理…」
「気にするな、明久。姫路の料理を選んだのは俺の趣味だ」
「え?坂本君、私の料理が好きなんですか?」
坂本が明久画にか言う前に伝えるとと、いつの間にか教室に姫路が戻ってきた。その手には6個くらいのドリンクゼリーの容器が見える
「ひ、ひめ、じ…………?」
姫路の声を聴いて血の気が引いたように顔色が悪くなる。そしてギギギ、とブリキの玩具のように首を動かす
「良かった。そう言ってもらえると嬉しいです。けど、霧島さんに聞かれたら怒られちゃいますよ?」
「ふふ、たしかに霧島に怒られるな。姫路、今戻ってきたのか?」
「はい!あ、明久君だけではなく、桂君と坂本君のも作りましたからね!」
「…そ、そうか…!ありがたくあとでいただく!なぁ、明久に坂本!」
「うんうん!ありがとうね、姫路さん」
「あ、あぁ!ありがたくあとでいただくからな!」
姫路の悪意なきその笑顔に俺達は受けとる選択しかなく、お礼をいっていた。そして明久達にも会話を繋げるように投げ掛けて二人とも笑っているが…
お互いに自分の命が助かるために、誰かが犠牲になるように密かに準備していた。そして、坂本が次の指示を出した
「明久、ムッツリーニ、ヅラ。いくぞ」
「ヅラではない…ヅラ13だ!」
「おいまて?!どこでそんなの用意した!?…まぁ、いい。ムッツリーニと明久もいくぞ」
坂本の呼び掛けに俺の名前を訂正させて、サングラスとスナイパーを用意して出ていこうとした坂本が突っ込みいれてきた。そんな坂本は突っ込みをいれながらも、気を取り直して明久達に呼び掛けるが…
「「誰にいっている?」」
「誰って…はっ?」
坂本が呼び掛けたのを明久達が誰にいっているのかと問いかけていた。すると、いつの間にかサングラスとスナイパーとスタンガンを持っていた二人がたっていた
「僕の名前はアキ13だ!これより任務に入る」
「…ムッツリー13だ…任務遂行する」
「いやお前達もかよ!!!どこでそんなの用意していた上にヅラ、段ボールで何をするつもりだ?!」
「段ボールで進むぞ!」
「待つのじゃ、大河!!それゴ○ゴの作品で、いまの段ボールで進むのは別の作品になるのじゃぞ!?!」
坂本と秀吉が突っ込み入れてきたが、別になんの支障もきたさないので問題はない。そんなこんなで、任務遂行にいくために俺達は教室に出た
再びA~Dクラスのある新校舎へと向かい、階段の近くで隠れながらBクラスの様子を見ている。ちなみに段ボールで移動すると痛かったので止めた
「〈こちらにヅラ13だ。通信聞こえるか、応答せよ〉」
「〈こちら坂本だ。問題なく聞こえるって、何でこんなことしているんだよ!?〉」
「〈落ち着きなよ、ゴリラ13。ヅラ13の提案でムッツリーニに聞こえるように無線で通信してくれているのだから〉」
「〈誰が、ゴリラ13だ!?このバカ13!〉」
俺達は他の人間達に聞かれないようにイヤホンを耳にいれて通信機で会話していた。尚、ムッツリーニも聞いているが、任務遂行のため黙っていた
「〈こちらヅラ13。教室から男子生徒が一人出てくるのが見えたので、おそらくBクラスの生徒と思われる。応答願う〉」
「〈こちらアキ13。たしかに教室に出てきたのは男子一人だけだね。これもゴリラ13の狙い通り?〉」
「〈だから、誰がゴリラ13だ!まぁ、Bクラスは点数補充に忙しくて使者に人数を割けるわけがないからな。立場の無さも考慮すると男子が一人で向かうのは予想通りだ〉」
まぁ、たしかにいまの男子の立場はあまりよろしくないのは事実だがな。もっとも俺は問題ない立場なので痛くも痒くもないがな!
「〈いけ、ムッツリー13〉」
「〈…任せろ〉」
坂本の指令にムッツリーニ…いや、ムッツリー13がついに動いた。あとはどうやってやるのかは本人に任せてる
「〈僕達はどうすれば良いの?〉」
「〈待機命令だ〉」
BクラスとDクラスの間の短い道のりを使者が歩く。クラスに移動するだけだから三十秒もしないうちにDクラスの扉を叩くことになる
「〈ねぇ、本当にいいの?あともう少しでつくよ?!〉」
「〈アキ13、ムッツリーニの事を信じろ。あいつならやるときはやるぞ〉」
「〈けど、もう言っている間に後一メートルもないよ…!!〉」
後一メートルというところで何かが視界を横切った。すると、何かの音が使者から少し離れた場所の廊下の壁から響く
「〈え!?〉」
明久が驚いている間に、壁に刺さったものを見ようと集まりに居た人たちが集まり出すと使者もそれを見ようと、集まった人たちの最後尾についた
「〈今だ、行け!〉」
坂本の合図と共に音も無く、使者の背後に迫るムッツリーニ。今は周囲の視線は全てカッターと写真に集まっている。誰もその様子には気付いていない
「・・・・・!!」
「!?!?」
暢気に写真を見ようと背伸びをしていた使者をムッツリーニが後ろから羽交い絞めにして口を押さえる。Bクラスから出ていた使者は目を白黒させて突然の事態に驚いている
「〈うまいこと背後から入り込んだぞ!〉」
「〈な、何て激しい攻防戦なんだ!〉」
指の隙間からパックの先を押し込み、ムッツリーニが中身を押し出す。相手はそれを必死になって阻止しようとしていた。他の生徒たちが写真に注目している背後で命を懸けた攻防が繰り広げられる
「〈こちらヅラ13。どうやら、ムッツリーニは例のものを投入している〉」
「〈なるほど…あ、飲み込んだ〉」
例のもの…つまり、姫路の手料理をBクラスの使者に食べさせている。当然向こうは何なのかわからないからパニックって抵抗しているが…飲み込んだ
「〈こちらアキ13。飲み込んですごい顔でムッツリーニをにらんでいるね〉」
「〈こちらヅラ13。そんな使者に追い打ちかけるように、更にパックの中身を押し込んでいる。使者の手が一瞬ビクンッと跳ね上がるが…〉」
「〈男が動かなくなったな…つまり…〉」
ゴリラ13が最後まで言わないことから、恐らく完全に飲み込んで意識も飛んでしまったのかもしれないな…
「…任務完了」
ムッツリーニが満足そうにこちらに戻ってきた。しばらく放置しとけば問題はないし、そろそろ次の作戦もやらないとな
「〈撤退するぞ〉」
「「「〈了解〉」」」
坂本の指示で俺達はもうこの場所には用がないと言うことが明白だ。そして、去るときに俺は少し見てしまった…痙攣を起こして目を回している使者と壁にある貼っているものが…
あるバカの女装している写真が貼られていることに…
久々の更新できました!!
これからもよろしくお願いいたします!