Bクラス戦後の点数補修も終えて、俺達はいよいよAクラスの挑む日がやって来た。俺達は朝、全員が早く集まって坂本の演説を聞くことに……
「さて、昨日の補修テストご苦労だった。今日は全員いるな?」
「「「「おう!」」」」
全員の確認を終えた坂本は今までにない穏やかな顔で周囲を見渡していた 。まるでここに来るまでの色々な苦労を思い浮かべ、達成感に浸っているようだった。
「まずは作戦を話す前に……皆に礼を言いたい。周りの連中には不可能だと言われていたにも関わらずここまで来れたのは、他でもない皆の協力があってのこそだ。感謝している」
「な!?」
「雄二が感謝しただと……!?らしくないことをしてる……!」
「あぁ、自分でもそう思うがこれは俺の正直な気持ちだ…よくぞここまで過酷な戦いを勝ち抜けてきたとおもう…」
「確かにな。思い起こせばもう懐かしく感じる……」
「いや、まだ一週間も経過していないわよ!?」
俺が回想入ろうとすると島田が尤もな指摘をして来た。なるほど、坂本と明久以外に島田もツッコミのスキルを付いてきたのか……
「いや、そんなのついてないから!そもそも、誰でもこれはおかしいと指摘するわよ!」
「そうか、坂本。話を続けてくれ」
「あ、あぁ。ここまでは道のりは確かに険しかった……だが、俺達はついにここまで来た!ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい!勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を教師どもに突きつけるんだ!」
「「「「おぉぉぉ!!」」」」
「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だが、これは一騎打ちで決着をつけたいと考えている」
「「「一騎討ちだと!?!」」」
坂本の一騎討ちに以前の昼休みに聞いていた俺達以外は全員が驚いており、どよどよと驚きの空気になっていた
「ハイハイ、落ち着け!今から一騎討ちする説明だが、やるのは当然、俺と翔子だ」
「馬鹿の雄二が勝てるわけなぁぁっ!?」
「次は耳だ……!だが、明久の言うとおり翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目はないかもしれない」
「じゃあ、いきなり投げないでよ!?命の危険を感じた!!」
「それは、Dクラス戦もBクラス戦も同じだっただろう?まともにやりあえば俺達に勝ち目はなかった。だから今回だって同じだ。俺は翔子に勝ち、FクラスはAクラスを手に入れる。俺達の勝ちは揺るがない!」
明久の発言をスルーしながらFクラスは坂本の無理なことに思える話を否定するヤツはもうこのクラスには居ない。むしろ信じてるという目をしていた
「俺を信じて任せてくれ!!過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやる!!」
「「「「おぉぉぉ!」」」」」
坂本の言葉にクラスはもりあがり、いい感じに士気が高まっていた
「日本史を挑むが、内容は限定する。レベルは小学生程度、方式は百点満点の上限あり、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負とする!」
「でも同点だったら、きっと延長戦だよ?そうなったら問題のレベルも上げられちゃうだろうし、ブランクのある雄二には厳しくない?」
「確かに明久の言うとおりじゃ」
「おいおい、あまり俺を舐めるなよ?いくらなんでも、そこまで運に頼り切ったやり方を作戦などというものか?」
「??それなら、霧島さんの集中を乱す方法を知っているとか?」
「いいや。アイツなら集中なんてしていなくとも、小学生レベルのテスト程度なら何の問題もないだろう」
「雄二もったいぶらずにそろそろタネ明かしをしてよ?」
「ああ、すまない…つい前置きが長くなった。俺がこのやり方を採った理由は一つ。ある問題が出ればアイツは確実に間違えると知っているからだ。その問題は……大化の改新」
日本史では誰もが一度は習う言葉……それは大化の改新……
「大化の改新とは……、西暦645年6月14日の乙巳の変に始まる一連の国政改革で、現在の日本と呼ぶようになり、現在の元号令和もこの時代から元号をつけようとなった年だ!!」
「ヅラ、いきなりどうしたの?というかそのメガネはどこから取り出した!?」
「とにかく!!いま、ヅラがいったがそこに勝算がある」
「何をしたかということですか?」
「いや、もっと具体的にだ…つまり、大化の改新が何年かということで、翔子は間違える。これは確実だ。そうしたら俺達の勝ちで晴れてこの教室とおさらばって寸法だ」
なるほど、そこに目をついていけばそうなるということか。確かにこれがうまいことつけば勝率が上がるな……
「あの……坂本君」
「ん?どうしたんだ?姫路」
「霧島さんとは、その……仲が良いんですか?さっきほどから、霧島さんを翔子と呼んでいましたから」
「ああ。俺はアイツと幼なじみだ」
「総員、狙えぇっ!」
「なっ!?なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?」
「黙れ、男の敵!Aクラスの前にキサマを殺す!」
どうやらこのクラスの男は相当ひどい嫉妬をお持ちのようだ。しかも明久の号令に全員が構えるほどだ
「俺がいったい何をしたっと言うのだ!?」
「遺言はそれだけか……!待つんだ須川君。靴下はまだ早い。それは押さえつけた後で口に押し込むものだ」
「まぁ、まてまて」
俺の言葉に全員がすごい顔でこちらを見ていたが俺はその程度で怯えたりしない。坂本がこちらを期待するように見ていた
「ヅラ、止めるの?」
「あぁ、そんなのでは天誅下せない。坂本に天誅下すなら、この爆弾を使え」
「ありがとう、ヅラ」
「ヅラでない、桂だ」
「物騒なの出すんじゃねぇ!?!そして止めてくれると思った俺の期待を返せ!!」
俺が爆弾を渡すと明久はそれをしっかりと握っていた。そして、坂本は助けてくれると期待していたのを裏切られて叫んでいた
「あの……吉井君?吉井君は霧島さんが好みなんですか?」
「え?そりゃ、まぁ。美人だし……って?なんで姫路さんは僕に向かって攻撃態勢を取るの!?それと美波、どうして君は教卓なんて危険なものを投げつけようとしているの!?」
「まぁまぁ、皆の衆落ち着くのじゃ。そして、明久のその爆弾は大河に渡すのじゃ」
秀吉が不味いと思ったのかなだめる役目に入り、爆弾を返すように説得していた
「む、秀吉は憎くないの?」
「冷静になって考えてみるが良い。相手はあの霧島翔子じゃぞ?男である雄二に興味があるとは思えんじゃろうが」
「む、確かにな……」
そういえば、Aクラスの霧島翔子は男からの告白をかわしまくっており、同性愛主義者ではないか?という噂が流れてる。まぁ、あれだけ告白されて断っているということはその可能性もあるのだがな
「とにかくだ!俺と翔子は幼なじみで、小さな頃に間違えて嘘を教えていたんだ。アイツは一度教えたことは忘れない。だから今、学年トップの座にいる。俺はそれを利用してアイツに勝つ。そうしたら俺達の机は───」
「「「「システムディスクだ!」」」」
「交渉にはヅラと俺と明久、秀吉、ムッリーニ、姫路、島田がいく!それまでは各自戦闘体制を整えておけ」
「「「「おう!」」」」
こうして俺達はAクラスの宣戦布告と交渉をしに行くことにした。さて、向こうがどれだけ譲歩してくれるかだな……
ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いいたします!