俺と坂本は、不謹慎な輩を制裁し終えると共に文月学園へ帰ってきた。坂本はどうやらストレスを貯まっていたようだったが喧嘩してスッキリしたそうだ
「戻ったぞ」
「全く随分と歯応えのない連中だったな。やはり人質を取らないと勝てない連中だったというわけだ」
「違いない」
俺達はFクラスへと入るとそこには、無言の岩下と真由美が教室で待っていた。さらに、明久とムッツリーニが何故か沈んでいた
「まてまて、いったい何があった?」
「そこのバカは、瑞希に抱き締められるのを邪魔されて悔しかったみたい」
「土屋君は、なんでもせっかく作ったチャイナドレスを少し傷つけられて悔しいみたいなの」
「「あぁ、納得した」」
こいつらはどうでもいいことで落ち込むからそんなのはいちいちきりがないだろうな。それより何故Bクラスの二人がFクラスにいる?
「私は律子の付き添い。それ以前にここの清掃を少しやっていたしね」
「私は単純にあなたが、余計なことしてるのではないかと思ったけど……その様子だとそうではないみたいね」
「姫路達は?」
「今、着替えてるわ。あぁ、明日またその服着てやるからと言っていたわ」
なるほど、明久が血の涙をまだ流してるのはそれが原因か
「じゃあ、私達は瑞希達と帰るわ」
「そうだな。今日は二人のお陰で色々と助かった」
「みんなのお陰の間違いでしょ?じゃあねー」
岩下が姫路達と帰るというので、俺はお礼を言うと菊入は笑いながら手を振って帰った。二人のお陰というべきかこのクラスも被害が収まったな
「さて、そろそろ来るのではないか?」
「ヘ?ヅラは誰の事をいってるの?」
「ババァだ。さっき廊下すれ違って『話聞かせろ』とな」
「雄二、その言い方は失礼だよ?それに、用事があるならこっちから行かないと駄目じゃない?」
「用も糞もない……。坂本曰く、今回の事件は学園長絡みということだ」
坂本が呼んだのが学園長だというと明久は目上の人は敬った方がいいというがどの口で言うか!?それに俺が言うと明久は大きな声を出して驚いていた
「ば、ババァが悪の根元!?」
「そこまでは言っていないが……。少なくとも、俺達が倉庫でものを取りに行ってきた時の不良の襲来と今回のか弱い姫路達の誘拐……そして、Fクラスへの妨害……俺はこれをなにか絡んでいるのではないかと坂本に問い詰めた」
「そして、俺も少し気になることができたからババァにこちらに来いと話した」
「おやおや、ずいぶんと騒がしいねぇ。折角こちらから来たのに」
俺と坂本が呼んだ理由を明久に話しているタイミングでFクラスに入ってきたのは、この文月学園の学園長である藤堂カヲルだった
「遅いぞ、ババァ」
「来たか、学園長……ではなく、おばあさん」
「来たな、悪の根元!」
「おやおや、いつの間にかアタシが黒幕扱いされてないかい?それと、アタシはあんたの祖母ではないからね」
「さ、さすが学園長……冷静にツッコミしているだと!?」
「驚く点がそこか!?まぁ……黒幕ではないだろうが、俺たちに話すべきことを話していないのは充分な裏切りだと思うがな」
学園長の冷静なツッコミしている事に驚くと坂本は俺に頭を叩きながら話をもとに戻して聞いていた
「なるほどね……で、そこのガキがいるのは何でだい?」
「ガキではない、桂だ!俺は今日のお祭りでいい迷惑を被ったからな。理由はいくつかあるが、一つ目はFクラスのクレーム…しかも明らかな嫌がらせ。二つ目は倉庫で物を取りに行くときに不良達が妙なことを発言していた」
「妙なことを?」
「奴等は何故か明久を特定していた。初めはどうせこいつが要らぬことをしたのかと思ったが、それは違うと気づいたのは……うちのクラスの女性達の誘拐だ。その時にも明久と坂本の名前をいっていたのは、俺は聞いていた」
『吉井明久と坂本がここに来るまでおとなしくしてもらうぜ』
「その言葉を聞いて、これはなにかが絡んでいると思い坂本に問い詰めたのさ。そして、学園長……貴方はなにか大きな事を隠していないか?」
俺がそこまでの事を話すと学園長は感嘆の声をあげながら降参と言わんばかりに手をあげていた
「やれやれ、そこまでたどり着くかい……」
「どうやら、なにか大事なことを隠してるのは認めるみたいだな。そして、坂本達も学園長となにか頼まれて今回の大会出ているだろ?」
「え、いや……」
「明久は嘘をつこうという時は、本当に目をそらすな。安心しろ、他言はしない」
「雄二どうする?」
「ババァ、話していいか?」
「構わないよ。そこまでたどり着けるとはね……それと、すまなかったわね。そこまでの強硬な手段してくるとは思わなかった」
学園長が謝罪すると共に坂本から今回の学園長から頼まれている件を話してくれた。そして、坂本の話を終えると学園長が本当の目的を話してくれた
「白金腕輪の回収か……」
「そう、できれば回収なんて真似はしたくないのが本音さ。なにせ、新技術は使って見せてナンボのものだから、デモンストレーションもなしに回収なんてしたら、新技術の存在自体を疑われることになるからね」
「さらに、それをすると文月学園の評価にも関わるというわけか」
俺が学園長の説明に納得すると、明久が不思議そうに俺に聞いてきた
「どういうこと?」
「例えば、Aの会社がBの会社に新技術を提供をするとして……Bの会社はそれを買うと決めたとする。しかし、後にAがBの会社に新技術のを理由もなく回収するとどう思う?」
「不審に思う……?」
「そう。そうなると信頼関係が大きく関わり亀裂が走るということだ。つまり、その例をいうと……何かしらの欠陥があったのだろう」
「そうさ。あの腕輪は高得点高いものは使えないものって訳で……アンタらみたいな『優勝の可能性を持つ低得点者』ってのが一番都合が良かったってわけさ」
「え、これは誉めてるのだよね?」
「「いや、ディスられてる」」
「なんだと!?!」
明久がわめいているが、坂本がなにか引っ掛かる点があったのか学園長に質問していた
「俺達の邪魔をするってことは、腕輪の暴走を阻止されたら困るってことだろ?そんな学園の醜聞をよしとするヤツなんて、うちに生徒を取られた他校の経営者しかいないだろうが」
「ご名答。身内の恥を晒すみたいだけど、隠しておくわけにもいかないからね。おそらく一連の手引きは教頭の竹原先生によるものだね。近隣の私立校に出入りしていたなんて話も聞くし、まず間違いはないさね」
「竹原教頭といえば……確かにおかしな動きがあったな」
「「「!?」」」
俺はあの日、坂本に任された交渉時に人が通らない所で電話していた事を話すと学園長は納得していた
「なるほどな、すでにあのときから動いていたというわけか」
「となると、あの常夏コンビは教頭の差し金だろうね」
「ふむ、やつらはAクラスのわりにはこんなことを頼まれても得があると思えないが……」
俺達はこの関わりが何に繋がるのかはよくわからないが今回の件はよくわかってるのは……
「文月学園創業以来の危機だな」
「あ、でもいざとなったら優勝者に事情を話して回収したらいいのじゃない?」
「残念ながらそうもいかない。決勝の対戦相手を知っているか?」
「常夏コンビ!?」
「やつらは教頭側の人間だから、嬉々として観客の前で暴走を起こすだろう……恐らくやつらの人生も破滅することを知らないのだろうな」
「え、どういうこと?」
俺の言葉に明久は疑問を持っていたが、それを今話してもなにも変わらないのであとで説明すると話した
「悪いけど、アンタたちにはなんとしてでも優勝してもらうしかないんだよ……頼んだわよ」
「「おう!!」」
どうやら、今回の話を聞いてのほほんと過ごしていいお祭りではなくなったみたいだな……。仕方あるまい、心強い援軍を連絡しとこうではないか!
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