俺と明久はムッリニーニのいる屋上へと向かっていった。俺は、向かいながらなぜ明久に、脅迫状が今ごろになって届いたのか気になっていた
「ヅラは、どうしてついてきてくれたの?」
「ムッツリーニなら、今回なにか手がかりを掴めてくれると信じて俺も話をとな」
「ヅラって、脅迫されていたって?」
「ヅラではない、桂だ。そもそもあのグロい写真はどうやって手にいれたのか疑問だがな」
「そういえば…って何がグロい写真さ!!」
明久は俺の言葉をきっちり反論しながらも、あの写真を思い出したのか涙目になっていた。やれやれ、泣くくらいなら記憶から消せばいいのに……
「ムッツリーニ!僕を助けてくれない!?」
「後にしろ……。今は俺が先約だ」
「坂本?お前は何でここに……」
「ムッツリーニ、何の話していたの?」
目的地に先に陣取っていたのは坂本だったが、いつものツンツン頭が少し萎れているように見えるが何かあったんだろうか?と思い、明久がムッリニーニに訳を聞くと……
「……雄二の結婚が近いらしい」
「む、それはめでたいな。もう両親に挨拶し終えたのか?」
「雄二と霧島さんの結婚って、僕はてっきり結婚宣伝したもんだから、もう子供ができた事にされているのかと」
「お前ら……マジで笑えない冗談を言わないでくれ」
いつもの坂本ならば、激怒するかツンデレみたいな事を言うが、今回は何やら違うみたいだな。坂本はしょんぼりしながら訳を話してくれた
「実は今朝、翔子がMP3プレーヤーを隠し持っていた」
「MP3プレーヤーを持っていたことに問題はないだろ?多分、Aクラスの主席および学年主席だから英文とか入ってるんじゃないのか?」
「いや、それはない。あいつは超……機械音痴だ」
「機械音痴?それは本当なの」
「あぁ、勝手に人の電話帳を削除したりするそんな奴があんな物を持っていて、しかも、学校に持ってくるなんて不自然なんだ…。だから、俺は怪しく思って没収してみたんだが、そこには捏造された俺のプロポーズが録音されていたんだ。それに婚約の証拠として父親に聞かせるつもりのようだ」
「なるほど、坂本の自由と言う人生のピリオドがうたれるのか」
「誰が上手いことを言えと!?いや、うまくないかもしれないが、そこはどうでもいい!兎に角、MP3プレーヤーは没収したが、中身は恐らくコピーだろうし、オリジナルを消さない事には……」
なるほど、坂本にとっては本当の意味で自由という人生が奪われそうなのに切実に辛そうだと見ていてわかるな
「……明久は何の用で?」
「実は、僕のメイド服パンチラ写真の姿の写真が全世界にWEB配信されそうなんだ」
「……なにがあった?」
明久の要領ない言葉にムッリニーニは何とも言えない顔になっていた。坂本ですら理解するの戸惑っていた
「つまり、明久が言いたいのは……謎の手紙主から脅迫されていて更にその脅迫ネタが明久の女装だと言っている」
「なんだ、その程度の事か」
「ついでにいうと、明久の女装写真がばらまかれた場合は世界中に拡散される可能性高いと言うことだ」
「……お前も似たような脅迫されているのか」
「……そこにも、同じ境遇の被害者がいたとは」
まぁ、ムッリニーニの言う通り脅迫されていてる被害者が目の前に二人もいるとは仲間ができてよかったではないか? 俺は被害がないから問題はないがな
「ヅラ、今ほど優越感浸っているお前の面が腹立って仕方がねぇよ……」
「本当だね……」
「日頃の行いの差だ」
「「どこかだ!!」」
俺の言葉に坂本と明久が怒鳴ってきたが、よく考えてほしい。日頃の行いはこいつらは教師に迷惑かけている方だが、俺はその点そういうことはしていない
「ヅラの癖に生意気だよ!だから女っ気がないのだよ!!」
「そうだ、そうだ!!ヅラなんて、一生女ができずに悲しく虚しくウサギのように死ぬだろうな!!」
「なんだと!?それを言うなら、さっさと貴様の絵面がやばい女装を全世界にばら蒔かれろ!そして、いつも自爆してしまう坂本は霧島と結婚してしまえ!!あと、ヅラではない!!!」
「「「ぐっ………」」」
「……互いに傷つけて泣くくらいなら、言わなければいいのに」
俺達は互いに罵倒しあい、それぞれが傷ついて涙目になっているとムッリニーニが正論とも言える指摘をしてきた
「はぁぁ……まぁ、ともかくこいつらをしっかり助けてやってくれ。一人はもう手遅れかもしれないがな」
「俺の事か!?まだ諦めてねぇからな!?」
「雄二……時には諦めるの大事だよ」
「うるせぇ!?絶対に俺はあいつから逃げ切ってやる………!!!」
「……悲哀が漂っている。とにかく、調べておく」
ムッリニーニがそういうと、そろそろ教室に戻らねばと思い四人で戻ることに。ムッリニーニが調べてくれることで進展があればいいがな……
「もし、ムッリニーニはきちんと調べてくれたら、報酬に今度お前の気に入りそうな本を持ってくる」
「僕も最近、仕入れた秘蔵の写真を十枚持ってくるよ」
「………必ず調べておこう。win-winな関係として」
ムッリニーニが二人から聞いた報酬で、目を輝かせていた。まぁ、奴はエロを絡むととんでもない能力が発揮するから進展は確実にするだろう……。俺達は教室に戻り席に座り込むと鉄人がちょうどタイミングよく来て、段ボールをもってきた
「遅くなってすまないな。強化合宿のしおりのおかげで手間取ってしまった。HRを始めるから各自座ってくれ」
そういえば、強化合宿が近いのを朝話していたし今から話されるのは登校の仕方だろうか?
「さて、明日から始まる『学力強化合宿』だが、だいたいのことは今配っている強化合宿のしおりに書いてあるので確認しておくように。まぁ旅行に行くわけではないので、勉強道具と着替えさえ用意してあれば特に問題はないはずだがな」
「おやつはダメなのですか?」
「絶対にダメとは言わんが、メインは何かをよく考えておくように」
「おや、堅物鉄人が珍しくダメとは言わなかったな」
「桂、俺の鉄拳受けたいのか?」
「断る!」
「はぁぁ……兎に角、集合の時間と場所だけはくれぐれも間違えないようにする事」
鉄人が疲れたため息を吐きながらこの合宿の流れの説明をしてくれていた。目を通して資料を確認するが、今回の会場は卯月高原という少し洒落た避暑地で、この街からは車だとだいたい4時間くらい、電車とバスの乗り継ぎで行くから5時間くらいかかる
「車でかなり時間かかるところで合宿か……」
「あぁ、そういえばいい忘れていたな。特に他のクラスの集合場所と間違えるなよ。クラスごとでそれぞれ違うからな」
「そうなのですか?」
「あぁ、だからお前達Fクラスは……他のクラスと違って我々Fクラスは現地集合だぞ」
「「「「「案内すらないのかよ!!!」」」」」
「己!!!!!これが、文月学園のやり方かぁぁぁぁ!!」
鉄人が言った一言は俺達Fクラス全員にとってはあまりの扱いに涙した……
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