明久達が部屋から出ていったのを見送った俺はゆっくりと起き上がってある用意をし始めた。別ルートで、女湯に行くルートがあって……その方法は……
「ふん!!」
窓から下の階へと縄を下ろして、そのもう一方の縄を部屋の固い柱に固定して、自分達の部屋から下へと降りていった。一応、これは鉄人に許可をとってやっているからな?
「鉄人、岩下。来たぞ」
俺は目的地へさっさと向かって来たことを報告すると、二人とも風呂場の入り口で待ち構えていた
「鉄人ではく、西村先生といえ!……って、まて……まさか、お前は本当に、縄で降りたのか?」
「当然だ!男がやるといった以上は、やるに決まっている」
「バカの極みね……貴方は大怪我してるのに………」
俺の言葉に、鉄人と岩下は呆れていたが、明久達にばれないようにするにはその方法しかないだろう……
「さて、ここでひとつ報告だ。恐らくだが、明久はここに、突破する可能性が高い」
俺の言葉に、鉄人が眉を潜め、此方を睨んでいた。いったい何を根拠にと言わんばかりに此方を見ているが、きちんと言い分はある
「まず、合宿四日目の夜になっても、あいつらの闘争心が衰えていないことだ」
「確かに、奴等が覗きたいという精神が異常だな。まだ覗きが、未遂だから処分をしていないが……どちらにしてもここで仕留める」
こちらの言い分を聞いた鉄人は、否定することなく明久達の精神が異常だと認めつつ、ここで止めると宣言した。すると、岩下が携帯をポケットに納めてこちらに歩いてきたが、神妙な顔でこちらにやって来た
「今、真由美から連絡くれたのだけど……Bクラス、Cクラスの男子が動いてるみたいよ」
「なんだと!?Fクラスの吉井達に感染されたか……!?」
「鉄人。そちらは、ここを突破させないために、生易しい配置してないが、意見を聞きたい。奴はここに来ると思うか?」
岩下の報告を聞いた鉄人は、B・Cクラスの男も協力しているとわかった鉄人も驚いていた。まさか、その二クラスが覗きに協力するとは誰も思わなかっただろう
「ぬぅ……あのバカどもは……!」
現に鉄人は、ここまでひどくなると思わなかったのか、呻いていた……。それと、恐らくだが……あのバカが、ここにたどり着く可能性は……1%はある
「よし、こうなったら吉井達が来たら、俺が相手をする。桂と岩下は後衛で待機だ」
「「了解!!」」
「さぁて……あのバカが来たら……たっぷり教育指導だなぁ……!」
指をパキパキと鳴らして、その顔には修羅に近い顔になっていた……明久がここに来た場合は死なないか少し気になるな……
明久side
部屋を出て、先ずは3階を制圧および突破することに目的で走っていると前線に女子が立ち塞がっていた
「いたわ、主格犯達よ!!」
「長谷川先生!向こうの4人をやります!』
部屋を出てすぐのところに、長谷川先生率いる女子部隊が展開されていた。どうやら僕達がここに来るのは予想済みだったのなら……
「邪魔だ。
雄二は走りながら自身の相棒を召喚して立ちふさがっている二人に向かって叫んだ
「行かせないわよ!変態!!」
「そうよ、変態!!」
「変態、変態いうな!!そして、俺達の前に立ちふさがるなら勉強してから出直しやがれっ!」
「「きゃぁぁぁ!!!」」
数学
Eクラス
女子A 88点
&
女子B 99点
VS
坂本雄二 224点
雄二は、あっさりと立ち塞がった素早い動きで接近し、拳を叩き込む。ただの一撃で決着がついて、経験の浅いEクラスに負けるわけがない
「よし、いくぞ!」
「「「「おう!」」」」
「坂本君!待ちなさい!」
「長谷川先生……残念ながらここは通しませんよ」
須川君を中心としたFFF団達が立ち上がって、長谷川先生達にここは通さないと言わんばかりに立っていた
「そこを退きなさい!!」
「残念ながら、退くつもりはありませんよ!野郎共、いくぞ!!
「「「
「須川君、頼むよ!」
「ふ、任せな!その代わり、きちんと鉄人を倒しておけよ!そうじゃないと、ここを片付けた後で覗きにいけないからな!」
「うん!必ずまた後で!!!」
須川君に、背を向け廊下を走る僕達の後ろからは教師を前にして一歩も退かない勇士たちの怒号が響いてきた
『翔子たん!翔子たん!はぁはぁはぁああっ!!』
『島田のぺったんこぉぉーーーっ!』
『姫路さん結婚しましょおーっ!』
皆、死んでしまえばいいのに……そうだ!うまいこと、彼らに毒を盛って仕留めることできないかなぁ? っと、またそれはこの戦いを終えてから考えればいいよね!
「凄い士気じゃな。これならば三階の制圧は問題なさそうじゃ」
「皆の気持ちが一つになってるからね!……でも、ヅラは覗きを許せないと言うけど何が悪いのさ!!」
「……これは聖なる教育のため……」
「ここから先が勝負だね…」
「そうだな。Dクラスだけで戦っているのか、Cクラスが参戦しているのか…いくぞ!」
階段から降りていてもわかるけど、廊下では戦闘の気配がする。もし、Dクラスだけで戦っているとしたら、教師の注意を潜って二階を通り抜けられる時間は残り僅かだ!そんな僕達は二段飛ばしで進み、踊り場を曲がって見えた先には……
「降参することを薦めます!今なら、君達はやめることもできます!!なのに……なぜ、協力するのですか!?」
「俺達は……俺達の責務を全うする!!ここにいる俺達は……神なる教育のために!!」
「先生!!俺達は、あなたという屍を乗り越えさせていただきます!」
化学
化学教師
布施文博 663点
VS
Cクラス
男子A 144点
&
男子B 132点
どうやら運は僕達の方に、向いたようだ!先生もまさか自分の生徒が覗くと思わなかっただろう!!
「Cクラス・Dクラスの野郎ども、協力に感謝する!二階は……俺達の背中はお前らに任せるぞ!」
「協力なんざ、ったりめぇだ!」
「女子風呂覗かなくて何の為の男でぇっ!」
「てめぇらこそしくじるんじゃねぇぞ!」
凄いね……士気が高すぎてべらんめぇ口調になってる上にCクラスとDクラスは意外とノリが良い……!
「あのさ、こういうのって凄く嬉しいよね」
「そうじゃな。仲間が増えていく喜びとでも言うべきじゃろうかの」
「まぁ……その分仲間だった女子が敵だがな……ヅラもな」
「雄二、其は言わない約束……そして、ヅラは裏切り者だから仲間ではないよね!」
これで二階も問題ない。問題なのは一階と女子風呂前だし、ヅラも今頃は拘束されて動くことはできないはず!!………あ、拘束していたかなぁ……?
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