連載休止 チームフォーマルハウトの旅路、黄金の軌跡と語られた伝説   作:里見レイ

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最初の風が吹き始めたが、まだ最前線と比べるとイマイチ君

 前回との落差もあってか、閑散とした京都レース場に寂しさを覚える西川トレーナー。そして、今日もまた勝てない彼女に頭を抱える。

 

「またダメだったか。ったく、どうすれば勝てるのかねえ......」

 

 キンイロリョテイの三回目の未勝利戦にて、前回に引き続き二着だ。

 

「......リョテイさんは、絶対に勝ち上れる能力があると思います。しかし、何かが嚙み合っていないのかと」

 

 今日の同行者はメイショウドトウ。未だに練習には参加してくれないがこういった手伝い等はやってくれるようになった。

 

「......ドトウさんは、何が要因だと思いますか? こういう場合は、人間よりウマ娘の方が直感で勝てない理由を理解できるかもしれませんから遠慮なく仰って下さい」

 

 タブレットを操作しつつ、彼はドトウに優しく尋ねる。しかし、彼女もまだ掴めていないようだ。

 

「ごめんなさい。私もそこまでは......」

 

「そうですか。まあ、気が付いた時にで宜しいので」

 

 こうして、二人は人気(ひとけ)のないウイニングライブ(サブ)を終えたキンイロリョテイと合流する。そして、キンイロリョテイの無表情な焼肉請求にトーホーアートから貰っていた割引券で対応する西川だった。

 

 

 

 

「リョテイ、一応聞いておこうかな。お前は、G1に出られる素質と能力を持っている。なのに、何故勝とうとしないんだ? 名誉も、実績も、友や同期と大舞台で走りたくないか?」

 

 部室に戻った西川は、リョテイを何とかして脱走を押し留めた。実は、これが初の彼女とのミーティングである。

 

「......」

 

 そっぽを向くキンイロリョテイ。流石に申し訳ないと思っているのか、はたまた別の内容を考えているのか。

 

「走りたくないのなら、それでも良い。けど、そんなウマ娘が新人の僕を捕まえてチームを設立なんてしない。本当は、勝ちたいんだろ? けど、練習はただ辛いだけだからやりたくないし、レースで本気で走ってしまってはいつ怪我をしているか分からない。だから、いつも6割の力で走って手の抜き方が上手くいかずに空回り」

 

「......!!!」

 

「図星のようだね。これでも、僕は君のトレーナーだ。色んな人やウマ娘に事情も聞いて回っているし、レース映像があればひたすら解析もしてる。だから、言いたい事や伝えたい言葉があれば遠慮しないで欲しい......」

 

 西川は、ようやく熱意を彼女に伝えることが出来たと思った。今までは、その機会すら作れなかったのだから。

 

「......」

 

 キンイロリョテイは、机の上にある筆記用具を素早く手に取り、何かを書いて部室を立ち去る。

 

「はあ、彼女はシャイと言うより口下手なんだろうな。だって、ここまで綺麗な言葉を並べた文を綴ることが出来るのだから......」

 

 残された一枚の紙きれには、辛うじて読める字でこう書かれていた。

 

『次の未勝利戦で勝った後、アート・シャイン他と一緒に焼肉パーティーを開催しろ。盛大に奢れ』

 

 風が変わる、僅かが。




 何か、短くなってしまいました。このままだと、97年クラシック戦線があと二十話は続きそうですね。それはそれでよいのですが、全体を考えるとあとどれくらい描くのか自分でも分からなくなりそうです。

 それではまた、評価もして頂けるとありがたいです。

 里見レイ

貴方の最も好きなキンイロリョテイ、もといステ〇ゴ〇〇ドの産駒は?

  • ゴールドシップ
  • オルフェーヴル
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