連載休止 チームフォーマルハウトの旅路、黄金の軌跡と語られた伝説   作:里見レイ

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遂に現れた現役最強各チームのトレーナーと実は上位トレーナーとなったフォーマルハウトのトレーナー

 今日も、キンイロリョテイは練習に励んでいる。トゥインクルシリーズに出ているウマ娘なら至極当然の内容ではあるのだが、西川からすればかなり珍しいと感じてしまう内容だ。

 

「タイムも少しずつだが良くなっている。しかし、彼女の欠点は能力や実力ではなく本番でのパフォーマンス。これは、僕から指導できるノウハウはほぼない。どうすれば......」

 

「バクシーン! トレーナーさん、何か分からない事があればこの学級委員長にお任せを! 何でもズバッとバクシン解決致しますよ!」

 

 何処で練習していたのか、またの名を「どこまで逸走していたのか」の代名詞サクラバクシンオー。彼女はある意味西川が最も相談or弱音を吐ける相手だ。

 

「大した事ないよ。僕に経験値がないから、レースでの実力の発揮の仕方が分からないってだけ。何をどうコントロールすればいいのか経験がない。ウマ娘も繊細だからね、分からないんだよ」

 

「なるほどなるほど! ならば、先輩トレーナーさんに相談するとよいでしょう! 例えば、あちらのトレーナーさんは如何でしょうか? 私が入学前に活躍していた軍団の先輩のトレーナーさんです!」

 

 彼女が指差す方向には左側頭部を刈り上げた男性トレーナーがいた。西川はこの年ながらチーフトレーナーなので、トレーナー合同の会議も出席する。よって、彼の名前も知っていた。

 

「あれは、チームスピカの沖野さんだな。沖野さんが昔担当していたサクラのウマ娘は謎だって言われてるけど、そんな訳あるのかねえ」

 

「それに関しましては、私も記憶にございません! では、少しお話を聞きに行きましょう!」

 

 バクシンオーに連れられ、西川はG1ウマ娘のトレーナーという天の上の存在に話しかける事になった。

 

 

 

「ごめんください、......さんのトレーナーさん!」

 

 バクシンオーの挨拶がこれだ。普通、肝心の人物を記憶がない状態で挨拶とは前代未聞である。

 

「!!? お前さんは確か......」

 

「は、初めましてチームスピカの沖野さん。私、チームフォーマルハウトの西川と申します」

 

 深々と頭を下げる西川。沖野は重賞ウマ娘、G1ウマ娘を複数出している名トレーナーだ。彼もまだ三十歳前後の若手だと考えると、恐らくかなりの有力株だ。そんな沖野とド新人の西川とでは住む世界が違っている。しかし、彼はバクシンオーの声にかなり動揺したように見えた。が、それは恐らくバクシンオーの厚顔無恥な挨拶のせいだろう。

 

「そうそう、西川だ。確か、なかなか見込みのある娘達を一手に引き受けている新鋭トレーナーだったかな」

 

「はい、ご存じのようで恐縮です。実は沖野さんにご相談したいことがありまして」

 

 かなり緊張した様子の西川だが、話は進んでいる。

 

「ん? 何か聞きたい事か、構わないぞ」

 

「では、一つ質問です。才能があるのにレースに勝てないウマ娘がいまして、勝てるようになる方法ってどんなトレーニングをさせればいのでしょうか?」

 

「......それは、かなり難しいな」

 

 顎に手を当てて考え込む沖野。そして、答えを出した。

 

「一度、限界まで追いつめて見たり地獄を見た方が良いかもしれないな。中途半端な負けよりも、どん底に落ちて這い上がろうとした方が成長に繋がることもあるからな」

 

 彼の眼は完全に鬼だ。彼の凄い所は、各ウマ娘の能力や才能を自主的に伸ばした上で勝負に大きく関わる精神面と健康面を徹底させている事だ。しかし、これはウマ娘の自由性を重んじた上で信頼関係の確かな沖野だからこそ出来る技。西川には再現不可能だろう。

 

「な、なるほど......」

 

「まあ、キンイロリョテイが集めた連中はお前の方が扱えるウマ娘だ。自信持っていけよ」

 

「そ、そうなのでしょうか?」

 

「お前のその『無理をしない距離感』は結果が返ってこないで苦しむだろうが、いづれ良い方向に帰って来るさ。南坂のとこの様にさ」

 

 ポンポンと肩を叩く沖野。

 

「南坂さんって、チームカノープスのチーフトレーナーさんでしたよね? 確か、重賞戦線で確実な成績を残す堅実なウマ娘が多いと聞きました」

 

 西川のデータベースにもそのチームの内容は存在していた。スピカ程の強豪ではないが、確実に話題を呼ぶ上位チームなのである。

 

「そ、今度彼と話すと良いよ。良い参考になると思うぞ。あと、お前はバクシンオーだったよな」

 

「はい、サクラバクシンオーです!」

 

「......昔のまんまだな、憶えてないだろうけど。ま、お前らも元気にやれよ!」

 

 そう言うと、沖野は重厚な足取りで立ち去って行った。

 

「......頑張らないとな。上を見過ぎず、落ち着いて」

 

 新人故の若気の至りか、何やかんや彼の担当ウマ娘はトップレベルの実力者達だ。彼女たちの人生を壊さないよう、安全性重視で頑張ると心に決めたのだった。

 さあ、未勝利戦が三度やって来る。

 




 ウマ娘一期の世界観を様々なデータベースから調べてみると、結構色々想像が膨らんできます。
 カノープスの「G1出場(4年ぶり3度目)」の立役者は誰なのか。沖野Tが一時期学園あるいはトレーナーの仕事から離れていたのは何故なのか。
 それを踏まえながら、私のストーリーにも肉付けしていきたいですね。

 感想・予想、お待ちしております。

 里見レイ

貴方の最も好きなキンイロリョテイ、もといステ〇ゴ〇〇ドの産駒は?

  • ゴールドシップ
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