連載休止 チームフォーマルハウトの旅路、黄金の軌跡と語られた伝説 作:里見レイ
焼き肉屋に着いた一同、予約の時点でカルビやタンなどを注文しておいたので西川は早速焼いていく。
「リョテイさん、どうぞ。屋内で食べる焼肉も美味しいですね」
西川によって焼かれた肉は、トーホーアートを経由してリョテイの口の中へと運ばれていく。リョテイのレース後とは思えない高速箸捌きについて行けるアートも相当である。
「......まあ、とりあえず勝てて良かったよ。あたし達もダービー前最後の休息かな?」
「......かもしれないね。ダービーでは私にライアン。ジャスティスに加えて話題の名門チームりギルからサイレンススズカも出走予定だ。盛り上がりそうだよ」
のんびりと食事をしながら一か月弱先の大一番の話をするメジロライアンとシャインブライアン。共にリョテイの同志であり友人なので、別チームでも敵対意識は低い。
「......リョテイさん、思った以上に楽しそうですね。良かったです」
「ああ、思ったより楽しそうなのが意外と表情で見て取れるな。全く喋らない癖に分かりやすいのは何故だろうな」
そして、西川とドトウはリョテイとアートの向かいで肉焼きと注文に徹している。社長と秘書なのか、料理人と助手なのか、どうにもトレーナーとウマ娘という関係性には見えない。
「......」
と、ここでリョテイ。突如立ち上がった。アートの手を引いてパーティーの主役が席を外す。
「ん、どうしたリョテイ? 肉はまだ食えるぞ?」
西川が箸を止めた。しかし、リョテイはそのまま店の外へと行ってしまった。
「......」
「トレーナーさん、今はそっとしておきましょう。あの方にも、考えがあると思いますので......」
若干不安げな西川を落ち着かせるドトウ。そのまま二人を見送った彼の脳裏には、様々な不安が残った。
「どうしたのですか、リョテイさん? 今回の焼肉は貴方が主役なんですよ」
トーホーアートの不安げな声。恐らく、リョテイのこの表情は情緒不安定のサインだと理解しているようだ。
「ーーーー○○○○○○○○......」
リョテイの小さな声は、アートにのみに届いた。
「リョテイさん、それってつまり......」
「......」
「それは、ダメです。そんな事したら、いくらあの西川トレーナーさんでも怒りますよ」
「~~~~○○○○####」
「そうですか。確かに、そのような要素は存在します。しかし、それを心配していてはリョテイさんは思うような走りは出来なくなりますよ?」
「......」
リョテイの眼は、どこか遠い空を見ているようでアートの奥も見ていた。
「シャインさんとの約束を果たす為には、リョテイさんも重賞を勝ってG1に挑戦できるくらいの実績が必要です。もし、それが目標でなかったとしても貴方には上の世界にいて欲しいです......」
「!? ......」
リョテイの目は、どうにも怯えているように見えた。何か裏で見てはいけないものを見てしまった顔。
「皐月賞の後から、リョテイさんは二人きりの時に少し様子がおかしくなりました。西川さん曰く、その日は皆さんと別行動だったらしいですね。そして、たった一人でレース場の裏通路に向かったと」
「......!」
「あの時は話題になりませんでしたが、皐月賞のレース中に一人のウマ娘が亡くなっています。それも、リョテイさんのクラスメイトが。舞台裏を通った貴方なら、何が起きたかをご存じのはずでは?」
「!!!」
「図星ですか。不安があるのは分かりますが、このような事件は多発するものではありません。そんな突然の事故ばかり怯えていては走るものも走れませんよ......」
「......**********************************」
「え!? そんな話、あるんですか? けど、本人も気が付いていないかもですね。それに、ダービーの前に話す事でもありませんし......」
「......」
「けど、どうしても自分のレースの後にそれを思い出してしまった。だから、いたたまれずに店を出た。そういう事ですか......」
「......」
「大丈夫です。時が来るまで誰にも話しませんから。それに、絶対来る事態って訳でもないでしょうし」
「......」
「ええ、これからも不安があったら遠慮なく言ってください。私は貴方の味方ですから」
キンイロリョテイが見た・感じた事態とは何だったのか。そして、胸に抱く不安とは何か。その真実は、時限爆弾のように時が来るのを待っていた。
リアルに押しつぶされそうですが、そう言っている間はまだ平気なので頑張ります。アンケートに関しても、近いうちに帰るのもありかもと考えております。
評価・感想お待ちしております。
里見レイ
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