連載休止 チームフォーマルハウトの旅路、黄金の軌跡と語られた伝説 作:里見レイ
チームフォーマルハウトの部室。今日は週に一回の定例会の日、所属しているウマ娘が一堂に顔を合わせる日だ。チーフトレーナーである西川にとって、まだまだ指導するウマ娘達との交流が十分ではない。コミュニケーション不足による悲劇を防ぐためにも、彼はお菓子を持って会に参加した。のだが......
「何故、定例会なのに出席率が四割なんだ?」
もはや癖と言われてもおかしくないレベルで頭を抱える西川。元々広くない部室だが、たった三人と言うのは寂しいと感じてしまう。
「これはいけませんねえ! 学級委員長たるこの私が責任を持ってお三方を部室に連れて来ましょう! バクシ」
「ちょっと待て」
今にも飛び出しそうなサクラバクシンオーの手首を掴んで引き留める西川。そういえば、彼女も別の意味で「問題児」だった。
「やみくもに探す訳にもいかないでしょ。リョテイも、ドトウさんも○○○○さんもどこにいるのかデータがないんだからさあ」
「しかし、トレーナーさん! これではミーティングになりません。トレーニング時間確保の為にもここはバクシン的にお三方をお連れしなければ!」
「まあまあ、待ちなよバクシンオー。トレーナーさんの考えを聞いてからでも遅くないと思うよ?」
チームフォーマルハウト唯一のまとも枠、メジロライアンがバクシンオーを宥める。ジュニアクラスにて重賞勝ちを収めている、今やチームのエース兼大黒柱だ。
「ありがとう、ライアン。じゃあまず、バクシンオー。このチームが結成されてどれくらい結成された?」
「はい、丁度一か月です!」
「週に一回のこの定例会、今まで何回開催された?」
「はい、一か月は四週間なので今回を合わせて四回です!」
「じゃあさ、今までの定例会で何人集まったか覚えてる?」
「はい、今まで一度も全員揃った事がありません!」
バクシンオーはハキハキと西川の質問に答える。しかし、内容もここまで絶望的なのによく彼女は元気に受け答えしている物だ。
「で、毎回毎回僕は血眼になって彼女たちをを探すけど全員集まった?」
「はい、集まりませんでした!」
「そういう事だ、だから今回はそれぞれに書置きをしておく。今は君たち二人とのミーティングを優先しようと思う。バクシンオーのデビューはまだ先とは言え、ライアンは今が正念場なんだからね」
タブレットをスクロールさせながら定例会を始める事にした西川。ライアンのクラッシクのローテーションを考えるに、ライバルとして立ちはだかるのは約数名。後半での末脚勝負になると予想される。それを踏まえてのトレーニングメニューに関してライアンと相談しなければならない。
「とりあえず、これからのクラシック戦において早めに仕掛けるのはタブーだよ。他のウマ娘も後方からの走りがメインだから格好の餌食になってしまう」
「はい、十分に足を溜めてここ一番で仕掛けるようにします」
「私はどうすれば良いでしょうか、バクシーン!」
「バクシンオーは、とにかくスタミナを付けてくれ。さもないと長距離はおろかクラシックも厳しいんだから」
「はい! ではスタミナを付けるべくダッシュのトレーニングしてきますね! 失礼します、バックシーン!」
ライアンとのミーティングはあと数分はかかりそうなのに、バクシンオーとは十五秒で終わってしまった。まあ、デビューはまだ先だし問題はないだろう。
「......もう良いですよ、ドトウさん。隠れているのはバレバレなんですから......」
バクシンオーが部室を出ていったのを確認し、西川がロッカーに向かって声をかけた。
「流石に隠れる時に慌て過ぎたようだね。ロッカーの通気口から尻尾が燃えているよ」
続き、ライアンも声をかける。その笑顔は西川以上に優しげだ。
「え、えーと。本当は普通に参加するつもりだったんですけど......」
ギシィとロッカーが開かれ、中からメイショウドトウが顔を出した。
「まだ僕を十分に信用出来ないのですよね? 大丈夫です、信頼は時間をかけて作っていく物ですから」
「えーと、その。少し気になる事がありましてここに来たのですが。どうしても怖くてつい様子見がてらロッカーの中に入ってしまいまして......」
オドオドと話をしだすドトウ。最初の一方的に話したら即退散と比べれば大分進歩しただろう。
「気になる事? 遠慮せずに仰って下さい」
西川はこの隙にタブレットを操作をして、メイショウドトウ用トレーニングプランを画面に出す。話が終わったら、このまま彼女ともミーティングをしてしまう算段だ。
「キンイロリョテイさん、どうやら毎日のようにお会いしているウマ娘さんがいるそうですよ。お会いている時間や場所は不明なんですけど。ただ、そのウマ娘さんの名前やクラスは噂にも出ていまして......」
「続けてください。これは、サボり魔である彼女をトレーニングさせるきっかけに変化するかもしれません」
「は、はい。実は、彼女はエアシャカールさんと同じクラスの......」
メイショウドトウが話はとあるウマ娘。西川は彼女の元を訪れると予定に入れた。
「ありがとうございます。明日、その方に挨拶をして来ようと思います」
「あ、いえ。私はこのくらいしか出来ませんから。で、ではここで......」
メイショウドトウ、挨拶を済ませると猛ダッシュで部室を後にした。
「あ......」
引き留めようとした西川の右手が宙ぶらりんになる。強引にカノジョヲ部室に捕らえるなんて事は出来ない。
「トレーナーさん、焦らず行きましょう。ドトウもまだ時間はありますから」
何かと空回りする彼を宥めるのは、今はライアンの仕事だ。
「明日は、自主練って事ですかね? トレーナーさんも人探しには苦労するでしょうし」
「......ごめん。いつも迷惑かけて」
手元のタオルで顔を拭き、西川は軽く天井を仰ぐ。
「いいんですよ。トレーナーさんは頑張っているのですから。だから、私もクラシック取って恩返ししますね」
「期待してる」
放課後の部室は何とも言えない静寂に包まれた。まだまだ彼らの旅は始まったばかり。旅は苦労の方が多いのは当たり前の事象なのだ。
いやはや、私個人としてはあの馬やこの馬をオリジナルとして出したいと思っていましてね。まずは、あのセイサイさんにしようと思います。
次の話もなるべく早く出しますので、感想・評価等をしてお待ちいただければ幸いです。
里見レイ
貴方の最も好きなキンイロリョテイ、もといステ〇ゴ〇〇ドの産駒は?
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