連載休止 チームフォーマルハウトの旅路、黄金の軌跡と語られた伝説 作:里見レイ
部室のテーブルの上にて、塩をかけられたナメクジのようにぐったりうつ伏せになっている西川。クラッシク第一戦皐月賞まで残り一週間、出場ウマ娘のデータ分析に追われ一日三時間睡眠が続いていたのだ。
「とりあえず、ライアンに話すべき事は......」
手元に印刷しした資料にオレンジのボールペンで印をつける。しかし何故だろう、何回やってもインクが出てこないのだ。
「? あれ、もう買い替えなのかなあ?」
首をかしげる西川。色付きボールペン自体あまり使わない生活を送っているので、その辺の管理は案外杜撰なのだろうか。いや、彼は寝不足によりもっと杜撰だったのだ。
「! ......」
バシッ!
突如として軽く頭を叩かれる西川。そこに居たのは他でもない、キンイロリョテイだった。
「リョテイ、一体どうしたんだ? あれ、君もオレンジのボールペンを使っているのかい? 丁度良かった、実は僕のオレンジボールペンのインクが無くなったみたいでねえ。ちょっと貸して......ゴフッ」
いつものように話そうとする西川だったが、リョテイは彼に容赦なくミネウチをして気絶させる。
「......~↓」
ため息をついて彼に近く自分のコートをかけるリョテイ。そして、彼の持っている
そう、西川は寝ぼけてボールペンと間違えて人参で資料に線を引こうとしていたのだ。
「......むにゃむにゃ、リョテイが肉を大量注文して請求書が!」
ミネウチで気絶した影響で睡魔に襲われた西川。夢の中でも担当ウマ娘に苦しめられているようだ。
「......? ー」
近くにあった毛布を彼にかけながら、リョテイは若干苦笑い。手元にあったレシートをコッソリとポケットの中に押し込めた。そして、代わりにポケットからスマホを取り出してメールをする。連絡先は......
「リョテイ、トレーナーさんが寝ちゃったって?」
メジロライアンだ。彼女にデータをいち早く渡したいというリョテイなりの配慮なのだろう。
頷くリョテイ。西川に代わってマーキングをした資料をライアンに渡した。
「要注意ウマ娘は、二番人気のライトニングゲイルか。脚質が同じで仕掛けるタイミングを間違えればそのまま置いて行かれてしまう。そして、早く仕掛け過ぎれば格好の餌食か......」
ライアンはマーキングされた要点を音読する。しかし、あまりピンと来ていないようだった。
「リョテイ、トレーナーさんは君の初勝利と並行してあたしのクラッシク戦を考えてくれてるって事だよね?」
不安げなライアンの質問にリョテイは秒で頷いた。彼女の左手には、まだ何回も書き直しをしているリョテイ用のローテーションプランとトレーニング案が書かれた紙があった。
「そっか。じゃあこれを読んでまた自主トレに行ってくるよ。今回の皐月賞の一番人気はあたし、絶対勝ってガッツポーズをする君やトレーナーさんを見たいからさ!」
ニッコリ笑ってライアンは再びグラウンドへと向かった。リョテイは無言で彼女を見送る。
「......」
そして、キンイロリョテイも部屋を後にする。その際、彼女は親友にもメールを送っていた事を知るものは存在しない。
「......ふーん。君もかなり洒落ているよね。この時点でこんな約束しちゃうん何てさ」
ここは、チームフォーマルハウトと因縁のあるチームの部室。スマホの画面から親友のメールを見ている。
「でも、私は11番人気。正直な所、勝てる見込みはないんだよね」
メールを閉じた彼女は、軽く目を閉じて一息入れる。
「......君が皐月賞どころかダービーに出れないのなら、私が両方取ってあげる。どんなに注目を浴びないウマ娘だからって、必ず負けるという理屈何てないという事、証明して見せるからさ」
このウマ娘、シャインブライアン。この僅かな間にも足腰に、そして何よりそのオーラに変化があった。
さあ、もうすぐ皐月賞。ライアンとシャイン、そしてエリモレイディーが参戦するクラシック初戦は、波乱の渦に吞み込まれようとしていた。
頑張って、頑張って次の話を書きます。リアルの用事がああああ。
貴方の最も好きなキンイロリョテイ、もといステ〇ゴ〇〇ドの産駒は?
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