神転して理想の生活を送りたかっただけなのに   作:名も無き二次創作家

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武器になれる女の子っていいですよね。
例えば精霊使いの剣舞のエストとか。
あとBLEACHも、実体化した姿が可愛い女の子なオリジナル斬魄刀とか妄想してました。
あの頃は若かった……。
この癖の供養のために投稿します。


一生の罪

人生は “こんなつもりじゃなかった” の繰り返しだ。

 

 

 

 

突然だが、もしなんでも願いが叶うと言われたら、あなたはどうする?

 

言うだけならタダ。

本当に叶ったらいいなぁ程度の感覚で自分に都合のいい妄想をあれやこれやと言ってみる。

そういう人はもしかしたら注意した方がいいかもしれない。

もし本当にどんな願いでも叶うなんてことがあったら大変だ。

願いは自分で叶えるものであって、他人に叶えてもらうものでは無い。

 

達成感やらなんやらのクダラナイ説教話ではなくて。

 

 

どうして他人に願いを叶えてもらうのがよくないのか。

それは「自分の望まない方法」を用いられる可能性があるからだ。

 

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

暗闇に包まれた街の外れに、俺含めた3人の人間がいた。

 

 

俺が隣の少女の名を呼び、彼女がそれに応え()()()()()()()()()

眼前の相手の右の大ぶりをヒラリとかわし、俺の右手に収まった彼女を敵に突き立てる。

そのまま流れ作業で、突き立てた剣先から魂の波長を打ち込んだ。

 

『健全なる魂は 健全なる精神と 健全なる肉体に宿る』。

死神様の教え。魂学の基本。

だがそれは、逆のことも言える。

健全でない魂は、健全でない精神や健全でない肉体に宿る。

目の前の敵も魂が人の道を外れたせいで肉体まで異形と化しており、特に右腕が肥大化し鋭利な爪がついていた。

鉄板だろうとたやすく引き裂くだろうそれも、しかし当たらなければただデカイだけの腕だったな。

 

悪人の魂、回収完了。

 

「……99個の人間の魂と1つの魔女の魂を食べると、魔武器は死神様の武器(デスサイズ)になれる。これで67個目か」

 

昨日格闘したゴキブリの方がよほど手強かった。

 

 

 

俺の目標の一つは、パートナーをデスサイズにしてやることだ。

なぜかっていうと、それがこいつの夢だから。

 

 

こいつとは、そう。

俺の軽率な願いのせいで感情を失ってしまった、この魔武器(女の子)のことだ。

どういうことなのか、これから順を追って話していく。

 

 

 

 

 

まず死神武器職人専門学校、略して死武専とは。

 

・身体を武器に変化させる力を持つ人間 『魔武器』

・その魔武器を扱い、悪人の魂を喰わせて育てる 『職人』

 

そんな少年少女たちのための教育機関であり、俺たちはそこの生徒だ。

 

魔武器……通称武器だが、武器と職人は一心同体。

職人が自身の魂の波長を武器に送り、武器がその波長を増幅して送り返す。

それを繰り返すことにより、強大な魂の波長を生み出す。

 

それは“魂の共鳴”と呼ばれ、共鳴率が上がれば上がるほど真の実力が発揮できるようになる。

基本にして奥義だ。

 

魂の共鳴は一朝一夕にできることではなく、相互理解が欠かせない。

なんせ他人の魂の波長に自らを合わせ、調和させ、感じ取り、受け入れて震わせないといけないからだ。

その相互理解の過程で色々とあり、俺は自分の取り返しが付かない(あやま)ちを知った。

 

 

俺の名前はスィナー。

相棒の名前はアリス・ジェーン。

元は些細なことで喜び、笑顔になれる感情豊かな女の子だった。

俺がこの世界に来る前は。

 

俺は神様転移でこの世界に来た。

原作も読んでた。

俺はこの『ソウルイーター』の世界が大好きだった。

だから「この世界で死武専生になって俺Tueee!したりイケメンに生まれて可愛い子にモテたりしたい」と思ったんだ。

それだけならよかった。

でも、神様と話してるうちにどんどん欲望がでてきて、言っちまった。

 

「パートナーは可愛い女の子。俺はいろんな女の子にモテるが一番好いてくれてるのがその子で、将来はその子と結婚する」

 

と。

その欲望が叶いさえしなければ、中学生の考えそうな痛々しい妄想だと笑い話に出来ただろう。

 

 

だが、その場で吐き出した俺の欲望のすべては叶えられた。

結果。

俺は中背(ちゅうぜい)であるもののイケメンとなり、魂の波長やそれに関する能力・身体スペック・戦闘センスなどがどれもハイレベルとなった。

 

 

 

そして、この世界に住む1人の感情豊かな少女が倒れた。

 

 

 

 

検査結果は不明。

ただ、感情だけがすべて抜け落ちてしまっていた。

 

 

 

ヒトがヒトを好きになるのは感情があるからだ。

ヒトがヒトを嫌いになるのは感情があるからだ。

 

じゃあ、「俺のことを一番好きで居続けてくれる存在」を作るためにはどうすればいいのか。

魂の形状や波長を俺の魂と合うように無理矢理変え、感情を消す。

そうすることでその女の子は魂レベルで俺に惹かれ、以後その子が心変わりすることは無い。

 

なんて酷い話なんだ。

こんなふざけたシナリオはB級映画でもみたことがない。

だが現実だ。

 

他でもない、この俺自身が安易に願ってしまったのだ。

 

 

かつて感情豊かだった少女から、感情がなくなった。

感情がなければ「期待」することも「憧れ」ることもできない。

故に、彼女は夢が(いだ)けない。

では先程言っていたアリスの夢とは何のことだったのか。

それは彼女の感情が消える前の、死武専に合格した直後の夢だったのだ。

 

相互理解のために彼女の実家に行き、部屋に上がらせて貰ったとき。

勉強机の上に日記帳があった。

 

 

▽△年×月○日

死武専への入学が決定した!

しかもNOTクラスじゃなくてEATクラス!!!

嬉しすぎてお父さんやお母さんといっぱい喜び合った。

 

 

▽△年×月△日

私には魔武器としての能力がある。

この力を使って、死武専生として沢山の人の力になりたい。

私はいろんな人たちの助けがあって今こうして生きているのだから。

なんて、まだ入学前なのに先走りすぎかな? (つ∀<●)゚+.キャァ♪

 

 

▽△年×月□日

死武専に入ったら寮暮らしだ。

お母さん、お父さんと離れるのは寂しい。

だけどちょっとわくわく o(≧▽≦)oゥキゥキ♪

 

友達はできるかな。

放課後に買い食いしたり、一緒にクエストを受けたりしたいな。

あと恋人とか出来ちゃったりして。

なーんて、私にはまだ早いかな

でもいつかは、って夢見るのは自由だよね。

未来は明るい!

きっと楽しい青春が待ってるぞ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ごめん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……こんなつもりじゃなかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アリス・ジェーン
この名前はアニメ版で名前だけ登場しています。
具体的にいうと超筆記テストの結果発表掲示板に。
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