神転して理想の生活を送りたかっただけなのに 作:名も無き二次創作家
期待値が高すぎる……
こんな文章でええんか?(ビクビクしながら投稿)
教会内に、俺の鮮血が舞う。
だが、咄嗟にアリスから手を離して転がっていたことで致命傷は免れた。
あばらや脇腹などに数本刺さった程度だ。
通常、戦闘中に手放した物は戦闘終了後までに手元に戻ってくることが無いといわれている。
しかし、それはあくまでも
魔武器は人だ。
物じゃない。
すぐに変身を解いてクロナの首から抜け出したアリス。
そのまま俺に駆け寄り、再び武器になってくれる。
周囲にまだ黒血は残ってる。
だが俺の手元にもアリスがいる。
次のブラッディ・ニードルを
アリスを構えながら心の中でそう意気込む。
これまでの激しい動きで右の耳栓が外れたようで、悲鳴共鳴されると困るけど。
だがどちらの思考も意味は無かった。
すべての黒血が力なく床に落ちる。
クロナが意識を失ったようだ。
ほっと息を吐く。
吐いてしまった。
張り詰めた緊張の糸が緩んだその瞬間、クロナは既に空にいた。
そして現れる、禍々しい魂反応。
「なんなの、あの魂!?」
「この波長は間違いない。魔女だ」
「魔女?でもさっきまでこんな波長どこにも……」
「“ソウルプロテクト”。魂感知能力から逃れるために編み出された、魔女の魂を隠蔽する魔法。それを使っていたんだろう」
マカと博士が呑気に会話をしている。
だが、今はそれどころじゃ無い。
「脊髄破損、意識無し。魔法で延命しなければ治療が間に合わないところだったわよ?こんなにしてくれちゃって……お仕置きね」
ネークスネーク コブラコブブラ
実体化した禍々しい矢印群が空から俺たちに殺到する。
だがこれを俺が迎撃する必要は無い。
なぜなら死武専最強の職人と武器のコンビが、既に俺やマカたち生徒の前に躍り出ていたから。
魂の共鳴
ヘビのようにうねりながら高速で迫る矢印群の軌道を、博士は完全に見切っていたらしい。
肥大化した鎌でなんの危なげも無くそのすべてを刈り取った。
やっぱり格が違う。
チート貰ってる俺でも1、2本は後ろに通してしまっていただろう。
目標はあのレベル、か。
高いな。
「ふふ……さすがね。今日のところはこの辺にしておくわ」
死武専に保険医として潜入している彼女は、シュタイン博士の実力を知っている。
まだ黒血の研究が進んでいないこの段階ではやり合いたくなかったのだろう。
クロナを連れて撤退する。
待て。
人助けのためにも、アリスの生存確立のためにも、クロナをここで仕留めなければならない。
咄嗟に右手のレイピアを地面に突き刺す。
アリス、いけるか。
魂の共鳴
イメージしたのはポゴ*1。
レイピアの肥大化を根元から行い、一気に剣先まで到達させた。
地面を反動に使っての大ジャンプで、魔女の近くまで跳ぶ。
「いけない、飛行できる魔女相手に空中戦で勝ち目は無い!そもそも相手は
そんなことはわかってる。
最悪俺が死ぬのは良い。
それよりクロナを殺しきれない方が駄目だ。
「……はやくこの子を治療しなきゃいけないのだけど。いいわ、そんなに死にたいなら殺してあげるッ!!」
ただ俺を殺すためだけの攻撃じゃない。
さりげなく自分やクロナを護るようにも配置されている。
もしこのまま斬撃を飛ばしても、ベクトルアローに威力を分散されてしまうだろう。
そして彼女たちに届く頃にはそよ風になっている。
もし俺が攻撃をやめて防御に切り替えても、飛行できないから地面に叩き付けられて終わり。
急いでいるだろうに咄嗟にこの判断。
実戦経験値が違う。
だが、一応突破口はある。
ぶっつけ本番だが行けるかアリス。
魂の波長を彼女に送る。
増幅させて送り返してくれる。
その繰り返し。
波長を増幅させる。
だが
静かに、研ぎ澄ませるように共鳴する。
魔剣の『悲鳴共鳴』に着想を得た特殊な共鳴技。その名も────
無鳴共鳴
それは突き。
敵を貫くための細い点攻撃。
だが立体的に見ると、遙か遠くまでを繋ぐ直線だった。
耳が軋むような悲鳴をあげて四方八方に暴れるような暴力性を孕む悲鳴共鳴とは真逆の、研ぎ澄まされた一点集中攻撃。
その“直線”はベクトルアローの網をくぐり抜けて意識のないクロナを貫く。
心臓、もらった。
まさかの出来事に魔女メデューサの魔法制御が緩む。
複雑な軌道をとらせていたのが原因で、俺に迫っていたベクトルアローが半分くらい外れた。
だが半分は直撃する。
腹部に致命傷を負うと同時に重力に引かれた俺は自由落下を開始する。
これはマジで死んだな。
ごめん、アリス。
君をデスサイズにできなくて。
せめて鬼神が復活しない安全な世界で生きて欲しい。
……?
生きる?
こんな、感情の無い状態で生きるのが本当に彼女にとっていいことなのか?
そもそも俺は彼女の感情が戻らないものだと決めつけていないか?
殺した方が彼女のためカ?
もっと
その前に俺が死ぬ。
それは当然の報い。
どうでもいいナ。
彼女のためにも俺は生きなければならない。
こんなゴミ死んだほうが良いに決まッてんだロ。
護れない。
異物。
思考がまとまらねェ。
てか、血が足りない。
魂の共鳴
薄れゆく意識の中でシュタイン博士の声が聞こえた気がした。
このときはまだ気付いていなかった。
クロナが意識を失いすべての黒血が液状になる瞬間、俺の身体にブラッディニードルが刺さっていたことに。
体内で液状化してしまった黒血が血管内に侵入。
結果、博士に応急処置を受けている腹から溢れる血の一部が、黒く変色していることに。
√変更が起きたため
彼は「人生レベルでの失敗」について作中屈指の大先輩ですから、見せ場作ってたんですよほんとは。