神転して理想の生活を送りたかっただけなのに 作:名も無き二次創作家
《原作キャラ紹介》
・オックス君……槍職人。ガリ勉。だが野外では獣並に力強い戦いを見せる。殆どの人が君付けで呼ぶ。
・ハーバー……魔雷槍。オックス君に懐いている感じがする。割と冷徹な一面も
・キム……
・ジャクリーン……魔角灯。キムのことを大切に思っている。キムの秘密を知っている
現在地、ハワイ島。
海辺に出現した二つの“
「水中に追い込んだ。とどめを頼む、オックス」
「お任せ下さい。室内ではガリ勉、野外での雷王は……獣だ!!行くよハーバー君!!」
魂の共鳴
水蒸気爆発が発生。
打ち上がった大量の海水が俺たちの居る砂浜に降り注ぐ。
スキンヘッドだが左右のもみあげだけは残し、それを角のように立てた奇妙な髪型。
今一緒に行動しているのはクラスメイトのオックス君だ。
原作キャラの1人で、俺は「原作既読者で彼のことを嫌いな者はいないんじゃないか」と思っている。
髪型的にも一見変人だが、実はそれくらい格好いいキャラだ。
そして、彼は槍職人。
相棒の魔雷槍ハーバー・ド・エクレールは槍に変身できるだけで無く雷を放出できる。
魂の共鳴で波長を増幅させれば雷の威力も当然増す。
それを地面に放出して大地を伝導させる。
半径数メートルにいる対象すべてに激しい攻撃を加える。
それが雷王震。
水辺で使えばその威力・範囲はさらに伸びる。
まだ彼とはただのクラスメイト止まりだけれど、水辺でなら彼はほぼ無双状態なのでこの課外授業に誘った。
職人と武器合わせて4人以上が受注条件だったから。
「流石知将雷王。その変な髪型以外は尊敬する」
髪型以外はすべての漢の目指すべき理想像なんだ。
俺もアリスにとって、オックス君みたいな良い漢でいたかった。
まあ、神様頼りでズルして楽な生活を送ろうとしてた俺には、万が一にも不可能な話だが。
「なにを言う!この髪型は愛する者を救う知性と!愛する人を護る力の象徴ッ!!
魂を1つずつ分け合った俺たちは帰路についた。
折角のハワイなのだから一緒に観光をしないかと誘ってくれたオックス君には悪いが、俺ははやく魔女の魂をいただきに行きたい。
だって、ついに
デスサイズまで、あと一歩。
さあ、死神様の元へ報告に行こう。
「じゃあ僕たちも一緒に帰りますよ。ね、ハーバー君」
「そうだね、オックス君」
帰りの飛行機で、オックス君のキムへの愛について延々聞かされた。
やれキムは天使だとかキムは優しい人だとか。
機内で素振りをするわけにもいかないので、最近調子の悪い共鳴率の鍛錬をしながら付き合った。
まあ、悪い時間じゃなかったかも。
もしアリスに感情があって友達をつくれていたら、こんな感じの生活を送っていたのだろうか。
◇◇
死神様に報告した俺たちはそのまま解散した。
彼等は図書館に向かったようだ。
俺は帰ろう。
校舎の中を歩きながら考える。
魔女は誰を狩るべきか。
作中で一番出てくるのはこの前やりあったメデューサだ。
ゴーゴン3姉妹の次女。
しかしあいつは強い。
俺が死ぬだけなら良いが、アリスまで殺されるか実験道具にされそうで怖い。
メデューサだけはやめておいた方が良いだろう。
あんな奴と戦ったら命が幾つあっても足りない。
他に長女と三女がいるが、メデューサに目を付けられるのが嫌だし辞めとこう。
他にはメデューサの仲間の魔女エルカ。
彼女は高度な演算魔術が得意だったり爆弾を一瞬で作る魔法が得意だ。
だが身体能力は普通の少女と変わらない。
狙い目か?
でも体内にメデューサのヘビが居るから目を付けられそうだ。
これもできればやめておきたい。
同じくメデューサの仲間の魔女ミズネ。
一体一体はたいしたことないが、ファミリー単位で動くから厄介だ。
こっちは体内にメデューサのヘビが居るか分からないが、数の力は厄介なのでこちらもできれば遠慮しておきたい。
あとは……、そうだな。
デスサイズが通ってるキャバクラのリサとアリサが魔女だったか。
肉体派って感じでは無いと思うけど戦闘シーンが無かったため実力がわからない。
シド先生にあっさり確保されたりと戦闘なれしていない感はあった。
だが彼女たちは基本2人でいることが多いと思うのでこれも除外か。
うーむ、どうしたものか。
できれば俺よりも弱い奴がいい。
奇襲とかかけられるともっといい。
仲間を呼ばれると厄介だし、孤立とかしててくれないかな。
うーん、魔女、魔女、魔女。
……。
◇◇
岩と砂漠で囲まれたデス・シティー。
その中央に街を象徴する建築物として存在する死武専。
その正面玄関前前庭にて、俺は1人の生徒を待っていた。
課外授業の受付のおばちゃんによるとそろそろ戻ってくる頃だろうということだ。
この前庭はとてつもなく広い。
豪邸が1、2軒立てられる程度には広い。
石畳で、地上からもそれなりの高さがあるが一応柵のような物に囲われているので安全のはず。
落ちたら命は保証できないけど。
さりげなく辺りに気を配っていると、見覚えのある人物達が空からやってきた。
クラスメイトの女の子、
彼女たちも原作キャラで、主要キャラの一部だ。
魔角灯のジャクリーンはまるで魔法使いの空飛ぶ箒みたいに職人を乗せて空を飛べる。
便利そうで羨ましいな。
「ようやく着いた。ありがとジャッキー、いつも空飛んで運んでくれて」
「これくらいお安いご用よ。移動費がもっていない、でしょ?」
「まあね。さ、とっとと戻ろうよジャッキー」
「ええ、キム……ん?」
「なによあんた、自主練キチじゃない。ちょっとどきなさいよ。校舎に入れないじゃない」
仲良しの2人は会話が弾んでいたため、目の前にいる俺に今気づいたらしい。
「さっき、俺たちは悪人の魂を99個集めたんだ」
「は、なにそれ自慢?お友達がいなさすぎてたまたま会った私たちに自慢話してんの?拘束料金払えよ」
「聞こえなかった?魂を99個集めたんだ。死武専の職人の目標は?」
「……人間の魂99個と魔女の魂1個を武器に食べさせてデスサイズを作ること」
「……ッ!!!キム、掴まって!!!!」
「つまり、アとは貴女の魂だケなんですよ。魔女キミアール・ディール」
瞬間、爆炎が俺の視界を塞ぐ。
熱い。
タノシイ!
何故かワからんが気分がアガッてきた。
アリス、行くよ。
無鳴共鳴
思ったよりも伸びなかったからギリギリになったけど、ちゃんとジャクリーンの棒状の極細の胴体を貫けた。
原作では、キムはもっと後に魔女バレして死武専を飛び出す。
そしてなんやかんやあって、また死武専に戻ってくる。
デも魔女だシ、別に今殺シてもイいよね???
腹部に大穴を開けられたジャクリーンは変身が解けて人間の姿に戻ってしまう。
幸か不幸かまだそんなに高度が出ていなかったためキムがジャクリーンを抱きしめて着地する。
しかし、ジャクリーンはそのまま力なく石畳に倒れてしまった。
「どうした、魔女キミアール・ディール。とっととソウルプロテクトを解除して再生魔法を使ったらどうだ」
周囲がざわめき出す。
「おい、あいつ
「ヤベえって、先生呼んでこいッ」
「誰かあのキチガイ止めろよ、女の子を殺そうとしてるぜ」
「急に魔女とか言いだしてっけど、死武専生だろ?あの女子たち」
実力差を理解しているのか俺に近づきたくないだけか、広場にいた全生徒が俺たちを遠巻きに見ていた。
正直助かる。
もし今邪魔されたラ、俺自身なにをしてしまうかワからん。
なんだか頭の調子が今までで一番悪イんだ。
「自身の魂を覆い、魔女特有の魂の波長を閉じ込める、もしくは人間の魂のふりをする。ソウルプロテクト、高度な魔法だ。でも魂を覆ってしまっているせいで魔法が使えない。君の場合は簡単な再生魔法なら使えるみたいだけど、流石にそのレベルの傷はプロテクトを解除しないと治せないだろう?」
「……」
「それともその子は君にとって使い捨ての道具だったのか?」
「ッッッ!!! ソウルプロテクト、解除!」
「──駄目、キム……ッ」
必至のジャクリーンの制止も間に合わず、キムがソウルプロテクトを解除した。
魔女特有の魂の波長が、死神様の目と鼻の先で解き放たれた。
魔女キミアール・ディールはパートナーの命と引き換えに、自分が魔女であることを開示したも同然の状態となった。
周囲で騒いでいた野次馬たちの中にも魂感知が得意な生徒が数人いて、魔女の波長に気付き後ずさる。
それをみた魂感知能力のない生徒達も次第に察し始め、空気が恐怖と侮蔑に染まっていく。
「……“再生”の力を授かった私は“破壊”を根源とする魔女たちに馴染めない。ずっと自分の居場所がなかった。でも、ここでやっと“悪くない”って思えるようになってきたのにッ!」
嫌だよ、失いたくないよ。
そう泣き崩れる彼女の首筋に、俺はレイピアを突きつけた。
「安心しろ、すぐに楽にシてやる」
このまま少し力を加えるだけで、簡単にこの魔女の柔肌を破り突き殺せる。
剣先がつぷりと音を立てて首筋の薄皮に侵入する。
つうっと僅かに血流れだす。
何故泣く?
敵である魔女が死武専に潜入していたんだ。
バレれば殺されるだろ、普通。
じゃあな、魔女。
雷刃が俺のレイピアを弾き飛ばした。
ここで重大な思い違いに気付きました。
今まで悪人の魂を狩ってくるのは「クエスト」と表記していたかも知れませんが「課外授業」ですわ
なぜそんな思い違いをしていたのか
それはWiiの『ソウルイーター モノトーンプリンセス』では「クエスト」となっているからだと思います
く、不覚
記憶が混濁していたようですね
まあどうでもいいところですし、誤字報告が来たら直します
来なかったら放置でいいかな
気になる方おりましたらお手数おかけしますがお願いします