神転して理想の生活を送りたかっただけなのに   作:名も無き二次創作家

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《原作キャラ紹介》
・シュタイン博士……死武専最強の職人であり教師。現デスサイズがまだデスサイズになる前の初代パートナー。魂の波長のコントロールも天才的。VS魔剣のときにもいた

・デスサイズ……死神様の武器。デスサイズスの中でも唯一デスサイズの名を冠する権利を持つ凄い武器。マカの父親。初代パートナーのシュタインの先輩だったが、色々と実験台にされて若干のトラウマあり。でも仲良し。旧名はスピリット。VS魔剣のときにもいた

死神様がとある事情でデス・シティから出られない。
そのため、最強の武器と最強の職人である彼等のコンビは、主人公達が成長するまでは実質死武専最強戦力


創立記念前夜祭

結局、あの事件はスムーズに収束した。

 

キムを殺そうとした俺はオックス君に止められた。

そして死神様の息子のキッドが場を仕切り、解散。

キムは魔女勢力に与していないことが証明されて、魔力の導きである“破壊本能”を有していないことも判明。

魔女とはいえ破壊本能がなければ狩る理由も無く、むしろ保護対象として受け入れられた。

彼女には特に監視などが付けられるわけでも無く、今までどおりに過ごしていた。

学校全体ではまだ受け入れられない人が一定数いるが、クラスでは「今まで大変だったな」「私たちは仲間だ」と暖かく迎え入れられた様子。

 

 

翻って、俺は自分の寮の部屋にぶち込まれていた。

いや、ただの療養なんだが。

シュタイン博士と保健のメデューサ先生(正体は魔女)曰く、俺とアリスは全身に黒血が回りきっているらしい。

最近なにかおかしいと思っていたが、まさか黒血に感染しているとは。

原作ではクロナにざっくりと派手に切り裂かれたソウルが黒血に感染しただけで、ブラッディ・ニードルに刺された博士は感染していなかったから油断した。

 

ソウルと比べても明らかに俺の狂気進行が速すぎる気がするが、それは俺たちが常に共鳴していたことと関係があるらしい。

強い魂の共鳴は相方を黒血に感染させてしまう。

俺がアリスを感染させ、魂の波長と共に増幅された狂気がまた俺に送り返される。

その循環で加速度的に狂気に飲まれた可能性があると博士たちは言う。

 

アリスは感情が無いから狂気の存在にまったく気付かなかったらしいけど、俺の言動が急に変わってきていたことには気付いたらしい。

ごめん、アリス。

俺のせいでアリスにまで黒血を移してしまって。

 

「私に狂気は効かない。むしろ戦力アップ」

 

むしろ狂気に気付かず、増幅して送り返してしまっていたことを謝罪された。

アリスには本当に頭が下がりっぱなしだ。

そうそうに黒血を支配下に置き、硬化や傷口の止血、ブラッディ・ニードルを再現しだした彼女は凄い。

俺は黒血を刺激すると狂気に飲まれそうになる。

だから彼女のように黒血を自在に操れない。

 

なのでアリスは今も普通に登校している。

俺だけがベッドで安静にしていなければならないのは歯がゆいことだし、キムとジャクリーンにも直接謝罪にいきたい。

あとオックス君にも礼を言わなければいけないだろう。

本当にどうかしていた。

キムは魔力の導きが無い心根の優しい少女。

原作既読者の俺はそれを知っていたはずなのに。

これが狂気に飲まれると言うことなのか。

恐ろしい。

最初は保健室に通ってメデューサ先生に薬を貰えば大丈夫という話になったが、そんなことをしても『黒血の促進薬』を渡されるだけなので断った。

そしたら自分の部屋にぶち込まれたというわけだ。

 

しかし辛い。

安静にして自分を見つめ直し、狂気を治めるのが目的の()()である。

そのため身体を動かす行為が一切禁止なのだ。

ランニングもできない。

筋トレもできない。

アリスと共鳴訓練もできない。

手が震えて動悸が激しくなり、手足がムズムズする。

 

そうだ、イメージトレーニングをしよう。

これなら身体を動かさないし、大丈夫だろう。

相手はクロナ、シュタイン博士、メデューサ etc.

記憶を元に脳内で彼等の動きを再現し、それを超える。

超えたら相手の数を増やしたり速度を上げる。

 

今までは素人に毛が生えた程度の悪人ばかりを相手にしてきた。

だが、最近はクロナや魔女メデューサと戦った。

敵の詳細なデータを得た俺は、かつて無いほど充実したイメージトレーニングをすることができた。

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

復学の時が来た。

でも、それは今日の夕方からだ。

今夜は死武専創立記念前夜祭。

死武専生や教師、死神様が直接集って立食パーティを行う。

キムたちとはクラスメイトだし、復帰直後は色々と気まずいだろうということで「無礼講」の場にもなる前夜祭にタイミングを合わせてくれたらしい。

シド先生の粋な計らいだ。

 

昼はゆっくり休み、夕方のパーティーの開場時間間際(まぎわ)になって“手土産”が必要なことに気付く。

お詫びの品として、そうだな。

キムならギフト券がいいだろうか。

ジャクリーンもオックス君も同じでいいだろう。

急いで街まで買いに行こう。

悪いね、アリス。

ちょっと付き合ってくれる?

 

 ・

 ・

 ・

 

あの後道に迷ったお爺さんを道案内したり、ぶちまけてしまったお金を拾うお婆さんの手助けをしていたため普通に遅刻となった。

現在俺たちは開場である死武専内の施設に向かって階段を上っている。

 

前夜祭と言えば、原作では魔女メデューサ一派による鬼神復活イベントがある。

だが、魔女側はクロナが居ない分戦力ダウンしている。

だから鬼神復活は原作主人公たちが阻止してくれるはずだ。

……いや、それは希望的観測がすぎるか。

人数が多いに越したことは無い。

もし原作通りの展開になれば、俺も参戦した方がよさそうだ。

となると、遅刻は不味かったかもしれない。

 

もうすぐ死武専に着くというところで、街や死武専地下から魔女の魂反応が現れた。

それは原作通り魔女メデューサが今から鬼神を復活させようとしていることを意味する。

 

創立記念前夜祭は生徒・教師・死神様という死武専の全戦力が一カ所に集まる場でもある。

メデューサは仲間の空間魔法で会場ごと結界に閉じ込めて、その隙に地下の鬼神の封印を解こうとする。

だがギリギリで結界から逃れた主人公たちと博士、デスサイズの総勢9名がそれを阻止しようとする。

死武専の地下に封印されている鬼神。

その封印を解くか、護るか。

その攻防が繰り広げられる。

 

これはもう間に合いそうに無いな。

主人公たちは校舎上部にある開場から『強制土葬(直通の穴)』を通って地下まで一気に落ちる。

だから俺たちもまず会場に行き、そのルートで地下に行きたかった。

それが最も自然だからだ。

だけどこうなっては仕方ない。

直接地下に乗り込むか。

死武専の地下で魔女の魂反応がしてるんだから、死武専生である俺とアリスが駆けつけても不自然ではないだろう。

 

緊急事態なので壊せる障害物(校舎の壁とか)は壊し、一気に地下通路へ到達。

床に使われている石材の摩擦で勢いを殺し、立ち止まる。

地下特有のひんやりした空気を鼻で吸い込み深呼吸。

魂反応的に……、すでに戦闘は始まっているようだな。

 

地下通路は一本道なので、先に侵入した魔女達を死武専側が追っている。

魔女側は本命に追いつかれないように、足止め要因を各所に残して待ち受ける。

そして入り口付近で戦っているのはメデューサとシュタイン博士。

 

「“魂糸縫合”。相手に撃ち込んだ魂の波長をコントロールし、縫い付ける技です」

 

「……器用じゃない。最強の職人と最強の武器の組み合わせは伊達じゃないということね」

 

原作通り、チートを持つ俺ですら再現不可能なわけのわからない神業(かみわざ)でメデューサの動きを封じているシュタイン博士とデスサイズ。

出るなら今だ。

 

「博士、ここは俺に任せて先に行ってください!」

 

いくよ、アリス!

 

 

 

魂の共鳴!!!

 

 

 




資料探ししてると単行本の後書きコーナーで『超絶弩級衛星要塞 デスター起動!!!』とか友情ミニ漫画?で『パンチラボンバー』とか出てきてこの小説にも盛り込みたくなったけど絶対糞になるので諦めました

あと誤字報告助かっております
みなさんいつも本当にありがとうございます
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