「――アンタに勝って、アタシだってキラキラしてやる!!!!」
――シニア級になっての有馬記念。出走前。
このレースにはトウカイテイオーを筆頭に、強く、そしてキラキラしているウマ娘ばかりが集まる。
そんな中。少し、昔のことを思い出していた。
……アタシは今まで、自分が一位でありたいという目標から逃げ続けていた。
アタシは強くないから。主人公じゃないから。
素晴らしい素質なんてない。光がアタシに当たることはないんだ、と。
だって、頑張っても、頑張っても。アタシの目標とするウマ娘には届かないから。
キラキラしたいと思っても、キラキラする才能なんかないから。
全てに言い訳を重ねてきた。自分を守る為に。
勝ちたいとは思う。素質自体は全く無いわけではないと思う。でも、一位になれると強くは言えない。いや、言いたくない。
一位を目指すと宣言して。努力して。それでもし勝てなかったら?
調子に乗った後、上手くいかずにツラくて後悔するのはアタシなんだ。
それならば、最初から期待しすぎない方がちょうど良い。
アタシは、一着を目指すことの重みから逃げていたんだ。いつでも。どこでも。
三着はアタシらしい。だから一着なんてアタシらしくない。だからこれでもいいんだ。頑張ってはみるけど一位からは程遠いのだから、それならば逃げた方が気が楽だ。
キラキラしているあのステージに上がるのは、アタシにはできない。
挑戦し、手を伸ばすことすらせず。
身の程知らずで。欲しがりで。甘ったれで。
自分を守れる安全なところからキラキラしているウマ娘を眺めるだけ。
自分はモブだから。できないから。いいよね、主人公さんたちは。キラキラしたレールを走るだけだから。
主人公は、生まれた時からキラキラしているんだ。キラキラし続けることが最初から決められているんだ。
アタシは、そう思い込もうとしていた。
だけど、トウカイテイオーは違った。
レースに勝つことができなかったとき。けがをしたとき。
それがツライのは、アタシと同じだった。
アタシと同じように、負けたら悔しいし、レースに出ることができずに泣くこともある。
でも、それでもなお、自分で立ち直れる強さをテイオーは持っていた。
――正直、怖い。
「勝つ」と宣言することが。そのプレッシャーと戦うことが。
でも。
弱音なんか言っていられない。
卑屈になんてなっていられない。
逃げている場合なんかじゃない。
――勝つ。
アタシは、そう宣言した。
トウカイテイオーに勝つ。キラキラウマ娘に勝つ。
自分を守るための言い訳を捨てた。
自分を逃すための道は無くした。
もし負けてしまったら?
…どうなるかはわからない。
でも。アタシは、前を向いて。前だけを向いていくんだ。
(初投稿なんですけど…設定は…これでいいのか…???)