GATE 勝った日本と負けた日本 彼の地にて、斯く戦えり【仮】 作:イキ過太郎
『総員、戦闘配置!!』
警報が鳴り、自衛隊、大日本軍共々慌ただしく動いていた
大日本軍の偵察機がアルヌスに向かっている帝国軍を見つけたからだ
「竜も居ると聞いたぞ!?防空は!?」
「エースパイロットのデルタ隊がやる、安心しろ!」
伊丹達は大日本軍の強さを再確認すると共に
軍人同士の信頼が高い事が分かった、背中を守ってくれる人が居るのは良いものだ、これが大日本軍の強さの秘訣だろう
噂では大日本側の門の近くにいた帝国軍をたった数十分分で全滅させたらしい
「自衛隊の皆さん!あと二分でコンタクトです!」
自衛隊の陣地に一人の軍刀を携えた若者が帝国軍の情報と共に入ってきた
「了解しました!あなたは?」
伊丹が疑問を投げ掛ける、入ってきた軍人は若く、一般人(体は軍人だが)に見える
「大日本軍特地派遣軍第1師団指揮官、階級は中将、船坂弘と申します、この戦必ず勝利しましょう!」
そう言い船坂中将は自分の陣地に戻っていった
「あんなに若いのに中将なのか・・・」
伊丹もこの前、異例の昇進で二尉になったばかりである
「それだけ優秀なのでしょう」
「先輩も負けてらんないすね」
「そうだな」
自衛隊は数少ない実践の緊張に震え、大日本軍は同胞を殺した帝国軍への怒りに震え、時間が過ぎていった
==二分後==
「帝国軍はまだか?」
「あと三十秒です」
『コンタクトォォ!!』
千里に渡るような大声と共に船坂弘指揮官は軍刀を引き抜き、帝国軍へ向けた
『我が大日本軍の威力を知らしめるのだ!!各員一層奮励努力せよ!!撃ち方始めぇー!!!』
「「「ウォォオオオオオォォオオオォオオ!!!!」」」
その直後、銃声と爆音がアルヌスの丘を支配した
ミシン縫いのような弾幕が帝国軍を遅い、帝国軍の軍人は次々と血煙と化して行った
「・・・凄い!!」
伊丹は感動する、明らかに自衛隊への攻撃の人員の三倍以上が大日本軍へ向けられているが、大日本軍は難なく捌いている
だがその時、急に大日本軍の弾幕が途切れた。
何事かと大日本軍の陣地を見ると複数人の何かをからった日本兵が居た。
その兵士は皆、『大日本陸軍』と書いてあるハチマキを付けていた。
「火炎放射!!よーい、てぇーーー!!!」
「ギャアアアア!!」
「熱いぃ!!助けてくれぇ!!」
大日本軍が放射したのは火炎放射器だった、あの軍人達がからっていたのは大方火炎放射器の燃料タンクだろう
「「「おぉ・・・」」」
自衛隊は顔を青くしていた、『火炎放射器』・・・戦争において非人道的だと規制が議論されている焼夷兵器の一種である。
というか特定通常兵器使用禁止規制条約において使用を禁止されている。
ここは異世界であるため、使っても諸外国の信用を無くすことはないだろうが、まさか使うとは思っても見なかった。
「左翼敵殺到!!」
自衛官の一人が叫ぶ、左側からとんでもない人数が攻めてきたのだ、人が人の盾となりジリジリと距離を詰められている
自衛隊は己を恥じた、隊員のほとんどが大日本軍に見惚れ戦闘の手を緩めてしまったのだ。
その時だった、どこからかロケットが飛んできたのだ
その攻撃により、自衛隊側の敵は全て全滅した
「どこからの攻撃だ?」
伊丹が近くの隊員に質問する
「あの人です!」
隊員が指を指す、そこにいたのはとんでもない高身長で筋骨隆々な男がロケットランチャーや対物ライフルをからい、さらには機関銃を何個も持っていた、とても人間とは思えない力だ。
「だ、誰だ!!」
自衛隊員の一人がその男に銃を向ける
「ま、まて撃つな!」
伊丹が静止する、がその自衛隊員は聞かなかった。
いや、おそらく慣れない実戦での興奮と恐怖で聞こえてないのだろう。
慌てて近くにいた隊員が押さえる。
その時、大日本軍もこちらの事を把握したのだろう、皆こちらを向いている。
だがどうも様子がおかしい、皆慌てて居るようだった。
大日本軍の特地派遣軍第1師団の中から、船坂弘指揮官が出てきた、船坂は謎の男に駆け寄った。
「いつでも撃てるようにしておけ」
伊丹は隊員に命令する
「おかしいスよ、船坂弘さんが下手にでてるっす」
「確かに・・・誰だろう?」
話し終わったのか、弘指揮官が自衛隊の方へ駆け寄って来た
「大丈夫でしたか?誰なんです?」
「えーーっと、そちらの国にも天皇陛下って居ますよね?」
「はい、もちろん・・・・って、まさか!?」
「そのまさかです、あのお方は我ら大日本国の天皇陛下です」
その情報を聞いた自衛官達は顔を見合わせる、そして見合わせること数十秒・・・・
『『『ええええええーーーーーっっっっ!!!!???』』』
自衛官達のすっとんきょうな声がアルヌスの丘に響いた
その間その天皇陛下は物珍しそうに目を輝かせながら特地の植物を採集していた