ライスシャワー×マンハッタンカフェ ウマ娘アンソロジー 作:ぴちかー党
そんなお話
6月中旬。春が終わり夏が来る、そしてその季節の変わり目に奴はやって来る
===トレセン学園 ライス・マルゼンのお部屋===
「も~。ライスちゃん、カフェちゃーん。マルゼンさんとっても暇なんですけどー」
「え、えっとライス達にそういわれても」
「・・・よろしければ・・・この本をどうぞ」
「違う、違うのよカフェちゃん。マルゼンさんは青空の下公道をかっ飛ばしたいの。かっ飛ばしたいのに・・・」
マルゼン姐さんは、恨めしげに空を見上げる。東京全体が梅雨入りとなった今週、毎日のように気まぐれな雨雲が関東を覆い、そして激しい雷雨となって降りそそいだ。
トレセン学園も例に漏れずその影響を受け、お出かけをする馬娘は目に見えてすくなっていた。
「そうよ。マルゼンさん良いこと思い付いちゃった」
「い、いいこと。ですか・・・」
「そう、オープンカーでもカッパを着て運転すれば濡れないじゃない!
それに、時速80Kmでかっ飛ばせば雨は入ってこないし、つまりそこまで雨を耐えしのげばいいだけよ」
「え、えぇ・・・あ、あの、事故とか起こりそうですし。ライスやめた方がいいと思う」
しかし、ライスシャワーの忠告むなしくマルゼン姐さんはカッパに着替え意気揚々と去っていく。
どうやら、本気で雨の中のカッパドライブを楽しむようだ。
「さぁ、マックイーンちゃんいくわよ~~」
「あ、あの。マルゼンさん、行くとは・・・どこへですの?」
「決まってるじゃない!ド・ラ・イ・ブ♪」
「嫌ですわ!まだ死にたくないですわー」
悲鳴に似たマックイーンの絶叫が虚しく学園寮に響き渡る。
ゴールドシップいわく「あんな、しんだ顔をしたマックイーンは始めてみた」といっていたそうな
ところで・・・
マルゼン姐さんが去ったあと、取り残されたカフェとライス。二人は梅雨を楽しむべくトレセン学園のとある教室に来ていた。
「う、うぅ~。ここ雨漏りがひどいね。
こういう所、修繕できないほど逼迫してるのかな?」
「・・・」
ライスの言葉が耳に入らぬほどカフェは何かに集中していた。
覗き混むと、どうやら鞄に詰めた空のクッキーだの、シーチキンだの、牛乳瓶などを真剣に眺めている
「・・・今日は、これとこれ。あとこれ」
「な、なにやってるのカフェちゃん?」
手に取った空き容器を丁度雨漏りの滴が垂れる位置においていくカフェ。
そして、それを設置し終わると彼女は窓に近付き景色を見始める。勿論ジェスチャーで{こっちに来て}とばかりにライスを手招きするのも忘れていない。
カフェの手招きに従い、隣に腰かけるライス。
そして、彼女と一緒に窓の景色を眺めるとそこには・・・
「うわぁ、きれい」
外出する馬娘達のさしている色・形・大きさが違う様々な傘が生き物のように移動している姿が見てとれた。また、そんな傘の群にポツリ、ポツリとカッパを着た馬娘の姿も見える。
そんな彼女達の傘とカッパ、そして中央広場の噴水。まさにそれは雨の日にしか見られない雨具の式典といっても過言ではなかった。
しばらく、その光景に見とれている彼女たちにふと・・・{ぴちょん}という音が入ってくる
先程カフェが設置したから箱にある程度水が満たされ、こちらもどうやら楽しげな演奏会を始めたようであった。
ーーーピチョン・かん・チャン・ぴちゅんーーー
滴り落ちる雨水の大きさ。高さ。容器。
その各々違いで多種多様な音色を見せるそれは、一つとして同じおとは存在し得なかった。
雨具の式典に雨水の演奏会。まさに、この時期にしかできない楽しみかたに二人の一日「あっ・・・」
というまにすぎていった。
こんな、一日が送れるならあめも悪くない。そう思うライスであった。
======おまけ======
タキオン・カフェのお部屋
「・・・あっ」
「どうしたんだい?カフェ」
「・・・忘れてた」
「何をだい?」
「・・・教室に・・・空き缶」
「うん?教室に・・・なぜ?」
===昨日の教室===
「こ、これは・・・教室にゴミ!!見過ごせません。この事態学級員長として、決して!!
風紀の乱れは、心のみだれ、いざ犯人探しにバクシーン」
オープンかーは時速80kmを越えると空気抵抗だか、空気の流れで本当にめがはいらないようです(とあるインターネット情報より)