ライスシャワー×マンハッタンカフェ ウマ娘アンソロジー   作:ぴちかー党

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 アグネスタキオン、彼女の至福の時間と言えば一つは勿論モルモット君への実験。
 そして、もう一つは・・・・そんなお話


アグネスタキオンの至福の時間

ある朝早く

うつくしい朝焼けの小雨の朝早く

夜行型の彼女にしては珍しく、いつも空を眺めている彼女よりも早起きしコーヒーの準備をしていた。

 

 

(さてと、今日ははどの豆を挽こうかな・・・)

 

 

 キッチンには人一倍コーヒーにこだわる、彼女お気に入りのコーヒー豆が保管された数々の円筒の筒。コーヒースコップを片手に、その筒を一つ一つ吟味している

 

 

(カフェと僕だけなら、やっぱりこれだけど・・・今日は彼女も招待している事だし、苦味の少ないこっちかな)

 

 

 筒の一つにスコップを突き刺し、コーヒー豆をミルに入れハンドルを廻していく。しだいに、コーヒー独特の、眠気が残る少し気だるい雰囲気をも一発で吹き飛ばす爽やかな、そしてコク深い薫りが部屋中に満ちていく。

 

 

(本当は焙煎からやりたいけれど、あれ系の機械はさっぱりわからないからね。今日はこれで勘弁してもらうとしよう。・・・っと)

 

 

 挽き終えるのを見計らったように、事前にセットしていた電気ケトルが沸き上がりを告げている。

 

 

(われながら完璧なタイミングだ♪さて、それじゃあ仕上げに取り掛かろう)

 

 先が細いケトルでお湯をコーヒー豆におとしていく。勿論ハンドドリップである。可愛らしい黒猫が描かれたコーヒーサーバーに、一滴一滴と黒々したやさしい雫がたまっていく。

 

(いつも思うけれど、出来上がりまでのこの時間は何とも退屈だね・・・かといってラボに戻って研究の続きをするには短すぎる。帯に短し襷に長しとは、こういうことをいうのかな?)

 

 

 なれない早起きをしたせいだろうか?小さく欠伸をした彼女がキッチンに備え付けの椅子でウトウトし始めている。

 

 

(おっと、ここで寝てしまっては今までの苦労が水の泡になってしまう・・・けれど)

 

「ふぁあっ・・・」

 

 何度目かの小さな欠伸を眠そうな顔で噛み殺したとき、キッチンに彼女の声が聞こえてきた

 

 

「・・・あなたが私より早く起きているなんて・・・珍しいですね」

 

「おはようカフェ。もう少しで完成するから、君はリビングでゆっくりとくつろいでいるといい。」

 

 

 3つ分のカップとソーサー。そして、淹れたての熱いコーヒーがたっぷり入ったサーバー。

それらを、手際よくカフェが待つリビングにセッティングしていく。そのうちの一つには雪のように白い角砂糖がたっぷりそえられている

 

 

「僕渾身の淹れたてだよ。さぁ一気に行ってくれ、グイッと!!」

 

 

 タキオンに渡された淹れたてのコーヒー。しばらく、それを見つめ彼女はそっと、小さく呟く

 

 

「・・・タキオン。もしかして、怪しい薬がこの中に入っていたりしませんか?」

 

「し、失礼だな君は!!僕はそんな姑息なことはしないさ。そういう実験をするときは、堂々とその効果を説明してから飲ませているんだ」

 

「・・・そう言われるとそうですね。では、いただきます。」

 

「どう?どうだい?僕がわざわざ早起きをして淹れたコーヒーの味は?」

 

「いつもより苦味が足りない気がしますが・・・これはこれでありだと思います」

 

「そうだろう♪さぁさぁ、まだまだあるんだ。たんとおあがりよ」

 

 

 カフェにお代わりの2杯目を注いでいる。

 そして、自分のコーヒーには手もつけず、彼女が楽しみながら飲んでいる姿をじっと、幸福そうな表情で眺めている。

 

 

「・・・そんなにじっと見られていると、とても気になるのですが・・・やはりクスリか何かがはいっているのでは?」

 

「本当になにもいれてないってば。案外疑い深いね。カフェ」

 

「どうして・・・そんなに笑顔で見つめているのでしょうか?」

 

「今この瞬間がとても幸せだからさ」

 

「・・・よくわかりませんが、そうですか」

 

 

 タキオンの返答に小首をかしげつつ、よからぬことを考えているわけでは無いことだけは感じとったのだろう。彼女がいれた2杯目のコーヒーを楽しんでいるようであった。

 

 そうして彼女達2人のゆったりとした時間が過ぎていき・・・

 

 

「あ、あの、失礼します」

 

 

 その声を聞き、タキオンは既に用意していた3つめの空のコーヒカップにコーヒーを注ぐ。

たっぷり盛られた角砂糖つきのそのソーサーにあるコーヒーカップに

 

 

「やぁやぁ、よく来てくれたね。さぁ遠慮せずに座ってくれたまえ。

ちょうどカフェのとなりが空いているんだ」

 

「か、カフェちゃん。おはようございます♪」

 

「・・・ライスさん。なるほど、ようやく今日のコーヒーの意味がわかりました」

 

「ふぇ、コーヒー?ど、どうかしたの」

 

「・・・いえ、ただの独り言です。」 

 

 

 カフェとライス。静かにそして楽しげに談笑する彼女達を、少しの間じっと見つめている。

タキオンにとって幸せの対象である、彼女達の微笑ましいやり取りを・・・

 

 そうして、充分に幸せな時間を満喫したタキオンが立ち上がり朝食の準備に取りかかる。

 

 

「カフェ、ライス。朝はトーストにしようと思うけど、ジャムとマーマレードどっちが好みかな?」

 

 

 トーストとゆで卵。少し質素な、しかしコーヒとは相性ぴったりの朝食の準備に。

早朝の小雨はいつのまにか降り止み、眩しい太陽のひかりが彼女達の幸せな食卓に華をそえている




 今回は若干タキオン視点で描いてみました

 ゲーム内ではアグネスタキオンの同部屋の住人にはなにも触れられていないような気がしますが、誰なのでしょう?
 やっぱり、カフェなんですかね?
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