ライスシャワー×マンハッタンカフェ ウマ娘アンソロジー   作:ぴちかー党

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ライスシャワーとマンハッタンカフェ
 今回はトレーニングのこともレースこともなにもかも忘れて、気の向くままにお散歩を楽しむことにしたようだ


ライスシャワー×マンハッタンカフェ お散歩日和

雲一つない晴天となったトレセン学園ある日の休日

正門広場いつものベンチに彼女達の姿が見えた

 

「あ、あの。カフェちゃん。今日のおでかけはどこにくの」

 

「・・・特に決めていない・・・天気もいいし、お散歩とか」

 

「カフェちゃんと二人でお散歩、うん。ライスとっても楽しいと思うな」

 

二人のお出掛けプランがきまり、足どり軽く学園正門を後にする

 

ところで・・・・・[散歩]この言葉を辞書で引いて見ると、

散歩:ぶらぶら歩きまわること。そぞろ歩きとある。

なるほど、まさに彼女達にぴったりの言葉ではないか

 

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 トレセン学園を出発した彼女達、カフェの足は自然と、ある場所に向かった。東京{柳橋}マンハッタンカフェがおすすめするお気に入りのノンビリポイントの一つである。

 前回同様、欄干に体を預け橋からの景観を眺める2人。休日とあって、橋を通る人々の波は中々のものであった。忙しなく往来する人波の邪魔にならぬよう景色を楽しむ彼女達、何故かその場所だけはゆっくりとした不思議な時間の流れを感じさせた。

 

「ふあー。ここの景色も綺麗だね。ライスいつまででもみれちゃうな」

 

「・・・少しうるさいけれど・・・ここも綺麗」

 

 交通量という点においては、前回のお気に入りポイントに分があるがここから見える{両国橋}そして西方から見える神田川が大川へそそぐ景観、川辺では子供達のすがたが、釣り人が、そしてその先には銭湯だろうか、大きな煙突が煙を吐いている

 

「・・・」

 

「・・・」

 

お互いに、思い思いの景色をしばらく楽しむ彼女達

 あまり口数が多いとはいえないライスシャワーとマンハッタンカフェ、恐らく往来する人々からすれば「あれの何が面白いのだろう?」ともみれなくもない

 

しかし、何かと共通点の多い彼女達にとっては、心許した?馬娘と時間を共有する。それだけで充分なのだ

 

 

どれくらいたっただろう、5分それとも10分。いやもしかしたら1時間か・・・

 暫くして、ふとなにかに気付いたマンハッタンカフェがライスシャワーの肩を指先で優しく、触れたかどうかすら怪しいくらいの強さで2度ほど叩いた、いや、やはり触れたといった方が正確だろう。

 

「・・・あの、ライスさん」

 

「ふぇ、ど、どうしたの。」

 

「・・・今回はお散歩が目的なので・・・行きましょう。・・・名残惜しいですが」

 

「あ、うん。そうだったよね。ライスも夢中なっちゃった。」

 

「・・・今度は・・・あのあたりお散歩しようと思うのですが」

 

 カフェの指差す先、そこはトレセン学園周辺随一の商店街。通称[青空商店街]であった。

 100mに広がるアーケード通りには、多種多様な地元の商工会による店舗が約50店舗。それぞれの店舗が専門店顔負けのラインナップを揃えている。それこそ、{おはようから、おやすみまで}全てをこのアーケードで完結できるといっても過言ではない。

 

 ここも、正にうってつけの散歩コースである

 

 

 

「す、すごいねカフェちゃん。美味しそうなお店がいっぱいならんでるね」

 

「・・・毎週来ているはずなんですが・・・何故でしょう。その都度新しい発見があるような気がします」

 

「ま、毎週来てるの?」

 

「はい・・・ここには行きつけのお店があるので」

 

「行きつけのお店、どこどこ?ライスも行ってみたい」

 

「・・・そうですか・・・でしたらコーヒーブレイクにしましょう」

 

 

===カフェお気に入りの喫茶店内===

 

「・・・マスター、いつものお願いします」

 

「はいよ、そちらのお嬢さんは」

 

「えーと、えーっと・・・(メニューが多くて目移りしちゃうな。あれもあれも、これも美味しそう。きめられないよ)か、カフェちゃんと同じものでお願いします」

 

「はいよ、じゃあちょっと待っててね」

 

 そういうと、いかにもな雰囲気を醸し出している老練なマスターが豆筒にスコップ(名称不明銀色のやつ)を入れる。

そうして、取り出した豆を引き機にいれ先程とは、別の筒からまた豆を取り出しそれも機械へいれる。

どうやら、カフェの注文している「いつもの」というのはブレンドコーヒーらしい。

店内に芳ばしい香りでみたされる

 

「うわぁ。いい香りだねー」

 

「・・・挽きたての香り・・・とっても落ち着く」

 

「はいこれ、いつもの。マスターからのサービス」

 

「・・・ありがとうございます」

 

「これは?コーヒ豆がお皿に・・・?」

 

「・・・いただきます」

 

「へ、カフェちゃん!(コーヒー豆をそのまま食べちゃった)」

 

「・・・ライスさんも・・・はい。あーん」

 

そういうと、一粒の豆を掴みライスシャワーの口に運ぶカフェ 

 以外に知られていなく、あまり生で食べる機会には巡り会わないが食べてみると以外と美味しい。

 意外なことに、豆によっては苦味や酸味より甘味が強い豆もあるのだから不思議である。もちろんお腹は壊さない。

 

「お、おいしい・・・でもちょっと苦いね」

 

「・・・この苦味が・・・味を引き締めてとってもおいしいコーヒーになるの

・・・それから」

 

(あ、ライス知ってる。これ絶対長くなるやつだよね・・・寝ちゃわないようにが、頑張らなきゃ)

 

 地雷を踏んでしまったことを察知し覚悟を決めたライスシャワー。しかし、そこに思わぬ助け船が入った。

 

「でも珍しいね、カフェちゃんが友達をつれてくるなんて」

 

「・・・はい。今日はライスさんとお散歩に・・・お散歩。そうでしたまた忘れるところでした

・・・そろそろお散歩を再開しないと。ご馳走さまでした」

 

「ご、ご馳走さまでした。あの、ありがとうございます」

 

 

そういうと、去り際にペコリと頭を下げるライスと{グッドラック}の身振りで応えるマスター

そんなこんなで、彼女達の商店街散歩はまだまだ続く。

 

・・・・ところで、散歩の醍醐味と言えば、やはり「何も彼も忘れて、フラフラと三時間ほど歩いてみよう」これにつきる。

 さらにいえば、そこから自分が気に入った心休まる {とっておき}場所を一つでも二つでもさがしだすことが出来ればいうことはない。そして、そんな{とっておき}がいたるところに存在するマンハッタンカフェはまさしくお散歩マスターといえるだろう。 

 

 

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

 

 

カフェの両耳がはっきりと何かに反応し立ち止まる

 

「か、カフェちゃん。大丈夫?気分でも悪くなっちゃった」

 

ライスの問いかけには答えず、じっと聞き耳をたてている。

 

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

 

一定の間隔で規則正しく聞こえてくるなにやら心地のよい音、カフェはそれの発生源を探すため辺りを見回し、発見する。

 

「・・・ライスさん・・・あれは?」

 

「あれ?あ、何か新しいお店を建ててるみたいだね。何ができるのかな・・・ケーキ屋さんだったりしないかな」

 

カフェが耳にした音の正体。

それは、鳶職が材木加工に用いる{カンナ掛け}の音であった。

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

一定の間隔で生まれる、心地のよい音と紙のように薄いおが屑

 

遠巻きに、その様子をうかがっている彼女達。

すると、それに気付いた施工主らしき老夫婦にこやかに手招きをしているではないか。シャワーとカフェはいかにも「どうしようか?」とでも言いたげに顔を見合せている。

そして、どちらともなく頷き老夫婦のもとに行き間近でその様子を観察することに決めたようであった。

 

「あ、あのこんにちは・・・」

 

「はい、こんにちわ。その制服、近所の・・・なんといったかな?とれ何とかの学生さんかね」

 

「ライスシャワーっていいます」

 

「・・・マンハッタンカフェです」

 

「まぁまぁ外国の学生さんですよ、お爺さん。」

 

「よかったら、ゆっくりしていきなさい。婆さんお茶頼むよ」

 

「はいはい・・・。」

 

彼女達を縁側にまねいれるお爺さん、そして奥に消えていくお婆さん

やがてヤカンと4つ分のコップをもってやってくる。

 

「あ、あのー、えーと」

 

「はい。むぎ茶お嫌い?」

 

「・・・いただきます」

 

「い、いただきます」

 

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

その間にも黙々とカンナ屑や木屑を撒き散らしなが余念なくはたらき続ける

 

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

その心地よい音を耳にしながら、お爺さん達との会話に花咲かせる彼女達。

しばらくたったあと、老夫婦は「遠慮なくゆっくりしていきなさい」という言葉とともに、縁側を離れ

職人さんと何かを話し合っている。

 

 

 

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

しゅるっ・・・しゅるっ・・・

いただいた麦茶を飲みつつ彼女達は、その音を暫くし聞き続けた

 

「す、すごいねカフェちゃん。いつままでも見てられちゃうね」

 

「・・・ああいうのを職人技というのでしょうか」

 

「ライスもいっぱいトレーニングしてあんな風にお客さんを満足させる走りができるといいなー」

 

「・・・カンナをかけながら走るということでしょうか?・・・少し走りにくいような気もしますが」

 

「う、うーん。ライスどれは違うと思うんだ」

 

ライスシャワーとマンハッタンカフェ二人の休日はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

おまけ

 

「ふぁあ・・・カフェちゃん。その麦わら帽子とってもにあってる。かわいいなー」

 

「・・・似合っている・・・可愛い、よくわかりません」

 

青空商店街、{じゃば座hat}ここは文字どおり帽子の専門店である。

 店主曰く「うちで見つからない帽子なぞありはしない」という自信ぶりからもわかる通り、そんじょそこらの百貨店では太刀打ちできない品揃えである

 

 さらに、品質にもこだわりがあり、某安かろう悪かろう産の帽子は一切ない徹底ぶりである。彼女達は外出の最後に、ライスシャワーの新しい帽子を選んでいた。

 

「カフェちゃん。一緒にこれ買っちゃおう、ライス明日のレースで二人でおんなじ帽子で出場したいな」

 

「・・・ライスさんと一緒の帽子・・・わかりました」

 

「やったー」

 

「それではこれと、あとこれを買うことにします」

 

「え、ええー。カフェちゃんがハンチング帽子・・・ちょっと想像できないや」

 

「・・・いえ、これはタキオンさんへのお土産です」

 

 そういうと、彼女は麦わら帽子と一緒に、黒一色のハンチング帽をレジにおく。

確かに、タキオンならば似合うであろう。勿論、その帽子を被るかどうかは別の話である。

 

「お土産かー。じゃ、じゃあライスもマルゼンさんにもタキオンさんと同じ帽子を買ってかなきゃ」

 

そういって、ライスシャワーもハンチング帽子を購入し帰宅した。

お土産を渡された馬娘達の反応はまあ概ねこんな感じである

 

===タキオン・カフェのお部屋===

 

「・・・ただいま」

 

「やあ、カフェ今日のお出掛けの具合はどうだったんだい・・・っとこれは?」

 

「・・・お土産」

 

「ふーん。ハンチング帽ねぇ。まぁ、被ることはないだろうけど気持ちは受け取っておくよ」

 

 

===ライス・マルゼンのお部屋===

 

「も、戻りました」

 

「まぁ、やっと帰ってきたのー。ライスちゃんが居なくて寂しかったんだから」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「じょうだんよ、じょーだ・・ん?これは?」

 

「マルゼンさんにお土産です」

 

「本当に?嬉しいわ~。明日のレースはこれを被ってかっ飛ばすわよー。ライスちゃんありがと」

 

 

===翌日とあるG1レース===

 

「さぁ始まりました、本日のG1レース。いま各馬娘ゲートに入っていきます」

 

「今日のレースは馬娘の調子をみると、1着はマルゼンスキーとアグネスタキオンこの馬娘に絞られると思いますね。」

 

 実況、解説が各馬娘のゲートインを前に本日のレースの仕掛けどころ、戦略等をしゃべり終える。そして各ゲート番号、馬娘の紹介が始まった。

 

 「さぁ1番ゲートはハルウララ」

 「この芝コースはなかきびしいですよ、それに最後まで体力が持つでしょうか」

 

 「2番ゲートにサクラバクシンオー」

 「この長距離ではレース結果よりも序盤の爆進に期待したいですね」

 

 「3番ゲートはセイウンスカイ」

 「実力は1番、2番人気にひけはとらないですからね」

 

 「4番ゲート、来ましたゴールドシップ」

 「この馬娘だけは全ては神のみぞ知るですね」

 

 「そして、来ました一番人気マルゼンスキー」

 「うん?あんな帽子いつもつけていましたかね」

 

 「そして、おや?アグネスタキオンも」

 「ほーペアルックですか。これは以外ですね」

 

そんなこんなで始まったG1レース。

劇走の結果マルゼンスキー、アグネスタキオンの同着1位に終わった。

 

このレースを目撃した観客・解説いわく

「あんなに真剣なタキオンは初めてだ」いわれていたそうな

 




ここまで読んでくださりありがとうございます。

次回は、マルゼン姐さんをもっと2人の間にはさめていけたら面白いかも知れないと思っています。
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