ライスシャワー×マンハッタンカフェ ウマ娘アンソロジー 作:ぴちかー党
「行こうぜ!!カフェ、ライス」
ここは、トレセン学園噴水前広場。いつも通りの休日外出へ繰り出すカフェとライスを待ち構えていたゴールドシップ。半袖短パンに麦わら帽子というどうみても近所の虫取少年にしか見えない出で立ちであり。ご丁寧に右手には虫取網までにぎらていた。
「あの、ゴールドシップさん。い、行くって何処へでしょうか・・・?」
「決まってんだろ!クラムボン探しだよ」
「・・・もしかして、童話に出てくるあのクラムボンのことですか?」
訝しげな表情を作りカフェが静かに尋ている。無理もないだろう、クラムボンは童話上の幻の生物。捕まえるどころか、発見することも不可能ないわばツチノコのような存在なのだ。
「ゴールドシップさん、その、クラムボンは童話上の生き物だから捕まえるのは・・・ライス、難しいと思うんだ」
「・・・クラムボンは童話だと海に生息するはずですが、何故虫取網を持っているのですか?」
「うむ、よくぞ聞いてくれた。ライス、クラムボンって5回言ってみ?」
言われるがまま、律儀に指折り5回早口言葉のように{クラムボン}を連呼するライス。そして、それが言い終わると満足そうな顔でゴールドシップが持論を展開する。
「なっ?だんだんクワガタに聴こえてくるだろ?」
「いえ・・・全然聞こえません・・・」
「ライスも聞こえないと思う」
「・・・それに、確かクラムボンは蟹さんが水中から眺めた生き物だったはずです。何故クワガタなのでしょうか?」
「それは、あれだ。きっと水中から見たクワガタの様子だったんだよ。」
「で、でもクワガタさんは、カプカプなんて鳴かないよ」
「それはだな、クワガタってあのデカイ口についてるハサミを擦り合わせるだろ?そん時の音のことだぜきっと」
「・・・それは、かなり強引な解釈だと思うのですが」
カフェとライスが童話に出てくるクラムボンの描写を必死に思いだし、その描写一つ一つをクワガタに当てはめてみる。しかし、腑に落ちない点が多すぎた。そんなカフェとライスに構わずゴールドシップは持論を展開し続ける。
「それに、ほら確かクラムボンが殺されたってあるだろ。あれってクワガタ同士で縄張り争いしてたんだって!!」
「そうなのかな?カフェちゃん」
「・・・わかりません。ですがこう自信をもって力説されると、もしかしたらそうかもしれないと思ってしまえるところが不思議です」
「だから、絶対そうなんだって!!最後らへんにあっただろ、蟹達がクラムボンが殺された理由がわからない。ってシーン、あれは空中戦繰り広げながらああまでして戦う理由がわからないってことだよ」
「う~ん・・・ライスよくわからないや」
自身の持論に満足したのだろう。これでこの話は終わり!とでも言うように大きく手のひらを一回叩くと、カフェとライス2人の手を強引に引っ張りトレセン学園の裏庭、アプリではお馴染みの継承広場にある大きな御神木まで連れていく。
「ヨッシャ!!いっくぞー。デリャ♪」
いかにも楽しそうな気合いのもと御神木に特大の一蹴りを放つゴルシ。その一激により、御神木の枝葉が大きく揺られ・・・
「大漁じゃー♪」
「ひゃい、虫さんが一杯降ってくるよ~」
「・・・私達は退避していましょう」
雨のように降ってくるカブトやクワガタ。そして、それ以外のあまりお呼びではない昆虫の数々。虫嫌いがその場に居合わせれば卒倒してしまいそうな光景の中ゴールドシップのクラムボン採集は日が暮れるまで続いた。
=======オマケ=======
ゴルシ・マックイーンのお部屋
「あれ?っかしーな・・・一匹足りねえぞ」
「どうかしましたの、ゴルシさん?」
「それがよ。今日捕まえたクラムボン2号が脱走しちまったんだよ~」
「クラムボン?ってあのクラムボンことですの」
「そうなんだよ。どこ消えたかなークラムボン2号・・・ん、おっそんなところに!!クラムボン2号はマックイーンになついたみたいだな♪」
「え、あの、それって・・・。きゃーどうして私の衣装に虫がついてますの!ゴルシさん早くとってくださいまし」
「いや、虫じゃなくてクラムボン2号だから」
「そんなの、どうでもいいですから早く何とかしてくださいませんこと!!」
クラムボンがどんな生物か。それは童話を作った作者にしかわからない。