ライスシャワー×マンハッタンカフェ ウマ娘アンソロジー 作:ぴちかー党
そんなお話
楽しげにエプロンを身に付け、キッチンに立ち最後の仕上げにかかるマルゼン姐さん。
ことん、ざくざく、じゃじゃじゃっ、ぼわん、などなどキッチンから聞こえる音に自然ライス達の期待も高まる。合間にパタパタと可愛らしい音がはさまり、その度にパタンと、冷蔵庫のドアが開け閉めされたり、ごとごと、と戸棚からなにかを取り出す音が聞こえてくる。
「はーい。マルゼンさん特性小鍋だてのかんせーい」
そういって、4つ分の卓上コンロとこれまた、4つ分の鍋。そして材料を載せたお皿をセッティングする。
「ずいぶん小さい鍋だね。一人分位しかないじゃないか」
「・・・底が浅い・・・お野菜を入れたらすぐ溢れちゃいそうです」
「そうよー、本来小鍋だては一人で楽しむお鍋なの。でも今回は・・・皆でお鍋を楽しむためのルールをせっていしまーす。」
「る、ルールですか」
「そうよ。ライスちゃん、そのルールがこちらになりまーす」
用意していた雑用紙を3人に渡すマルゼン姐さん。そこには以下のようなことがかかれていた。
ルール1:3種類以上の具材をいれるのは×
お鍋にいれる具材は2種類におさえるように♪
ルール2:自身で作ったお鍋は食べることができません。
相手の気持ちになってお鍋の具材をチョイスするように♪
ルール3:具材の入れすぎは×
具材がなくなったお鍋はすぐさま、そのお鍋を作った娘が補充するように♪
ルール4:最後に、投票を行い一番美味しい小鍋だてを作ってくれた馬娘にはマルゼンさんからごほうびが。
そして、一番重要なルール5!
呑んで、はしゃいで、歌って、踊れ!思いっきり楽しむこと♪
いつの間にか人数分のグラスを出し終わり、マルゼン姐さんは適当に飲み物を注いでいった。
「カフェちゃんは・・・はいとりあえずお茶でいいかしら?」
「・・・ありがとうございます」
「はいライスちゃん」
「す、すみません」
「はい、タキオンちゃん」
「どうして、僕だけアルコールなのかな?」
「決まってるじゃない、飲み仲間がいないと楽しくないもの」
「やれやれ・・・じゃあ、一杯だけ付き合わせてもらうよ」
「そうこなくっちゃ♪それでは、かんぱーい」
マルゼン姐さんの音頭をかわきりに、それぞれが思い思いの{小鍋だて}を作り始める。
一口大にカットされた色とりどりの野菜に、魚、肉。そして小鍋だてとは切っても切れない{出汁}の種類もこれまた豊富。かつお節・昆布・椎茸・煮干に焼きあごまで。さすが「誰かがいれば張り切って料理を作る」と豪語するだけはあるマルゼンスキー姐さんである。
「・・・タキオンの小鍋お豆腐ばっかり」
「仕方ないだろう。鍋といったら豆腐、豆腐といったら鍋。豆腐こそが最高の具材なんだから」
「ふ、ふぁあ~。お湯で湯がいてるのにこんなにシャキシャキ・・・レタスってすごいですね。」
「ふふっ。以外に知られてないけど、案外食間が残るのよ。チャーハンとかに入れても美味しいんだから」
「チャーハンですか」
「今度つくってあげるから、楽しみにしててねライスちゃん」
「は、はい。マルゼンお姐さまが作るチャーハン・・・たのしみだなぁ」
「ところで、カフェ・・・君の小鍋とっても黒いんだけどもしかしなくてもコーヒーを入れたね?」
「・・・美味しいと思う。召し上がれ」
「僕は全力で遠慮しておくよ」
4つの小鍋に野菜や肉、魚等をざっと煮ては小皿へ取り、柚子やポン酢お好みの調味料をかけて食べる。
小鍋ゆえ、火の通りも早く、つぎ足す出汁もたちまちに熱くなる。これが小鍋だてのよいところだ。
次第にライスとカフェの小鍋は豚肉のロースの薄切りにほうれん草のような常夜鍋に
タキオンとマルゼン姐さんの小鍋はちりれんげで掬った貝柱を、ちりれんげごと小鍋へ入れたものや、牡蠣などの、どちらかと言えば酒のお供に相性ぴったりの小鍋へと変化していく。
それぞれが思い思いに作った{小鍋だて}を思い思いに食べ比べる。彼女達にとって{口福}で{幸福}なひとときは、まだ始まったばかりである
とある書籍で初めて知った小鍋だて。
機会があれば是非やってみたいですね
*土日分のストックが尽きたため、また来週まで更新はない見込みです。
申し訳ありません
やはり、土曜日で2話、日曜で2話位が限界のようです