待ちに待ったこの日がやってきた。タイタンとその友人クイーン・デンドロビウムは少ない例外であったが、多くのウマ娘達にとってはここからが始まりであり、これからを占う大事な日であった。
「いやぁ、遂にこの日が来ちゃいましたねぇ!」
「貴女も私もトレーナーはもう決まってるでしょ。」
「そうは言うけどさ、同期の娘達と走れるってワクワクしない?」
確かにタイタンにも分からない感覚では無かったが、そもそも才能が無いと言われていたタイタンにとっては憂鬱な気持ちの方が強かった。
「分からなくはないけど…。」
「ま、ま、ターフで会いましょ?」
そう言って、デンドロビウムは離れていった。きっと、他のウマ娘の所へ行ったのだろう。彼女は友人が多い。
一人残されたタイタンは伸びをして、ストレッチを始めた。レースの順番はまだだが、走れるように備えておいて損は無い。
「あれがメジロの…。」
「思っていたよりも…。」
一人になると耳に入ってくる声、声、声。称賛の言葉も有れば、良くない言葉も有る。メジロの名前が彼女を目立たせていた。
「…。」
レースまで一人、時間を待つしかなかった。
選抜レース。第17走目。遂に走る時が来た。今までは殆どあの優駿達が相手だった。他の娘達と本気で走るのはこれが初めてかもしれない。そう思いながらゲートに入る。
音が消えた。
ガタン
ゲートが開く。タイタンは弾かれるように飛び出した。今回は追い込みでいく。逃げや先行でいくべきだったが、才能豊かな娘達が多かったので作戦を変えた。
ぐんぐん先頭集団が離れていく。まだ、始まって300m程。2000mのレースでここまで差が開くとなるとペースが早すぎるか、後続集団が遅すぎるか。周りの娘達を見る。デンドロビウムは先頭集団の後ろに着けている。周りのペースは遅くは無さそうだ。ならばやる事は一つ。待つ事。前に構って足を使う必要は無い。
1000m地点を越えた。まだ、半分。やっと半分。先頭集団のペースが落ちてきたのか、後続集団との差が近くなってきている。デンドロビウムはまだまだ余裕の表情。しかし、他の先頭集団の娘達は辛そうな顔をしている娘達が多い。後続集団の娘達は前程ではないが、余裕はそこまで無さそうだ。
"揺さぶりを掛ける"
足は残っているし、デンドロビウムはまだ先にいる。これ以上は置いていかれる。あの娘は速い。しかし敢えてハナを取らず先行策で走っている。
あの娘はそういうウマ娘だ。
本気で走るなら前目の先行策、やる気が無いと爆逃げ。何時でも全力だが、本気で走る事はあまりない。しかし一位は誰にも譲らない。
才能有る者にだけ許された傲慢で我が儘な走り。
そのデンドロビウムが、先行策なのに集団後方に居る。
"遊んでいる"という事実が面白くない。故にロングスパートを掛けた。周りも含めてどよめきが起きる。重賞レースならそんな展開も有るかもしれない。しかし、これは選抜レースなのだ。それを実行出来る実力の有るウマ娘などどれ程居ようか。
「勝負よ」
心の中で宣戦布告する。デンドロビウムも待っていたとばかりにロングスパートを掛け始めた。それが切っ掛けとなりレースは完全に崩壊した。タイタンとデンドロビウムの一騎打ちとなった。他のウマ娘達は二人の四馬身後ろを追いかけている。デンドロビウムとタイタンが並んで走る。
残り300mを切る。更に末脚を使う。デンドロビウムも更に加速する。
そして、二人がトップスピードに乗り切る前にレースは終わった。
結果は語るまい。デンドロビウムが笑っている。つまりはそう言う事だ。
二人は数多くのトレーナーに声を掛けられた。そして浦木トレーナーからのスカウトを受けた。
ここからが本当の意味でのスタート。タイタンにとって波乱の三年間の幕開けとなる。
早く終わらせると言ったな、あれは嘘だ。
書いてて思いましたが、デビューをマックイーンと合わせなくても良いなコレ。
方針転換してこのままデビューさせます。(鋼の意思)
タイタンちゃんそこそこやってるやんとお思いの兄貴姉貴達。
彼女の才能をゲーム的に言うなら、芝、ダートB。全脚質Bで賢さと根性が高めの他ステは低めな感じです。
何でも出来る器用貧乏なので、今回みたいな初見殺しならともかく対策されたり、適正の噛み合った走れるウマ娘相手だと勝てないのです。
これはメジロ家でのマックイーン達の教練において、様々な脚質での走りを出来る当てウマ娘としてタイタンちゃんが調↑教↓された結果です。
元々そんなに走れるウマ娘では無かったのをここまで育てたメジロはやはり名家。(称賛)
そのせいで全て狂ってるのでやはりメジロは悪魔。(手のひらクルクル)
まだまだ繁忙期が続くので更新は遅いです。
許して。