朝が来た。学校が終わればまた、メジロ家へ出仕しなければならない。正直、手のかかる従妹の相手ばかりは飽きる。たまには学校の友達と遊びたいと思う。しかし、与えられた仕事はこなさなければならないし、懐いてくれているマックイーンの事を思えば悪い気にはならなかった。
学校が終わり、皆が下校する。私はそのままメジロ家本邸まで歩く。最初は一度帰宅してから出仕していたのだが、お嬢様たっての希望により下校後は帰らずお嬢様の部屋まで出向くようになっていた。
「お嬢様、タイタンが参りました。」
「待っていましたわお姉さま!」
儀礼的なやり取りの後、部屋へ入る。また、学校での話しを求められるのだろう。身長はマックイーンとあまり変わらないが、年上な私の話はマックイーンにとっては興味深い話ばかりなのだろう。
「今日もお話を聞かせて下さいまし。お姉さまのお友達のお話が聞きたいですわ。」
「クイーン・デンドロビウムのお話ですか?いかに彼女と言えども、そう毎日おかしな事をしている訳ではありませんよ?」
「その方もウマ娘なのでしょう?私、メジロのウマ娘以外の方には会った事が無いので…」
「であれば、今日はこのような事が…」
楽しい時間というものはあっという間に過ぎていくものである。だから、気が付いた時には終わっているという事は良くある事だ。
ボーン、ボーンと振り子時計が時間を伝える。それは二人がさようなら、また明日をする時間。全国の子供達が等しく共有する時間であった。
「もうこんな時間…。もっとこの時間が続けば良いのに…。」
「マックイーン、また明日会えるわ。それに、ずっと一緒だと疲れちゃうわ。」
「お姉さまと一緒の時間ならそんな事無いわ。」
「それは今だから言えるの。」
二人の時間。この時だけはタイタンとは別にいる付き人も席を外す。それはマックイーンがマックイーンとしていられる時間を邪魔してはいけないという気遣い、メジロの一族の期待を一身に背負うマックイーンへの優しさであった。タイタンもそれに気付いていたから、この時だけは口調を崩す。彼女にとって嫌いな相手の一人であっても、自分に懐く妹分を邪険に扱う事は出来なかった。
「お姉さまもここに住めば良いわ!おばあ様に言えばきっと許して下さるはずですわ!」
それはそれとしてとんでもない事を宣う妹分に辟易しつつ、何時もの口調で話す。
「お嬢様、ここはお嬢様だけの家では御座いません。
いかにお嬢様のお願いでも、御当主様はお許しになられないでしょう。」
「都合が悪くなるとそういう話し方をするお姉さまは嫌い…。」
「分かってマックイーン。そういう訳にはいかないの。また明日会いに来るわ。それに明日はメジロドーベル様が来るのでしょう?楽しみにしていたお茶会も有るのよ。なら、楽しみはとっておかなくちゃ。ね?」
駄々をこねてむずるマックイーンを抱きしめ、諭すように話す。自分に妹が居ればこんな感じなのかと思いつつ、話し続ける。
「貴女は良い娘だから分かるでしょ?また、明日。ね?」
その姿はまるで姉妹というよりは親子のようであった。
それはマックイーンが何処かに置いてきてしまった"何か"をタイタンに求めた結果なのだろう。
さようなら、また明日。
マックイーンが知らずの内に求めていた温もりは明日までお別れとなった。
パパ~!(唐突な親子要素)
あっ…そうだ、おいドーベル。お前マックイーン達が遊んでる時チラチラ見てただろ?
手(友達の輪)を入れる専門家を呼んでやるからお人形持って神妙に待て(脅迫)
頂いた感想の情報から親子要素をブチ込んで見ました。
プロットなんて有ってないようなモノだから仕方ないね。