この一走に全てを駆けた   作:デーニッツ

8 / 19
今日も気持ち良かった(意味不明)ので初投稿です。

プロローグでの誤字報告兄貴姉貴ありがと茄子!

今回は(レースの描写が)有りまぁす!
(クオリティは)ナオキです…。


第六話~追いすがる者~

 今日の教練はマックイーンとの合同教練だった。いつもならそこにドーベルが加わる所だが違った。メジロタイタン、最近マックイーンに付いた世話係が一緒になるらしい。話を聞くところによると、ウマ娘としてはそこまで期待の持たれる実力は持っていないらしい。マックイーンの"お願い"で急遽参加する事になったという。マックイーンやドーベルが仲良くしている様だがそれが何だか面白くなかった。きっと嫉妬なのだろう。

 

 

 

 フォームの指導と基礎トレーニング、そして並走。私とマックイーンには慣れたものだった。しかし、メジロタイタンは違ったようだ。まぁ、マックイーンの付き人だというのだから当然だろう。私も初めの頃は辛かったが、この程度は準備運動だ。

 

 

「ゴホッ、ゴホッ…。ヴッ。」

 

淑女としてはかなりはしたない声を出しながら息を整えているメジロタイタンに、そのガッツを認めて顔をかけようとしたところでマックイーンが先に声をかけた。

 

「大丈夫ですか?お姉さま?」

 

「…ご心配には及びません。」

 

その様子を見て私は不機嫌になった。やはりこいつは…。

次の教練はミニレースだ。そこでこいつを潰す。

 

 

 ゲートに入る。この瞬間が好きだ。周りの全てが静まりスタートの一瞬の為に世界から切り離される。

 

 ガタン

 

ゲートが開き、私を含めた三つの影が飛び出す。

 

ハナを取ったのはメジロタイタンだった。その後ろに私が付き、マックイーンが並ぶ。このレースの距離は2000m。このままタイタンを先頭に走らせ、疲れた所を抜き去ってやる。恐らくマックイーンも同じ戦法を取る筈だ。

 

最初のコーナーが迫ってくる。タイタンはまだ、速度を維持したまま走っている。レースの駆け引きが分かっていないな…。外側に膨らんでいく。あえてマックイーンを先に行かせる。差しの私が此処でハナを取る意味は薄い。

マックイーンが減速する。私も合わせて減速し、足を溜める。タイタンが後ろに沈んでいく。横目にタイタンを見ながらマックイーンへ集中する。やはりタイタンはレースに、いや"走る"事に慣れていない。

 

二つ目のコーナーを過ぎ、再びの直線。私とマックイーンの一騎討ち。しかし、まだ距離は半分以上残っている。足を溜めつつマックイーンにプレッシャーを掛ける。まだだ、まだ競り合う所ではない。マックイーンが少しスピードを出した。こちらの戦法を崩すつもりか。挑発にのってやろう。離れ過ぎない程度にこちらもスピードを出す。

タイタンの事が頭から抜けていた事に気付き、一度後ろを振り返る。4バ身程後ろを走っている。かなりヘロヘロな様子だ。あの状態ならもう追い付いては来ないだろう。前を向きマックイーンに再度注意を向ける。

 

三つ目のコーナーに差し掛かる。此処が勝負の仕掛け処だ。徐々にスピードを上げ、2バ身先を走るマックイーンへプレッシャーを掛けつつ前へ出る。四つ目のコーナーが見えてきた。マックイーンとは半バ身差だ。このまま直線へ向けて競って行く。そこで後ろから何かが追いかけてくる予感に襲われた。後ろにはタイタンがいる。しかし、かなり後ろの方にいる筈だ。マックイーンも何かを感じたのか更にスピードを上げた。

 

最後のコーナーを抜け、最終直線に入る。

また、プレッシャーを感じた。そして、重圧への恐怖は驚愕へ変わる。メジロタイタンが横にいた。

そして、驚愕は恐怖へ再び塗り替えられる。タイタンが大きく見えた。マックイーンも同じ事を感じたのが更にスピードを上げていく。しかし、完全にペースを崩された。

気付けば私もマックイーンもタイタンに抜き去られていた。

 

結局、レースの結果は1バ身差でタイタンが一着、私とマックイーンが同着で二着となった。

 

教練の後、私はメジロタイタンへ声をかけた。

 

「本当に、レースは初めてだったの?」

 

「私はメジロマックイーンお嬢様のメイドですから。」

 

「…。次は負けないから。」

 

握手をしてその日は終わった。

以後、私は何かとタイタン姉様と勝負をするようになった。タイタン姉様は何時でも全力で返してくれた。レースでも、勉強でも。あの二人が姉様を慕う理由が分かった気がした。

 

 

 

 

 

 きっと私達はあの人に目を焼かれてしまったのだろう。だから、あの人の本質に気が付く事が出来なかった。タイタン姉様が抱えていたモノに気付かず背負わせてしまったのだ。だから、あんな事になってしまったのだ。

 

 「憧れとは、理解から最も遠い感情だ」

 

何処かで聞いた台詞が頭をよぎった。

私達に出来る事は何だろうか。

 

こんな時に限って、プロメテウスの知恵を授けてくれる人は遠いところにいる。

 




メジロライアンはこんな娘じゃないという兄貴姉貴、ごめんなさい。
これは私の解釈、あるいは別世界線のメジロライアンだと思って頂ければ。

因みにタイタンちゃんがレースに勝てた理由は根性です。
まだまだ身体も出来ていない時期なら何とかなるかなぁって。(小心者)

つ↑ぎ↓は総裁とのお話になります。
そろそろ雲行きを怪しくなっち、雲行きが怪しくなった、怪しくするんだよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。