モンスターハンター 〜狩場に駆け出す一人の双剣使い〜   作:団子狐

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狩場に駆け出す者

 モンスターハンター…それはモンスターを狩る者たちの名称。

 

 強大なモンスターに武器を片手にハンターは英雄の様な存在だ。

  だが、そんな彼らは初めから強力なハンターでは、無い。

  ハンター達にも『駆け出し』という成長段階の時期がある。

 ハンター達はこの『駆け出し』の時期に狩場であらゆる事を学び、出会い、新発見をして…強力なハンターへ至る。

 

 これはハンター達の駆け出しの物語。

 

 

 鉄鉱石やファンゴの毛皮などを使って作られた装備、ハンターシリーズを見に纏い、二本の剣…双剣を背中にハンターズギルドに向かう彼女もハンターだ。

 彼女の名前はカエデ。ベルナ村で一ヶ月前にハンターになったばかりの新米ハンターの一人だ。

 

 「カエデさんおはようございます! 今日も狩りですか?」

 「……これ、受けられる?」

 

 カエデが受付嬢に見せた依頼は森丘に現れたドスランポス討伐の依頼書だった。

 

 「ドスランポスですか…いつも通りソロで?」

 「…」(コクリ)

 

 カエデはこの一ヶ月間、依頼料金が高い小型モンスター討伐依頼だけを集中して狩りを行っていた。

 

 「新しい食材…運搬の邪魔になってると知ったから…受ける」

 「な、なるほど〜でも他のハンターさんと組まないのですか?」

 「…組みたいと思える、人が此処にはいない」

 「そ、そうですか」

 

 受付嬢が依頼の受理するとカエデはハンターシリーズを着込んで双剣のツインダガーを背中に狩場へと向かった。

 

 森丘

 

 ドスランポスが現れた事により、ランポス達が殆どのエリアにいたが、カエデはある程度のランポスの数を減らしながら、ドスランポスの元へ向かった。

 

 『ギャオオオ!』

 「お前が…ドスランポス」

 

 カエデは納刀していた双剣を抜き放ち。

 目の前にいるドスランポスにツインダガーを構え、走り出す。

 

 『ギャアギャア!』

 『『ギィイ!』』

 『『ギャオ!』』

 

 ドスランポスは声を上げると配下であるランポス達を呼び寄せる。

 

 『ギャオオオオ!』

 「シッ!」

 

 モンスターとハンターと群れの長と一人の狩り始まった。

 

 

 森丘にランポス達の断末魔を上げる声が響き渡る。

 

 『ギャオ!』

 「邪魔…!」

 

 ドスランポスに攻撃を集中しようとするがランポス達がそれを邪魔するため、ダメージを与えにくく…さらに先程倒したランポスのせいでツインダガーの斬れ味が落ちる。

 

 「…ッ」

 『ギャオギャオ!』

 

 ドスランポスは図ったかのように再びランポスを呼び寄せる。

 

 「…」

 (一度立て直す? 閃光玉は一応あるけど…いや、リスクをかけても武器を研がないと時間内にアイツを倒せない)

 

 カエデはポーチから閃光玉を取り出してドスランポスとランポスに向けて投げる。

 

 『ギャオオオオ!?』

 『『『『ギィ!?』』』』

 

 強力な光にドスランポスとランポス達は目を眩ませる。

 その間にカエデはその場で堂々と砥石でツインダガーの研ぐ。

 

 「仕切り直し…」

 『ギャオオオオ…』

 

 カエデが研ぎ終わった同時に閃光から持ち直したドスランポスはカエデを睨む。

 仕切り直したカエデと仕切り直されたドスランポスはお互いに睨み合う。

 

 「…」

 『ギャァアア…』

 

 ドスランポスに与えたダメージはかなり相当なものであるがカエデご今まで倒してきた小型モンスターと違ってドスランポスは大型モンスターである為、中々倒れない事にカエデも疲れが溜まってきている。

 此処まで来るまでに何度か鬼人化を繰り返しても尚、倒れないドスランポスにいい加減、終わって欲しいと思いたいほど苛立ちも隠さない。

 

 『ギャオ!』

 「シッ!」

 

 ドスランポスの尻尾攻撃を交わして鬼人化し、一気に火力を与える。

 だが、それが悪手になってしまう。

 

 「ぐっ…」

 

 鬼人化はスタミナを大きく消費する。それはハンマー使いのため技と同じように減り続ける。

 スタミナが減ると咄嗟の回避に遅れが生じてしまう為、出来るだけスタミナを消費し過ぎないように気配りする。

 だが、カエデは一向に倒れないドスランポスへの苛立ちにその事を忘れてしまい、スタミナを使い切ってしまった。

 

 「はぁはぁ…しまっーー」

 『ギャオ!』

 

 動きが止まった隙だらけカエデをドスランポスは逃さずに強力な突進で吹き飛ばす。

 スタミナを使い切ったカエデは交わしきれずにドスランポスの突進をもろに受け吹き飛ばされる。

 

 「ガッハ!?」

 

 強烈な一撃で吹き飛ばされた上に地面に叩きつけられて吐血する。

 だが、気絶をしている暇も無いとすぐに立ち上がる。

 群がって来るランポス達を鬼人化無しで斬り飛ばし、ドスランポスから距離をとる。

 そのカエデの姿を嘲笑うかのようにドスランポスは再びランポス達を呼び寄せる。

 しかし、ランポスはたった二頭しか、集まらなかった。

 

 『ギャオ?』

 「ペッ…この程度で私を倒した気になってるの?」

 

 血が混じった唾を吐き捨てると応急薬を一気飲み干し、それを捨てると双剣を構えるながらドスランポスに語る。

 

 「お仲間が来ないのは…私が倒したから」

 『ギャオオオオ!』

 

 ドスランポスはカエデの言葉を理解した訳では無いが、カエデが何かした事を理解した。

 

 「後はお前だけ」

 

 双剣を上に挙げ鬼人化を発動させ、向かってくるランポス達を吹き飛ばし、ドスランポスに刃を突きつける。

 

 「私の…糧になれ、ドスランポス!」

 

 その言葉を発したと同時にドスランポスの頭の赤いトサカが砕け散り、ドスランポスはカエデから距離をとる。

 

 「はぁはぁ…フッ」

 

 ドスランポスは自慢のトサカを砕かれた事に怒り、カエデに吠えて殺意を向ける。

 その姿にカエデは息整えると向けられた殺意に笑い、双剣を天に掲げ、再度鬼人化を発動させ、走り出す。

 ドスランポスは向かって来るカエデにジャンプして飛び掛かる。

 

 『ギャォオオ!』

 「シッ!!」

 

 飛びかかって来るドスランポスと鬼人化状態で双剣で斬りかかるカエデの一体と一人がぶつかり合う。

 

 そして、この一撃が両者の勝敗を決めた一撃だった。

 

 敗者は地面に倒れ、勝者は立つ。

 

 それが弱肉強食のモンスターハンターの世界のルール。

 

 

 

 

 

 

 ワイワイと賑やかな声が響くベルナ村のハンターズギルドで受付嬢は書類を片手に依頼を受けたハンターの依頼許可と狩場に向かったハンター達の帰りを待っていた。

 

 「あっ!カエデさんおかえりなさい!」

 「…終わったよ」

 「だ、大丈夫ですか!」

 

  カエデのボロボロになったハンターシリーズの状態で受付嬢に話し掛ける。

 ハンターシリーズの肩にはドスランポスの爪で付けられた傷が残っていた。

 

 「なんとか…倒せた」

 

 カエデは机の上に寝そべり、依頼達成の報告した。

 

 「初めの大型モンスターは如何でしたか?」

 「…強かった」

 「フフ…でしょうね」

 

 受付の机で寝そべるカエデだが、報酬金をもらうと立ち上がる。

 

 「でも…ハンターになって…良かった」

 

 今回の報酬金は小型モンスターを狩るよりも多い報酬金にこれで大好きなご飯を食べれるとカエデは喜ぶ。

 あまり笑わないカエデが見せるその笑顔は受付嬢だけで無く、その場にいたハンター達を魅了する笑顔だった。

 

 そんな彼女はベルナ村を出で大陸を渡ると、水没林に現れた一頭でも厄介なトビカガチを二頭連続討伐する。その討伐したモンスターの素材でカガチシリーズを作り、自由気ままに狩りと食事を繰り返しながら、団子が美味しい里があると聞いたカエデはその里へと向かう。

 




 カエデ
 双剣使いの新米女性ハンター。
 ドスランポスを狩るまでは小型モンスターを大量に狩っていたハンター。 食べる事が好き過ぎて、所持金をほぼ食事代に使い込んでしまう為、そのお金を稼ぐ為にハンターになった。 
 食べた分を狩場で消化している為、それがスタイル維持の秘訣になっている。
 
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