私はアリス。人形遣い兼魔法使いよ。
今日は魔理沙が私の家に来て、一緒にパチュリーのいる紅魔館の大図書館へ行くの。
魔理沙が本を借りたい(返さないけど)と言っているから…なんだけど、実は私もパチュリーに用事があるから大図書館へ行くわ。
紅茶を飲みながら、私は本を読んでいた。
ある日、突然夢に出てきた男性に恋をして、その人を現実世界でも探すという小説。
だけど、私にも好きな人…っているわ。とってもおとなしくて、とっても可愛い女の子よ。
そんなことを思っていると、ドアがコンコンとノックされる音が聞こえた。
「あー、魔理沙ね?ちょっと待ってー」
私は少しだけ残っていた紅茶を全て飲み、席を立ってドアへ向かった。
「よっ、アリス」
ドアを開けると、そこにはいつも通りの魔理沙が立っていた。
「今日は図書館へ行くんだよな!」
「ええ、そうよ」
「じゃあ早く行こうぜー」
「あら、上がらないの?」
「別にいいぜ。迷惑だろ?」
魔理沙は変なところで気をつかってくれる。
「いや、迷惑じゃないけど…」
「そうか?じゃあお邪魔するぜー」
すると、魔理沙は私の横を通って家の中へ入った。
…
「はいどうぞ」
私は机に紅茶の入ったカップを置いた。
「お、ありがとう。アリスはいいのか?」
「さっき飲んだからいいのよ」
「そっか。そういえばパチュリーに用があるって言ってたけど、どんな用なんだ?」
ギクッ!?
「え、べ、別に大した用じゃあないわ」
「おう?なんかおかしいな、お前」
「何もおかしくないわよ!?ほら!!」
魔理沙に向かって手を広げてみせる。
「へえ〜?」
頬杖をついてニヤニヤとした顔でこちらを見てくる。
「な、何よ!?」
「別になんでもないけど?」
「いや、だから、その、その態度!生意気ね…」
「そうか?普通だぜ」
なんなのよ…もう。わけがわからない。
「あーもう、図書館!行きましょ!?」
「えっちょ、まだ紅茶一口も口つけてないんだが…!?」
「図書館行ってからまたくればいいじゃない。その頃には冷めてるだろうけど」
「ひ、酷い仕打ちだな…」
「とにかく行くわよ!」
「え、ちょ、おい!?」
私は無理やり魔理沙の腕を掴み、家を出た。
…
霧の湖。
「今日は少し肌寒いな」
「そうね」
「…」「…」
さっきから、こうやって短い会話で止まる。別にいいんだけど、何だか気まずくて嫌だわ。
「そういえば、魔理沙は借りた本を返したことってあるの?」
「え、あ、まあ、うん、なんか、その……」
あ、おかしい。
「返したことないのね」
「まあ、そうだな…」
うつむいてもじもじしながら魔理沙はそう言った。