「……それは、どういうこと?」
「だから、いなくなってもらいますよ、あなたに」
早苗は、私にいなくなってもらいたいらしい。
「どうしてそういうことになったの?」
「魔理沙さん、アリスさんのことが好きなんでしょう?」
「え、ええ…まあ、そう言っていたわ」
まさか、早苗は……
「私は魔理沙さんのことが好きですから、ねぇ」
そう言うと、早苗は私のおでこに人差し指を置いた。そしてそのままグイッと押され、後ろにフラッとなる。
「別に…私が故意に魔理沙を好きにさせているわけじゃないし、あなたが勝手に魔理沙を好きになったんでしょ!?」
ちょっとイラつき、きつく言った。
「そうですね、私が勝手に魔理沙さんを好きになりました。それで、あなたは勝手に魔理沙さんを好きにさせた」
嫌な予感がする。
「もしあなたが死んだら……?」
「ふざけないでよ!!」
思わず大きな声を出してしまった。が、宴会場には聞こえていなかったようだ、よかった。
「アリスさんが邪魔なんですよ…!」
すると、早苗は立ち上がり、神社の裏の倉庫の方へ歩いていった。
私はしばらく黙っていたが、早苗が何をしているのか気になり、倉庫の方へ行った。
神社の複雑な構造を活かし、こっそりと早苗を見ると…
「ひッ…!?」
そこには、生気のない目つきで自らの腕を鉈で切りつけている早苗の姿があった。
地面にはドロドロの血が大量にたれていた。
そして、早苗が何かを呟いていることに気がつき、耳をすませる。
『魔理沙さん魔理沙さん魔理沙さん魔理沙さん魔理沙さん魔理沙さん……』
魔理沙の名を呟く度に、腕を切りつける速度はどんどんと早くなっていっていた。
今まで普通の友達と思っていた早苗が、こんな人だったなんて……
(と、とにかく早苗を止めないと…!)
「早苗、何してるの!!」
私は走って早苗の元へ行った。
ずっと腕を見つめていた早苗の目は、私の目を睨みつけた。
「私…の……魔理沙さんを………奪うな…」
左右にフラフラと揺れながら、こちらに近づいてくる。
出たのはいいが……このままでは明らかに殺される…!
(逃げないと…!!)
私は縁側の方へ走って逃げ、勢いよく宴会場の扉を開けた。
みんなの目は、一斉に私へ向いた。
「ど、どうした?アリス…」
魔理沙が近づいてくる。…と、その瞬間だった。
「っう……!?」
背中に激痛が走った。
その場にパタンと倒れると、後ろには…
「ふふ♪」
返り血と、自分の腕から出た血で血だらけの早苗が笑顔で立っていた。
「うわあああああああ!?」
魔理沙は驚いて逃げる。
「ちょ、ちょっと早苗!待ちなさい!」
霊夢は早苗を止めに行くが、鉈が邪魔して近づけないようだった。
いっきに会場はざわざわとし、早苗から離れた。
「あら…どうしたんですか?皆さん、いつも通りの私ですよ…!」
会場の真ん中まで近づく早苗。
「さあさあ、楽しませてください♪」