一部の文章の箇所を変更しました。
デクが茜に引っぱられてなんとか授業が始まるまでに教室に辿り着き、それから時間が経ち放課後のホールルームが終わった時間になった。
「よし!終わった!!」
茜はホールルームが終わったことを確認するとすぐさまカバンを持って、教室を出て行った。
向かったのは教室が二つ離れている出久の所だ。
「本当に茜は緑谷くんのことが好きだよね~」
「まあ、伊達に幼馴染していないからね」
その姿を見送って話しているのは茜の友達の強い黄色のボブの白銀杏と黒髪の左にまとめたサイドポニーの少女の鮎ヶ瀬花蓮(あゆがせ かれん)だった。
2人は学校で毎回、放課後のホームルームが終わるとすっと飛んで出久の所へ駆けつけていくのだ。
出久の所には彼を虐めている爆豪がいるから正義感が強い茜が心配するのは普通……なのだが彼女のことを知っている人からすると彼女が出久を助けるのはそんなことではないとわかっていた。
「あっ、もしかして花蓮妬いている~?もう一人の幼馴染的に」
「いや、本当にやめて。変な勘違いされるから」
(ただ、高校生になるのって言うのに緑谷と茜の関係がこのままって言うのはどうなんだろう…どっかで介入して進展させるべきか…うーん)
ちょっと含みがあるような言い方をした花蓮に杏がからかう。
花蓮は困った顔をして杏の意見を否定しながら、出久と茜の関係について考えていた。
茜の昔からの幼馴染の花蓮は、もう10年以上付き合いがあるのに未だに関係が発展していない出久と茜の2人に少しイライラを感じていたのは事実だった。茜の方は分かりやすいほど好意を持っているというのに。
彼女は少し自分が動かなければと心の中で思っていた。
一方、茜が教室に出てすっ飛んでくる少し前。
(早く家に帰って
ホールルームが終わり、出久は机の中にある教科書、ノートを鞄に突っ込み帰り、いつもしている習慣をしようと頭で予定を立てていた……が爆豪が目の前に現れる。
「おい、デク話は終わってねぇぞ!」
爆豪は出久が入れようとしていた『将来のためのヒーロー分析』を取り上げて、自分の個性でノートを丸焦げにして、教室の窓の外に投げる。
「ひどい……」
出久はノートを丸焦げされて悲しむ。
爆豪はそんな彼の様子など気にせずに口を開く。
「一線級のトップヒーローは大抵、学生時から逸話を残してる。俺はこの平凡な市立中学から初めて!唯一の!『雄英進学者』っつー“箔”を付けてーのさ。まー、完璧主義者なわけよ」
(みみっちい…)
爆豪は自分勝手な言い分を出久に聞かせる。
それを聞いていた爆豪の級友の1人は爆豪のみみっちさに呆れていた。
「つーわけで一応さ、雄英受けるな。ナード君」
爆豪は出久の肩に手を置き、彼に警告する。
出久は
「僕は――――「こら、爆豪!また出久に何かしたでしょ!!」
出久が爆豪に反論を言おうとした時、茜が教室のドアを勢いよく開いて入ってくる。
茜の登場に教室に残っていた生徒は騒めき始める。
「茜様だ!!」
「マジで!?茜様と出会えるとか運がいいぜ~」
「確か爆豪と緑谷って茜様と幼馴染なんだっけ。くぅ~羨ましい!」
茜が教室に現れては生徒たちは、彼女に注目を集め始める。
それも当然のことだ。毎日、ヒーローのニュースと同じくらい櫻田家のことはニュースなどで流れ始める。
王女の一人の茜が同じの学校にいるだけで凄いことなのに彼女が教室に現れては騒ぎになるのは当たり前だった。
それに茜は(一般的には)お淑やかで正義感が強い少女という認識なので人気が高く隠れファンも多いため注目が沸く。
「チッ、面倒な奴が現れやがった……」
そんな中で爆豪は1人、彼女の登場で舌打ちをして苦々しい顔をする。
モブ達は爆豪と茜が幼馴染と言ったが、それは”一応”であって正確には「幼馴染の幼馴染」という近くもなく遠くもない距離感であった。
そもそも出久を昔からいじめている爆豪と出久と昔から仲良くしている茜とが相いれないのは仕方がないことであったが。
茜は出久を教室で見つけては彼のそばに直ぐに向かった。
「大丈夫!?出久!?怪我していない!?」
「だ、大丈夫だよ、茜ちゃん。怪我していないよ。」
(”僕自身は”だけど……)
「よかった~~~~!!!」
心配する茜を落ち着かせるために冷静に自分が無傷なのを伝えるデク。
それを聞いて茜は安堵の声を漏らす。
勿論、自分が持っていたノートが爆豪によって丸焦げにされて、外に投げられてしまったのが…それを茜に言う気にはならなかった。
そんなこと言ったら茜の爆豪に対する不満が爆発してしまうのは想像に難しくなかったからだ。
「ケッ、第三王女様がクソナード程度の心配をするなんて立派なことだなぁ」
「カツキ、流石に茜様に向かってそれは…」
「監視カメラがないからって王女様に暴言吐くなよ……」
この国の第三王女に暴言を言う爆豪にいつもの調子に戻っている取り巻きの二人は完全に引いていた。
流石に学校までに監視カメラがないとはいえ、王女への暴言を学校でしかも本人に言うなどとはまともではなかった。
「今の言葉取り消しなさいよ!そして出久に謝って!!」
「なんで、俺がデク野郎に謝んなきゃいけねーんだよ」
「この……」
「ちょ、ちょっと!茜ちゃん、落ち着いて!!」
茜が出久に対しての暴言を謝らせようと爆豪に言うが当然、彼が従うこともなく口げんかになる。
茜はそんな爆豪の態度が気に入らなくって喧嘩腰になるが、それをデクが彼女を抑える。
男性と女性の体格の差もあるが、
「そういえば、テメーに言い忘れていたことがあったわ」
そう爆豪は言って、出久の制服の襟をつかんで窓際に寄せて彼の耳に耳打ちにして話す。
「そんなにヒーローに就きてんなら、効率良い方法あるぜ。来世は“個性”が宿ると信じて…屋上からのワンチャンダイブ!!」
その言葉を聞いて、出久も流石に怒りをあらわにしようとしたが、近くに茜がいることに気が付いて怒りを収めた。
爆豪はその言葉を言って満足したのか級友と共に教室の外に出て行った。
「出久、爆豪に何か言われたの?」
「う、ううん…何にもないよ」
出久は爆豪に言われた言葉を素直に茜に話す気にならなかった。
爆豪が出久に暴言を吐くことはよくあること(そもそも日常で「死ね」「クソ」など連発するような男である)で、今の言葉を茜に言っても火に油を注ぐようなことだ。
そもそも出久は爆豪の発言に一瞬怒りを感じただけで今はイラつきなど感じていない。
「何かあったら言ってね。私が爆豪なんてボコボコにしてあげるから」
「はははっ……ボコボコって……」
出久は爆豪のことになると
それでも幼馴染のかっちん…もとい爆豪と比べるとかなり良好な関係を築けているのは事実だった。
そんな彼女を心配させたくない!…のと彼女が怒ったら爆豪に喧嘩を売って大騒動になりそうという理由があったからだ。
彼女は仮にも王女なので悪くも良くも目立ってしまう。王女が一般人を個性で怪我させたとなっては問題になるのはバカでもわかることだ。
「はぁ…爆豪のせいで気分が悪くなっちゃった……出久、一緒に帰ろう?」
「うん!…あっ、ごめん。ちょっと忘れ物してきたから取りに行ってくるね!」
「えっ、ちょっと!?出久!?」
「先に玄関で待っていて!」
(早くノートを回収しないと……)
茜に一緒に帰ろうと誘われた出久はふと思い出したように教室を出て行く。
忘れ物というのは先ほど爆豪が丸焦げにして窓から捨てたノートである。
爆豪はみみっちい人間性なので表面だけ燃やされていて、中身は無事だと出久は考え、落ちた地点に素早く探しに行く。
ノートを燃やして投げ捨てるのが茜に目撃されていたら爆豪と一触即発あっただろうが、彼女がその場にいなくて幸運であった。
「全く…出久ってば。いつもはうじうじしているのにたまに強引なんだから…」
出久にいきなり出て行き1人された茜は少し唖然とするが、すぐに彼に言われた通りに玄関に向かう。
教室の一部の人間は出久が茜に対してかなり打ち解けた口調なのに驚いている者もいれば、あまり気にしていない者もいた。
誰に対しても口が悪い爆豪はともかく、出久が幼馴染と言えど王女の茜にあそこまで自然体でいたのは驚きだろう。
一応、出久は茜の“友人”としてテレビに出たことがあり、櫻田をある程度知っている者だったら出久の態度には違和感は持たないだろう。
「ふふふふ~ふ。ふふふふふ~♪」
気分が舞い上がりステップしながら玄関に向かう茜。
それを見た一般生徒は「何があったんだ」と彼女を見ていたが、相手が茜様だとわかると深く追求しなかった。
(出久はいつ来るかな~♪……はっ!)
(いやいや、出久と帰るのは、お姉ちゃんが友達と帰るから仕方が無くなんだからね!別に一緒に帰れて嬉しいとかないんだからね!……って私は誰に言い訳しているのー!?)
上機嫌でいると突然、自分が出久と帰るのが嬉しいと思っていることに気が付き、それをごまかすように自分で勝手に言い訳を初めてはノリツッコミをし始めた。
心の中なら別に言い訳しなくても…と思えるが乙女心は複雑なのである。
▼▼▼▼
「離れないでよね!」
「分かってるよ」
「フリとかじゃないからね!」
「そんなことしないってば…」
(ギャップが凄いなぁ……)
あれから出久はノートを取り戻して、茜と学校から出て帰路についていた。
学校を出ては、茜は出久の後ろにひっつくように歩いていた。
勿論、監視カメラの目を気にしてのと人見知りの彼女が人と極力接触しないためである。
普段、爆豪に突っかかる彼女と比べたらかなりギャップを感じてしまう。見慣れている出久からしてもだ。
「なんで監視カメラなんてあるの…」
「そりゃあ、王様が子供のことが心配だからだよ。それに国民投票のためにアピールために使うし」
「外に行くたびに監視カメラの視線がある私の身になってよ~」
「あははっ…まあ、学校などの公共施設に付けられないのは温情じゃないかな。あの溺愛プリからして公共施設にも付けて見守りたいだろうし」
「過保護すぎるよ……」
監視カメラの存在に文句言う茜に出久は監視カメラがある理由を茜に伝えて納得させようとする。
納得がいかない茜に出久はまだそこまで強引でないことを示すが、上手くいかずに茜の機嫌を下げるだけになってしまった。
とはいえ、
「あっ、監視カメラ」
「ひっ…」
出久が電柱にある監視カメラを見つけると茜は軽い悲鳴を上げて出久の後ろに隠れてしまう。
「茜ちゃん…僕が先に行って引き付けるから後について来て。幸い、カメラのスピードは遅いから」
「……うん」
茜は出久の言葉にうなずき、彼が監視カメラを引き付け後に素早く彼の後ろについて行って、彼の後ろにまた引っ付いた。
出久は茜の姉の葵に、葵が何か用事があり茜の面倒を見られない時は自分が代わりに茜と一緒に下校するようにと頼まれていたのだ。
出久は最初の頃は周りから羨ましがられたり、茜のファンクラブから嫉妬を買っていたが、彼らに自分が茜とはただの友達であることを熱心に語ったり、羨ましさより大変さを人々が認識し始めてそういう目は減っていった。
(葵さんもなんで僕に頼むんだろう……まあ、あの人には
出久は茜の姉の葵がなぜ自分に茜の面倒を見させているのかイマイチわからず、安全性の問題を深く思考してしまいそれが口に出てしまう。
物事を考え過ぎて、考えが口に出てブツブツ言ってしまうのが彼の癖であった。
「い、出久…?」
「はっ、ご、ごめん!茜ちゃん!つい物事を考えていると深く考えすぎちゃっていつの間にか口から出ちゃって……」
「ううん、気にしていないよ。出久の前からの癖だし。でも、私の前以外でやらないほうがいいと思うよ。特に光はその癖を見るたびに嫌な顔しているし」
「確かに光ちゃん、毎回渋い顔していたねぇ……」
茜の言葉でハッとした出久は自分がまたブツブツ言っているのに気が付いて、茜に謝罪していた。
彼女は出久の言葉に対して気にしていなかったが気になる人間もいるからと忠告した。
名前が出た”光”という少女は茜の妹で第五王女の「櫻田光(さくらだ ひかり)」のことだ。金髪のツインテールの小学生だが、王女といってもイマドキの子であり、オタクでブツブツ独り言を言っている出久のことあんまり快く思っていないところがあった。
「そういえば、茜ちゃんは高校はどこを受けるの?」
「えっ?うーん…どこを受けようとか考えたことがなかったなぁ。花蓮と杏は普通校に行くらしいけど」
「それなら雄英のヒーロー科に受験しようよ!茜ちゃんの個性ならどんな実技試験でも対応できるだろうし、筆記試験は僕も手伝うよ」
駅に向かう途中で出久は高校の進路というよくある質問を茜にしていた。
茜がまだ決めていないことを聞くと彼が雄英を薦めると彼女はかなり驚いていた。
「え、でも私が雄英のヒーロー科を受験したらもともと狭き門の雄英のヒーロー科で出久が受かる可能性が低くなっちゃうんじゃ……」
「いいよ。元々僕が雄英のヒーロー科を受かるのは低いし…何より、茜ちゃんが受験して受かったらうれしいよ。だって、茜ちゃんは正義感が誰よりあってヒーローに昔から憧れていたでしょう?それに昔、自分を『世界を救うもの――――「あああああああああああああっ!!!!」
自分が雄英に受験すると出久がヒーロー科に受からない可能性を茜は示唆するが、彼はそれより彼女が受かるほうが良いといい、昔彼女自身が言ったことを話している最中に彼女が大声を上げた。
出久はその声にビクッとする。
「どうしたの!?」
「それはやめて!その頃の話はもう黒歴史だから…」
「黒歴史…わかった。この話はやめるけれど、雄英の件は考えておいてね。茜ちゃんならきっと受かるよ!」
「……うん!考えておく」
そんな他愛もない事を話しながら、駅への道を進む出久と茜。その途中、高架下に差しかかったその時―
「Mサイズの…隠れミノ…」
そんな声と共にマンホールからヘドロ状の何かが湧き出て、二人に覆い被さってきた。
「っ!茜ちゃん!」
「きゃっ!」
異変に気が付いた出久は近くにいた茜を突き飛ばす。
突き飛ばされた茜は範囲外にいたが、出久はドロに纏わりつかれ、もがき苦しむ。
「大丈ー夫。
「出久!!」
「ん゛――――――――!!!(こっちに来ちゃだめだ!!!)」
流動体のヘドロ
茜は突然の出来事に動くことができずにその場に固まってしまっている。
(僕は死ぬのか…?これは今まで
途切れる意識の中、出久は自分の死に受け入れてその命が尽きようとしていた。
未練がないわけではないではなかった。今の状況で思い出す一つの言葉があった。
『ふたりで最高のヒーローになろうね。約束だよ』
だが、彼はいつからだろうか。自分の命より他人の命を優先するようになった。
「自分は”無個性”なんだから”個性”を持っている人間より価値は低い」という気持ちがどこかにあったためだろうか。
「もう大丈夫だ、少年!!」
「!?」
「私が来た!」
マンホールの蓋を吹き飛ばし、巨大な影が飛び出して――
「
拳の一撃、それも直接当ててすらいない風圧でヘドロヴィランを吹き飛ばし、出久を助け出した。
「出久!」
たぶん気絶させた(泥はあちこっちに飛び散っているが)ヘドロヴィランを回収する彼を尻目に、茜は出久へ駆け寄り、状態を確認し始める。呼吸、脈拍…どちらも異常なし。外傷…もなし。意識は…。
「トぁあああ!!?」
「出久…よかった!!」
意識を取り戻した出久に茜は彼に抱き着いた。
いきなりの抱き着きに出久も顔を赤くする。
「いやあ悪かった!!
HAHAHA! と笑うNo.1ヒーロー、オールマイトの姿があった。
これがオールマイトと出久にとって初めての出会いであり茜との
▼▼▼▼
「わあああ~!!!ありっありがとうございます!!家宝に!!家の宝に!!」
オールマイトに助けられたデクはサインできるものを探すが既に彼からサインをノートに書かれていて、それに感動してデクはオーバーリアクションで彼に礼を振る舞う。
「HAHAHAHAHA!!ファンにサービスするのはヒーローとして当然のことさ」
「あ、あの…マイトおじさん、友達を助けてくださってありがとうございました」
「どういたしまして、茜くん。今年の元旦での城のパーティー以来だね」
「はい。あの時は忙しい中、パーティーに来てくださってありがとうございました」
「なぁに君の父上にはうちの事務所を支援してもらっているんだ。あれくらいしないとバチが当たってしまうよ」
(凄い…王族がオールマイトの事務所を支援しているからオールマイトが王族のパーティーに毎回、招待されていることは櫻田家で聞いていたけど…茜ちゃんが平然に話しているのを見ると実感が沸くなぁ…)
櫻田家がもっている城で行った元旦のパーティ―ぶりのオールマイトと茜は会話に花を咲かせていた。
出久はオールマイトが櫻田家の大きなパーティーには毎回招かれているのは聞かされていたので2人に面識にあることは驚いていなかった。
そもそも昔から茜がオールマイトファンの出久にパーティーに来てオールマイトに会わないかと提案したことがあった。
出久は会いたかったが、流石に王族の城のパーティーに参加するわけにもいかないし、そもそもコネを使って会うのは何かズルをしている気持ちになったためにその申し出を断っていた。
だからこうして会えるのは初めてだった。
「じゃあ、私はこいつを警察に届けるので!液晶越しにまた会おう!!」
オールマイトは茜との会話が終わって、先ほどのヘドロヴィランを詰めたコーラーのボトルをポケットに入れてその場を去ろうとする。
「まっ、待ってください!まだあなたに聞きたいことが――「プロは常に敵か時間との戦いさ」
出久がまだ聞きたいことがあるとオールマイトを引き留めようとするがオールマイトは既に膝を曲げては上へ飛ぼうとしている姿勢だった。
「さらばだ少年、茜くん。それでは今後とも応援よろしくね――――――――――――」
オールマイトは別れの言葉を残して、空を飛んでその場を去っていった。
「行っちゃったね…相変わらず忙しいね、オールマイトおじさんは……ってあれ?」
茜は去っていくオールマイトを見送って隣にいるはずの出久に話しかけた----が出久の姿はそこにいなかった。
「あれ?あれれ?どこ行ったの出久!?」
周りを必死に探してもどこにもいなく、ふと空を見ていると遠くで小さくなっているオールマイトに誰かがしがみついているのが何とか見えた。
あれがデクだと茜は直感で分かった。
「何やっているの!?出久!?」
茜は意外にも行動派の出久の行動に驚くが考えるよりも先に自分の個性を使い、体を浮かせてオールマイトを追おうとする。
「まったく…世話が焼けるんだから。待ってよ~!!」
個性の
周りの目撃情報などできるだけさせない高い位置まで飛ぶ。
少しして2人が人気にいないビルに降りたのを確認して茜は徐々にスピードを落としてそのビルに着地する。
「出久――――「“個性”がなくても、ヒーローは出来ますか!?」
「“個性”のない人間でも…あなたみたいになれますか?」
ビルに辿り着いた茜は出久に声を掛けようとするが、そこで出久がオールマイトに力を絞って問いかけていた。
「無個性でもヒーローになれるか」。それはデクにとって大きな悩みであり、トップヒーローのオールマイトに答えて欲しかったことだった。
出久は
体を鍛えるとともにヒーローとして慈善活動を自らしていたりしていたのだが、それでも本当にヒーローになれるのかと彼には不安があったのだ。
全て見ていたわけではないが、彼がヒーローになりたいために努力をしていたことを知っている茜は静かに彼を見守ることにした。
「“個性”が…」
出久の問いに何か思うことがあるのか考え始めるオールマイト。その時―――
「いかん…holy shit」
オールマイトの全身から煙のような物が噴出し始めた。
「“個性”がないせいで…そのせいだけじゃないかもしれないけど…」
「出久!ちょっと見て!」
「茜ちゃん!?どうしてここに――」
出久は茜がどうしてここにいるか疑問の声を上げるがそれは直ぐに途切れた。
なぜなら、オールマイトはいつの間にか煙のようなものに包まれており、しかもそれが晴れると…。
「し、萎んでる!?」
オールマイトとは似ても似つかない痩身の男が現れたのだった。
会話が長くなっちゃってごめんなさい。できるだけ無駄な会話は削るのは今後の課題ですね。
爆豪はこの小説でも平常運転です。運良く監視カメラで茜に暴言吐いているのを撮られていないだけで、普通にやっていることはやばいです。
櫻田岬の能力「感情分裂(オールフォーワン)」の名前を変更した方がよいですか?(活動報告もあります)
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変更した方がよい
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変更しない方がよい