僕と王女のヒーローアカデミア   作:たきな大好き0802

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第7.5話:その頃の櫻田家櫻田家

 

 

「それでは茜の雄英での合格を祝ってカンパーイ!!」

 

「……お父さん…それ、昨日もしたよね?」

 

出久とオールマイトが海浜公園で話している頃、櫻田家では茜の雄英合格記念パーティーを行っていた。2日目だが。

当然のように行う父親に対して、茜は恥ずかしさを感じていた。パーティーするのはいいのだが、それも2日目に突入すると…流石にと言ったところだった。

 

「ん?パーティーは1日だけとは誰が決めたんだ?2日目だろうが3日目だろうがやってもいいだろう」

 

「私が恥ずかしいの!!!」

 

悪びれもせずに平然とした態度でパーティ―の2日目を行っている父親に対して茜は大声で抗議していた。

櫻田のリビングには「茜、合格おめでとう」のテープが張ってあったり、豪華の食事がテーブルに置いてあったが、一部は昨日の使い回しだったりする、

 

「えー、私はいいと思うけどなぁー」

 

「光は御馳走が食べたいだけでしょ」

 

「えへへへっ」

 

そんな茜の抗議とは反対に2日目もやるのに賛成だったのが第五王女の櫻田光だった。彼女は金髪のツインテールを靡かせながら、片手に皿を持って料理を載せていた。

茜に続けたい理由を指摘されても動じなく笑う光。彼女は好きなことが「楽しいこと」だけあってあまり深く物事を考えずその場を楽しんでいるため茜とは対照的だったりする。

 

「それでも凄いよ、茜。主席合格なんて」

 

「とは言っても筆記はなんとか受かったレベルだけどね」

 

「だから好きな子がいるからって自分の学力に以上の所を受けるなって言っただろう。あとで後悔するぞ」

 

「葵お姉ちゃん以外の兄姉が私を虐めてきます……てか、彼女がいる修ちゃんに言われたくないよ!」

 

「い、いや、別に俺は好きなことがいたから今の学校にしたわけじゃないからな…」

 

純粋に茜が雄英に受かったことを純粋に褒めるが、葵と修は辛辣な態度をとる。

そんな兄姉の態度に傷心をうけながら彼女は修に言葉で反撃した。

その言葉に修は珍しく動揺を見せる。そう、修は去年から佐藤花(さとう はな)という少女と付き合い始めたのだ。

経緯は茜を修の彼女だと勘違いして勢いで告白した…というものだったそれからなんだかんだで付き合いを始めていた。

ちなみにクリスマスに茜によって付き合っていることをバラされて家族から知られていたりする(出久も知っている)

 

「でも、他人達の中で一番なんて凄いですよ!姉上!!」

 

「茜お姉様が一番で私は嬉しい」

 

「輝、栞……私の味方は2人だけだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「いや、大げさすぎだろ」

 

一番下の2人には純粋に祝われて茜は嬉しさのあまり声を上げられながら2人を抱きかかえる。2人はいきなり抱きかけられて困惑していた。

その姿を見て、修は冷静にツッコミを入れるのであった。

 

 

「……ふーんだ。どうせ私は実技試験で落ちて茜より下ですよーっと……」

 

 

みんなが茜を褒めたたえる中、岬だけふてくされていた。

それもそのはず、彼女は茜と同じように雄英の実技試験を受けたが、ポイントが足りなく落ちてしまったからだ。

やはり彼女の個性『多重感情(マルチプル エモーショナル)』は戦闘向けではないために実技試験を突破するのは難しかったようだ。

 

「そんなことないぞ!岬も遥も雄英の受験合格おめでとう!」

 

「完全にとってつけじゃん。パーティーの飾りにも昨日から『“茜の”雄英の合格おめでとう』ってでかでかと書いてあるし……」

 

「うぐっ」

 

ひねくれている岬を励まそうと総一郎とお祝いの言葉を言うが、今の彼女にとっては逆効果で茜ばかり注目している事実を突きつけられ黙ってしまう。

その様子を見た遥が彼女を心配し、声かける。

 

「そう捻くれないでよ、岬。岬だって実際、雄英に受かっているんだからいいだろ?」

 

「第二希望の普通科だけどね……っていうか遥は悲しくないの!?」

 

岬は遥に言われて念のために滑り止め受験として、普通科の方も受けていた。

そのおかげで岬は浪人せずにいられたのだが…彼女は同じくヒーロー科を受けて落ちたはずの遥が平然としているのに合点がいかなかった。

 

「いや、僕は元々サポート科希望だったし」

 

「えっ、それってどういう意味!?」

 

「あっ…しまった」

 

さらりと岬は驚愕の真実を聞かされて動揺を隠せない。

遥は自分がうっかり口を滑らせてわかり、彼女に視線を逸らす。

 

「…なるほどね。つまり、あなたは岬にヒーローになって欲しかったからワザとヒーロー科の試験を受けて岬がヒーローになるように誘導したわけね」

 

「……そうなの?」

 

「奏姉さん……」

 

ギリッ……と遥が歯くいしばった音が聞こえて、それが肯定の意味を示しているのが見てわかる。

周りの視線から遥は観念したのかソファに座って楽な態勢になりだす。

 

 

 

「ああ、そうだよ!岬に雄英に入学がバレた時に岬も自分と同じ『雄英を受ける』って言うのは分かっていたし、それならヒーローとして活躍する岬を見たかったからヒーロー科を受けるように自分もヒーロー科の受験をしたんだよ!!僕が受ければ、岬も受けるだろうしね!!僕がサポート科にいれば岬がヒーローになった後に色々と裏からサポートできると思って!!!」

 

 

ここまで溜めていたものを吐き出すように早口で自分の気持ちを吐露した。

彼からしたら本来は話す気はないことだっただろうが、話さないわけにはいかない状況になってしまったのだ。そのためか遥の息は「はぁ…はぁ…」と上がっていた。

 

「遥……」

 

「まあ、結局不合格になってしまったわけだけど……」

 

「ううん…ありがとう、遥。ヒーロー科、落ちちゃってごめん」

 

「いや…僕も勝手に期待してやっただけだから……言わなくって、悪かった」

 

遥が自分に対してそこまで考えてくれたことを知った岬は落ちたことを申し訳なく感じるが、遥も勝手に期待してやっていたことに罪悪感があったのか彼女に謝罪した。

その姿を見て最初はきょとんとしていた岬だが、すぐに遥が素直に自分に謝ったことがわかると喜びが込み上げた。

彼が彼女に対してこうやって素直に感情を出すのは珍しかったからだ。

 

「遥~~~~~~!!!」

 

「うわっ!いきなりくっつくなよ!!」

 

「むー……」

 

遥はいきなり自分に抱き着いて来た岬に戸惑い拒む。

それに対して岬はむっとするが、周りからしたらそれは微笑ましいく親、兄姉妹弟ともども温かい目で見守っていた。

そんな中、姉の奏と兄の修は二人を見ていて別のことを考えていた。

 

 

(…普通科を滑り止め受験させていた時点で遥の能力で落ちる可能性が高かったでしょうが、誰も指摘しないしこのまま黙っておくのが賢明かしらね)

 

(そもそもバレなかったら自分1人でなぜ雄英を受けていたんだという疑問が残るけどな…まぁ、そこは大方双子の岬と比べられるのが我慢ならなかったんだろうな。遥だけネットの匿名掲示板とかで個性が王族の中でしょぼいとか言われているだけじゃなく『岬の出来が悪い分身の1人』『王族の影が薄いやつ』とも匿名だからって好き放題に書かれちゃそりゃあ離れようとするわな)

 

 

遥と岬との関係がいい感じになっている雰囲気に飲まれて他の兄弟姉妹は気が付かなかったが、そもそも『遥が雄英のサポート科に1人で入ってどうするつもりであったか』や『普通科を第二希望として岬に勧めたといいうことは遥の個性で落ちる可能性が高かったのでは』という疑問が出る。空気を読んで2人はあえて言わないが。

 

 

修は長男だけあって下の家族の様子は見ているつもりだった。遥は世話好きで面倒見がよい双子の姉の岬と比べられているのが嫌で受験する高校を隠していたんだろうと推測する。遥の個性『確率予知(ロッツオブネクスト)』は確立を充てる個性で王族の中でも地味なほうであり、趣味が『ネットサーフィン』である遥はエゴサして自分のことを調べては世間の評価を知ってダメージを受けていただろう。王族直属のサイバー部隊はいるのだが、ネットの膨大な情報まで規制するのは無理があった。

 

 

(とはいっても遥が言ったことは全部嘘ではないだろう。あいつは元々サポート科に行って自分の道を見つけようとした中で岬を生かす方向にシフトしようとした感じだろうな。普通科に勧めたのも岬が落ちて浪人しないだめだろうし…岬ばっかり注目されるが遥も岬に対しての想いが重いんだよなぁ……姉弟間の仲が良いことはいいことだがヨスガるのは勘弁な)

 

冷静に自分の弟の考えを分析する修。彼の自身も()に対して溺愛しているところがあるのである程度共感できるところがあった。

実際、彼の推測は当たっており、岬は普段から遥に対して重い気持ちを持っているがはるかも岬に対して出さないために重い気持ちを持っていたりする。

ただ、姉弟愛が重くって近親相姦を恐れるのは心配しすぎ………じゃないかもしれない。

 

 

「でも受かりたかったな~。折角、出久から光線銃貰ったのに…」

 

「一応、その光線銃は私が作った物なんだけど……」

 

「確かにそうだけど、くれたのは出久だし……もう私は使わないだろうし返しておこう」

 

少し落ち着いて遥から離れた岬は思い出したようにヒーロー科に落ちたことを思い出して落ち込んでいた。

実は出久が奏から実技試験のために作ってもらった光線銃を渡したのは岬であった。

分身ができる岬でも攻撃的な”個性”ではないのを考慮して彼女に渡したのである。

ちなみにその光線銃、超人社会で(ヴィラン)犯罪が激化したために護身用に作られたものでエネルギーは太陽光と地球に優しい(?)エネルギーを使っている。

充電Maxで人に穴を開けるほどの威力を持つビームを最大6発打てる。日光を当てればチャージができる優れものだが、いかんせデザインがおもちゃの銃ぽいのが玉に瑕。

威力が高いので護身用で使ったとしてもきちんと警察に説明しなければならないので日本ではあまり好まれていなかったりする。

 

ただし、あくまでも護身用で使うとしても事前申請が必要なものであり、試験で断られる可能性もあったが、使用は許可された。とはいえ、1つしかなかったため岬本人が使用したが倒せたのは数体だけで仮想(ヴィラン)はほぼ倒せなかった。

岬の個性は着ているものは分身でコピーさせるが持ち物は反映されないのだ。

ちみなに彼女の分身が使った武器はバット、アイスホッケーのステック、鉄球、鉄パイプ、鞭、お玉、枕…とロボと戦うにはおかしいなものが多かった。

 

「あの子…折角私が個性で作ってあげたのに自分で使わないなんて…もう1つの手甲も直ぐ壊しちゃったし……売ったから私が文句言う筋合いはないんだけど、もっと大切に使って欲しいわ」

 

「ふふふっ」

 

「なによ、姉さん。その不気味な笑みは」

 

出久が自分から買った物を自分で使わなかったり、直ぐに壊してしてしまったのを奏はぼやいている姉の葵が不敵な笑いで近づいきた。

 

「だって、奏ってもし出久くんが物を頼みに来たら断らないで作っちゃうでしょ?」

 

「そ、そんなことないわよ……」

 

(素直じゃないんだから…本当は24万もかかる所は4分の一の値段を出久君に伝えた癖に…)

 

葵は知っていた。奏が頼まれたものを自分の”個性”で作った後に出久に「いくらですか?払います!」と言われて「気にしなくていい」と断ったものの出久が根気よく食い下がるから「6万よ」とその場で言ったのである。

光線銃と特別な手甲合わせ24万(手甲の方が高い)になり、その4分の1はかなり良心的である。高校生から6万は安くなく、出久が安くしてもらったのに気が付かないほどの値段である。

 

守銭奴…というわけではないが”個性”の関係上、お金の管理にはうるさい奏がそこまで安くするのに葵は驚いたのと同時に彼女がそれだけ出久を買っていると解釈した(ちなみにそこまで彼女が安くしたのを葵が知っているのはたまたま彼女の通帳の中身を覗いてしまったからである)

 

 

 

 

「それにしても出久も凄いよねー。聞いた話だと実技試験での結果が100P超えていたみたいだし、きっとあか姉の次の順位だよ」

 

「確か去年に個性が発現ばかりなんでしょ?それなのに使いこなして雄英に合格するなんてやるじゃん。少しは見直したし」

 

「……人から貰ったものを直ぐに自分の個性で破壊したあげくに人差し指を壊した人を”個性”を使いこなしているとは言わない……」

 

ふと岬が出久とたまたま連絡し実技で100P以上取ったことを呟くと意外にも普段から「キモイ」やら「うわぁ…」など彼に言っている光が再評価しなおした。

そんな評価に対して奏は自分の渡したものを破壊したことを蒸し返す。そんな奏を見て、葵は(素直じゃないなぁ…)と思いながら見ているのであった。

 

「いやー、でもこれで茜の婿は安泰だな。寂しくなるな……」

 

「はっ?いやいや!お父さん、気が早すぎるよ!!」

 

父がさらりと言った言葉に茜は過剰に反応を示す。

自分はまだ高校生になろうとしている年齢だから…ではなく、勝手に出久を婿にして安泰とか勝手なことを言っているのだから当然だ。

そんな父親の言葉を聞いて茜以外の兄弟姉妹たちはそれぞれの反応を示しだす。

 

「そうよ。まだ告白さえしていないのに気が早いっていうレベルじゃないわよ。まあ、アイツはうちからしたら家族みたいなものだけど……」

「出久くんと茜がくっつくことは賛成だけど、それは当の本人達の間の問題であって私達が口出す問題じゃないような…」

(俺は認めんぞ!出久はいいやつだが、茜の夫になるとしてはまだまだいろんなものが足りん!!)

「私はいいと思うな―。というかまだ付き合っていなかったんだーっていう感じ」

「気が早い気はするけれど、確かに茜に付き合える異性がいるとしたら出久ぐらいしかいなだろうね」

「えー…いくら少し見直したからって義兄がオタクっていうのはちょっと……」

「出久殿が僕達の義兄上殿になるのは嬉しいです!なあ、栞!」

「出久さんが義兄様……私はいい」

 

意外にも賛成の意見が多いが中には否定的なものも少なからずいた。

それはそうだろう。出久は茜が4歳頃の付き合いで結構な頻度で櫻田家に遊びに来ており、行事なども一緒に過ごすことが多かった。櫻田の兄弟姉妹の個性の詳細や使い方なども出久が細かく一緒に調べてくれたから分かったものだ。そしてなにより、出久の母、緑谷引子(みどりや いんこ)と櫻田兄弟姉妹の母、櫻田五月(さくらだ さつき)は()()()()()()()()なのだ。

親子ぐるみの付き合いもあり、出久と櫻田の関係は思った以上に深まっているのだ。

そんな自分の意見に子供達が賛同的な意見を貰い、父親は微笑んでいた。

 

「ちょ、ちょっと!なんで私が出久に好意がある前提で話しているわけ!?」

 

「アンタ、まだ出久への好意を認めないつもり?いい加減認めなさいよ」

 

「そうだぞ。お父さん含めて家族全員、出久くんはもう家族の一員として認めているからな」

 

「お父さん……」

 

なぜか出久を自分の夫にするという空気について行かずに物申す茜。

「まだ認めないのか…」とあきれ顔で奏は妹の意見を聞いていた。

出久のことをもう家族のように思っているという父の発言には茜は少し嬉しかった。出久が認められているように思えたから。

 

「そもそもなんでアンタ、ここまで告白しないのよ。タイミングはいくらでもあったでしょ?」

 

「……だって告白してフラれたら気まずくって今のような関係でいられないじゃ……」

 

「ハァ……そんなじゃ出久をいつか他の女にとられるわよ?」

 

「あっ、それ。前に私が似たようなこと言った」

 

「うぐっ……」

 

幼馴染という近い立場でありながら今まで告白していないことを奏が茜に問うとテンプレというくらいありがちな理由が帰ってきた。

それには奏も呆れて、不甲斐ない妹に「出久を他の女にとられる」と煽りを入れた。

その言葉に半年以上前に同じような言葉を言った岬が反応し、茜は事実を突きつけられてうめき声を出す。

 

「確かに櫻田家で女としゃべってある程度は耐性がついていると思うが、他の女の子に言い寄られたりしたら簡単に受け入れるかもな」

 

「修ちゃん、まるで出久がちょろいみたいに言わないでよ!!……ありえるかもしれにないけど……」

 

そして話は出久が女性に言い寄られたらOKしてしまうという話に変わっていった。

茜も否定したかったが、落ち着いて考えても女性の付き合いが少ない出久が他の女性に惹かれるのは否定できなかった。

 

「アンタねぇ…そんなに消極的だと百ちゃん辺りに先を越されるわよ?」

 

「?なんで百ちゃんがそこで出るの?」

 

(察しが悪くって我が妹とはいえ呆れるわ……これは私達が本格的にサポートしないとダメかしら?)

 

「???」

 

今日、何度目の溜息をした奏は自分から出久へアピール考えない妹の発破のつもりで八百万の名前を出すが茜からしたらぴんと来なかったようで姉の意図がつかめなかったようだ。

 

奏は茜の友人として八百万が訪ねてあったことがあり、彼女が出久と会う時の態度でなんとなく彼に対して好意を持っていたことを知っていた(同時に出久みたいな人間に惚れるか疑問に思っているが)

出久、八百万、茜の三人でいることは少なくないのに八百万の好意に気が付いていない茜に奏は呆れ果てていた。

とはいえ、それでも自分の妹であるために放って置くわけにはいかずに今まで他人の恋路だからと遠慮していたが本格的に関わろうと考えていた……そんなことはいらない茜は首をかしげていたが。

 

 

 

「出久の話題の中で悪いけど、茜は今後王様に対してはどうするの?元々なりたくない派だったけど、そこははっきりするべきだと思うんだよね。あと1年しかないわけだし」

 

「そうよね。王様になる気があるかどうかは重要なことよね。それによって私達が選挙でとる行動も変わるわけだし」

 

話の流れを変えたのは遥だった。彼が出した話題は『茜が王様をやりたいか』だった。

彼ら、王族にとって次の王様を決める選挙は大切なことであり、それを本気でやる気はあるかどうかは大切のことであった。

今でも週末に国民投票の結果を知らせている形式でやっていて常に家族はそれを見てドキドキハラハラしている、

ちなみに前回の1位は葵だった。というか大体、葵なことが多い。

 

「あたしは別にヒーローをしながら王様を狙うのもいいと思うけどな―。現に私はアイドルしながら王様狙っているし」

 

「お前の場合は個性で姿を変えているから選挙に影響がないだろう、光」

 

光の軽々しい発言に修が突っ込む。

光の個性『生命操作(ゴットハンド)』。生物の成長具合を一時的に変化させることが出来る。ただし持続時間は最大24時間で、一度成長させると対象を再び変化させるには一定時間(約12時間)経たないと不可。自分に使うことも可能だが、変化するのは外見のみ。

この個性で光は『桜庭 らいと(さくらば らいと)』というアイドルで最近、活躍している。

これは『新人アイドルで人気を取り、頃合いを見計らって正体を明かして注文度を集める作戦(by遥)』なのだが肝心の光がそれを理解していないのが現実……。

 

「……私、本当はヒーローになろうとか本気で考えていたわけじゃなくて百ちゃん…ううん。出久くんが誘ってくれたのが嬉しくってヒーロー科に受験しただけだし……」

 

((((((ついに認めた!!!))))))

 

上から6人の兄弟姉妹(茜は除く)の気持ちが一致した瞬間であった。

今まで頑なに出久への好意を否定していたのにそれを少しでも認めたのは茜の成長を兄弟姉妹(下の2人は除く)は感じていた。

 

 

「まだ王様になるとか具体的に決めてはいないし、真面目に目指している人に失礼かもしれないけど、まずは目の前のヒーロー科で頑張っていきたいの。出久と昔、一緒に『ふたりで最高のヒーローになろうね』って約束したから……」

 

茜は落ち着いて、ゆっくりと自分の思いを打ち明けた。

家族はその気持ちを静かに聞いていた。普段、選挙の演説でも姉や兄と一緒にいなければまともにできないほどの内気な性格である。

そんな彼女が家族と言えど、ここまで自分の気持ちを吐き出すことはなかったために兄弟姉妹は何も言わずに彼女の気持ちを聞いて、どう言葉を掛けようか悩んでいた。

 

「うううっ……」

 

「お父さん!?泣いているの!?」

 

「茜がそこまで考えているとはなぁ。お父さん、感激した!!」

 

そんないつもと違う神妙な雰囲気が出ていた中で父親の総一郎が急に泣き出して雰囲気が壊れてしまう。

父親がいきなり泣き出すという状況に茜も先ほどの態度から一変して面を喰らってしまっていた。

 

「総ちゃん、いい年して恥ずかしいですよ」

 

「す、すみません…五月さん……」

 

そんな父親に対して先ほどから料理などを作って口を出さなかった茜達の母親の五月が総一郎を軽く叱った。いくら王様と言えども妻の五月には昔から弱いのだ。

 

「こんなんでも王様なんだぞ?」

 

「……………」

 

そんなを見ながら子供たちは呆れてものがいえなくなった。

 

「茜」

 

「何?カナちゃん?」

 

「アンタが出久のことをどれだけ想っているか知っているつもりだし、今はとりあえず突き進みなさい。()()アンタが自分で決めて歩き出すことなんて珍しいんだからそれを大事にしなさい。」

 

「カナちゃん……」

 

茜の決意を聞いた奏は彼女の意見を肯定しつつ、アドバイスを行った。

その言葉に茜も感銘を受けてた――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でもカナちゃんがこんなに優しいなんて…まさか夢?」

 

「アンタ、張っ倒すよわよ!?」

 

 

 

――――しかし、普段は茜に対して態度が悪い葵が急に優しくなったように感じた彼女は夢などという見当違いな発想に至ってしまう。

その態度に流石の奏もいかり憤りを感じた。

 

 

 

 

 

それからパーティーは続いて、お開きになった。

父親の様子から家族の一部から明日もパーティーをすることにうんざりした兄弟姉妹もいたが、なんだかんだでこういう家族を祝うことは嫌いではなかったので明日も仲良くパーティーをすることは予想できた。

 

(家族だけだと飽きるし、明日は花蓮や杏ちゃんも呼ぼうか……そして出久も)

 

もしこうして連続でパーティーやるとしても変わりないメンツだとつまらないからと明日からは知り合いを呼ぼうと茜は考えていた。

その中ではいつか出久を友達ではなく”家族”として参加できればいいなぁ…と密かに思いを馳せるのであった。




長くなってしまって申し訳ない。
最初は7と一緒だっただけど、思った以上に長くなってしまって7.5に分けることになってしまった。
周りは出久を思ったより受けて入れていますが、ここでは読者が知らないところで結構な付き合いがあるためです。
まあ、嫌っているというか苦手意識持っているのは光ぐらいですね。

あと手甲と謎の技術の光線銃で24万は安いと思った人はもっといい感じの値段か光線銃の代理案をください
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