ウマ娘超光速戦記 -TACHYON Transmigration-   作:LN58

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丁種計画  無限に広がる心の世界の暗黒宇宙に光あれ

 

 

――――――現状、私が抱えている世界の命運を左右する重大任務はいくつもある。

 

 

その第四を“丁種計画”と題し、23世紀においては常識の話を21世紀に定着させるという、現代人が原始人の在り方を野蛮人と嘲笑うのと同じことをしなくてはならない、ある意味においては幼児教育並みのことをせざるを得ないのだ。

 

ちがうな。21世紀の人間にとって200年の前の19世紀の近代革命前後の基本的人権の尊重というものが芽生え始めた頃のモラハラ・パワハラ・セクハラ全開の差別と暴力の時代の人間を嘲笑うようなものだな。

 

だが、それは23世紀の宇宙科学によって培われた新たな生活様式において発明された画期的で先進的で21世紀に人間にとってまったくもって未知の常識のことなどではない。

 

逆なのだ。既知の常識;有史以来 親から子へと連綿と語り継がれていくべき、人間がいつの頃からか自らの理想として確立してきた、人間としての真っ当な生き方をすることを言っているのだ。

 

簡単に言えば、明治天皇陛下が近代日本の教育の基本方針として下した『教育勅語』に書かれていることを素直に実行できる人間があまりにも少なすぎる印象を私は21世紀の人間から感じていた。

 

実際、この時代で一般的なチャペル式の結婚式で神父が新郎新婦に永遠の愛を誓わせる場面に憤懣やるかたない思いを抱いたように、個人主義と物質主義に随分と毒された無教養で非理性的で刹那的な快楽に身を委ねる愚かな人間ばかりが目に映ってしまう。

 

それは毎日確認しているニュースサイトの記事を見れば、このご時世にどういうことに世間一般の人々が関心を持っていて、その世間一般の関心を引くために記事を書いている人間がどれだけいるのかがわかってしまう。

 

言うなれば需要と供給の観点から人民の興味関心や教養のレベルがわかるわけであり、くだらないニュース記事の類がいつまでも存在し続けているということは、そういった類を容認あるいは歓迎しているのが大多数というわけであり、そのことが地球圏統一国家に至らない未開惑星の人間の娯楽になっているのかと思うと憐れに感じてしまう。

 

曰く『他人の不幸は蜜の味』とは言うが、ネガティブな記事ばかりじゃなく、もっとこうポジティブな記事は書けないものだろうか。そういう過去の時代の人間の意地汚さを新聞やニュースサイトを見ていてふと思ってしまうのだ。

 

 

しかし、良きこと・素晴らしいこと・喜ばしいことの真相とはそういうものではないのかもしれない――――――。

 

 

人間、眼の前の現実を生きるのに精一杯で苦しみに満ちた世界しか体験できていないのだから、そういうネガティブな物の見方に染まってしまうのはしかたがないのかもしれない。

 

そう、『昔はよかった』と懐古する感情を人類全体に当て嵌めれば、人類の歴史を振り返ってみた時に初めて人々の苦悶に満ちたノイズが取り除かれた燦然と輝く偉業の足跡が顕になるのかもしれない。

 

歴史を語れるのは当事者でない後世の人間の特権であり、誰かの苦難に満ちた生涯がそうやって後世の人間に語り継がれる歴史となった時こそが、生きた証として普遍にして不変のものとして誇れるのであろう。

 

そう、ポジティブなことがいつかネガティブになり、ネガティブなことがいつかポジティブなことに入れ替わるのが世の理なのだ。陽 極まれば陰となり、陰 極まれば陽となる――――――。

 

理不尽で見る者が見れば体罰に等しい厳しい躾がなければ心身ともに立派な紳士淑女にはなれず、甘やかされて育った子供が社会不適合者の烙印を押されるのと同じことだ。

 

 

――――――小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり。

 

 

このちがいは間違いなく『善を行う上でどこまでのことを見据えて善行したいのか』目標意識の高さにあり、ウマ娘レースで言えば『G3勝利でよく頑張ったね』と褒めるのか『G3勝利など次のG1勝利の過程に過ぎない』と気を引き締めさせるかのちがいだろう。

 

つまり、幸せに生きる義務を我々は生まれた時点で天命として与えられているが、幸せになるために幸せの種を蒔いて幸せの実が実るまでの桃栗三年柿八年の忍耐を強いられている――――――。

 

そのことを思えば、私は私の冒険心の赴くままに生きていける。誰かに頼まれたわけでもない割に合わないことを背負って自分の人生を思うがままに行けるのだ。

 

必ず報われる時はくる。善因善果・悪因悪果・因果応報は絶対の理――――――。

 

だからこそ、私は今こそ赤裸々な気持ちを天に御わす主に向かって告白しよう。

 

 

――――――やっぱ、人生なんてクソ喰らえだな!

 

 


 

 

――――――トレセン学園 入試期間

 

 

ザザザ・・・・・・    

 

斎藤T「………………」スッ ――――――ポケットラジオからノイズが強く響き渡る。

 

斎藤T「………………」スッ ――――――“黄金の羅針盤(クリノメーター)”の鏡が真実を映し出す。

 

斎藤T「うおっ」ビクッ

 

 

受験に失敗したウマ娘の生霊「うらめしや~」

 

 

斎藤T「……そこのきみ、名前と受験番号は?」スチャ ――――――使い捨てカメラを構える。

 

斎藤T「――――――悔しいだろう。死にたい気持ちになっているだろう」

 

斎藤T「けど、人生はそれで終わりじゃないんだ」

 

斎藤T「悔しかったら、あのオグリキャップのように高等部への編入を狙って地方で実績を積んで見返してやったらどうだ?」

 

斎藤T「何にせよ、きみにはまだ高等部に入る二度目のチャンスが残されている」

 

斎藤T「入学早々にスカウトされてメイクデビューを果たして一生に一度のクラシック戦線で華々しい活躍をする所謂“エリートウマ娘”になることを義務付けられているなら、誰の迷惑にならないところで親の言いつけ通りに自害して果てればいい」

 

 

斎藤T「――――――甘ったれたことを言うな!」

 

 

斎藤T「合格者数には定員がある。きみが合格したらきみの代わりに誰かが定員から漏れるだけで、こうして代わりの誰かがここにずっといることになるんだぞ」

 

斎藤T「弱肉強食は宇宙の法則だ。我々は常に何かを犠牲にした対価によって生きていられることを忘れるな。そのことへの感謝を忘れてはいけない」

 

斎藤T「ともかく、ここにいるのは学園にとって迷惑だから、次は堂々と高等部への編入を果たして闊歩しろ」パシャ

 

 

――――――さもなければ、私の夢に協力してもらおうか?

 

 

現在、私は2月の地獄週間の真っ只中にいた。

 

理由は明白。国民的スポーツ・エンターテインメントの夢の舞台であるトレセン学園への受験に失敗してこの世の未練を目に見えない世界にベットリとくっつけて去っていく負け組受験生の後始末をしているからだ。

 

全国各地の脚自慢が我こそはと名乗り出て高倍率の受験率となっているのだから、そりゃあ夢の舞台の入門テストになる受験に対する意気込みも人それぞれで天と地ほどの差があった。

 

最初から自分には無理だったと納得して帰る子もいれば、自分が夢の舞台の主役であると信じて疑わずに現実を受け容れられずに崩れ落ちてしまった子もいれば、この受験に全てを賭けて精も根も尽き果てた子もいるぐらいなのだ。

 

正式な通知は他校の受験のためにも翌週には届くようにはなっているが、その場に居合わせた他の受験生との試験レースの結果は実際に走った自分が誰よりも理解しているのだから、全ての試験が終わる前に心が折れた受験生への配慮としての途中退場も認められていたぐらいだった。

 

そして、『思いは重い』というわけで、重い思いが目に見えない重力を発生させ、目に見えない世界と表裏一体の目に見える現実を静かに歪めていくことになる。

 

ただ、霊魂から分離して魂のない霊は具体的な主体性を失った力となって同じ波長を持つ波と一体化していくうちに独自の霊体を形成していくようになり、それが裏世界においては妖怪となって表世界の住人にちょっかいを出すようになるのだ。

 

なので、私は2月の受験シーズンから災いの種が蒔かれているのを座視するわけにもいかず、学園裏世界で確立されたノウハウを用いて、今年の受験生たちの無念を浄化する無料奉仕活動(ボランティア)に勤しんでいた。

 

正直に言って、他にもやりたいことがあるのに、トレセン学園に門前払いされた受験生たちの面倒を見なくてはならないことに理不尽さを覚えながらも、

 

現実には夢の舞台の門を通ることなく肉体はトボトボと帰っていっても、生霊はきっちりと残していって その場にいる生者たちに悪影響を及ぼしていくのだから、始末に負えない。

 

そう、23世紀の人間のコミュニケーションの常識として『一念を大事にする』というものがあり、目に見えない世界での悪態はいずれ現実世界に悪影響を及ぼすことが常識として備わっているために、自分自身の幸福のためにも自分自身に跳ね返ってくる悪想念を生まない努力や習慣をするわけなのだ。

 

だから、勝負の世界を生業にして実績を叩き出す義務があるとしても、心のゆとりを保つために勝ち負けに拘らずに純粋に楽しめる趣味を23世紀の人間は誰しも持つようになっている。

 

少なくとも、相手にどれだけ非があろうと、立場上 叱りつける必要があるにしても、最後には他人を傷つける言葉や場の雰囲気を悪くする態度を心からお詫びして、『終わりよければ全てよし』となるように附祝言をするのだ。

 

そうすることで最初と最後をポジティブな想いで繋ぐことができ、その過程がネガティブな想いで満たされていようと最後はポジティブな想いで次の最初に人生を進めることができるようになる――――――。

 

 

そうなのだ。私はこうして夢の舞台からトボトボと去っていく受験生たちの生霊を元の肉体へと助霊していく中で毒を盛っているのだ。

 

 

『毒を以て毒を制す』とは言うが、私の場合は『毒を盛っている』側になっており、こうして悪霊祓いの資格と能力を持つ祭司長の私がトレセン学園に蟠る生霊たちに辻説法できる機会に利点を見出していた。

 

要は、夢の舞台に入ることを許されずに家路に就いたウマ娘やその家族が不幸な出来事で天に召されない限りは今後も国民的スポーツ・エンターテインメント『トゥインクル・シリーズ』との縁を切ることはない――――――。

 

そこで、これから私の担当ウマ娘がメイクデビューをする際にメディア露出も当然あるわけなので、生霊を相手に事前に“斎藤 展望”の顔や声を憶えさせて潜在的なファン層に取り入れようという大胆にして地道な宣伝活動をしているわけなのだ。

 

少なくとも、現実には面識のない相手であろうと ここで結ばれた縁は普遍的無意識で繋がっているので、はたしてどれほどの宣伝効果になるかは未知数ではあるが、そういうふうに利点(メリット)を見出さないと 正直に言って この助霊の無料奉仕活動(ボランティア)はやってられないものがある。

 

 

――――――なぜなら、やはりメスしかいないウマ娘の生霊よりもヒトしかいない父親の生霊の方が強烈だったからなのだ。

 

 

ウマ娘は“ヒトがウマになった”その亜人特有の野性と闘争本能からとにかく走ることが大好きであり、勝負事には強く熱中する一方で、その分だけ勝ち負けに潔い傾向があると分析される。

 

何しろ、白黒つける方法が至極単純な競走なのだから、そこに小細工が介入する余地はあまりにも少なく、優劣は歴然としたものになるので言い訳などしようがない。

 

しかし、それだけに競走への執着心は種族としてヒト以上であったとしても、勝敗への執着心は抽象概念や複雑怪奇な思考が発達しているヒトの方が圧倒的に上であるために、ウマ娘の競走の価値をつけるのは常にヒトであったのだ。

 

そして、メスしかいない種族であるが故にヒトの男性の精を受けなければ種の存続が不可能なウマ娘はそれだけにヒトの男性から精を絞り出すために時代ごとに敏感に男性に媚びるように進化してきた歴史もある。

 

その伴侶ともなるヒトの男性にとって、基本的人権の尊重によって“第3の性”という建前はあるものの、実際にはヒトを凌駕した身体能力を誇る異種族であるウマ娘を伴侶として自分のものにできている支配欲は“距離感がバグる”という表現に代表されるようにどんどん深みにのめり込ませるものとなっている。

 

それだけに、ウマ娘の父親になったヒトの男性というものは我が子が一番だという親馬鹿になりやすいらしく、母親になったウマ娘が年頃に育った娘のことを新たな競争相手としてやがて敵対心を抱く傾向にあるのとは対照的である。

 

たしかに、種の存続の観点から言えば、父親が次代を担う娘のことを一番に思うようになった方が生存戦略では有利になるわけで、母親が年頃の娘に敵対心を抱くようになるのも身近な相手と競争心を煽ることで成長に繋げられるので、実に理に叶った異種族共生社会の家族の生態だと言わざるをえない。

 

しかし、それが自らの理性によってあらゆる暴力や差別を律して地球上の誰とでも手を取り合って地球圏統一国家を築ける真の文明人でもない限りは、人類全体として悪い方向に行くのも自明の理である。

 

 

――――――孔子やお釈迦様が理想の教えを説いて、いったい何年が経っていると思っているんだ?

 

 

斎藤T「……もう嫌だぁ」グデー・・・

 

斎藤T「……あんのクソ親父どもがぁああああ! そりゃあ、我が子が可愛いのは当然だろうが、過保護にも程があんだろうよ!」

 

斎藤T「……全寮制の学校だって情報公開されているだろうがよぉ!」

 

斎藤T「……そりゃあ、一時は学生寮の建て直しの都合もあって自宅通学ができた時期もあるにはあったけどさ!?」

 

斎藤T「……全体的に自分の娘に期待を寄せる母親(ウマ娘)もいるにはいるけど、圧倒的に父親(ヒト)が目に見えない世界でモンスターペアレント化している割合が高すぎんだろう!?」

 

斎藤T「もう裏口入学でいいだろうがよ! 全てのウマ娘の頂点に立つためには脇役も不可欠なんだからさ! 試験レースの結果だけ見て あきらめるのは早すぎるだろうが!」

 

 

斎藤T「ホント、夢の舞台の運営はそういった自分の娘に期待を寄せる親のエゴ(財布)によって賄われているわけだから、公営競技の人気商売というのもなかなかに罪作りなものだ……」

 

 

斎藤T「でも、これで少しはスッキリしたか?」

 

斎藤T「また、使い捨てカメラのロット単位での発注をしなくちゃだな」

 

斎藤T「……ん?」ゴロゴロ・・・ ――――――キャリーカートに満載の使い捨てカメラ。

 

 

織田T「よう、こんなに大量の使い捨てカメラなんて運んでどうしたんだ、トレーナー?」 ――――――やや着崩した身形に熱意と野心を感じさせる成人男性。

 

北斗T「もしや、あなたも“同業者”?」 ――――――非常に気が強そうな秘書の身形をした成人女性。

 

 

斎藤T「……トレーナーバッジ。見ない顔」

 

斎藤T「――――――いや、あれは中央のものじゃない?」

 

織田T「ああ。俺たちは 元 中央(ここ)のトレーナーってところだ」

 

北斗T「そして、夢の舞台に入ることが許されなかったウマ娘たちを勧誘しているの」

 

斎藤T「日本ウマ娘トレーニングセンター学園、通称:中央トレセン学園はURAが管轄するものでは日本最高峰のレベルのスポーツ校――――――」

 

織田T「ああ。日本だけじゃなく世界が注目している『トゥインクル・シリーズ』の参加資格を得られるのは中央だけじゃないというわけさ」

 

北斗T「『トゥインクル・シリーズ』に出走して優勝したいなら、URA所属のトレーナーが所属する公認団体からの参加もできるわけだから」

 

北斗T「中央の利点は言うなれば世界最先端のトレーニング環境とトレーナー陣というわけ。なら、それが用意されている環境と人材が整っていれば、中央にこだわる必要はどこにもない」

 

斎藤T「なるほど。中央トレセン学園の寡占状態が緩和されれば、『トゥインクル・シリーズ』で活躍できる機会が広くもたらされ、新たな競争と発展がもたらされるわけか」

 

斎藤T「――――――そういう救済の在り方もアリか」

 

織田T「お、話がわかるじゃないか、トレーナー。お前も中央のやり方に不満を持っていたか」

 

北斗T「あなた、中央にいるのがもったいないわね」

 

北斗T「ねえ、才能を持て余してない? 私たちの団体に来ない? この数年でG2格まで昇り詰めた新進気鋭のトレセン予備校に転職しない?」

 

 

斎藤T「パンフレットや資料をくれないか。一考の価値があるかもしれない」

 

 

織田T「渡してやれ、北斗T」

 

北斗T「どうぞ、これが私たちの横浜トレセン予備校“根岸校”です」

 

斎藤T「……どこ? そういえば東京競バ場のG3レースに『根岸ステークス』なんてあったような?」

 

織田T「おいおい、横浜(ハマ)の南海岸のことだぞ、根岸ってのは。他にも神奈川県は関東随一の喧嘩っ早い連中の集まりで、いろんな少年漫画の舞台になっているから読んでおけよ。だから、賭け事も大繁盛でね」

 

織田T「そしてな、それだけじゃねえんだぞ、根岸は」

 

北斗T「幕末の黒船来航によって開校された横浜で展開された日本で初めてもたらされた近代ウマ娘レース『居留地競バ』の舞台であり、日本の近代ウマ娘レースの発祥の地でもあるのです」

 

北斗T「かつての大戦の影響で閉鎖されることになり、各地の競バ場の近代化改修の波にも乗り遅れ、『根岸競バ場』は正式に中央競バ『トゥインクル・シリーズ』の管轄から外れて、根岸森林公園と根岸競バ記念公苑となってしまいましたが、」

 

北斗T「URAの管轄から外れて遺構となって残り続けた『根岸競バ場』を文化財として保存活用するように求める声が上がり、そこを我々が『トゥインクル・シリーズ』での賞金を元手にして買収・整備したのが 現在 G2格となる横浜トレセン予備校“根岸校”というわけです」

 

織田T「つまり、俺たちのバックについているのは『居留地競バ』で日本で初めて近代ウマ娘レースの華々しさを目に焼き付けることになった 先祖代々 横浜(ハマ)の根っから競バ好きってことなのさ」

 

織田T「それに、昔は『札幌・函館・福島・新潟・中山・東京・横浜・中京・京都・阪神・小倉・宮崎』の12の競バ場で中央競バが開催されていたのに、九州の片田舎の宮崎はともかく、横浜がいつまでも除外された扱いなのに地元民は我慢ならないわけでな」

 

織田T「日本競バの発祥の地:横浜根岸だぞ! 蔑ろにしやがって!」

 

織田T「そんなわけで、設立して10年にもならないが、歴史と伝統ある『横浜競バ場』をホームグラウンドにしてるURA公認の横浜トレセン予備校“根岸校”は今やG2格になって立派に繁盛しているぜ」

 

斎藤T「それは将来性に期待できますね。これからのワークアンドライフバランスを重視した生活様式を考えるなら、全寮制ではなく、予備校というスタイルで重賞レース制覇を目指すのも新しい時代の在り方ですね」

 

 

斎藤T「ひとまず、これからのお付き合いとして、少ないですが100万円の小切手をどうぞ。仲良くしましょう。より良い未来を共に創り出す者同士として」ビリッ ――――――その場で小切手を切った!

 

 

織田T「うおおっ!? お前、新人トレーナーだろう? 担当ウマ娘を勝たせたわけでもないのに、よくポンと出せるもんだな! 気に入ったぜ!」

 

北斗T「少なくとも、メディアであなたの顔を見たことがないので無名のはずですが、これは将来が期待できますね」

 

斎藤T「ええ。理事長に悪いですが、健全な競争(Friendly competition)がなくては組織の新陳代謝は促されることはありませんからね」

 

 

こうして『災い転じて福となす』――――――、

 

トレセン学園にいつまでも居座って未練がましい態度を取り続ける生霊たちをぶん殴りたい気持ちを抑え込んであるべき場所に送り返した後、アメとムチということで意外な出会いがもたらされた。

 

そして、今年から始まった『URAファイナルズ』に出走する担当ウマ娘の調整のために一般的にはオフシーズンとして休暇が奨励されていた受験期間中に残るトレーナーは多くはなったが、

 

受験期間中にまだ見ぬ未来のスターウマ娘である受験生たちへトレーニング施設やレース場が割り当てられていることを嫌って、遠征や自主トレにして結果として例年通りに学園を離れているトレーナーがそれでも多かった。

 

そんな中、自分の実力を知って失意の底に叩き落されて学園を後にする未来のスターウマ娘になりそこねたウマ娘たちを勧誘するURA公認の団体があった。

 

それはトレセン予備校と呼ばれているものであり、トレセン学園とはちがって学校教育は担当しないので 指導をする教官と出走権を与えるトレーナーだけで構成されている 純粋に走ることにだけ特化したアスリート養成校となっている。

 

一般的には『トゥインクル・シリーズ』への出走権を得るには東京(府中市)の中央トレセン学園しかないと錯覚するぐらいに、中央の知名度と実績が抜群ではあるのだが、

 

中央トレセン学園もまたあくまでも『トゥインクル・シリーズ』への出走権を与えられている団体の1つに過ぎず、探せばトレセン予備校なるものから出走権を得る道が存在するし、地方トレセン学園での鬼神の如き活躍で高等部に編入する脇道も存在するのだ。

 

他にも、頂点のウマ娘を誕生させるために踏み台になるべき脇役の存在も大量に欲しいわけなので、試験レースでの戦績が散々であっても心が折れずに学資金の宛があるのなら裏口入学も広く認められているのが黄金期で総生徒数2000名弱を記録したトレセン学園の実態なのだ。

 

つまり、脚自慢のウマ娘たちが勝てないことに心が折れて自ら勝負の世界から下りようとしなければ、道はいくらでも開かれているのだ。――――――籍を置くだけなら。

 

そのことをどれだけ知っているかによって、こうして無関係な私が夢破れた敗残兵の処理に追われずにすむのだ。

 

そういう意味では私は中央トレセン学園の理事会とは馬が合わないはずだ。実質的な商売敵とこうして縁を結んだのだから。

 

 

しかし、WUMA襲来の()()()()()を回避するためにタイムパラドックスを目的とする丙種計画とは対照的に日常の裏側に潜む悪意を言向け和す丁種計画というのも表裏一体で決して手を抜けないものである。

 

 

何しろ、この世に悪があるとすれば、それは悪を知りながら善を果たせない人の心そのものなのだから。

 

この宇宙の中心で蠢く白痴の塊(アザトース)とはまさしく人類が存在していく上で避けられない自分たちが生み出していく業に他ならない。

 

しかし、それは同時に見方を変えれば善でもあるし、そうではないと言いきることさえ可能である。

 

そして、一番に最も恐れるもの、勝たねばならない敵、それは自分の心であり、自分自身の認識が事象の世界での全ての原因と結果の糸を紡いでいるのだ。

 

それが23世紀の宇宙移民たちが胸に刻んで広大な宇宙で孤独に至らない『一にして全、全にして一(ヨグ・ソトース)』になり得るのだ。

 

だからこそ、『自灯明、法灯明』と言い遺したようにお釈迦様は神の如く言うのだ。

 

 

――――――天上天下唯我独尊(アルファ・オメガ)

 

 

あるいは、孔子の『修身斉家治国平天下』にあるように、まずは自分自身が極まっていなければ法:神の叡智も悪魔の囁きによって、たちまちのうちに俗悪に堕ちてしまうことだろう。

 

自分自身が世のため人のために何をなすべきか天命を悟り、その天命に生きられることを至上の喜びとした叫びが『天上天下唯我独尊』なのだと23世紀の宇宙移民の私はそう教わっている。

 

つまり、認識の世界においては自分自身が世界の中心であるわけなので、その世界の理である自分自身が一番に尊い存在であるのは実は至極当然の話でもあるのだ。

 

自分を大切にできない者に他者に施しを与えることなどできない。あるいは、自分で“自分”を客観視してその時々の“自分”の目的に沿った動きができないような自律心のない未熟者に救える者などない。

 

問題は自分自身の世界以外にも無数に存在する世界との繋がりをどうしていくのかという多面的かつ多元的な視点が必要になるわけであり、他人との付き合いもまた自分自身の世界にどう取り入れていくかという永遠の課題が突きつけられている。

 

思えば、光の速さですら達することができない だだっ広い宇宙の無限に広がる虚無の空間に価値を見出せない人間には宇宙移民は向かないのと同じはずだ。

 

あるかどうかも行ってみないことにはわからないシュレディンガーの猫の状態の新惑星を求めて流離う宇宙移民の旅の空虚な日々を満たすのは常に創造性と発展性に満ちた日々であり、自ら価値を創造できない人間はただ退屈で死んでいくだけである。

 

 

 

――――――トレセン学園/トレーナー寮

 

 

斎藤T「――――――トレセン予備校か」ゴロゴロ・・・ ――――――使い捨てカメラ満載のキャリーカートを押す。

 

斎藤T「選択肢は多い方がいいからな。保険を掛けておくのも悪くない」

 

斎藤T「この調子で船橋トレセン学園のWUMA共を一掃する手立てが見つかればいいがな……」

 

斎藤T「そして、来週は高等部()の敗残兵の処理となるわけだな。『高等部()がある』と気軽に言える中等部よりも気が重たくなる……」

 

斎藤T「けど、トレセン予備校を紹介する選択肢もできたわけだし、これは良い天の采配じゃないか」

 

斎藤T「ともかく、生者の足を引っ張る魑魅魍魎を私が祓わないとかぁ……」

 

斎藤T「まあ、これも甲種計画を頂点にして丁種計画を土台にした私の計画であるからなぁ……」

 

斎藤T「お」

 

 

ライスシャワー「あ、おかえりなさい、斎藤T!」

 

飯守T「遅かったじゃないか、斎藤T。何してたんだ――――――って、そのキャリーカートいっぱいの使い捨てカメラは!」

 

斎藤T「まあ、そういうことですよ」

 

ライスシャワー「……?」

 

飯守T「そっか、明日で中等部の受験も最終日だもんな。そりゃ、いろんなものがこのトレセン学園に溜まっていくよな」

 

斎藤T「できれば、ERTにそういったことをお願いできる人材がいればいいんですけどね」

 

飯守T「そうだな」

 

ライスシャワー「あの……」

 

飯守T「あ、そんなことよりもだ!」

 

飯守T「ほら、ライス!」

 

ライスシャワー「うん! お兄さま!」

 

 

ライスシャワー「どうぞ、ハッピーバレンタイン! 斎藤T!」

 

 

斎藤T「ああ、ありがとう。そっか、今日は02月14日:バレンタインデーってやつか」

 

飯守T「ライスお手製の栄養満点の五穀米のパフチョコレートだからな!」

 

斎藤T「おお! 栄養を考えたチョコバーなのはありがたい!」

 

ライスシャワー「それと、これ、ブルボンさんからの!」

 

飯守T「こっちは才羽Tの力作:フルーツチップスや野菜チップスのチョコチップスだぞ」

 

斎藤T「おお! さすがは才羽T! 一捻り一手間を加えている!」

 

ライスシャワー「それで、最後はミークさんからです!」

 

飯守T「いや~、桐生院Tも初めてのチョコ作りでだいぶ苦戦していて、ミークが大部分を作った感じになってて大変だったけど、一緒に楽しくチョコ作りができたぜ、今日は」

 

斎藤T「そうでしたか」

 

飯守T「桐生院T、だいぶ吹っ切れた感じになって、才羽Tと笑い合うことができていたぜ」

 

斎藤T「それはよかった」

 

飯守T「で、日頃の感謝のお礼ってことでお前には愛情たっぷりのチョコだってさ」

 

斎藤T「いい先輩にめぐりあえて私も嬉しいですよ」

 

飯守T「で、中身はチョコレートソースをかけたパウンドケーキだから」

 

斎藤T「じゃあ、それからいただこうかな」ヒョイ

 

ライスシャワー「わあ!」

 

斎藤T「うん、美味しい」モグッ

 

斎藤T「いろんなドライフルーツが散りばめられているから擬似的なフルーツチョコレートのような酸味が程よく広がるね」

 

飯守T「俺も試食したけど、フルーツチップスや野菜チップスの余りを使った割にはよくできていてビックリだったよ」

 

斎藤T「うん。ごちそうさま。掛け値なしに愛情たっぷりで大変美味でした」ペロリ

 

飯守T「へへ、一流のパティシエの才羽Tとチョコ作りをした甲斐があったな。桐生院Tも喜ぶよ」

 

ライスシャワー「……?」

 

ライスシャワー「……このチラシって?」パラッ

 

 

ライスシャワー「――――――『横浜トレセン予備校“根岸校”』?」

 

 

斎藤T「あ」

 

飯守T「え、『トレセン予備校』!?」

 

ライスシャワー「あ、ごめんなさい! 勝手に見ちゃって!」

 

飯守T「え、お前、予備校に転職するの!?」

 

斎藤T「まあ、一考の価値はあるかと思ってますけど」

 

ライスシャワー「え、えええええええええええ!?」

 

飯守T「ちょっとまてよ!? これからアグネスタキオンのメイクデビューなんだろう!?」

 

斎藤T「もちろん、私の担当ウマ娘とは最後まで走り抜くつもりですよ」

 

斎藤T「ただ、そもそも夢の舞台に入ることができなかった子たちを『トゥインクル・シリーズ』に走らせることができる場所が他にもあっていいと思ってましてね」

 

ライスシャワー「あ……」

 

斎藤T「それに、『居留地競バ』をルーツにする『横浜競バ場』を建て直して経営されている予備校に入学する未来のスターウマ娘の動向を探る必要も出てきましたから」

 

飯守T「へえ。たしかに、中央トレセン学園以外のURA公認団体から出走している子がいるのは知っていたけど、それでもG1レースに出てくるのは極々稀だったから、学園以外にライバルがいることをすっかり忘れていたな」

 

 

飯守T「じゃあ、これからは中央(ここ)以外の団体からも強豪たちが出てくる可能性があるってわけなのか」

 

 

斎藤T「そうです。今は中央競バと言えば中央トレセン学園(ここ)と名指しされていますが、かつて地方競バ出身で中央の人気を取り戻した伝説:オグリキャップのような存在に足元を掬われる未来がいずれ来るでしょう」

 

飯守T「むしろ、自宅通学を望んでいる子やバカ高い学費に苦しんでいる子たちからすれば、予備校という形態は全寮制の学園生活に合わない子たちにとっては むしろ大歓迎かもしれないな」

 

斎藤T「そうです。これがかつてG1ウマ娘を輩出した実績のある織田Tが中央から独立して横浜に予備校を構えた勝算ですね」

 

飯守T「ああ。中央トレセン学園が最高のトレーニング環境とトレーナー陣に直結している全寮制の中高一貫校であることが利点である名門校に対して、」

 

飯守T「ハイレベルな学校教育が間に合っているなら、後は中央トレセン学園に並ぶ最高のトレーニング環境とトレーナー陣を用意できれば、コストパフォーマンスに優れているのは 断然 予備校になるからな」

 

飯守T「これは全寮制であることやバカ高い学費を嫌う貧乏苦学生や屋敷から通わせたい箱入り娘の強い支持を得るかもしれないな」

 

飯守T「それに横浜だもんな。地方競バで言えば近くに川崎トレセン学園があることだし、そこと提携して中央競バへの出走チケットを握らせれば、根岸と川崎の両方を活気づかせることもできるわけだし、東京に対抗意識を燃やしている神奈川県民にとっては良いこと尽くめだろうな」

 

飯守T「おい、見ろよ。根岸ってスゴく横浜市街に近いぞ。海釣り施設や中華街なんかが近くにあるし、港の見える丘公園とかロケーション最高かよ!」ピッ

 

飯守T「こりゃあ、多摩地域の府中市(ここ)なんかよりもよっぽど通いやすいし、東京にこだわりがないならコスパがいい横浜トレセン予備校に通わせたくもなるな」

 

飯守T「たしか、避暑地とかで有名なの、葉山じゃなかったっけ?」

 

斎藤T「そうですよ。葉山御用邸。嘉仁親王;後の大正天皇陛下が 幼小時 健康が優れず、侍医のエルヴィン・フォン・ベルツが保養地として勧めた場所です」

 

斎藤T「ですので、そうした神奈川県の保養地から通える横浜トレセン予備校の価値は 年々 ますます高まっているわけですよ」

 

斎藤T「なにせ、私立も公立も関係ない予備校ですから、毎回の交通費と中央より格段に安い授業料を払うことができればG1レースの出走チケットを狙えるわけですからね」

 

斎藤T「まあ、もちろん、総生徒数2000名弱のマンモス校になった中央トレセン学園と比べたら小規模ですけど、」

 

斎藤T「それでも、通常の募集枠に加えて中央(ここ)での入試から落ちた子たちに特別枠を設けている辺り、完全に中央にと張り合う気概を出していますね」

 

飯守T「天下の中央トレセン学園に挑戦するライバル団体かぁ」

 

ライスシャワー「………………」

 

斎藤T「あ、ごめんね。長々と」

 

ライスシャワー「あ、ううん。ライスも聴いていたいの。お兄さまや斎藤Tがみんなのためにどんなことを考えているのかをライスも知っておきたい」

 

飯守T「そっか」

 

飯守T「ライスも来年度で高等部だもんな。そうなれば、地方トレセン学園やトレセン予備校からの編入生と同じクラスになるかもしれないことだしな」

 

ライスシャワー「うん。ライス、高等部でも『ライスの走る姿を見てくれる人に希望を与えたい』から」

 

斎藤T「いい子だね」

 

飯守T「いい子だぞ」

 

斎藤T「じゃあ、今日はそういったことについて、いろいろと話し合いましょうか」

 

ライスシャワー「うん!」

 

飯守T「あ、でも、そろそろ学生寮の門限が――――――」

 

斎藤T「そこでビデオ通話ですよ」

 

飯守T「なるほど!」

 

飯守T「じゃあ、グループに参加だ、ライス! 眠くなったら いつでも切っていいからな!」

 

ライス「うん!」

 

飯守T「よし、グループに入ったな。今日のところはおかえり、ライス」

 

ライス「じゃあ、お兄さま! ビデオ通話で!」

 

 

タッタッタッタッタ・・・・・・

 

 

飯守T「さあ、大量の使い捨てカメラを運ぼう」ゴロゴロ・・・ ――――――使い捨てカメラが満載のキャリーカートを押す。

 

斎藤T「ありがとうございます」

 

飯守T「いや、礼を言うのはこっちの方だって」

 

飯守T「いつもありがとな。俺も手伝いたいから、いつでも呼んでくれよ」

 

斎藤T「そう言うと思ってましたよ」

 

斎藤T「実は、新装備を渡しておこうと思いましてね」

 

飯守T「お、本当か!」

 

斎藤T「はい、これがその新装備です」スチャ ――――――取り出したのはポケットラジオ!

 

飯守T「え、これって、ポケットラジオ……?」

 

斎藤T「近くに妖怪や悪霊がいると悪の波動を受信してノイズが強まる仕様です」ザザザ・・・・・・

 

飯守T「うえええええええええ!?」

 

斎藤T「他にも、同時に妖怪を追い払う魔除けのミュージックの再生機能を追加しているので、霊的に危ないと思った時に鳴らしてください。防犯ブザーとしても使えます」

 

飯守T「い、いいのか、これ!?」

 

斎藤T「いいんです。とにかく、人手が欲しいので、これと思った人材には惜しみない支援をします。頼りにしてますよ」

 

飯守T「……わかったよ。お前には借りがあるからな。これで恩返しさせてくれ」

 

 

ゴロゴロ・・・

 

 

飯守T「しっかし、またこんなにも使い捨てカメラで撮りまくることになるだなんて、これじゃあ毎年の受験シーズンは地獄だな」

 

斎藤T「地獄ですよ。私も散々苦しめられました」

 

斎藤T「それじゃあ、その使い捨てカメラが入ったプラ段はいつもどおりにガムテープで閉じて宅配便に出すので、守衛のところでカートから下ろして置いてください」

 

飯守T「ああ」

 

斎藤T「さてさて――――――」

 

斎藤T「!!!!」ゾクッ

 

 

マンハッタンカフェ?「――――――」ジー ――――――こちらをジッと見つめる黒い影!

 

 

斎藤T「………………」カチッ ――――――ポケットラジオの録音再生機能を使う!

 

飯守T「おお? これが悪霊退散ミュージックか?」 ――――――悪霊退散ミュージックが鳴り響く!

 

斎藤T「………………」

 

 

マンハッタンカフェ?「――――――」スゥーー・・・ ――――――跡形もなく消えていく!

 

 

斎藤T「……効き目はあったか」ホッ

 

飯守T「どうしたんだ、急に?」

 

斎藤T「何でもないです」

 

斎藤T「…………そうだった。メジロマックイーンの和田Tに持たせておく必要があったな、これ」

 

斎藤T「…………またライスシャワー?に化けたオバケに襲われる心配があるもんな」

 

 

――――――人知れず 未来からの侵略者と現実世界の裏側に潜む怪異との戦いの日々は続く。

 

 

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