ポケットモンスター ホウエン地方編   作:とーさかしゅん

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タイトル困りました。誰ともバトルしていないのだから!
というわけでvsキルリア。「誰が」はヌマクローです。シャモの目標に対する意見のぶつかりです。キルリアの最終目標を探すのは私の目標ですね。
もう更新は5の倍数で出るかどうかくらいのペースでやります…。中々進まない…。それではお楽しみくださいませ。


第14話 vsキルリア バイト!うみのいえ

 

 1 9/27 ムロタウン

 

 いしのどうくつを出た俺は、ポケモンセンターに預けていたラナとスバメを手持ちに加えた。

 2階の自分の部屋に入って、ボールの中のポケモンたちをいっせいに出した。

「ヌマー!」

「おおっと」

「ソー」

「スバーっ」

「めのん」

「ヤーミヤミヤミ!」

 ムロジム戦といしのどうくつの探検を通して、俺の手持ちは遂に6匹揃った。

 しかしラナとスバメはヤミラミを知らないわけだし、ジム戦前にゲットしたメノクラゲも、まだ仲間になってから日が浅い。そこで一度、みんなの顔合わせをしようと思ったというわけだ。

「新しい子ですね」

「ああ、みんなにも改めて紹介する。こいつはヤミラミ。いしのどうくつで色々あって仲間になったんだ」

「ヤミ~」

 ヤミラミは紹介されるとすぐにボールに戻ってしまった。まさかいきなり落とし穴を作るようなヤツが人見知りだとは思えない。

 しばらくすると、俺の腰から小さな石ころが落ちてきた。拾ってみるとそれは「かたいいし」だった。

 洞窟の岩を砕くとよく掘れる、ポケモンに持たせるといわタイプの技が強くなるアイテムだ。まあ俺のポケモンたちにはあまり関係ないのだが。

 そんなかたいいしが、さらにまた1つポケットから落ちた。

「?」

 さらに1つ。どういうことだと腰に目をやると、どうやらヤミラミのモンスターボールの方から出てきているようだ。

「っておいちょっと待てー!」

 慌ててヤミラミをボールから無理やり引き出す。出てきたヤミラミは両手いっぱいにかたいいしを持っていた。

「お前これどういう意味だ!」

 するとヤミラミは少し照れたように頭を掻いた。そして俺の前にかたいいしの1つを置いた。

 ヤミラミは続いてヌマクローのところに、そしてラナ、アゲハント、スバメ、メノクラゲの順にかたいいしを置いた。

「ヤミー!」

 両手を挙げて、他の手持ちたちにアピールをしだした。

「あの」

「? なんだラナ」

「彼は自己紹介のついでにお土産をみんなにあげているようです。いしのどうくつの」

 それでこんなにたくさんのかたいいしを…。だけど明らかに数が多い。

「お前、とりあえず数をたくさん持ってきて、適当に渡してないか?」

「…ヤミ~?」

 知らんぷりだ。こりゃ図星か。

 俺はヤミラミの頭に手をおいて撫でる。

「別にそんなことしなくてもいいさ。俺がゲットした時点で俺とお前、そしてここにいるみんなと、それからこれからゲットするみんなは仲間なんだから」

「ヤミ~…!」

 ヤミラミは嬉しそうに手を叩いた。ヤミラミというポケモンは、最初は目が宝石で少し不気味な印象を抱いたが、こいつは感情の表現が分かりやすくて案外可愛い。

「ちょっ、あんまり見ないで下さい~」

 ラナがちょっかいをかけられて涙目になっている。いたずら好きなところがたまに危なっかしいというのか…。

「メノクラゲ」

「めの?」

「お前も一応新入りだからな。みんなに紹介だ」

 俺はメノクラゲを前に連れてきて、みんなの前に出した。

「ヌマクローとアゲハントがあまり話したことないんじゃないか?」

「ヌマ」

「ソー」

「今のところ俺の仲間で一番レベルが高いが、まだ場馴れしていない。特にヌマクロー、同じみずタイプとしてメノクラゲと仲良くしてやってくれ」

「めの!」

「ヌマー!?」

 ヌマクローが驚いた声を出したのは、握手のようにメノクラゲの触手を握ったからだ。捕まえてわかったことだが、抵抗ない時に触るだけなら問題ないが、握ると毒が滲み出るようだ。ヌマクローはばったりと倒れてしまった。

「あーあ、」

「これはしばらく起きてきませんね」

 とはいえ顔合わせはひとまずできた。俺はボールを1つ出してヌマクローを戻す。

「さて、今年度のポケモンリーグに出られるかはまだわからない。もう半年切ってる訳だしな」

「めの」

「だからできるだけレベルアップして、来年は必ず出場するぞ!」

「そー!」

「すばーっ!」

 

 2 9/28 ムロタウン

 

 深夜、シャモがとうに眠ったころ。

 私はまだ起きていた。

「それでは」

「またやるのか? これ」

「ええ」

 起きていた、というのは正確な表現ではない。

 ヌマクローと…いや、ヌマとラナに起こされたのだ。

 シャモが眠っている、見ていないときに密かに行われるニックネーム命名式。私とヤミラミが手持ちに加わったことでそんな儀式が開かれることとなった。

「では、メノクラゲさんとヤミラミさんのニックネームを付けましょう」

「あたしはメッさんとミラくんが良いと思う!」

 ラナの言葉に真っ先に提案を出したのは、スーちゃんことスバメだ。

 ヤミラミが納得しているかはわからないがとりあえず私は、

「いや、それはいやだな」

 別のポケモンを想像した気がする。

「ボクはとてもいいと思うヤミー」

 ヤミラミは満足しているようだった。

「じゃあわたくしが最高の案を。クラちゃん、ラミーくんでいかがでしょう?」

「俺からも提案だ。ゲノとヤミでどうだ?」

 アゲハント案良いわね。逆にヌマクロー、あんたの案も別のポケモン連想しそうだからダメ。

「じゃあクラも微妙じゃね?」

「うっさいわね」

 私が良いと思ったら良いのよ。

 それより2人の案を聞いたヤミラミはどう思っているのかしら…。

「ボクはとてもいいと思うヤミー」

 さっきと一字一句変わってないじゃない!

「あんた何でもいいの? 自分のあだなよ? ニックネームよ!」

「どれでもいいよー」

 私だけなの? ニックネームに対してこんな熱くなってるのは私だけなの!?

 ちらりとラナを見る。ここは一度古株の意見を聞いて決めるのかしら。

「じゃあ、クラちゃんとヤミくんね」

「こういうときって多数決とかじゃねえのかよ!」

 どうやらこの話し合いで、同率一位が出てしまったらラナが勝手に決めてしまうらしい。

「仕方ねえよ」

 と言うのはヌマクローのヌマ。

 聞けば、そもそもニックネームを決める儀式を始めたのはラナだそうだ。カナズミでヌマクローがヌマクローに進化したときに話し合って勝手に決められたらしい。話し合ってないのでは?

 でも私は私が納得するニックネームを付けてもらえたわけだし、ヤミラミ…ヤミも文句を言っていないから、これで良いようね。

 時刻は深夜の1時。折角遅くまで起きているのだし、他にも話したいことがあるわねー。

「ところでラナ。シャモは今年ポケモンリーグに行くつもりは無いって言ってたけれど、あれは本当?」

「本当ですよ。彼は年度末に開催される大会に間に合うと思っていません。もちろん僕も」

「そう? あたしはいけると思うわ!」

 スバメが羽ばたきながら言い返す。そうは言っても、シャモ自身がリーグに行けないと思って…いいえ、行く気が無いのなら、今年は無理そうね。

「俺も、いけると思ってる」

「ヌマくん?」

 意外にももう1人の古株、ヌマが言った。

「ラナには悪いが俺は本気だ。今のシャモがリーグに参加できないと思っているのは、俺たちがまだまだ弱いからだ。だから、俺たちが強くなればいいんだ」

 なるほどね。

 ヌマが言いたいのはつまり、私たちの実力でシャモを焚き付ければいいということか。

 良い案なのかしら。それで彼が本当にその気になるのかしら。

 何かもっと、大きなアクションが欲しいわね…。

「俺たちか強いことをシャモに見てもらって、俺たちとみんなで、ポケモンリーグに行けるってことを証明するんだ!」

「あたしも精一杯頑張るわー!」

「ヤミー。面白そうだし、ボクも頑張る」

「わたくしもお力添えをしますわ」

 ヌマはみんなの確認をとってからラナを見た。

「それでいいよな? ラナ」

 何か、含んだ言い方だった。

 私が加わったのは最近のこと。それ以前に何かあったのだろうか。

 ラナは、特に気にしていないといった雰囲気で返す。

「うん、いいんじゃないかな」

 

 3 9/28 ムロタウン

 

 翌日、砂浜で特訓をしていると、見覚えのある船がやって来るのを見た。

 104番道路からここまで運んでくれた、ハギ老人の船だ。

「ハギさん!」

「おお、ちょうどあんたを呼ぶところだったんだよ。わしの…いや、ムクゲの頼みを聞いてくれるかの?」

 ツワブキ社長から?

 俺は船に乗せてもらい、ハギ老人に船内に連れていかれた。そこには、両手で抱えられそうな大きさの荷物が置かれていた。

「デボンのにもつ」

「! アクア団が狙っていた?」

「あれとはまた別のものじゃ。だが、まあ狙われるじゃろうな」

 アクア団が街を襲撃してまで欲しがった物。一体中身は何なんだろうか。

 気になった俺は、荷物を指差して訊いてみた。

「これ、中を見ても?」

「いや、一応企業秘密だそうだ」

 これ、俺は何か危険なものを運んでいるんじゃないのだろうか?

 ひょっとしたらアクア団はそれを防ぐために動いていて、デボンこそが真の敵…みたいな。

 妄想がすぎるな。

「わかりました。それで、俺はそれを誰かに届ければいいんですか?」

「話が早くて助かる。あんたにはこれを、カイナシティの造船所にいる『クスノキ』という男に渡して欲しいんだ」

 カイナシティ。確か貿易が盛んで、外から輸入した品を市場で安く買うことができる街だったか。

 ジムは…あるな。それにその先の110番道路を抜ければキンセツシティ、ホウエン最大の都市に行ける。キンセツにももちろんジムはある。一気に2つのバッジをゲットできるチャンスじゃないか。

 俺は喜んで依頼を受けた。

 カイナシティに着くには時間がかかった。ハギ老人の船を降りる頃には夕方で、水平線の向こうに沈む夕日が紅く光っていた。

「ここまでありがとうございます」

「当然のことをしたまでじゃよ。…まあでも、あんたには申し訳ないが、今日はわしは104番道路に帰らなきゃならないんだ。すまんの」

「いえいえ。俺はこの近くで宿を探します」

 俺はホウエン地方最大の海水浴場にもなっているここ、109番水道で宿を探すことになった。

 まあ、1部屋くらいはあるだろう。

 

 4 9/28 109番道路

 

 甘かった。

 この時間から空き宿を探すこと自体がおかしかったのだ。

 どの宿も満室で止まる場所がどこにもなく、俺は肩を落として海の家に留まっていた。まもなくここも閉店する。海の夜は思っていた以上に肌寒く、こらから野宿しようとは考えたくない。

 夜通し109番水道を歩き続けて、朝までにカイナシティに行こうか。そうすればポケモンセンターで丸一日休むことができる。

「あのー」

 注文もせずウンウン唸る俺に、誰かが声をかけてきた。見ればそれはまだ7才くらいの男の子だった。

「お客さんはポケモントレーナーさんですか!」

 まぁ、こんな子供がお店の人な訳がないか。

 待てよ。

 この子今、「お客さん」って。

「きみはこのお店の子なの?」

「そうですっ! お客さんはポケモントレーナーさんですか!」

「まあ、そうだけど」

 すると男の子は席を離れ、とてとてと厨房へ走って行き、

「おじさーん! ポケモントレーナーさん捕まえたー!」

 と叫ぶ声が聞こえた。

 一体何のことだろうか。

 しばらく待っていると奥から店の主人とおぼしき、青海波模様の前掛けに捻り鉢巻きをした男性が出てきた。

「お客さんすみませんね。ウチのモンが」

「いえ、俺の方こそ長居させてもらって」

「今日泊まるところが無いんですかい?」

「残念なことに。良い感じの砂風呂はそこら中にあるんですが」

「はっはっは。止めときなさい。死にますよ」

 当たり前のことではあるが、笑いながらそんなワードを出すのは怖い。

「それで、俺に何か?」

「お客さんがポケモントレーナーと聞いて、少し頼みたいことがありまして」

 この海水浴場も今年は人が減ってきたので、今月一杯で閉めるというのだ。まだ暑いとはいえ時期的には秋だから仕方ない。

 しかし最近、一般の客の中に他の客に迷惑をかける厄介な人がいるそうだ。残り僅かの営業ではあるが、観光客に気分を悪くして欲しくないが、主人や従業員では手も足も出ない。

「そこで、残りの3日…いや、今日はもうおしまいだから2日間。ウチで働いてくれませんかね?」

「お仕事は簡単! 出来上がったものをテーブルに持っていくのと、トラブルが起きたらボコボコにするの!」

 こらこら子供くん。お客様は神様ですよ。そんなことするお店はこの現代社会で生きていけませんよ。

 俺は明日にでもカイナシティに行こうと思っていたが…。お金も貰えて、もしかしたらポケモンバトルになるかもしれない。

「もちろん期間中は、ウチの2階を使ってくれて構わないので」

「はい、よろしくお願いします」

「おお! お客さんありがとう! 俺はカイバラ、こいつは娘を付け狙う悪ガキのヤスノブだ」

「誰が悪ガキだ! よろしくお客さん」

 息子じゃなかったのか。カイバラさんとヤスノブくんだね。あとは娘さんがいるようだから、合わせて3人でやっているのか。

 海の家を3人で。中々忙しそうだな。

「俺はシャモです。よろしくお願いします」

 こうして俺は明日から2日間、この海の家でカイバラさんとヤスノブくん、そしてもう1人と一緒に働くことになった。

 

 

 

 レポート

9月28日 109番水道

 

 

手持ち

 

LV22  キルリア オス

 

LV21  ヌマクロー オス

 

LV16  アゲハント メス

 

LV18  スバメ メス

 

LV27  メノクラゲ メス

 

LV17  ヤミラミ オス

 

図鑑

31匹




中学版との違い
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