ポケットモンスター ホウエン地方編   作:とーさかしゅん

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からくり親父は出てきません。書こうとしたらそれだけで3話くらい使っちゃいますし、ひでんマシンが必要ですからね。

カナズミジムは生徒と勝負、ムロジムではチャレンジャー同士でトーナメント、ではキンセツジムは?
ジムチャレンジの内容が既に被りつつあるのが心配になってきた第18話、どうぞ、お楽しみくださいませ。


第18話 vsジュプトル 集えキンセツジム

 

 1 10/4 110ばんどうろ

 

「ちょうどポケモンを探していたところなんだよね。シャモくんは図鑑の調子どう?」

 ハルカちゃんは近くの川にいたホエルコをボールに戻して俺のところへ駆け寄ってくる。ハルカちゃんのポケモンだったのか。正直、嫌な記憶が蘇る。

 俺が図鑑を出して見せようとすると、ハルカちゃんは何か思い付いたように足を止めた。

「あ! ここは1つ、バトルしてみない?」

「図鑑を見せるんじゃないの?」

「お互い出したポケモンを登録すればいいんだよ。流石に6対6は長くなっちゃうから、3対3でどう?」

 なるほど。ポケモントレーナーらしい、面白い提案だ。

「いいよ。やろう」

 俺とハルカちゃんは距離をとり、互いに1体目のボールに手を掛けた。

「ここまでくる間にも色んなポケモンと出会って、たくさんのポケモンのことがわかって、あたしもポケモンたちも強くなったんだよ。それじゃあシャモくん、いくよ!」

「ああ! メノクラゲ!」

「ドンメル!」

 ホエルコが出てくると思ったけど流石にそう上手くはいかないか!

 ハルカちゃんが繰り出したのは足の短い4足歩行のポケモンだ。とろんと垂れた目と背中のコブがラクダを彷彿させる。

『ドンメル、どんかんポケモン。タイプ:ほのお、じめん。たたかれても気がつかない鈍さだが空腹は1秒でも我慢できない。体の中ではマグマが煮えたぎっている』

 最初の読みは外したがタイプでは有利、か。向こうも図鑑を見て渋い顔をしている。

 ジュプトルが出てくるかもしれないが、俺はこのまま行こう。

「メノクラゲ、バブルこうせん!」

「ドンメル、ひのこ!」

 ハルカちゃんは結局ドンメルで戦うことにしたようだが、ドンメルの放つひのこはいとも容易く鎮火されてしまった。

 バブルこうせんは大量の泡を吹き掛けるみずタイプの技だ。ひのこと相殺されずに残った泡がドンメルに襲い掛かる。

「あっちゃー! ダメか!」

 戦闘不能になったドンメルを戻すと、ハルカちゃんは2匹目を繰り出した。

「ジュプトル、お願い!」

 また初めて見るポケモンだ。しかしキモリに似た特徴を持っているため、おそらく進化した姿なのだろう。

『ジュプトル、もりトカゲポケモン。タイプ:くさ。発達した太ももの筋肉が驚異的な瞬発力と跳躍力を生み出すぞ』

 メノクラゲはどくタイプを持っているが、みずタイプでもある。無理に弱点を突こうとして返り討ちに遭うのは避けたい。

「戻れ、メノクラゲ。そしてゆけっ、スバメ!」

 くさにはひこう。体力が心配だが削れるだけ削ってやる。

 スバメが翼を開いて突撃の構えを見せる。まぁ、新技はどんどん使っていきたいよな。

「つばめがえし!」

「でんこうせっか!」

 スバメよりもさらに速くジュプトルがスバメに手刀を繰り出し、続いて攻撃を受けたスバメが怯まず翼で相手を叩く。

 ひこうタイプの技をもろに受けてふらつくジュプトルだが、まだ倒れる様子はない。ハルカちゃんはまだジュプトルを残しておきたいようで、ボールに戻す。

「物理攻撃にはこの子! ホエルコ!」

 来たか。厄介な相手なんだろうな。

「スバメ、つつくこうげき!」

「ホエルコ、みずでっぽう!」

 ホエルコの攻撃は避けられた。スバメはホエルコの大きな腹めがけてくちばしを突き刺した。

 が、やはり。

 弾力のある脂肪が威力を吸収してしまう。ホエルコには全然効いていない。

 相手の長所に正面から立ち向かうのは無謀というものだ。こちらも、こちらの長所を活かせるポケモンにしてやればいい。

「戻れ。メノクラゲ頼んだぞ!」

 メノクラゲはみずタイプであり、どくタイプ。ホエルコに対して物理とみずタイプの攻撃は通用しない。だから内側から体力を削ってやるんだ。

「ホエルコ、みずでっぽう!」

「メノクラゲ、どくばりだ!」

 互いの攻撃が交差する。相手の攻撃はメノクラゲには効果はいまひとつ。だが、ホエルコは違う。

 苦しそうな顔になっていた。

 どく状態になったのだ。

「外側からの物理攻撃が効かないから、どく状態にして内側から攻めてきたってこと!? そんなの思い付かないよ~」

 ホエルコはメノクラゲにみずでっぽうを放ち続けるが、明らかに動きが鈍っているその攻撃は、メノクラゲに容易に避けられてしまう。

「まきつく!」

 さらにメノクラゲは、ホエルコに触手をまきつけて拘束する。背中に張り付かれたためホエルコの攻撃が当たらない。

「ええい、振り落とすよ! はねる!」

 ホエルコの体が大きく沈み、ばいんばいんとその場で跳ね出す。メノクラゲが離れないため、さらに水に落ちたり、高架の柱にぶつかったり、あちこちに体を当てて跳ね出した。

 そのうちメノクラゲも限界が来る。もっとホエルコを追い込まないと逆転されてしまうか。

「メノクラゲ、ちょうおんぱ!」

 水に飛び込んだ2匹のポケモン。先ほどまでとは違い、しばらくしても浮いてこなくなった。

 やがて水面から飛び出してきたのは、

「ホエルコ!」

 メノクラゲが上がってこない、やられたか!

 するとメノクラゲも水面から顔を出して無事を知らせてくれた。水を吸収していただけか。

 一方でホエルコは、陸に打ち上げられてぐったりとしていた。どくダメージが蓄積して戦闘不能になったのだ。

「やるね、シャモくん。でも、負けないんだから!」

 ジュプトルが再び出てくる。メノクラゲはジュプトルと相性が良くなく、スバメは体力が大きく減っている。3体目はアゲハントにするか、ゴクリンにするか。どちらもレベルが心配だから、正直相性が悪くともヌマクローで戦いたいところだ。

「ジュプトル、でんこうせっか!」

「メノクラゲかわせ!」

 ジュプトルが急接近し、メノクラゲに攻撃する。直撃は免れたが素早さで負けているため、一撃を受けてしまう。

「どくばり!」

 至近距離でどくばりを放つも避けられてしまう。

 距離ができたら次は遠隔攻撃だ。

「バブルこうせん!」

「メガドレイン!」

 互いに距離があっても当たる技を撃ち合う。

 ジュプトルは泡の一部を切り払いダメージを押さえるが、メノクラゲは耐えきれなかった。

 体力を吸い付くされ、おそらくメノクラゲの攻撃分は回復されてしまったのだろう。

 あまり良い状況じゃないな。

「良くやった。…スバメ!」

 ここで一気に体力を削り取る。

 二人の声が重なった。

「「でんこうせっか!!」」

 頭から突撃する2匹のポケモンは、そのまま頭を合わせる形になる。スバメは羽ばたいてジュプトルを押すが、ジュプトルもまた足を踏ん張り押し返そうとする。

 至近距離でぶつかる時間ができたのは幸運だ。スバメの攻撃の圏内なのだから。

「つばめがえし!」

「でんこうせっか!」

 ジュプトルのでんこうせっかが、つばめがえしの一撃目を弾く。返しの攻撃がジュプトルの顔を掠める。

「れんぞくぎり!」

 むしタイプの技、れんぞくぎりがスバメの攻撃を反らす。スバメが態勢を崩したところへ、れんぞくぎりの追撃が飛んでくる。

 息つく暇もない猛攻にスバメは体を抱えて防御するしかなかった。

 スバメがいよいよ戦闘不能になる、そう思った瞬間だった。

 スバメの体が輝きだしたのだ。

「このタイミングで!?」

 ハルカちゃんが驚きの声をあげる。そろそろ来るとは思っていたが、こんなタイミングだとはな!

 光が消えると、そこには一回りも二回りも大きくなったスバメが、ジュプトルの両腕を押さえつけていた。

『オオスバメ、ツバメポケモン。タイプ:ノーマル、ひこう。はるか上空を円を描くように飛び回り獲物を見つけると急降下。足のツメでがっしりつかんで逃がさない』

 進化したとはいえ体力は残りわずか、1回だけでも攻撃を与える!

「オオスバメ、つつく!」

 オオスバメは押さえていたジュプトルの腕を足で掴み、川の方へ投げ飛ばす。そして大きく羽ばたくとジュプトルめがけて強烈な一撃を与えた。

 2匹のポケモンはもつれながら草むらへ墜落し、ジュプトルだけが立ち上がった。

「ったく、タフ過ぎんだろ」

 俺はオオスバメをボールに戻し、3体目を繰り出した。

 ヌマクローだ。

 草タイプは天敵だが、ジュプトルに対して強く出られるポケモンが他にいない。残り体力がわずかなジュプトルを相手する分にはやれるだろう。

 それに、ヌマクローもオオスバメの進化を見たからか張り切っているように見えた。

「流石に舐めてるんじゃないの、シャモくん?」

「今ジュプトルと正面から戦えるのがこいつしかいないもんでね」

 腰を落とし攻撃の構えに入るヌマクローと、荒い息を整えて腕を上げるジュプトル。

「れんぞくぎり!」

「いわくだき!」

 両者全速力で走りだし、

 ヌマクローの拳が当たる直前にジュプトルが力尽き、

 拳が空を振り抜いた勢いでヌマクローは足を滑らせて、

 ヌマクローの足元から嫌な音が鳴り、

 両者倒れた。

「え?」

 ジュプトルは戦闘不能に、そしてヌマクローは足を押さえて苦しそうな顔をしていた。

「ヌマクロー、大丈夫か!」

 俺は押さえている手を力ずくで離して、ヌマクローの足を見た。まだ腫れ上がってはいないから、そこまで重傷ではないだろう。しかし特訓は一旦中断してポケモンセンターに連れていくべきだ。

「シャモくん、ここからならキンセツシティに行った方が良い!」

「わかった、ありがとう!」

 ヌマクローの様子を見たハルカちゃんは、ジュプトルをボールに戻して教えてくれた。

 俺はタロウを呼び、キンセツシティに行くことになった。

 

 2 10/4 キンセツシティ

 

 ヌマクローは足首を捻挫していた。突然はしゃいだのが祟ったのだろう。今度からはこういうところも気をつけて特訓するべきだな。

 幸いなことに、捻挫とはいえ軽い症状なので、4、5日安静にすれば良いとのことだ。

「いやぁ~、大した怪我じゃなくて良かったよ」

「ありがとうハルカちゃん。助かったよ」

「いやいやいや! 私にも非があるというか、なんというかですね!」

「ところで、どのような関係なんすか?」

 そういえばこの2人は初対面か。眺めるてみるとタロウとハルカちゃんって変な組み合わせだなぁ。

 俺の視線にハルカちゃんは不思議そうな顔をした。

「私の顔に何か付いてる?」

 なんて訊いてきたからどう答えようか。

「いや、そういう訳じゃなくてね…」

 そのときだった。言い訳を並べようとあたふたする俺の後ろから、突然声がかけられた。

「ポケモンセンターのど真ん中ではしゃぐな。迷惑」

 そう言って俺を押し退けた男の声の主を、俺は知っていた。

「トシマサ!?」

 ムロタウンで戦ってから結構期間があったが、また会うことになるとは。

「へー、2人って知り合いだったんだね」

 トシマサの後に付いて現れたのは、かつていしのどうくつで助けられた、

「お兄ちゃん!」

「お兄ちゃん!?」

「お前ら知り合いだったのか!」

「俺だけ蚊帳の外っすか!」

 ハルカちゃん、俺、トシマサ、タロウの順で驚きの声と不満の声があがる。

 ポケモンセンターでこれだけのトレーナーが騒ぐわけにもいかず、ポケモンを一通り預けた俺たちは、外で話すことになった。

「兄貴、この人たちは?」

 カクカクシキジカ。

「すげぇ兄貴!」

「お前、自分のこと兄貴って呼ばせてんのか? 俺に勝てたこと無いのに」

「やかましいわ! お前こそ、ムロを出てからそこそこ期間があったのにまだここ攻略して無かったのかよ!」

「別のジムに行ってただけだが」

 今の俺では喧嘩に乗るだけ損だな、これ。

「お前はなんでユウキさんと一緒にいたんだ?」

「俺としては、キミたちが一緒にいたことについても気になるんだけどね」

 トシマサへの質問に、ユウキさんが質問で返してきた。

「俺とハルカちゃんは110ばんどうろで偶々会ってバトルして、ちょっとトラブルがあったから一緒にキンセツに来たんですよ」

「なるほどね。一緒に旅をしてると答えられたら流石にちょっと考えたけど、心配はなさそうだ」

「おおおお兄ちゃん何を言ってるのかな!?」

「一緒に旅してるのは俺っすね」

「それはそれでなんで? ってなるんだけど、次は俺たちの番か。トシマサー」

 ユウキさんは、話に入ってこないトシマサに無理矢理話を振った。

「なんで俺が…。ここのジム、ムロ以上に面倒なルールだから、一緒に行動してたんだ」

 面倒なルール?

 確かムロタウンでは4人のトレーナーが集まってからトーナメント戦をして、勝ち残った1人が挑めるという形式だったか。

「5対5の団体戦だ」

 10人必要なのか。それはそれは。

 ホウエン地方最大の街だから、自然とトレーナーはたくさん集まってくる。キンセツにしかできない超ルールだ。そう考えると、ムロタウンであのルールを採用するとはどういうことだ。

 ここにいる全員が参加するとしたら、俺含めて5人か。あと半分って、ハードルそこそこ高いな。

「残りのメンバーはどうするんだ?」

「返事が早いね。これから訊こうと思ってたけど」

「俺はもちろん参加します。あとの2人はわかりませんが」

 タロウは参加するだろうが、ハルカちゃんはジムを巡っているかわからないし、無理に誘えない。

「あ、じゃか私もやってみようかな。ジムってあんまり行かないし、気になるかも」

「俺はもちろん行くっす。兄貴と参加するっす!」

「決まりだな。いいだろ、トシマサ?」

「数が合えば良い」

 トシマサはどうして不機嫌そうなんだ。

 俺たち5人は、まず人数を報告するためにジムへ向かった。ユウキさんが言うには、他の参加者もジムにいたとのことだ。運が良ければこれで全員揃うだろう。

 ジムの入り口に入ると、またも知った顔に出会った。

「ミツルくん!?」

「シャモさん! ジムに参加するんですか!」

 これで6人、いや、ミツルくんの隣にいるおじさんを合わせて7人か。そう思ったが、ミツルに歩み寄るおじさんの顔を見て、どうやら違うようだと気がついた。

「やっぱり、おじさんはミツルくんが旅に出ることに反対だよ」

「おじさん!」

「まだシダケに来て1ヶ月。少し体調が良くなったからと言って、旅なんかに出たらまた体を壊す!」

 隣の人はミツルくんがシダケで一緒にいるおじさんか。元々トウカシティから引っ越したのも体調の問題だったし、そりゃ反対するか。

 とはいえミツルくんの意見を全て無視するのも良くはないし、ミツルくんだって納得できない。

「あのー、人様の家に口出しするのはどうかと思うんですけど、1つよろしいでしょうか?」

「なんだい? キミ」

 俺を見るおじさんの目は、それはそれは嫌なやつを見る目だった。当然だ。俺だって多分口出しされたくない。

「ミツルくんに、今回だけジムへの挑戦を認めるのはどうでしょう? それで、勝つことができたら旅することを認めるというのは。ジムに勝てるというのはすなわち、ポケモントレーナーとしての実力を充分備えているということになりますし」

「負けたら?」

「それはもう、おじさんの好きにして良いのでは?」

「…ふん」

 返事を渋るおじさんに、ミツルくんが追い討ちをかける。

「おじさん、負けたらシダケに帰ります! だから今回だけ許してください!」

 おじさんはしばらく腕を組み考えて、

「わかった。勝てたら考えてあげよう」

「やった!」

「ただし! おじさんが許すことはできない。兄さんたちに許しを貰うんだ」

「わかりました!」

 これでミツルくんもジムに挑戦できるな。

 そこへ話を聞いていたのか、タイミング良くユウキがやって来た。

「話はまとまったな。ま、反対されてももうエントリーしてしまったけど」

 ジムの受付の奥、バトルコートから1人の初老の男と、3人のジムトレーナーがやって来た。

 あの中央の男がジムリーダーか。黄色の明るいオーバーオールの上から何故かアロハシャツを着た、小太りのおじさんだ。

「ワッハッハッハ! 来たかチャレンジャーたちよ! ワシの名はテッセン、二十歳だ!」

 嘘つけ!!

「ワシのジムバトルは既に知っておる子もおるだろうが、5対5の団体戦! ワシのかわいいジムトレーナーのうち2人をリーダーにして、どちらかのリーダーが戦闘不能になるまで戦ってもらう!」

 すると、ジムトレーナーの1人がくじ引きの筒を持ってきた。

「一人ずつ引くのだ! チーム分けから既に勝負は始まっておるぞ!」

 

 

 

 レポート

10月4日 キンセツシティ

 

 

手持ち

 

LV24  キルリア オス

 

LV22  ヌマクロー オス

 

LV20  アゲハント メス

 

LV22  スバメ→オオスバメ メス

 

LV29  メノクラゲ メス

 

LV21  ヤミラミ オス

 

(LV17  ゴクリン オス)

 

図鑑

39匹(新:ドンメル、ジュプトル、オオスバメ)




中学版との違い
・ジムチャレンジ(そもそも追加した要素なので…)

ようやく軌道修正してきたか…?
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