ポケットモンスター ホウエン地方編   作:とーさかしゅん

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ストック溜まってきたのでペースあげます。戻ったらストックなくなったという証拠です。
さて、オリキャラのナオキ登場です。モデルは中学時代の英語教師!英語を話すってだけでキャラが立つのは非常に便r…いいキャラですよね。
書いていて気がついたことがあって、私、場面転換するときに番号を振るのですが、えー、今回2つしかありません。超!張り切ってバトルを書いていたからです。これ、トウカジム戦のとき大丈夫か???
それでは、お楽しみくださいませ。


第五話 vsザングース 父の子vs父の弟子

 

 1 9/2 トウカシティ

 

 俺とナオキさんはバトルコートの両面で対峙した。彼に勝てなければ、俺は父さんから旅に出る許しを得られない。絶対に負けられない!

「使用ポケモンはナオキくんは2体、シャモは制限なしだ。それでは、それぞれ最初のポケモンを!」

「レッツゴー、ナマケロ!」

「ゆけっ、ミズゴロウ!」

 父さんは俺の実力を加味してか、手持ちの数の制限を付けなかった。とはいえ俺は3体だけで、そこからカラサリスが抜けるため実際には2体。経験値の差で不利だ。

 一刻も早くナオキさんの1体目を倒さないといけない。俺は図鑑を開いてナマケロの情報を得る。

『ナマケロ、なまけものポケモン。タイプ:ノーマル。1日のうちほとんどの時間を寝転がって過ごす。その様子を見ていると眠気に襲われる』

 見た目は図鑑の通りナマケモノそのもので、足はあまりにも動いていないのか退化して小さくなっており、長く発達した腕もだらりと垂らしていた。しかし腕の先端は鋭い爪が生えており、攻撃力はありそうだ。慎重に動いて、確実に倒そう。

「ナマケロ、ひっかく!」

「ミズゴロウみずでっ…なに⁉️」

 俺の指示が途中で驚きに変わったのは、ナマケロが左の腕で地面を叩き、ミズゴロウに飛びかかってきたからだ。ミズゴロウは慌ててみずでっぽうを地面に吹き付けて、反動で距離を取った。

 遠距離攻撃で勝負をしかけようとしたのだが、流石はジムトレーナー。弱点となる部分は当然理解していたというわけか。

「ミズゴロウ、もう一度ミズゴロウだ!」

 今度は上手く指示が出せた。ミズゴロウは正確にナマケロを攻撃した。しかし今度は謎の違和感があった。

 ナマケロが全く避ける素振りを見せなかったのだ。背後を取ったミズゴロウは、ナマケロの後頭部にみずでっぽうを命中させた。

「今度は背後からたいあたりだ!」

 動かないなら近づいて攻撃をするまでだ。

 俺は油断はしていないつもりだった。

 ナマケロが再び、突然驚異的な身体能力で動き、

「ひっかく!」

 ミズゴロウを攻撃した。その一撃は、ミズゴロウが懐に入っていたため爪ではなく腕が当たる形になったが、それでもラリアットのような一撃を受けて跳んだミズゴロウは、しばらく動けなかった。

「くそっ、ミズゴロウ大丈夫か!」

「み、ずぅ、!」

 耐えていたようだが、重たい一撃だったようだ。だけど、ナマケロをラナや、ましてはカラサリスにぶつけることなんてできない。

 ハルカちゃんとのバトルで見せてくれたあのタフネスさを、もう一度頼むぞミズゴロウ!

「みずでっぽう!」

 ナマケロは今度の攻撃は避けなかった。攻撃、無抵抗、攻撃、無抵抗…。

「ひっかく!」

「ここはみずでっぽうだ!」

 ナマケロが三度、跳ねて襲いかかる。ミズゴロウは、空中にいたナマケロにみずでっぽうを当てて打ち落とした。

「くっ、まさか」

 ナオキさんか表情を歪めた。俺の予想は多分、正解だったようだ。

「ミズゴロウ、たいあたりだ!」

「ミズーッ!」

 攻撃、無抵抗、攻撃、無抵抗、攻撃、無抵抗、攻撃ときて、ここは。

 ナマケロは、微塵も避ける素振りを見せなかった。

 たいあたりが直撃し、ナマケロは目を回して倒れた。審判の父さんが宣言する。

「ナマケロ戦闘不能!」

 それに合わせてナオキさんはナマケロをボールに戻す。

「やっぱりバレてしまったか」

 ナオキさんは苦笑いをしていた。

 ナマケロの特性、名前は分からないがおそらく二回に一回行動を制限されるものなのだろう。だから二回に一回、無抵抗の番があり、ミズゴロウの攻撃は当たったのだ。最後のたいあたりは、カウンターされないことを確信して、接近技を選んだ。

「戻れ、ミズゴロウ」

 ナオキさんの2匹目がわからない。ミズゴロウのタフネスさはまだ必要かもしれない。だからここは一度交代だ。

「ラナ、頼んだ」

「了解です。必ず勝ちに繋ぎます!」

 相変わらずひかえめな性格だ。ラナはミズゴロウを下げた時点で、自分が切り札でないことを悟ったのだろうか。そういうつもりはないのだから、積極的に勝ちにいって欲しい。

「レッツゴー、ザングース!」

 ナオキさんの二匹目は二足歩行の白い獣。赤い毛が両腕と耳から体にかけて斜めに走っているのが特徴的なポケモンで、ナマケロ同様に長い爪が生えていた。

『ザングース、ネコイタチポケモン。タイプ:ノーマル。宿敵ハブネークとの戦いの記憶が体中の細胞に刻み込まれている。敏しょうな身のこなしで攻撃をかわす』

 説明から察するに、ザングースは攻撃力に加え、素早さの高さにも注意しないといけないのか…厄介だ。

 だが、ラナの得意な相手ではある。

「ザングース、ひっかく!」

「ラナ、なきごえ攻撃だ!」

「ハァッ!」

 ラナの声にザングースは若干の躊躇いを見せたが、即座に突っ込んできた。効き目は薄いか。

「避けろ!」

 ラナは横に大きく跳び前転をしてザングースの振り下ろす爪の攻撃を避けた。ラナは指示を待たずザングースとの距離をとり、次の攻撃の構えをした。

「ねんりき!」

 ポチエナには効かない技だったが、この相手を拘束しダメージを与えるねんりきならば、ザングースの攻撃と素早さを同時に押さえることができる。

「ひっかく!」

 ナオキさんの指示に応えようと身悶えするザングースだったが、その拘束は固いものだった。

「ラナ、チャームボイス!」

「~アッ!」

 ザングースの拘束を解き、次の行動に移る前に続けてラナの攻撃が刺さる。

 ナオキさんの指示が通らず、ザングースは既によろよろとふらついていた。

「ザングース、まだいけるか?」

 ザングースはふらついた体を、無理矢理起こして力強く頷いた。

「よし、ザングース。ひっかく!」

 俺はラナに指示を出…せなかった。

 速い。あまりにも速い動き。

 図鑑も言っていたはずだ。だから俺はその速さをねんりきで拘束させた。ある程度ダメージを与えて、その速さを削いだつもりだったが、っ、これはッ!

「がうっ!」

 ラナがひっかくをもろに受けてぶっ飛ばされた。畳のフィールドを擦りながら場外まで転がってようやく止まった。

「ラナ、戻れ」

「はい、すみませんでした」

 そんなことない。ラナは十分にやってくれた。ただ俺の想定が甘すぎただけだ。

 ザングースは速く、そして力も強い。ミズゴロウを今出しても簡単に返り討ちに合うだけかもしれない。

 どうすればいい、ラナを戻したはいいが、何か手はあるのか。

「どうしたシャモ。お前のポケモンは2匹だけか?」

 父さんがそう聞いてくる。ラナはもう限界で、ミズゴロウもまだ対策もない相手にぶつけていい状態じゃない。

 いや、待てよ。

 あるじゃないか。とっておきの一手が。

「ゆけっ、カラサリス!」

 サナギだからと戦力にはならないと、バトルに使うべきではないと割り切っていたが、カラサリスは進化と同時にある技を覚えている。これが勝利に繋がるかどうか…。

 ザングースは早速爪を構えて突撃してくる。

「ひっかく!」

 対してカラサリスはまともに攻撃ができない。

「かたくなる!」

 カラサリスは糸を自身の体に厚く纏う。ザングースの攻撃は糸を絶つのみで、カラサリス自身にダメージは全く入っていない。

「ならもう一度ひっかくだ!」

「かたくなる!」

 ザングースが攻撃をしかけるよりも先にカラサリスは糸を吐いた。攻撃の速さはザングースの方が先だが、糸を吐くだけならカラサリスの方が上手!

 カラサリスは次々に糸を吐いて、体に纏わせようとする。その度にザングースのひっかくが糸を少しずつ切り裂いて下に落としていく。

「何度使う気だ、ひっかく!」

「何度でも、チャンスになるまでです! かたくなる! かたくなるかたくなる、かたくなる!」

 やがてザングースの攻撃でも糸が十分に取り除けなくなり、何重にも重なった糸の層は硬質化し始めた。

 そして同時にザングースの体にも異変が起きていた。

「ひっかく、ひっかく、さらにひっかくだ!」

 ザングースの動きが、明らかに先ほどに比べて遅くなっている。

 これも、俺とカラサリスの作戦だ。

「だんだんペースが…疲れてきたのか…? いや、あれは…!」

 ナオキさんも、ここまで目立ってくると流石に気づいてしまうか。

「かたくなるだけじゃなかった、というのか」

 ザングースの足下に落ちた無数の糸は、粘り気を帯びていて、その足を少しだけ拘束していた。そして、何度も振り続けた爪と腕は、切り裂いた井土ヶ谷大量に纏わりついていた。

 いとをはく。

 カラサリス、というよりサナギポケモンはかたくなるために自身の糸を使う。それを利用し、かたくなるをカモフラージュにして、同時にいとをはくを使わせていた。

 結果、ラナとカラサリスのコンビは、ザングースの長所である攻撃力と素早さを削りに削った。

「なんてことだ。ザングース、まずは距離を取るぞ!」

「いいや、そうはさせない。カラサリス、いや、もういけるだろう!」

 ザングースにも切断しきれなかったカラサリスの糸が、背中から真っ二つに裂けた。中からは見たことがないポケモンが、羽を開いた。

 サナギは、美しい蝶へ。

『アゲハント、ちょうちょポケモン。タイプ:むし、ひこう。長細い口を突き刺して相手の体液を吸い取る。攻撃的な性格』

 黒をベースに黄色、青、赤の斑点がある羽を持つ、アゲハチョウのような見た目をしたポケモン。しかし蝶と違い体は丸く、丸めた口はその直径から胴よりも長いとみた。

 俺の作戦はザングースの弱体化、及びカラサリスのレベルを上げて進化させることにあった。とはいえ進化したてのむしタイプポケモンに無理はさせられない。

「一撃だけだ、かぜおこし!」

「そーぉぉおっ!」

 アゲハントは大きく羽ばたき、散らばった抜け殻や糸をザングースに向けて飛ばす。一度技を撃ったアゲハントは、進化したてで、かつ何度も糸を吐き続けたせいか疲れ果てており、畳に伏せた。

「アゲハント、戦闘不能」

「よくやった。本当に助かったぞ」

 俺はアゲハントをボールに戻し、勝敗を決める最後の一手を指す。

「ゆけっ。…ミズゴロウ!」

「ミズッ!」

 ボールにしばらく入っていたからか、ナマケロ戦でのダメージはだいぶ回復しており、ミズゴロウは張り切ってボールから飛び出した。

「ヘイヘイ、まだ終わらせないよ。ザングース、にらみつける!」

 ザングースは糸の隙間から鋭い眼光を光らせてきた。この技は相手を萎縮させて防御を下げる効果がある。

「みずでっぽう!」

「ひっかくで切り抜けろ!」

 ついに大量の糸がばっさりと切り落とされ、ミズゴロウの攻撃をなんとか防ぐ。

「でんこうせっかだ!」

 ラナに見せつけたスピードをさらに上回る素早さで、ザングースはミズゴロウに突進した。攻撃を避けることもできず、ミズゴロウはその一撃を受けてしまう。

「ミズゴロウ⁉️」

 ミズゴロウはでんこうせっかを受けて、受けただけだった。

 その場でザングースを受け止めたのだ。

「な、んだと⁉️」

 ナオキさんは絶句した。

 ミズゴロウは信じられないタフさでもって、足の速いザングースを止めた。

 正直、俺はミズゴロウにはザングースの能力を防ぐことができないと思っていた。だから正面から殴り合うしかないと思っていた。

 真っ向からぶつかることには変わりなかったが、まさか受け止めてしまうとは思わなかった。

 そして、この距離なら爪で防ぐのも間に合わない。

「ミズゴロウ」

 ザングースの顔を前足で押さえて、ミズゴロウは相手の顔に向けて、

「みずでっぽう!」

 最後の一撃を放った。

 ザングースは畳を二度バウンドして、そして起き上がらなかった。

「ザングース、戦闘不能。よってこの試合、シャモの勝ちとする」

 父さんが試合終了を宣言した。たった2体とのバトルだったが、とても長いものに感じられた。

 

 2 9/2 トウカシティ

 

 その日はトウカジムで夜を過ごすことになった。旅に出ると母さんに言った翌日に、父さんの住居で寝泊まりすることになるとは思わなかった。なんだか恥ずかしい。

 父さんとナオキさん始めとするジムトレーナーたちと夕食を摂り、大浴場で体を洗い流したところで、父さんにばったりと会った。

「ちょっと、話さないか」

 俺は父さんに案内されて、ジムの南側、池に面した縁側に連れていかれた。

「お前は私によく似ている、そう思っている」

「急になんだよ」

 こっ恥ずかしい切り出しに思わず素っ気ない返しをしてしまった。ガキだ。

「私は昔も今も無茶をする質でね、お前は母さんと約束をしてもきっと無茶をすると思ったんだ」

 母さんとの約束をなぜ知っている⁉️ と一瞬エスパーを疑ったが、母さんが父さんに言ったという簡単な話だろうと思い至った。

「だからお前を試したんだ。旅に出ても大丈夫かどうかをな。それに、私はお前が私の息子だと知りながら、つまり旅に出るなと言っても聞かないと知りながらも、旅に出て欲しくなかったんだ」

 …。俺は真剣に話す父さんのその目を、真剣に見ていた。

「心配だったんだ、父として。だからナオキくんを使ってお前が弱いことを見せつけるつもりだったが、お前は予想以上に強かった。参ったよ。認めざるを得ない」

 そうだったのか。

 父さんは俺が父さんに似ていると知っていながら、いや、知っているからこそ俺が心配で、だから俺の旅を認めたくなかった。

 でも、俺はやっぱり父さんの息子だ。

「父さんに認められなかったときは、やっぱり旅に出ていたよ」

「わかってるさ。私の息子だからな」

 池に浮かぶ月は波に揺れて形を崩した。

 父さんが俺に対して思っていることも、こういう、いつ壊れるかわからない危ういものなのかな。

 父さんは空を見上げて言った。

「バッジを4つ集めろ」

「え?」

「ホウエン地方のジムを4つ突破し、ジムバッジを手に入れるんだ。そうしたら私が、本気でお前と闘おう」

 力強い言葉に、俺はしばらく頷けなかったが、やがて、

「…うん」

 と、俺も固く決意した。強く思った。

 この人を、越えよう。

 池の水面は落ち着いて、そこには綺麗な月が浮かんでいた。

 

 3 9/3 トウカシティ

 

 翌朝、早朝からジムの扉が叩かれる音が聞こえた。俺と父さんが玄関まで行くと、一人の少年が待っていた。

「ボクに、ポケモンをください!」

 緑色の髪をした少年が、最大のライバルになるとは、この時の俺は想像すらしていなかった。

 

 

 

レポート

 

九月三日 トウカシティ

 

 

 

手持ち

 

LV9  ラルトス

 

LV10  ミズゴロウ

 

LV10  カラサリス→アゲハント

 

図鑑

11匹(新:ナマケロ、ザングース、アゲハント)




中学版との違い!
ナオキはまだ登場してなかった。彼にはナマケロを使うという使命が与えられたのです。
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