ポケットモンスター ホウエン地方編   作:とーさかしゅん

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えー。投稿忘れてましたッッッ!!
自分ルールで週1を目標にしてましたが、あっさりとペース乱しました。多分9話以降も乱します。何故ならストックがもう無いからです。ヤバいね。
今回はカナズミジム戦! の前にいあいぎりのひでんマシンをゲットしちゃいます。それではお楽しみくださいませ。


第七話 vsココドラ いあいぎり道場

 

 1 9/6 カナズミシティ

 

 翌日、二階の部屋から一階のポケモンセンターの受け付けに降りてくると、ハルカちゃんがお姉さんからポケモンを返されていた。俺が降りてきたことに気がついていない様子だったので、

「久しぶり」

 と声をかけると、

「わっ。驚いた! というか、シャモくんはこの4日どこにいたの?」

 トウカシティとカナズミシティは街どうしの距離が近いから頑張れば1日もあれば辿り着ける。…トウカジムとトウカのもりで時間を遣いすぎたのかなあ。

 俺の4日間を教えると、ハルカちゃんも自分が何をしていたか教えてくれた。

 先にカナズミシティに到着してから、回復アイテムやボールを大量に購入して、2日間、トウカのもりでポケモンを捕獲して図鑑を埋めていたようだ。残りの時間はカナズミに戻ってから、ジムに挑戦してから、とある施設に通っていたようだ。

「バッジ、手に入れたんだ」

「先輩ですから! トウカジムともう1つを合わせてもう3つ! ふっふん」

 とハルカちゃんは胸を張る。

「それで、この街のジムを突破したのにハルカちゃんは何をしていたの?」

「そう! いい質問だね」

 普通に気になる場所では?

 俺の疑問に対してハルカちゃんは、その件の施設につれていってくれた。

 周辺に刺の生えた細い木が生えた家屋だった。

「『いあいぎり道場』っていってね。キンセツシティに行く前に突破しておこうと思ってね。こんにちはー!」

 説明しながら道場の門を潜る。中では髭の生えたお爺さんが待ち構えていた。

「よう、また来たな、嬢ちゃん。お主にくりあーできるかの?」

「今日こそ突破するよ! その前に、こちらシャモくん。一緒に旅を始めたお隣さんなんだけど、お爺さんからルールを教えてもらえない?」

 全然話に着いていけなかった俺は、突然お爺さんの前に押し出される。お爺さんはしばらく俺を眺めた後、クワァ! と目を見開いた。一体何が見えたんだ。

「お主がこの秘伝マシン、いあいぎりを授けるに値するかを試そう」

「は、はあ」

「てすとは簡単。この木を、ポケモンを使って壊すのじゃ!」

 お爺さんが部屋の中央を指差す。そこには1メートル程に切られた、太い丸太があった。

「これを、壊す?」

 流石にポケモンの力を舐めすぎじゃないか? 俺は簡単にクリアできるものだと思い、ミズゴロウを繰り出した。

「たいあたり」

 ミズゴロウは全速力で丸太に走り込み、丸太にぶち当たり、そのまますっ転んだ。

「え?」

「そう、シャモくん。私も同じように油断して失敗したんだよ」

 数多の困難を抜けてきた歴戦の猛者みたいな雰囲気でハルカちゃんは語る。丸太一本にだ。

 ミズゴロウが突撃した丸太は、ゴロリと横に倒れていた。壊れていない。

 ふむ。

 多分。あの大きさの丸太を壊すこと自体は簡単だ。この道場の難しいところは、壊す対象の丸太が、動いてしまうことだ。丸太の下に固定するものが何もないから、殴ってもその威力…エネルギーは破壊ではなく、丸太が飛ばされることに消費されてしまうのだ。

 だけど、これ。そんなに難しいことか?

 ハルカちゃんは真面目なんだろうな。お爺さんの説明は、1つ条件が抜けているところがある。

「ゆけっ、スバメ、ラナ、アゲハント!」

 俺は残り3匹の手持ちを繰り出した。

 抜けている条件。それは数の上限。

「ラナはねんりき、アゲハントはいとをはくで固定。スバメはつつく、ミズゴロウはたいあたりを両側から攻めろ!」

 4匹は一斉に動いた。丸太が床に固定されたタイミングで、残り2匹の攻撃が同時に炸裂し、威力を受け流せなくなった丸太は粉々に…いいや大きな亀裂が入るだけに留まった。

「ハルカちゃん、キモリを!」

「ええっ⁉️ アリなの⁉️」

「無しって一言も言われてない!」

 ハルカちゃんはハッと気づいたようで、キモリを繰り出し、ミズゴロウ、スバメと同時に再度攻撃を放った。今度こそ丸太は粉々に砕け散り、回りには木片とアゲハントの糸が散乱していた。

「お爺さん。これでいいんですよね?」

 お爺さんは、ニカリと笑って、CDのようなディスクを俺とハルカちゃんに手渡した。

「合格じゃ。まあ、人それぞれじゃな」

「今以外のやり方も?」

「もちろん。トレーナーが丸太を支えてポケモンが砕く。ポケモンが支え無しに丸太を砕く。ポケモンが丸太を食べる、なんてのもあったな」

 本当にやりたい放題だな…。そう言われると、案外何でもありで、色々なやり方があったことに気づかされる。俺のやり方も俺だが思い付いた訳じゃなくて、数ある突破方法の1つに過ぎなかったってことか。

「でも、なんでこんなテストを?」

「わしは色んなとれえなぁがどんな方法で突破するかを楽しみにしておる。予想の範疇であっても、予想を上回る結果でも、とれえなぁたちが柔軟に対応する姿を見るのが楽しいんじゃよ」

 

 2 9/6 カナズミシティ

 

 午前10時、太陽がもうじき南に着こうとする時刻。俺はカナズミジムにやってきた。ラナ、ミズゴロウ、アゲハント、スバメの体力は満タン。バトルのルールは施設に入らないと分からない。ここのジムリーダーのツツジはいわタイプをエキスパートタイプとして扱ってくるらしい。となるとアゲハントとスバメ、特にアゲハントはなるべく出したくないな。逆にミズゴロウは積極的に出したいところだが、こちらも慎重に使うべきか。

 俺が作戦を考えていると、ジムの玄関が開き、中から少女が出てきた。髪を赤いリボンでお団子にまとめ、残りを後ろに流していて、服装はスカート部分がバレリーナが着用するような、大きく開いた状態で固定されたワンピースだった。

「あら、挑戦者の方ですの?」

 服は見た目の幼さから学校の制服のように見受けられる。口調からしてお嬢様学校の生徒だろうか。

「ジムに挑戦しに来たんですけど、こちらはもう開いていますか?」

「ええ、お待ちしておりましたわ。どうぞこちらに」

 お待ち? どういうことだ?

「失礼ですが、あなたは?」

「あら? ああ、もしかして他所の地方からお越しになった人ですの? わたくしがこのカナズミジムを任されたジムリーダー、ツツジですのよ」

「ええっ、あなたが⁉️」

「ちょっとそれ、どういうことですの?」

「え、いや、そのぉ」

 まさか俺とほとんど年が変わらない子がジムリーダーだとは思いもしなかった。そう答えるのは失礼かと思って顔をそらすと、ツツジちゃんは俺の顔を追うように体を滑らせた。

 てか、顔近い。

「ど、う、い、う、こ、と、で、す、の?」

 顔が熱い。なんだかすごく恥ずかしい表情になっていないだろうか。

 限界だ。

「つ、ツツジちゃんが俺とそう変わらないのに、ジムリーダーをやっててすごいなと思っただけですハイ」

「ちゃん? あなた見た目と違って意外とチャラい男の子ですのね。それと、わたくしはおそらくですがあなたよりも年上かと思いますわ」

 まさか。制服を着ているのだから俺とそう変わらないだろう。いや、1、2歳くらいは違うか?

「またまた失礼ですが、おいくつですか?」

「女性に歳を訊くとは本当に失礼ですわね。ですが隠す必要もありませんわね。25ですのよ」

 俺より10も年上だっただと!!!?

 いやいやいや無理があるのでは? だって身長俺よりも低いし、制服だって着ているし…。

 いや待てよ。

「お仕事はジムリーダーだけですか?」

「また質問ですの? 本業はトレーナーズスクールの教師ですのよ。もうよろしい?」

 制服じゃなくて講義をするときの服装ね!

「え、はい。よろしい、です」

「それではこちらに」

 動揺しまくっていること関係無しに、ツツジちゃんもといツツジさんは俺をジムの中に案内する。

 ジムの内装は、一言で言えば「化石博物館」だった。レプリカの大型肉食恐竜の化石が、翼竜が、首長竜の化石がジムのあちこちに設置しており、大型恐竜のものに関しては首が少しずつ動いていた。

 壁は見た感じでは限りなく本物の岩のようなもので装飾されており、これにもところどころに貝や葉の化石が彫られていた。

「それではシャモくん。ジム戦を始める前にまずはジムチャレンジを行ってもらいますわ」

 ジムチャレンジ。各ジムリーダーがジム戦以外に準備しているテストのようなものだ。人によって作ったり作っていなかったりと、自由ではあるが、基本的にはジムトレーナーとバトルさせるのが一般的だ。父さんも先にジムトレーナーと戦ってもらい、突破した者だけを挑戦者と認めている。

 ツツジさんの場合はどんな内容だろうか。学校の先生だし、まさか筆記試験? 座学は勘弁してほしいところだ。

「紹介致します。こちらわたくしが教鞭に立つ授業を受けている生徒、カツオさんとミキエさんです。彼らのポケモンを全て倒すことができたならば、あなたと戦いましょう」

 紹介し、ツツジさんは二人の生徒の背中を押して、二人は俺の前に出てきた。そして、それぞれ俺に挨拶をしてくる。

「っす! よろしく挑戦者! 俺がカツオだ! ツーちゃんのところには行かせないぜ!」

「カツオ、先生のことはツツジ先生と呼ぶのよ! すみません、私はミキエっていいます。ツツジ先生のためにがんばります!」

 二人とも当たり前だけど、教師が同じでも振る舞いが全然違う。男の子の方は生意気そうで一見問題児のように見えるが、ツツジさんの前に立って庇うように手を開いている。かわいいものだ。

 女の子の方は言葉だけ聞くとツツジさんのために言っているように感じられるが、時折チラチラと向けるツツジさんに向ける視線は好戦的だ。嫉妬しているのか、単純にポケモンバトルの才能の差が悔しいのか、俺には分からないが見ていてなかなか楽しいん。

「それでも、ジムチャレンジに挑戦いしますの?」

「はい。もちろんです!」

 ツツジさんはこくりと頷き、一人の男性がやって来た。見た目からしてジャッジだろう。

「それではこれより、挑戦者シャモのカナズミジム、ジムチャレンジを開始します! 一人目、生徒カツオくんと挑戦者シャモは、バトルフィールドへ!」

 俺と男の子…カツオくんは改めてフィールドを挟んで相対した。

「ツーちゃんに良いところ見せてやるぜ!」

「悪いけれど、キミの恋路を邪魔させてもらう!」

「両者ポケモンを!」

 審判が旗を振り上げ、

「スバメ!」

「イシツブテ!」

 振り下ろす。

 イシツブテは名前の通り、茶色の石のつぶてのような形をしており、顔に当たる部分の横からこれまた岩石質な腕が生えていた。

『イシツブテ、がんせきポケモン。タイプ:いわ、じめん。石ころと見分けがつかない。頑丈な体を仲間とぶつけ合い硬さを競い合う』

「それでは、バトルスタート!」

 開始と同時にカツオが先手を打ってくる。

「イシツブテ! たいあたり!」

「なきごえこうげき!」

「スバーッ!」

 とても音の高いさえずりにイシツブテの突撃が一瞬緩む。俺は隙を突くためになきごえを指示したわけではない。

「きあいだめ!」

 スバメは身体中に力を込めて、熱量を上げた。

 きあいだめ。全身に力を付けて、集中力を研ぎ澄ます変化技。その効果は、攻撃を急所に当てやすくすること。

「つつくこうげきだ!」

「イシツブテ、負けるな! まるくなる!」

 まるくなるは文字通り体を丸めて防御態勢になる変化技だ。イシツブテは腕を交差させて攻撃に備える。

 が、無駄だ。

「スバメ、そのまま突撃!」

「スバッ」

 きあいだめ。この技の恐ろしいのは、防御を無視することだ。

 交差させた腕をすり抜けて、スバメのくちばしがイシツブテの体に突き刺さる。その体が後方へ跳ね飛び、態勢を崩す。

 イシツブテが起き上がる前に、俺は追撃を指示した。

「でんこうせっか!」

 スバメは体をひねり、高速でイシツブテに接近し、攻撃を加えた。イシツブテはバタリと倒れた。

「イシツブテ戦闘不能、よって勝者、チャレンジャーシャモ!」

 まずは一勝。敗北したカツオくんは俯きながらフィールドを出ていき、ミキエちゃんが代わりに入る。少しやりすぎたか? と思っていると、カツオくんはキッと顔を上げて睨み付けてきた。

「次は負けねーから! 絶対倒す!」

 あの様子なら大丈夫だったかな。悔しそうではあったが、心が折れたわけではない。

 俺は目の前の対戦相手、ミキエちゃんを見る。彼女もまた俺のことを険しい顔で見ていた。まあ、カツオくんを一方的に倒してしまったわけだし、当然か。

「あなたを倒します。ツツジ先生のところには行かせません!」

「それは本音かな?」

「両者ポケモンを!」

 スバメの体力は減っていない。このまま続投でいいか。

「ココドラ!」

「スバメ!」

 審判が旗を振り下ろし、

『ココドラ、てつヨロイポケモン。タイプ:はがね、いわ。鉄鉱石やたまに鉄道のレールを食べて体を守る鋼の鎧がつくられる』

 試合が始まる。相手ははがねタイプ、果たしてスバメでどれだけダメージを与えられるのか。

「でんこうせっか!」

「かたくなる!」

 スバメは身をひねって突撃する。しかしココドラにはほとんど効いていないようだ。そして、かたくなる。まるくなると同様、防御を上げる技だ。

 きあいだめをしてイシツブテのときのように急所に当てるか? いや、相手はいわ以外にはがねタイプも併せ持っている。スバメの攻撃はほとんど通らないだろう。

 ここは、切り札を出すしかないか。

「戻れ、スバメ。そしてゆけっ、ミズゴロウ!」

 いわタイプのジムで、みずタイプのミズゴロウは切り札になる。攻撃をなるべく受けたくない。

「ココドラ、たいあたりよ!」

「ミズゴロウ、走って逃げろ!」

 ココドラが突撃を開始する。同時にミズゴロウはココドラと同じ方角に走り始める。

 そうだ、距離を取るんだ。遠距離から攻撃をしかけて、一気に倒す。

「ミズゴロウ、みずでっぽう!」

「かたくなるで防いで!」

 ココドラが体を強張らせるが、ミズゴロウの攻撃を受けて態勢を崩す。

 かたくなるはあくまで物理攻撃に対する防御を上げるだけだ。みずでっぽうや、ひのこ、すいとるといった特殊攻撃の技に関しては意味をなさない。

「みずでっぽう!」

「だったら、メタルクローよ!」

 ココドラが爪を出して突っ込もうとし、みずでっぽうに阻まれる。それを切り裂くようにして小さな体が駆け抜ける。

「パンチだ!」

「ええっ!」

 ココドラの爪を掻い潜り、ミズゴロウは後ろ足だけで立ち上がり、ココドラの額を殴り付けた。

 砕けたのはココドラの鋼の頭。

 いわくだき。いわ、そしてはがねに対して抜群をとるかくとうタイプの物理攻撃技。ミズゴロウはここにきてさらにいわタイプへの打点を手に入れた。

「ココドラ戦闘不能! よって勝者、チャレンジャーシャモ!」

 俺はミズゴロウをボールに戻し、フィールドを出た。

「あなた、すごいですね。パンチって指示をしたのは、まだいわくだきを覚えさせていなかったからですか?」

「まぁ、そうなるね。ミズゴロウのレベルを信じた賭けってところだよ」

「…はぁ。でたらめなやり方ですね。でもね、悔しいけれどツツジ先生には勝てませんよ」

 悔しいけれどって言うところがなんとも可愛らしい。

「勝つさ。俺と俺のポケモンたちは」

「ふんっ、さあ、奥の部屋に行くといいわ。先生が待ってますから」

 奥の部屋は天井以外全ての面が土に覆われた、湿っぽくて涼しい部屋だった。フィールドと白線の向こう側にはツツジさんが待ち構えており、俺が入ってきたのに気づくと、不適な笑みを浮かべた。

「やりますのね、あなた。では約束通り、私への挑戦を許しましょう」

 ツツジさんが審判にアイコンタクトをすると、審判がルールを説明し始めた。

「使用ポケモンは両者2匹のシングルバトル。お互いのポケモンが全て戦闘不能になるか、あるいはどちらかが降参することで勝敗を決します。回復アイテムの使用は禁止です。両者、よろしいですか?」

「ええ」

「大丈夫、です」

 初めてのジム戦で緊張したのか、俺の言葉が少しだけつまった。涼しい部屋のはずだが、体が熱い。いや、汗が出て、むしろ皮膚の表面は寒いくらいだ。

 なんだこれ。

 めちゃくちゃワクワクしてきた。

「それでは両者、最初のポケモンを出してください」

「頼みますわ、イシツブテ!」

「行くぞ、ラナ!」

「バトル、」

 俺とツツジさんは同時に腕を振った。まさか、お互いいきなり攻撃をするつもりだったとは。

 つまり初撃が重要になる。

「スタート!」

 

 

 

レポート

九月六日 カナズミシティ

 

 

手持ち

 

LV10  ラルトス

 

LV14  ミズゴロウ

 

LV11  アゲハント

 

LV8  スバメ

 

図鑑

15匹(新:イシツブテ、ココドラ)




中学版との違い
いあいぎり道場なんて無かった(いつもの)。
ジムトレーナーもいなかった。仮にいたとしてもココドラは出していなかった(この話を書くにあたって、ホウエン地方のポケモンは一通り出したいという目標があるため)。
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