既にカレー狂いとかムゲン団とか物騒なワードが飛び交う彼女ですがヤベー奴なのは言うまでもないよな!
皆さんは第八世代をご存知だろうか?
ソード、シールドと呼ばれる作品名でタイトルにちなんだ2匹の英雄ポケモンが出てくるお話である。
因みにコクトはポケモンを社会人になって再開する際、一年前に3DSで買ったまま未プレイだったウルトラサンが残ってた為にソードを買う前に急いでクリアした思い出がある。
何せカプ・レヒレという水・フェアリーのポケモンが個人的に好き過ぎてソードやるより先に厳選したいと思わされたポケモンがいたのだ。
脱線したので戻すと第八世代ではメガシンカとZ技が消滅した代わりにダイマックスと呼ばれるポケモンの巨大化を3ターン限定だが可能にした世代である。
当時のガルーラなどのメガシンカポケモン達から環境が一気に激変した時代とも言える。
そんな中でコクトは現在自身の弟子である一人の少女と旅をしていた。
緑のニットベレー帽、ピンクのリボンにワンピース、グレーのニットパーカーを着た少女の名はユウリ。
ガラル地方のポケモンチャンピオンである。
先日チャンピオンになった後もコクトと共に厳選を怠らないガチトレーナーである。
今日はワイルドエリアにある巣穴で高個体値のポケモンを厳選しており、昼休憩ということでキャンプをしていた。
「師匠、今日一日の食事当番は私にさせて下さい!」
「いや当番制なんだから交互で良いだろう?」
「師匠は私の勉強やサポートして貰ってるんですから!食事位私一人でやりますよ」
「そう言って一日三食カレーにするつもりじゃないだろうな?」
「ソ、ソンナコトナイヨー」
「おいこっちを見て話せ」
目を逸らしてカタコトで話すユウリにコクトはため息を吐く。
今朝はユウリの希望で朝食からベジタブルカレーという軽食にはちょっと重い食事であった。
つまり、一日分の食事当番をしたいのは師匠であるコクトの負担を減らす建前で、一日三食カレーを決行したいという下心なのは見え見えであった。
彼女の特徴はカレー狂いである。
常に最高のカレーを探求すべく、水筒にスープカレーを常備して調味料感覚に何でもカレーを混ぜようとするキチガイだ。
先日は外食でデザートで注文したアイスにカレーをぶっかけようとして慌てて止めたのは懐かしい。
他にもユウリの知人からはティータイムでスープカレーを用意するキチガイっぷりから「ユウリのティータイム誘いには気を付けろ!」と畏怖されている女だ。
因みにあのどんな欠点すらも美点と褒めてくれるポップをして、「ユウリ、ティータイムで毎回スープカレーはちょっと引くぞ……」
とまで言わせた人物である。
「師匠、現在ガラルでは空前絶後のカレーブームです」
「そうだな」
それは事実である。カレーは作りやすく、失敗もしにくいことからキャンプでは人気の料理だ。
「でも一日一食じゃカレーの探求への時間が足りません」
「別にユウリのカレーは美味しいんだから良いだろう?」
「本当ですか!?……あ、じゃなくて美味しいの探求は常に行うべきですよね!」
一瞬パアッと笑顔を咲かせたユウリだが、ユウリの意思は硬いのか探求をしたいと言い出す。
まあ一週間位なら良いか良いだろうと妥協案を出すことにするコクト。
「つまり、ユウリは一週間三食カレーにしたいと…」
「寧ろ365日カレーで良くないですか?」
「良くないに決まってるだろうが、このカレー狂い」
「あれー?」
サラッと想定を上回る狂気を口にしたので拒否したコクト、対しておかしくないよね?…ときょとんとしているユウリ。
だが嘗めてはいけない。コイツはガチである。前に体調不良の際にその間だけ料理当番を任せたら、治るまでの三日間全食カレーを決行してきたカレー狂いである。
逆にユウリが風邪で寝込んでいた際、カレーが食べたいとうめき声を上げ続けていた程のカレー狂いなのだ。
彼女がアニポケに同行したら『料理=カレー』というレベルまで変革する食事テロリストだ。
そりゃあポケモンアニメなのに、料理の全てをカレーにしたら流石に問題になるから同行拒否されるよなぁと理解したコクトである。
「身体の60%が水分なんですよ!つまりカレーは食生活において必須なんです!」
「いや幾ら何でも偏るだろう」
「大丈夫です!私が編み出した一週間のカレーメニューなら栄養バランスもバッチリです!」
「その努力を別の方向に向けろよ」
ムフンっと胸を張るユウリに突っ込むコクト。
カレーだけで栄養バランスを維持するとか並大抵の努力では無いだろう。
まあ一般人には迷惑でしか無いのだが……
「じゃあ俺は暫く、ユウリと別行動な。流石に一週間以上のカレーは飽きが来るからな」
「えぇ!?駄目ですよ!そんな師匠がいなくなったら……私……」
涙目でこちらを見るユウリ。まるで見捨てられたように縋る姿に一瞬罪悪感が湧くコクト。
「私と一緒にカレーパーティやってくれる人はもう師匠しかいないんです!見捨てないで下さい!」
「うん、一瞬でも罪悪感感じた俺が馬鹿だった。好きなだけ一人でカレーパーティしてなよ」
「わぁーん!分かりました!もう毎日カレーなんて言いませんから見捨てないでぇ!」
コクトにしがみつきながら叫ぶユウリ。
因みにこのワイルドエリアには他のポケモントレーナーもいるのだが、ユウリのカレーによるティータイムの洗礼を受けた被害者ばかりなので、同情する人は皆無である。
因みに先日やって来た新人トレーナーはコクトに彼女を見捨てるなんて最低だぞと宣って来たので、コイツを押し付けた三日後にはカレーにトラウマを覚えた新人トレーナーが涙目になりながら謝罪してきたのは余談だ。
ワイルドエリアでカレーが断絶した場合、原因はユウリなのは言うまでもなかった……
「今回は何を厳選したいんだ?」
「エースバーンが対処出来ないのが多いひこうタイプ系に対策出来るポケモンが欲しいです。エレキボールは特殊タイプで火力があまり出ないので……」
変人とも言えるべきユウリだが、ポケモンバトルにおいても天才というべき才能を持つ。
何せ彼女はエースバーン一匹でチャンピオンまで上り詰めた神童である。
無敵のチャンピオンと言われたダンデすらもエースバーンの一匹で6タテしつくし観客を唖然とさせた。
エースバーンのリベロによるタイプ変化を完璧に使いこなしたユウリは読み合いにおいて無類の強さを発揮し勝ち続けたのである。
あまりの一方的試合で八百長を疑われたせいで渋々師匠であるコクトがユウリとエキシビションマッチをさせられた位である。
当時のユウリのパーティはエースバーン、ムゲンダイナ、ウーラオス連撃の型、アーマーガア、オーロンゲ、ストリンダーというバランスの良いパーティだった。
直感でバランスの良いパーティを構築したのはユウリがポケモントレーナーとしての才能が高いと言える証だ。
「ひこうタイプの弱点は攻める時には岩、氷、電気が弱点だが、受けるのに有効なタイプは覚えているな?」
「電気、岩、鋼タイプですね。攻め受け両方やるなら電気か岩タイプが良いです」
「そうだ。電気、岩なら苦手なひこうタイプ相手に一方的に勝てる。だがひこうタイプは単タイプが少なく複合タイプが多い」
「そうですね。ドラゴン+飛行やノーマル+飛行が多いですよね。まあノーマル+飛行は飛行タイプの弱点補完出来ないから置いておくとして、電気+飛行とか地面+飛行だとエースバーンは弱点付けないですから」
ポケモンは一度に四つの技までしか覚えさせることが出来ないのだが、ポケモンセンターで技の思い出しや各地にある教え技によって様々な技を覚えさせる事ができる。
ユウリはエースバーンで勝ち抜く為に覚える技を完璧に把握しており、仮想的のタイプまでサラッと言える。因みに彼女はサンダーやランドロスとは遭遇したことはない。
つまり今のタイプは彼女が机上論で対策出来ないと思い至ったタイプを口に出したのだ。最早予知レベルかよと言いたいレベルである。
「(恐ろしい才能だ。予知とも言える先見性を除いても俺があの域に到達したのは第三世代から第四世代に入る前……つまり四年近く掛けたことを身に着ける学習速度……やはり主人公だな……)」
コクトのポケモン廃人としての才能は優れたものではないが、経験や知識に置けるアドバンテージがこの世界ではある。
だが主人公という存在はその知識の吸収や上達速度が桁違いなのも事実である。
「師匠どうかしましたか?」
「いやユウリがポケモントレーナーとして成長したなと実感してたところさ」
「え、そうですか?師匠に褒められるのは嬉しいですね」
「向上心を持つのは大事なことだ。ポケモンバトルの鉄則は覚えているな?」
「はい。『ポケモンバトルにおいて勝因はポケモンのお陰、敗因はトレーナーのせい』ですね」
「そうだ。厳選や育成を終えたポケモンは最高のポテンシャルを発揮してくれる。後はトレーナーの指示一つで勝ち負けに繋がるんだ」
「確かにそうですよね。あ、でも命中率は本当に運ゲーですよね」
「命中率100以外は、運が絡む。俺の運命力だと良くて90%だ。それを下回ると致命的なタイミングで外すからな」
「私もトドメの一撃の際に外した際にはショックでしたね〜。危うくエースバーン落とされるピンチは何度かありましたし……」
「話が脱線したな。まずはワイルドエリアで岩、電気、鋼タイプを探してみようか」
「はい!」
そうして二人はワイルドエリアで厳選作業を再開するのだった。
ユウリ
…本作では365日全部カレーを推奨する程のカレー狂い。キッパリ断らないとマジで実行してくるので対策必須なキチガイである。
因みに本編だと夢エースバーンによるガラル壊すをやってのけた天才である。
ルール無用の野良試合なら場所を問わず全ポケモンダイマックスとかやりかねないダイマックスへの才能を持ってたりする。
比較的平和なエール団じゃなかったらダイマックス軍団による蹂躙とかあった模様。