女主人公はまともじゃねぇ!!   作:クロアブースト

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トウコちゃんマジブラック!(挨拶)

この一言を言わせたいが為に本編のトウコちゃんはぶっ飛んでます。

【警告】
第5世代の闇であるビクティニ道場やタブンネボムが出てくるので苦手な方はブラウザバック推奨。
意味を知らない方は簡単に言うとプラズマ団仕事しろ!というべきポケモンへの仕打ちなのでそういうのが苦手な方はブラウザバックをお願いします。


漆黒の英雄 トウコ(BW)【閲覧注意】

皆さんはビクティニ道場やタブンネボムをご存知だろうか?

ビクティニ道場とはビクティニを捕まえない限り、部屋を出ると何度でも復活し、倒すとHPの努力値を+3も与えてくれるHP努力値稼ぎには持って来いな場所である。

因みにコクトは当時それを知らず、ビクティニを即ゲットしてしまったので、お世話になった経験は無い。

タブンネボムは経験値の高いタブンネを倒して経験値稼ぎを行うことだが、今回は余り関係ないので詳しい経緯は省略する。

 

重要なのはコクトの弟子であるトウコがリバティチケットでビクティニと対峙した瞬間、ビクティニ道場を本能的に思い至ったことである。

 

「師範!お願いします!メタグロス!大爆発!」

「きゅきゅわわーん!!」

 

ズドーン!と部屋をメタグロスの大爆発の閃光が埋め尽くしビクティニの悲鳴が上がる。

勿論レベル15程度のビクティニでは耐えられる筈もなく戦闘不能である。

 

「さて、今日はどんどん行くわよ!」

「やめたげてよぉ!」

 

トウコに縋りついて悲鳴を上げて止めようとするのはプラズマ団の下っ端の男性だった。

プラズマ団が壊滅させられてもここに残り、トウコがビクティニ道場で努力値稼ぎをする度に必死に止める人だ。

 

「何勝手に抱きついてんのよ!私に触れて良いのは師匠だけなんだから!」

 

セクハラかまして来たプラズマ団の下っ端を鬱陶しそうにゲジゲジと足で蹴飛ばすトウコ。

これどっちが悪なんだか分からねぇな。

 

トウコさん、マジブラックと改めてコクトが思った瞬間だった……

 

 

 

「良し、ナットレイのHP努力値は完了ね。行きましょう師匠」

「あ、ああ……」

 

その惨状にドン引きせざるを得ないコクト。

元ポケモン廃人だったコクトも努力値稼ぎの為に野生のポケモンを倒したりするのは日常茶飯事なのだが、ビクティニ一匹に長時間倒し続ける行為には思わず涙を禁じ得なかった。

まあビクティニに優しくしてやろうと思いながらもHPの努力値稼ぎの為にセッカシティでマッギョ狩りをやる辺り、同じ廃人思考なのだが……

 

皆さんは第5世代をご存知であろうか?

ブラック・ホワイトという作品がそうである。黒の英雄ゼクロムやら白の英雄レシラムが出てくる作品である。

その作品の女主人公なのが、現在イッシュ地方で一緒に旅をしているトウコである。

 

アララギ博士から何時もの如く、当時新人女性トレーナーだったトウコを押し付けられたのがコクトとトウコの出会いであった。

 

え、一緒に旅立ったベルは?

あの娘は幼馴染のチェレンと一緒に二人旅してるよ。

トウコが旅立ちから一週間で「ベルがチェレンのチェリーを食べちゃった」とかいう変なダジャレっぽいことを聞いたが、まさかと思いつつ気にしないことにした。

カラクサタウンで再会したチェレンがゲッソリしていたとか、ベルが下腹部辺りを愛おしそうに撫でていたのはきっと目の錯覚である。

目を背けたい真実だってきっとあるんだよ……

 

 

「そういえばトウコ、ビクティニは捕まえないのか?」

「え、だって捕まえたら勿体無いじゃない。ビクティニ道場より美味しい狩場はないわよ」

 

コクトはトウコへビクティニ道場の話などした覚えは無いのに、ビクティニ道場というワードを独力で導き出すからNに『漆黒の英雄』とか言われるのである。

 

かつてポケモンリーグにNの城が出現した際、ゼクロムに対抗すべく復活したレシラムはトウコに従うのを拒否した。

ポケモンの言葉が分かるNから「君は黒を通り越した漆黒だから従う気はないと言ってるよ」と言われてトウコはじゃあ努力値稼ぎの為に倒そうと決行。

しかしレシラムは倒しても経験値が貰えずに復活するので努力値が貰えない。

これでは努力値稼ぎに使えないなと思ってたコクトだが、トウコは違った。

 

『じゃあ貴方が二度と復活する気が無くなるまで戦闘不能にするわ』

 

Nもコクトも唖然とさせられた。何せ努力値稼ぎという意味があるならともかく、君が復活しなくなるまで戦闘不能にするのを止めないとかキチガイの所業である。

しかもトウコは足りなくなるPP回復の為に今まで使わずに残ってたピーピーエイド系を取り出してまでレシラムの心を折ろうとしたのである。これは言うまでもないただの私怨だった。

余りの所業にNが「君はトモダチになんて酷いことをするんだ!」とゼクロムでトウコを止めるべく攻撃するが、トウコは「邪魔」と片手間で呼び出したドリュウズの地震一回でゼクロムを戦闘不能にした。

せっかく苦労して復活させた伝説ポケモンをそんな片手間に殪されたショックからか、Nは膝を付き、

『これが漆黒の英雄の力……なのか……』

と一人項垂れていた。そして漆黒の英雄の名付け親はNから始まるのである。

 

Nが負けた後にゲーチスが現れ、高々と語るもトウコは無視してレシラム狩りを決行し続け、無視にキレたゲーチスがサザンドラを出すも、トウコはまたもや「邪魔」と今度はコジョンドにとびひざげりを指示して片手間でサザンドラを倒す。

自分が片手間で倒されたショックからなのか、ゲーチスも膝を付いて、

『フフフ、これが漆黒の英雄……私以上に恐ろしい人だった……』

と勝手に戦意喪失していた。勝手に仕掛けて勝手に崩れ落ちる様で親子が似ていたのであった。

そしてレシラムを倒す片手間でプラズマ団親子を倒したトウコはイッシュ地方の人々から『漆黒の英雄』と呼ばれることになる。勿論トウコにとって不本意なのは言うまでもないだろう。

因みに100を超えた辺りでレシラムが可愛そうだったので、トウコを止めたらレシラムが俺に感謝から自ら捕獲されるという事が起こった。

伝説ポケモン捕まえた感動よりも、コイツここまで弱ってたんだなという同情心が強かったのである。

 

脱線したので話を戻すと、ビクティニ道場を知った切欠はビクティニとの初見の戦闘で捕獲のHP減らしをミスってビクティニを間違って倒してしまった時である。

そして図鑑で確認してHPの努力値+3を知った途端に捕獲を止めて努力値狩りに切り替えるポケモン育成のセンス。

やはり女主人公のポケモンに関する才能は脱帽としか言いようがない。

 

まあチェレンやベルから「トウコちゃんマジブラックだから気を付けてね」と警告された理由を思い知った瞬間である。

 

他にも最初に言ったタブンネの経験値からタブンネボムを導き出して旅の途中で経験値稼ぎしたい際は積極的にタブンネ狩りを行ったり、プラズマ団を見かけると小遣い稼ぎが目的なのか一人残らず倒して「おら、ジャンプしなさい!もっと金持ってるでしょ!」とお守り小判片手に金を巻き上げたり、……いやこれはトウコに限らずトレーナー皆やってたので関係なかった。

 

 

トレーナーとしての資質を話すなら育て屋の話をしたら「『ほのおのからだ』と『そらをとぶ』を両立したポケモンはいないの?」と話してもいないウルガモスというポケモンに行き着いた神童である。

そしてウルガモスの存在を知ったら早速古代の城に向かう辺りが廃人思考とも言えた。

 

他にはトウコが廃人ロードを極め尽くしたのか、ギアステーションにおいて目を瞑っていてもタマゴ5個を抱えながら一周し続ける特技まで身につけた。

いや、目を瞑って一周凄いのは分かるけどこれ会得しちゃ人間としてヤバいだろ…とコクトが思ったのは秘密だ。

因みにこの時点のコクトは知る由もないが、第七世代の女主人公であるミヅキは厳選の為なら激突孵化を躊躇いなく行うというトウコ以上のインパクトを持つ特技があると思い知るのであった。

 

 

あの後、ナットレイを物理受けという物理攻撃への耐久力を上げる為に防御の努力値稼ぎをした。

防御努力値のポケモンが多いヤグルマの森で一通り努力値稼ぎをしたトウコが満足したのでコクトとトウコはホテルへ戻って来ていた。

そしてトウコはホテルのベッドで胡座をしながら、う〜ん…っと身体を伸ばしながら呟く。

 

「あ〜、かげふみシャンデラとかいないかしら?」

「シャンデラの夢特性はすり抜けだからなぁ。残念ながら無理だな」

「もしかしたらいるかもしれないわよ?」

「いたら改造の類でレギュレーション使えないだろう」

「そうね。使えないんじゃ意味ないもの」

 

廃人思考の一つでバトル施設で使えないポケモンには無関心というのがある。

俺もバトル施設でルビーで捕まえたグラードンなどの伝説がポケモンが、使えないと知ってから価値観が変わっていった。

自然と育成が禁止伝説のポケモンから準伝説と呼ばれるバトル施設で可能なポケモンや孵化厳選のポケモンが中心になっていったのである。

トウコもレシラムを俺が捕まえた当初は、「フッ、とんだチキン野郎ね」とレシラムを小馬鹿にしてたが、それ以降はレシラムに対してトウコから何かはしなくなった。

好きの反対は無関心というようにトウコにとってレシラムとはいてもいなくても構わない存在なのであろう。

そしてトウコは冷蔵庫を漁りながらコクトに尋ねる。

 

「ねぇ師匠、イッシュ地方で格闘タイプで強いポケモンいないの?」

「コジョンドが高速アタッカーだが、火力なら火炎玉で火傷にした根性ローブシンだし、他だと三闘かな」

「あ、アイスあった……三闘、何それ?」

「4足歩行のかくとうタイプの準伝説ポケモンのことだ。コバルオン、テラキオン、ビリジオンだな」

「へ〜、はむっ……ほのこはひつよいの(その子達強いの?)」

「アイス咥えながら喋るなよ……」

「ちゅぼっ…別に良いじゃない。あ、アイスを扇情的に咥えてあげようかしら?」

「食べ物で遊んでないで普通に食べなさい」

「は〜い。分かったわ、おかん」

「誰がおかんだ」

 

トウコの悪ふざけを諌めながら三闘の説明をするコクト。

因みに幻のポケモンでケルディオもいるのだが、幻のポケモンはバトル施設では使えないのでコクトは話題には上げなかった。

 

「じゃあその三闘の捕獲したいわ。師匠はレシラム捕まえたから良いでしょ?」

「良いよ」

「良し!」

 

ガッツポーズをするトウコ。前向きなのも彼女の美点である。

 

「他にやりたいことはあるか?」

「う〜ん、何か出番を奪われた気がするからソウリュウ娘辺りをやっつけたいかなぁ」

「それはやめて差し上げろ」

 

コクトはトウコさんマジブラックなのを再確認したのであった。




トウコ
…黒い英雄ならぬ漆黒の英雄。ビクティニ道場、タブンネボム、ノーヒントから思い至った怪物。
その所業からやめたげてよぉが連想される。
育て屋の情報からウルガモスを予想したり、レシラムの心を折りながらN騒動を片手間で片付けた英雄。
時々黒い時もある。

激突孵化
…ケンタロスでダイレクトアタック!
しかし育て屋のお姉さんとミルタンクには効果が無いようだ。孵化作業最高効率の一つ。他には回転孵化とかあったりする。

ソウリュウ娘
…トウコを差し置いてアニポケヒロインに昇格した出来る娘。但し第5世代のゲーム版と異なり、「子供ねぇ」とからかう特性を身に着けてたりする。
このトウコと出会ってそんな台詞を言ったらリアルファイト不可避である。
因みに彼女はスーパーマサラ人に匹敵するスーパーソウリュウ人である。

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